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「震度」 今日のピアノ合わせの後半は、クラリネット奏者を迎えてモーツァルト。名曲中の名曲「ケーゲルシュタット」。(Cl スティーブ、Va 僕、Pf セス) この曲、一応自分としては、ピアノで取り組んでみたこともあるし、クラリネットパートをバイオリンに編曲した版で弾いたこともあるけれども、やっぱりビオラパートが一番面白いと思う。特に2楽章と3楽章。ひたすら三連符で動くとことか。 おそらくクラリネットが主役の曲なので、ビオラが頑張りすぎると浮いてしまうけど、ま、三者の主従関係がはっきりしない曲ではある。 ちなみに、ビオラ弾きとしては、クラリネットもピアノもビブラートがかからない楽器であることを意識しといたほうがよい。ビオラだけビブラートをガンガンかけちゃうとやっぱり浮きまくる。ビオラらしさを主張してみたいのはもっともだし、そのへんが非常に悩むところ。 結論。弦楽器同士で合わせるとき以上に、ビブラートの速度に気を遣いながら弾く必要のある曲。
May 31, 2010
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「来し方行く末」 今日はピアノ合わせの日。 去年の夏からちまちまと練習してきたフォーレのソナタ。いつも合わせてくださるピアニストのセスさんともども、いい加減ケリをつけて次の曲に進みたいと思ってたので、泣いても笑っても今日の練習を強引にも最後にすることにした。 まだまだ全然弾けてないけれど、この曲と出会えてほんとうに良かったと思ふ。 とにかく頭を使って考えながら弾かないといけないので、実にいい訓練になった。どのように音楽を創り上げていくべきか、せっせと解読しながら弾く。 例えば1楽章。半音階が激しく多用されてるのだけれど、行き着く先はどこなのか、何調なのか。また、いくつの「型」が使い回しされているのか。 例えば3楽章。1小節を1拍と数えるとして、大きく捉えて3拍子のとこと2拍子のとこがどのように配置されているのか。 バイオリンのパート譜だけ見ててもわかんないので、ピアノ譜も見ながら「あーでもない、こーでもない」状態。 フレーズや和声の流れを把握するいい勉強になった。 いやぁー、名曲。バイオリンソナタ史において、その変遷を語るうえで最も重要な位置を占める楽曲かもしれず。 この曲は今日の練習をもってオシマイにするつもりだったけど、それもまたもったいないかと思い始めてる始末。
May 31, 2010
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先日の演奏旅行は、欧州内は借り切りバスで移動しました。 今どきの欧州ってば、国境越えも楽勝。東へ西へ自由自在、怖い顔した国境警備員もいません。僕なんかは、アメリカ/カナダの陸路国境越えのほうがよっぽど緊張します。 それにしても、音楽人ばかりを乗せた我らがバス、車内はかなり賑やかでありました。移動時間はひたすら爆睡するつもりだったワタクシではありましたが、結局はなかなかそうもいかず。 というのも、みんなでカラオケやったり、いろんな楽曲のイントロクイズで遊んだり、作曲家に関する雑学クイズをやってみたりで、僕としたことが密かに燃えてしまいました。 さらには、例えばオーストリアに入国した途端、誰ともなしに「サウンドオブミュージック」を歌い始める人がいて、いつのまにかみんなでメドレー大合唱。 車窓からドナウ川が見えてくると、今度は「美しく青きドナウ」ワルツなぞを歌ってみる。←ちなみに、僕はビオラ弾きなので、お約束のように裏打ち担当(笑) とっても異様なノリでした。 バスの運転手さんも、言葉は通じてないはずだけど思いっきり苦笑してました。
May 30, 2010
