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「ノブレス・オブリージュ Noblesse oblige」 ウィーンの街角にて(2010年5月) 今日はピアノ弾きセスさんとのピアノ合わせの日。3か月ぶりぐらいでやや緊張気味。 本日のお題はベートーベンの第3ソナタ。 この曲、独りでバイオリンさらってて、何度挫折しかけたことか。ベートーベン初期のソナタって、1番も4番も5番も、とっても弾きやすくかつ名曲なので、この3番にも当然のように過度に期待してしまったのがそもそもの間違い。妙にコ難しいくせして弾き映えしない。技術的な難度がどうこうっていうよりかは、好みの問題。好きか嫌いかと問われたら、おそらく嫌いと答えさせていただきたく。 ま、ピアノと合わせてみたら意外に楽しめなくもない。終楽章ロンドとか。 いずれにせよ、この曲を(彼の2番もそう)好きくなれない理由は何故だろうと自分に問うてみる。 お上品すぎるのかなと思う。ベト氏のEs durは、無難で優等生的な名曲が多いような気がする。名曲なのに惹かれない。ザ・お上品ベートーベン。 英雄交響曲、皇帝協奏曲、ハープ弦楽四重奏曲、七重奏曲。ほかにもEs durの曲けっこうあったよーな。 ベートーベンをてっとりばやく楽しむには、当然ながら短調曲を派手にガン弾きするのが一番。弾いてても聴いてても決してハズレがなく、自己満足に陥れる。 一方で、こーゆう高貴なベートーベンもきちんと弾きこなせる人こそホンモノなんだろーなと思う。改めて自戒したりもして。
Aug 29, 2010
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今日は、ニューヨーク某演奏家団体及び後援会員の集う懇親会に極秘潜入してまいりました。 基本的に招待客のみが参加でき、それも協賛企業の社長さんだの多額の寄付をした富豪さんだのばかりが集まってて、思いっきり焦りました。 ってゆーか、会場のなかで一番若いのはおそらく僕だったのではないかと(←アラフォー)。暑いなか一応ジャケットは羽織ってたものの、それでもなんだか僕が一番軽装なような気もして落ち着きませんでした。 さて、今宵はまずは協賛企業さまから提供された葡萄酒なんぞ試飲しながら、なにげに来客の顔ぶれを確認。著名な指揮者やバイオリニスト、映画俳優、政治家さんなどが来てました。こっそりカメラを取り出しパパラッチごっこしたいとこを必死にこらえる僕(笑)。 つづいて団員さんたちによる室内楽の演奏会が始まりました。お上品にまとまった音楽で、当方はすっかり夢心地。直前に葡萄酒をガン呑みしてたこともあって激しく睡魔に襲われました。 演奏会後はそのまま晩餐会に。カリスマ料理人による創作料理フルコース。 なお、僕は幸運にもついさっき演奏してくださった方がたと同じテーブルで食事したので、いろいろ音楽的な話を聞かせていただけました。 彼らはジャンバティスト・ルイエ Jean-Baptiste Loeillet だかいうバロックの人の曲も演奏なさいました。僕自身全く聞いたことのない作曲家だったので、周りのみんなに「ルイエって誰それ?」と大声で聞いたら、会場が一瞬凍りついてました。 多少なりとも音楽をやる人だったら知ってて当然の作曲家らしいです。ほんとでしょうか。はじめて聞いたんですけど。 食事の最後にはマンゴチーズケーキ(!)がデザートとして振る舞われ、そして厨房から本日の料理人がご登場。みんな総立ちで拍手で氏の料理を称えたのでありました。
Aug 28, 2010
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「魔笛 Die Zauberfl?te」 今日の室内楽練習会/親睦会では、最後に参加者全員でブランデンブルク5番を大合奏いたしました(2楽章は除く)。いやー、混沌としつつもマジで楽しかった。独奏者は、ギリ(ピアノ)、ポール(フルート独奏をバイオリンで代替)、シャイ(バイオリン)。僕は弦楽合奏隊のコンマスを務めさせていただきました。 独奏のお三方、息もぴったり合っててお見事。 今回はフルートのパートをバイオリンで代奏してみたわけですが、これが良くも悪くも新たな発見があり、実に興味深いものがありました。 フルートとバイオリンが掛け合いとなる箇所は、はっきり言ってバイオリン二つのほうが耳に優しく、ステレオ効果が心地よい。ってゆーか、個人的には、フルートとバイオリンって音色が溶けにくいと思うのです。(オーボエ、クラリネット、ファゴットはともかく、フルートと合わせるのはすごく神経遣う。