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「Bad Day それでもボクはやってない」 ★★★★★<内容> 何ごとにも不器用な男マーク。ある日、自宅で次々と同居人や訪問者(や飼い犬)が死んでいく。天井からシャンデリアが落ちてきたり、転んだはずみで工具が首に刺さってしまったりと、全て悪運による偶然の事故ではあるものの、マークは自分が殺したと疑われてはタイヘンと、ひとりパニクってしまう。そして事態はますます複雑に。 予告編 日本未公開<感想> こうゆうブラックコメディは大好きだし、満点五つ星。脚本がよく書けてる。 極度にドタバタ劇となる寸前で抑えてあり、日本映画やアメリカ映画では絶対に観られない鋭くもひねくれた笑いの感覚。人が死んでくから基本的には怖いはずなのに、やっぱり可笑しい(←こわおかしい)。脱力系の乾いた雰囲気を頑なに維持しているのはお見事。 次に死ぬのは誰なのか勝手にワクワク期待しながら観た。墓穴掘って泥沼にはまっていく主人公を救いたくなるというよりかは、彼の置かれている苦境を嘲笑してしまう。自分のなかのそうゆう残酷で非情な部分に気づき慌ててしまったりも。 ダニー・ボイル監督ユアン・マクレガー主演「シャロウ・グレイブ」(1994英)やヒッチコック作品を髣髴とさせるよーなさせないよーな佳作。
Jul 31, 2010
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リスト博物館にて(2010年5月、ハンガリー、ブダペスト) 素朴な疑問。ピアノの鍵盤数って、いつ頃から全88鍵(約7オクターブ半)になったんでしょうか。19世紀後半ぐらい?←チョー当てずっぽう ってゆーか、ピアノってほんとに88鍵も必要なんでしょうか。 いくらなんでも多すぎやしないかと思うのであります。 いや、全く使われることのない音も「共鳴」用としても陰で活躍してるのかもしれないし、やっぱり88鍵というのは妥当? 連弾を目的とした100鍵近くある特注ピアノも存在するという噂も耳にしたことがあります。 ま、ピアノはずばり楽器の王様。この世に存在する音で、人間の耳が識別できる高低限界の音まで全て網羅できる楽器が、やっぱりひとつぐらいなきゃいけないとは思います。それがピアノなのであります。 使われてない鍵盤がいっぱいある!とかいうビンボーくさいツッコミを入れるのはお門違いか。 去年、日本在住の甥にピアノを買ってあげたのですが、彼ってば、どのドが「真ん中のド」なのかいまだに混乱している模様(笑)。鍵盤がいっぱいありすぎて目を白黒。 さて、僕自身の場合、実はフル鍵のピアノは所有してなくて、76鍵の卓上型電子キーボードを使って遊んでます。 76鍵しかなくても全く問題なし。むしろ重宝してます。何泊かの小旅行に車で出かけるときは、トランクに無造作に突っ込んで「旅の友」として連れていきます。フル鍵のキーボードだと持ち運びが不可能に近い。 ラフマニノフとかリストとかをガン弾きなさっちゃうぐらいの実力のお方ならいざ知らず、僕には76鍵で充分すぎるぐらいなわけで。
Jul 29, 2010
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ウィーンの街角にて(2010年5月) 多少なりともバイオリンをかじる者といたしまして、ずーっと前から意識して追い求めつづけている命題があります。 「この世に存在するバイオリン曲のなかに出てくる音で、ザ・最も高い音は何か。実例を挙げよ。」(フラジオとか現代曲とかは除く) で、現時点での僕の結論といたしましては、エルガーの交響曲2番の1楽章。 第1バイオリンに出てくるGの音。四月にシカゴ響の定期を聴いてたときに、「ハッ、もしかして今の音……」と思ったのであります。 おそらくこのGより高い音は存在しないとは思いますが、今後も引き続き捜索しつづけてまいりたいと存じます。 ちなみに、オクターブ上げて弾け、と指示する場合、その音符群のうえに上掲の譜例のように8とか8vaとか記されます。これってオッターヴァ ottavaと読むらしい。僕はこれを子どもの頃から今の今まで「はちヴァ」と読んでました(笑)。 2オクターブ上げて弾け、は15ma (quindicesima)。まだお目にかかったことありませんし、お目にかかりたくもありません(ピアノ譜ならともかく、バイオリン譜では)。