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「ハンガリー?」 久しぶりにバイオリンを触った。この一ヶ月ビオラばっかし弾いててバイオリンは全く弾いてなかったので、なかなか勘が取り戻せず大慌て。こんな小っちゃい楽器だったとわ……。 今日はもともとブラームスのピアノ四重奏曲に取り組むことに決まってて、しかも、僕は奇しくも先日ハンガリーほかを旅してきたばかりで、あのへんの地域の民族音楽について語りたくてウズウズしてた。それこそ彼のピアノ四重奏1番4楽章はこてこてのジプシー系で、当然のように楽しみにしており。 しかし、なぜかみんなして1番の譜面をド忘れ(笑)。 急遽イ長調(2番)のほうをを練習することになった。(ピアノ:ギリ、バイオリン:僕、ビオラ:セス、チェロ:フランシス) 結果的に大正解。 というのも、この2番の終楽章もまた実に異国的、民族的なわけで。 異国的、民族的ということに誰ひとり異論はないものの、激しく討論となったのは、これを「ジプシー風」と捉えるか否か。ハンガリー風あるいはルーマニア風という意見もある一方で、僕なんかは「コサック風」のような気が以前からしている。 ってゆーか、そこで問題となるのが、「ジプシー音楽」の定義、特徴とは一体何なのかということ。 音階とかリズム(裏打ち、シンコペ)に関することであろうとは思うのだけれど、ちょっと調べておこうと思ってる次第。
May 29, 2010
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欧州演奏旅行から帰ってきて数日、多忙な現実社会に引き戻され激しく動揺しつつも、時間を見つけては仲間らとメールやネットで写真を公開し合ったり、想ひ出を語り合ったりしてます。 みんな異口同音に言ってます。唯一の心残りがあるとすれば、それは「大道芸」ができなかったということ。せっかく楽器を持って旅してたわけだし。 実際、いろんな案が出て事前に盛り上がってました。プラハのカレル橋の上で演奏しようだの、ブダペストのドナウ川沿いで演奏しようだの。 気合い入れて練習もしてました。僕自身は、ビオラ首席のお兄ちゃんとともに、バッハのブランデンブルク協6番をせっせとさらったし、ほかの人びとは、バルトークの44のバイオリン二重奏曲とか、ヘンデル/ハルボルセン「パッサカリア」とか、みんなしてホンモノの演奏会でやる曲以上にマジで練習しまくってたよーな。 でも、決行予定日に雨が降ったり風が強かったり、結局は実現せず。残念。 それにしても、特にハンガリーでは、いろんな芸人さんたちのジプシー音楽に触れる機会がありました。定番はやはりモンティのチャルダッシュやブラームスのハンガリー舞曲あたりでしょうか。
May 28, 2010
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今回の欧州公演の最後の本番がブダペストにて無事終了しました。 ご当地のリスト音楽院とかから多大なご協力を得て、ベートーベン交響曲8番、同「合唱幻想曲」、さらには我々有志によるメンデルスゾーン弦楽八重奏曲もちゃっかり含んでの豪華な演奏会になりました。 この約十日間、とても充実した日々でしたが、苦しい日々でもありました。訪問する先々で、ホールの音響が全く異なるうえ、指揮者や合唱団もいちいち違うので調整に戸惑ってばかり。でも、せっかくだから限られた自由時間は思いっきり満喫したかったし。 オケ曲だけでなく弦楽八重奏という特異な編成での曲の準備もしなきゃならずタイヘンでした。 だから今日はメンデルスゾーンを弾き終わった直後は放心状態。みんなで抱き合って互いの健闘を称え合いました。プチ号泣してる人もいたし。Vn1 ドメニクVn2 テイラーVa1 クリスVc2 エレンVc1 ブリタニーVa2 自分Vn4 ジャスティンVn3 ピート
May 22, 2010