ホルンも!) ただ、この曲はドッペル協奏曲ではないわけで、フルートの役割を再認識しました。 フルートの立ち位置は(特に1楽章では)決してバイオリンと対等というわけぢゃない。弦楽合奏を従え、お仲間独奏者のバイオリン氏とも一応タメを張りつつ、一段上を歩き、お高く留まる感じ。独り異質な感じを演出する必要もあるので、やっぱりフルート(なりリコーダーなり)で演奏されるべきでしょう。 おんなじ高音楽器だからといって安易にバイオリンで置き換えてみてはじめて、笛の魅力、魔力がわかりました。←おおげさ?(あと、この曲の1楽章にはチェンバロの独奏が延々と続くとこがあります。これがチョーかっこよい。今日はピアノで演奏したものの、これもやはりチェンバロのほうが絶対に似合うわけで)
Aug 28, 2010
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「1Q84」 親しい仲間うちで室内楽祭りを開催。ビール片手に、過ぎゆく夏を惜しみながらの催し。 ってゆーか、オレってば、この夏は野山を駈け回ってばかりでバイオリンをほとんど触ってないかも。ヤバいなーと思ってるうちに今日がやってきてしまったわけで。 大胆にもエルガーのピアノクインテットに挑戦。Pf ギリー、Vln 1 自分、Vln 2 シャイー、Vla セス、Vlc フランシス。 エルガーおたく(=ワタクシ)にはたまらない作品。すごくいい曲だと思うのに、当初ほかの四人はなかなかつれなかった。ピアノのギリー嬢にいたっては「エルガーって誰?」とかのたまってるし。 今日は終楽章(3楽章)までは手が回らなかったものの、実際に五人で合わせてみて、もともとエルガーに興味の薄かった人もじわじわとエルガー教に洗脳されていった感じ。 こうやって互いのお気に入り曲を少しずつ共有して広めていくというのも、楽器や経歴や生い立ちの異なる室内楽仲間と遊ぶ魅力のひとつ。
Aug 28, 2010
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避暑と称して北国に逃避行ちゅう。ってゆーか、隣国カナダの大自然にいだかれ、しばし心を洗われており。 唐突ながら、これを機にカナダ出身の音楽家についてまとめてみようかと。 音楽家に限らず、カナダ人ってば、見た目はアメリカ人っぽいし、自国以外ではあんまりカナダ人として認識されてないような気もして、それもなんだか気の毒。てっきりアメリカ人とばかりこちらが思い込んでることも多いし。 さて、最も有名なカナダ人演奏家は誰だろうと考えてみるのだけれど、おそらく御大グレン・グールド。 ほかには、僕の認識してる限り、ララ・セントジョン、ジェームス・エーネス、ヤニック・ネゼセガン、セントローレンス四重奏団ぐらいか。 正統派(?)クラシックではないけれど、カナディアン・ブラスやカルテット・ジェラートという団体もある。 バラージュ(Barrage)という音楽団体は、こちら北米では「音楽界のシルク・ド・ソレイユ」として(一部で)人気がある。 カナダ出身の作曲家は、申し訳ないけれどもちょっと思いつかない……。 一方、ポップスだと、ジョニ・ミッチェル、ブライアン・アダムス、ニール・ヤング、アラニス・モリセット。 あとは、デイビッド・フォスター系列のセリーヌ・ディオン、マイケル・ブーブレとかか。 ばかでかい国のくせして人口が少ないので(確か日本の四分の一)、世界で活躍する音楽家を輩出する確率は少ないのは当たり前。そのぶん、ちょっとクセのある音楽家が多いように思う。
Aug 25, 2010
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「うちの親にかぎって」 ★★★☆☆<内容> 仕事や不倫を理由に離婚に踏み切る夫婦。そして困惑する思春期の息子たち。 主演はジェフ・ダニエルズ(名演!)、ローラ・リニーほか<感想> 大都会の片隅で平静を装い生活しながらも全くかみ合ってないバラバラ家族を描いてるという点で、「トウキョウソナタ」に設定が似てる。離婚した両親の間で揺れ動く息子(たち)という意味では「クレイマーvsクレイマー」的。舞台もニューヨークだし(但しマンハッタンではなくブルックリン)。 この映画、確かにニューヨークの日常をうまく再現してるし、感情移入して観られるアメリカ人は多いと思われ。 つまり、離婚歴があるのは別に珍しくもなく、しかも知識人/文化人、ユダヤ系の人たちってば自尊心だけは人一倍強い。なぜか家族や友人よりも、テニス指導員、相談員(心理カウンセラーとか)、ペットの猫などを心の拠りどころとして生きている。彼らはそれを素直に認めたがらないものの(笑)。 同監督の映画「グリーンバーグ」が良かったのでこの作品のDVDも借りたのだけれど、あまりに私小説風なのがちょっと鼻についたので三ツ星どまり。