Jul 26, 2010
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先日、メリケンカルテットを弾きました。 ドボルザークってば、チェロのパートをときどきト音記号で書くみたいです。 ややこしいことに、ここはそのままト音記号の実音で弾くわけぢゃなくて一オクターブ下げて弾きます。ってゆーか、ふつうの作曲家は、チェロに高音が出てくる場合はハ音記号(テナー記号)を使うはず。ドボ氏はちょっと変わった作曲家、と言えましょう。 チェロ譜に出てくるト音記号と言えば、去る五月にオケでベートーベンの合唱幻想曲とかいうのを弾いたときの話。あの曲には一瞬だけ首席の独奏による弦楽四重奏の部分があるのですが、チェロはト音記号で書かれてます。 これをもし実音で弾くとなると、ビオラやセカンドよりも高音になってしまうし、かと言ってドボルザーク流にオクターブ下げることを前提にするってのはベト氏らしくない。いずれにせよ不自然、不可解。指揮者とチェロ首席氏と野次馬連中(←ワタクシ)らで大論争になりました。 ま、ヘ音記号、ハ音記号、ト音記号の三つ全てを自在に読めなきゃチェロ弾きは勤まらないってことなのでしょう。ご苦労さまです。<追記> 僕なんて、けっこう長いことビオラを弾いてるけれど、いまだにハ音記号(アルト記号)には慣れません……。 筆者近影 ←最近気に入って着てるTシャツ(笑)
Jul 24, 2010
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「シミ抜き」 今日の練習、後半はなんとあの「アメリカ」。 いやー、やっぱ名曲。さすがはアメリカ、万人受けしそうなわかりやすい楽曲。黒人霊歌、出身国への郷愁、西部へと駈けるお馬さん、そしてもちろんお約束のハッピーエンディング。 自分にとっては、この曲弾くの、何年ぶり(何十年ぶり?)という感覚。ほかの三人にとっては得意中の得意な曲らしく、第1バイオリンのジョアナ氏なんて暗譜なさってた。 ってゆーか、あまりに有名すぎて飽きてしまって、もう弾きたくないとおっしゃる人も多く、僕は今までなかなか合わせる機会がなかった。もともと僕自身がドボルザークが苦手っていうのもあったし。 確かに多少なりともカルテットやる人だったら当然弾けなきゃいけない曲であり、いろいろと学べて弾きがいがある。内声の絡みかたとか、じっくり研究してみたいところ。 1楽章のペンタトニック(五音音階)は是非とも特筆すべきか。五音音階は、レとラを抜く「ドミファソシ」の沖縄のものとかも有名だけども、この曲では4番めと7番めの音を抜くいわゆるヨナ抜き音階。♭シとミの音(=ヘ長調でいう第4音、7音)が使われてない。
Jul 20, 2010
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「サウンド・オブ・サイレンス」 カルテットの練習をした。なかなか四人の予定と「やる気」が一致せず、自然消滅してしまいそうな雰囲気ではあるけれど、なんとか集結。ジョアナと僕(バイオリン)、エレン(ビオラ)、マーディ(チェロ)というメンツ。三ヶ月ぶり。 練習の前半はハイドンに取り組むことになってて、ファーストを弾く僕に選曲権があったので、The Jokeという題名のを選んだ。どこがどう冗談なのか実際にこの目この耳で確かめたかったし。 そもそもハイドンってば、「告別」とか「驚愕」交響曲などでも知られるヤリ手の演出家。はたしてこの曲も期待できるかも。 結論。技術的には難しくなく、それなりに楽しめるものの、「冗談」と冠するわりには可笑しい曲ではない。 種あかししちゃうと、この曲は「終わりそうで終わらない」とこが面白い。運命交響曲みたいなしつこい終わりかたという意味ではなく、曲の途中(特に終楽章の最後)に長ぁ~い休符が何度も出てくる。曲が終了してしまったかのように勘違いする聴衆が続出するに違いなく、そのへんがおそらく冗談と呼ばれるゆえん。 ま、お箸が転がってもラッキョウが転がっても全然笑えないお年頃の僕が言うのもナンだけれど、ほんとに当時の人びとはこうゆう音楽を聞いて大笑いなさってたのであらうか。 むしろモーツァルト「音楽の冗談」K522のほうがずっと可笑しいと思ふ。