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ハンガリーのブダペストに来てます。 ほんとは昨日、オーストリアとの国境に近い小さな町の宮殿にて、室内楽の本番が一本入ってたはずなのですが、会場の改装が大幅に遅れてて、結局中止(笑)。 さて、公演の最終場所がブダペストってのは自分にとっては最高であります。今までいろんな都市を訪問してきましたが、一番好きな街と言っていいかも。 今朝もいつものメンツで早起きしてジョギング。ドナウ沿いを走るのはほんとに気持ちが良い。 もちろん今日も遊びまくりました。現地の喰いもん呑みもんを堪能しまくったり、温泉行ってみたり。音楽監督さんからは、お前ら遊びすぎ、とのご叱咤を頂戴する始末。ちゃんと宿で練習してた団員もけっこういたらしいというのに。 夜は、明日の本番に向け、共演する現地の合唱団とご対面。ぶどう酒片手にドナウの遊覧船に揺られながら黄昏のブダやペストの街を仰ぎました。 それにしてもハンガリー人音楽家って、コダーイとかリストについて語りだすと止まらないので要注意。
May 21, 2010
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今日はウィーンの南、アイゼンシュタットの宮殿で演奏いたしました。ハイドンゆかりの町です。 豪華絢爛っ! 我々に与えられた楽屋もまさに「鏡の間」(笑)。 オーストリアの合唱団との共演で、基本的にはいつものようにベートーベンの8番と合唱幻想曲などを演奏しました。 なお、メンデルスゾーンのオクテットもちゃっかり1楽章だけ弾かせていただきました。荘厳な会場の雰囲気に呑まれて我を失いそうになりながらも、至福のひとときを過ごせました。 ちなみに、ここの合唱団とは見事に意気投合。先日プラハで共演した合唱団には失礼ですが、ドイツ語の発音がやっぱりホンモノっぽかったよーな。 来年は彼ら合唱団がアメリカをご訪問、うちのオケと一緒にモーツァルトのレクイエムかなんかを共演しよう、などという企画が急浮上し、打ち上げ会場は盛り上がったのでありました。 エステルハージ宮殿(ハイドンホール)
May 19, 2010
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楽屋から舞台に向かう回廊(緊張ちゅう……) ウィーンに来てます。 今日は室内楽の本番がありました。メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。僕は第2ビオラ。 演奏旅行という目的のはずなのに、本番の日程もよくわかってないまま相変わらず遊びほうけてばかりの僕ら。今さらながら「メンパチ、やっぱ練習しといたほうがいいかも」ということになって、滞在してる宿の支配人と激しく交渉しまくって、誰もいない食堂を昨夜借りて練習しました。まじで綱渡り状態。 今日の演奏会は、ウィーン市内の某音楽学校の主催する室内楽特集で、うちのオケの有志も何組か出演させていただきました。ブラームスのクラリネットソナタをしっとり聴かせちゃったり、我らがコンマス氏がバッハのシャコンヌをぶっ放したり。 で、僕ら八重奏軍団はなんと大トリ。 本番は緊張したけれども、曲の素晴らしさに助けられた感じ。無我夢中で弾きまくりました。 帰りがけに、聴いてくださったお客さまから「とっても良かったよ」らしきこと(←たぶん)をドイツ語で言われたので、ダンケシェーン!と笑顔で返しときました。←思い込み激しすぎ。
May 18, 2010
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いよいよ今回の欧州公演初日。「のだめ」の撮影で使われたホールとしても有名なプラハのスメタナホールにて演奏いたしました。(ビオラ) 早めに会場入りし、まずはステリハ。 それにしてもこのホール、楽屋は狭いし、トイレの数は少ないし、階段を激しく上り下りして舞台に行かなきゃいけないし、昔のホールはやっぱりどこもこんなに使いにくいものなんでしょうか。 本番では、当地の二つの合唱団がそれぞれアカペラを披露し、我々オーケストラはベートーベンの交響曲8番などを弾きました。 そして最後に全員でベートーベンの「ピアノと声楽と管弦楽のための合唱幻想曲」を熱演。