Aug 15, 2010
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夏はなにかとクラシック以外の音楽に惹かれるわけで。 ネオン輝くアヤシイ音楽酒場に潜入してみたり、川岸で開かれる音楽祭をのぞいてみたりして、いろんなバンドの演奏を聴いてます。 昨晩は、僕の悪友であり呑み仲間である歌手兼キーボード奏者ビリーおじさんのライブを聴きました。彼のバンド員ってば50代とか60代とかのオヤヂたちばかり。昔のアメリカの大衆音楽がご専門。具体的には、ロカビリー、ブギウギ、ドゥワップ、スウィング系など(←細かいことはよくわからないものの)。 いわゆる「Post-war, Pre-Beatles」の時期の音楽が中心。 アメリカ大衆音楽の発展/変遷って、調べてみると意外にハマってしまいます。黒人白人の確執、国家が大戦で勝利したことによる昂揚、エルビス・プレスリーの存在、そして、その地域の風土、下町で当時流行ってた風俗特に舞踏文化との関係。 音楽的にもとっても活気があります。 昨日のライブでも、いい歳こいたおじさんたちが息切らしながら必死にシュビドゥバ♪だのドゥワッ、ドゥワー♪だのお歌いになってました。そんな彼らの姿を見て、最初のうちはなんか痛々しいよーな恥ずかしいよーな気もしたけれども、だんだん僕もノッてきて、結局はみんなと一緒にせっせと腰振って(?)踊っちゃってたのでありました。
Aug 10, 2010
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「偉大なる芸術家の思ひ出」★★★★☆<内容> モスクワ在住の元指揮者アンドレイは30年前の音楽仲間を強引に寄せ集め、オケを再結成。ちゃっかり名門ボリショイオケになりすまし、パリへと演奏旅行に向かう。演目はチャイコフスキーのバイオリン協奏曲。今をときめく若手バイオリニストを独奏者に指名し、ぶっつけ本番で演奏会を行なう。そして30年前のとある秘密が明らかになる。 邦題は「オーケストラ!」(公式サイト)<感想> 音楽映画という意味では「のだめ映画版」のほうが楽しめると思うけれど、映画最後のチャイコン演奏場面には思わず引き込まれてしまった。役者の弾き真似がイマイチだの僕自身チャイコが苦手だのという事実を抜きにして、お見事っ! 純粋に笑って泣けるこうゆう映画、最近少ないよーな気もする。素直に楽しんだもん勝ち。 「美しすぎるバイオリニスト」役を演じたメラニー・ロランという役者さん、前から注目してはいたけれど、こんな立派な大女優に成長なさってたとわ。
Aug 8, 2010
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(↑ベタな邦題……) こちらアメリカの夏の風物詩(?)、個人宅でのバーベキューだの食事会だの。 よっぽど豪邸ぶりをご自慢なさりたいらしく、いろんな方が毎週末のように誘ってくださいます。無理のない範囲内で適当に顔を出すようにしてますが、近年ときどき言われるのが「バイオリン持ってきて、みんなの前で弾いてくんない?」。げっ……、んなもん恥ずかしいので基本的にはお断りなのですが。 この夏も何人かのお宅にお邪魔させていただきました。音楽関係者の主催する呑み会では、やはり音楽人の皆さんが多く招待されてるので、僕も「念のため」楽器持参で伺ったりもします。 そうゆうとこの呑み会って、クラシックの人、ロックの人、ジャズの人、ブロードウェイ系の人、いろんな分野の人が居合わせます。 宴もたけなわ、さぁー何かやろうってことになって各人がいざ楽器を取り出すのだけど、意外にレパートリーが重ならず焦る僕ら(笑)。 で、唯一の共通項となるのがビートルズ。みんな知ってるし。 なかでもウケがいいのはポール系(=四分音符が全体をかっちり支配してて弾力性のある曲)。こうゆう場では定番でしょうか。みんなで合わせてて楽しくってしょうがないわけで、何曲も何十曲も弾き続けられます。 ビートルズの魅力、魔力でもって場が熟し、夜も更けてからは、各人の得意分野に戻ってレパートリーを披露し合ったり、異分野同士でジャムりまくったり。 室内楽とかで事前に自分のパートをさらっておいたうえで、四人で集まって弦楽四重奏を合わせるってゆう練習も楽しいのだけれど、酒呑みながら「適当に」弾くってのもたまにはいいなーと思ってる今年の夏です。
Aug 3, 2010
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