Jul 20, 2010
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先週末に引き続き、今日も結婚式でバイト。バイオリン二つとチェロという編成で出演させていただきました。なんだかんだいってこの編成のほうがバイオリン、ビオラ、チェロの三重奏より演目を組みやすいように思います。←チェロ弾きはひたすら伴奏、って感じの曲が多くなるけど 花嫁さんが「あんまり宗教的な式にはしたくないし、非クラシック音楽を多めに入れてください」とおっしゃるので、Whole New World(ディズニー「アラジン」)、Take Five、In the Mood、My Fair Lady(踊り明かそう)、The Entertainerなどを弾きました。 でも、僕らはやっぱりクラシックも弾きたかったので、結局はがんがん弾いてしまいました。バッハの二つのバイオリンのための協奏曲2楽章とか。 ちなみに今日の式場は、なんと富裕層の集う会員制超高級ゴルフクラブ。設備もご立派っ。 ゴルフで一汗かいたばかりのお金持ち紳士たちが、招かれてもいないのにちゃっかり式に参列してました。 んでもって、式典終了後、おじさんたちってば次々と僕らのとこにやってきては、「今度わしの会社の創立百年記念式典で演奏してくんないかな」だの「うちの娘が結婚するんだけど」だのとのたまうのであります。 ま、いきなりその場で営業活動するのも目の前の参列者の方々に失礼だし、適当にあしらってしまいましたが、今思うと、お金持ちさんたちとは仲良くしておけばよかったかなー、などと後悔してます(笑)。 エレン(チェロ)、ピート(バイオリン)、僕(バイオリン)
Jul 17, 2010
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今日は結婚式で演奏させていただきました。二週間前と同じメンツ、バイオリン:クリス、ビオラ:僕、チェロ:アギー。 婚礼音楽ってだいたい似たりよったり、基本的に同じ曲を弾けばいいわけだからリハーサルは不要、と言い切ることもできるけれど、僕らってば強引にも毎回新曲を加えては己の首を絞めてます。懲りずに入念にリハーサル。 今回一番緊張したのはプッチーニ。ソプラノ歌手との共演で歌劇「つばめ」の「ドレッタの素晴らしい夢」とかいうアリアを演奏しました。これ、とぉーっても美しい曲。昔、アイスクリームだか化粧品だかのTVコマーシャルで流れてたはず。 さて、式自体は滞りなく進行してたのですが、新郎が誓いの言葉を述べる段になって、彼はいきなり感極まって号泣。普通にしゃべれば20秒ぐらいで言い終えるはずの誓いの言葉を、彼は嗚咽しながら5分ぐらいかけて頑張って愛を誓い切ったのであります。 我々はその直後に賛美歌の演奏を控えており、その間ずっと律儀に楽器を構えながらスタンバってたわけで(笑)。 心温まる結婚式でした。 本番後は出演者三人でピザを喰らいながらの反省会。今後もこの三人でやっていくのかどうか大討論。互いの欠点を指摘しあいながら(!)プチけんか腰……。
Jul 10, 2010
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「キャッツ・アイ」 ★★★★☆ かなり地味だけど良質のドキュメンタリー映画を観た。日本未公開。<内容> ニューヨーク在住の夫婦ハーブとドロシーの半生を取材。 彼らは特に裕福でもないフツーの市民。郵便局、図書館をそれぞれ退職し、今は猫とともに静かに老後を楽しんでいる。彼らは実は何十年にも渡り美術品をコツコツと蒐集しているニューヨークの美術業界では一目置かれている存在。自らの狭いアパートには蒐集品を収納しきれなくなり、ワシントン市内の美術館に作品を寄贈、今も引き続き個展などに足を運んでは気に入った作品を地道に購入している。 監督はどうやら日本人! 佐々木芽生(めぐみ)氏<感想> 興味のない人にとっては非常につまらない映画かもしれないのは確か。でも、美術品って、どーせ金持ちの人による投機対象、オイラとは縁のないもの、とひがんでしまいがちな自分にとっては、なんとも痛快ですらあった。こんな慎ましい生活を送ってる人たちが、実は膨大な美術蒐集家だったとわ。 作者とじかに会い、その作品の背景や作者の信念をも理解したうえで、自分の財力の範囲内で(これ大事)購入する。決して背伸びはしない。 「審美眼」。何ごともこれに尽きるのかも。 周りに踊らされず、自分の好きなものだけをとことん愛す。これって簡単なことのように思えて、現代社会では意外に難しいわけで(笑)。