客演指揮者の快活な棒により、楽しく弾けました。 弾いててすごく気になったのはホールの残響。非常に長い。3秒近くあるんじゃないかと。 僕はビオラの2プル表で弾いたのですが、第1バイオリンの音がほとんど聞こえてこないし、唐突に管の特定の奏者の音が聞こえてきたりして弾きにくかったけれども、客からすれば、こうゆうホールの音響は素晴らしいということになるのでしょう。 何はともあれ演奏は無事終了。一応は大成功だったと思います。嬉しいことに終演後も拍手がなかなか鳴り止まず、しかし僕らはなんにもアンコールを用意してないのでオロオロ。 苦し紛れに、独奏ピアニスト氏がハイドンのソナタかなんかを弾きました。 地元の友だちも聴きに駆けつけてくれて感激の一夜でした。本番後は打ち上げ。賛助で乗ってくださった地元の弦楽器奏者の人たちとも言葉の壁を乗り越えて激しく呑みまくりました。 今回の欧州公演、まだまだ本番はいくつも残ってますが、最初の公演が無事に終わりホッとしてるとこです。
May 15, 2010
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今日の午前中はみんなでプラハ交響楽団の練習をこっそり見学させてもらいました。 公開リハではなかったものの、あらゆるコネを利用し、「せっかくアメリカからはるばるやって来てるんだしぃ」とか駄々こねて。 このオケにはたまたま団員に知り合いがいて、実は昨日モルダウ川のほとりで密会ずみ。今日も再会しちゃって、お互い「あれぇ?」みたいな。 このオケってば、この時期は確か「プラハの春音楽祭」などで超お忙しいはず。それでもテンパってる様子もなく、大量の曲目を淡々とこなしていきます。バーンスタイン「ディベルティメント」、ストラビンスキー「三楽章の交響曲」など。 指揮はマルコ・イバノビッチ氏。僕の最も苦手とする人種=左手で振る指揮者……。
May 15, 2010
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今、欧州周遊中。ま、自分にとっては休暇のつもりなのですが、某アマオケの海外遠征にちゃっかり同行しているわけで、ビオラ持参。 飛行機が飛び立つ前からみんな気合い充分。空港のロビーで練習し始めちゃう団員もいました。 さて、ここプラハは過去に来たことは一応ありますが、やはりその美しさには何度来ても圧倒されます。そして、嗚呼モルダウ。 なかなか自由時間がないのは辛いものの、この街にはチェコフィルやプラハ響の団員に知人が何人かいるので、彼らに連絡しまくって、さくっと街を案内していただいたりもしてます。 あと、我々は市庁舎にも招かれ、プラハ市長さんだか副市長さんだかが歓迎パーティーを催してくださいました。遥かアメリカから来てくださってありがとう、はい、シャンパン呑み放題!みたいな。 夜は、当地の合唱団、独唱者、エキストラ奏者、客演指揮者さんらと対面、ベートーベンの「合唱幻想曲」の通し稽古をしました。 その後は、彼ら現地の若者らにちゃっかり夜のプラハを案内してもらい、観光客の行かないような酒場(=ビールがおそろしく安価、でっかいジョッキで100円ぐらい)を放浪。 遊んでばかりの我々。演奏旅行に来てることを忘れないようにしないと。←自省
May 14, 2010
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「八方塞がり」 超ヤバいです。本番まで一週間を切ってるというのに……。 このたび、某団体で演奏旅行に行ってまいります。基本的にはオケとして公演を行なうものの、室内楽の本番もあり、有志でthe Octetを演奏することになってます。 この二ヶ月、僭越ながら僕が音頭をとり、練習日程・場所の調整や楽譜の管理などをしてまいりました。が、八人の都合が全く合わず練習は難航。代弾きを依頼したりしながら既に何度か練習しました。泣いても笑っても今日が最後。 この場に及んで今日の最終練習をドタキャンする人が出たり、弓づかいや曲の解釈をめぐって意見が激しく対立したりました。我々はほんとにこのまま本番を迎えるのでしょうか。 八人のなかには、若人(音大生)もいれば、プロのオケ奏者、音楽教師もいる一方で、僕みたいな下手の横好きもいます。八人に共通するのは、とにかくみんなして音楽的にワガママということ。 あまりに収拾つかなくなってきたので、第三者に診ていただこうと、先日は某先生に頭を下げてご指導いただいたのですが、これがまた苦戦。ただでさえ八つの異なる意見がまとまらず途方に暮れてる僕らなのに、先生ってば九つめの意見をご提示なさる(笑)。 (愚痴はこのぐらいにして……) 曲の素晴らしさには救われてます。ほんと良くできた曲です。 八人がさまざまな形で組んだり分かれたりするのが見どころ聴きどころ弾きどころ。1+7だったり、4+4だったり、2+6だったり、3+3+2だったり。スコアを見てるだけで唸っちゃうし、実際に音に出すとなおさら感動します。 プチ協奏曲、二重フーガ、三重フーガ、大どんでん返し、いろんな仕掛けが組まれてます。ハモり相方を次々と鞍替えしながらクレッシェンドしていく書法にも萌えます。 なお、並びかたについてもさんざん話し合い、最終的には僕の案が採用されました。客席にはどう聴こえるか不安ですが、奏者的には一番弾きやすい並びかたかと。 (左から)Vn1、Vn2、Va1(欠席)、Vc2、Vc1、Va2、Vn4、Vn3
May 9, 2010
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「H&M」 ★★★☆☆(三つ星) 楽聖ベートーベン様の音楽や人生に関するドキュメンタリーを鑑賞した。 正直言ってイマイチ。どんどん早送りしながら観た。よっぽど暇な音楽愛好家には薦められるけれども、あえて無理して観るほどの作品でもない。 観ている人に楽曲に関する知識があることを前提として作られてるので、素人には難しすぎ。 かと言って、玄人も観てて辛いと思われ。 扱われてる一つひとつの素材はどれも素晴らしいのに、編集がまずい。二時間を越える作品になってしまってて、かなり散漫。 せめて、登場する作品の楽曲名と年代をわかりやすく字幕として出すとかしてほしかったし、そもそも時代が前後してわかりにくいので、一覧表を画面に出すとか、ドイツの当時の地図を見せるとか、もっと工夫できたはず。 ま、学者や演奏家へのインタビュー映像はそれなりに見ごたえがあった。 ジャニーヌ・ヤンセンお嬢さま(共演イタマル・ゴラン)、エレーヌ・グリモーお姉さま、さらには、アメリカの羽田健太郎エマニュエル・アックス、レイフオベ・アンスネスらが、カメラの前で熱く語りまくる。 運命とか第九をヘンに崇拝しすぎず、あんまり有名でない曲もしっかり網羅されてたのも良かった。オペラも含め、彼の書いたあらゆる分野の音楽について平等に触れられてる。 そしてもちろんお約束ネタは、彼の聴力の悪化、甥カールへの溺愛、引越し貧乏癖、女性遍歴(ロリコン/不倫)など。 個人的に興味を持ったのは、彼のハイドンやモーツァルトに対する、敬意とも嫉妬ともとれる強い思い入れ。ベートーベンの音楽にかなり影響を与えたお二人らしく。 <追記> ちょうど今、彼の「(ピアノと管弦楽と声楽のための)合唱幻想曲」だかという曲に取り組んでます。来週から欧州に演奏旅行に行くのですが、この曲を引っさげて現地の合唱団と共演します。 あまりにつかみどころのない曲でかなり焦っており、ベートーベンがますますわからなくなってきました……。
May 8, 2010