Jul 9, 2010
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今日はアメリカの独立記念日。自分としては別に祝うつもりなんて全くないけど、宴は嫌いぢゃないし、誘われるままに今年はGさん宅で呑みまくりました。真っ昼間っから夜更けまで。遠くに花火を見ちゃったりもして。 ってゆーか、今日は楽器を弾く人が何人も来ることになってたので、いろいろと事前にメールでやりとりして、余興としてモーツァルトのクラリネット五重奏(全楽章)を招待客の前で披露することになってしまいました。リハなんてなし、ぶっつけ本番。どーせ奏者も客もみんな酔っ払ってるわけだし、細かいことは気にしない。Cl スティーブ、Vn1 ガリーナ、Vn2 僕、Va セス、Vc ヤッシャ。 基本的には和やかなホームパーティーではあったものの、僕自身、演奏のほうはかなり緊張しました。初対面、一緒に弾くのは初めてという奏者もいて、しかもみんなしてチョーお上手なんであります。ジュリアード音楽院ご出身のプロ中のプロという方もいました。とにかく音がデカい……。 モーツァルトのクラ5って、とにかく完ペキすぎて弾いてて疲れます。クラ協奏曲もそうだけど、2楽章なんて息が詰まって窒息しそうになるし。 今日は一流奏者の方々に囲まれて至福のときを過ごせたけれども、この曲は崇高すぎて自分にとって身分不相応な気もしてしまいました。 Vn ガリーナ(中央)、Vc ヤッシャ(右)
Jul 4, 2010
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「Rondo alla Zingarese ジプシー風ロンド」 今日のピアノ四重奏の練習後半は、(ほんとは五月末に練習するはずだった)ブラームス1番を強引に合わせた。 この曲の終楽章は「ジプシー風ロンド」。どこがどうジプシー風ロンドなのか、どう弾けば「らしく」なるのか、四人で多少もめながら練習する。 なにしろ今春ハンガリーを旅してきて、ジプシー音楽とは何かということについて激しく興味を持ってる昨今のワタクシなわけで。 基本的に三つの小節をひとまとまりとしてフレーズを捉え、しかし二小節がひと単位となることがたまにあるので、そこできちんと「つまづき感」を演出。この微妙な不規則性こそがこの曲の最大の特徴。 アクセントや装飾音符も強調し、裏拍をも大げさに。 ちょっとした心がけでずいぶん変わるもので、なかなか楽しい練習となった。 ブラームスって、お堅いドイツ古典派っていう印象があるけれども、実は彼の東っぽい一面をいろんな作品に垣間見られることができる。 ちなみにこの曲は思いっきり「ロンド」なので、単なるどんちゃん騒ぎに終始するのではなく、しっかり元のサヤに戻って同じことを律儀に繰り返す。
Jul 3, 2010
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「少年時代」 今日はピアノ四重奏として集う。マーラーの遺した(たぶん)唯一の室内楽曲を初見で取り組んでみた。Vn ローラ、Va 僕、Vc ジェーン、Pf セス。 これがあのマーラー大先生?というぐらいに拍子抜け。10分ちょっとの小品。簡単。16歳ごろの習作らしく、ま、この後あれらの交響曲群が生み出されていくことを思うと興味深い。マラ様って、普通は百人とか「一千人」とかで弾くべきであり、たった四人でちまちま弾くこと自体感動的ですらある。 二拍子と四拍子を行き来し、ピアノはひたすら三連符。 交響詩のような情景音楽っぽくもあり、アンコール用あるいは映画音楽に適してそう。バレエ音楽としても使えるはず。最後のバイオリンに出てくる一瞬のカデンツァ(なかなかかっこよい)の箇所で、主人公を劇的に自殺させて終わる、ってのもよろしいかと。←昼メロの観すぎ?
Jul 3, 2010
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