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僕はバイオリン歴はそれなりに長いのですが、ビオラ歴はそれほどでもなくて、せいぜい七、八年ぐらい。 きちんとビオラを先生から習ったことがあるわけでなし、基本的にはバイオリンの延長としての独学。 でもこの数ヶ月、プロの方々からいろいろご助言をいただいたりして、少しずつビオラの弾きかたがつかめてきた感じもします。 つまるところ、バイオリンとは全く違う楽器と認識したほうがいいのかも、と今さらながら気づきました。楽器の構えかた(顎で支えるのか、左手で支えるのか)、ビブラートのかけかた、弓の使いかた、肩や背中の筋肉をどう使うかとかも。 そしてもちろん指づかい。気の利いた例が挙げられないけど、下のようなところ、本物のビオラ弾きさんは、0、1、3、3で弾く人が多い。(バイオリン弾きは、強引に0、1、2、3で弾き切ろうとする) ベートーベン「合唱幻想曲」のビオラ譜↑ とにかくバイオリンとビオラの違いはかなり奥深い。ますます面白くなってきたところです。***** さて、そんななか、メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲の本番を控えており。 僕は第2ビオラ奏者として出演します。第2ビオラってことは、音域としては八人のうちで下から三番め。しかしながら実際は、気分的に第1チェロよりも下。低音域でアンサンブルを支えるという重責をひしひしと感じます。 今までいろんな曲をビオラで弾いてきたつもりでしたが、ここまで低音楽器として扱われてる曲とは出会ってなかったから、激しく感動ちゅう。 やっぱりビオラって、不思議で面白くて素晴らしい楽器だと思います。 先日の練習風景 (ニューヨーク近郊ではチョー有名な大先生にご指導を仰ぎました)
May 6, 2010
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「Barnes & Not Noble」 ★★★★★(五つ星!) 「盗みの技法/芸術」という題のかなりお堅いドキュメンタリー映画を観た。なんの映画賞の候補にもならなかったらしいけれども、きめ細かく取材されてるし、予備知識なくても理解できるように丁寧に背景を紹介してくれてて、混乱することなく観られた。 映画館はほぼ満員、終映後には拍手喝采という盛況ぶり。<内容> 富豪であり美術蒐集家であるバーンズ氏。彼の突然死以降、その邸宅にある高価な秘蔵品(バーンズコレクション)を巡って、利害関係のある多くの人物/団体が動き出す。彼の門下生、近所の住民、大学、「大手」美術館、政治家。バーンズ氏の遺言の有効性をも論じながら、50年以上に渡る一連の騒動を追う。 個人宅に眠らせておくなんてもったいないとばかりに、美術品をちゃっかり金儲けのために利用しようと虎視眈々と狙う人らの思惑が複雑に絡みまくり、結局は裁判官の判決に全てを委ねることになる。 <感想> 一応結果の出ていることなので、今さらどうこう言ってもはじまらないものの、映画を観てる客のほとんどは、バーンズ氏の遺志を尊重し、ひっそりと個人所有物のままで邸宅に残すべきという意見に誘導されたことと思う。 この騒動に関与してる存命人物で、この映画製作にあたって取材を拒否した人たちの名前も実名で紹介されている。要するに彼らが影でとっても怪しい根回しとかをしてるらしいことが紹介される。 美術品はより多くの人に見られてこそ意味があるというのは事実だけれど、作品に値段がつき、それを購入した人がいる以上、その人個人の所有物になってしまうのは仕方のないこと。 美術館とは何なのか。教育機関なのか、商業施設なのか、観光地なのか、それとも「聖地」なのか。音楽みたいにカタチのない芸術の扱いは非常に難しいと思ってたけど、カタチがあったらあったでタイヘン。 ってゆーか、昔、ルパン三世とかキャッツアイとか、美術品を専門とする怪盗の浪漫、美学を描いた漫画があったなー、などと昭和に想いを馳せてみる。←全然関係ないし追記: 実は、門外不出のはずのバーンズコレクションが、過去に一瞬だけ館外に出たことがあり、90年代に東京でも展示されている。僕も当時のことをなんとなく覚えてる。周りがすごく騒いでた。
May 2, 2010
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「Black Beauty」 ★★★★★(五つ星!) 黒人お笑い芸人/喜劇俳優クリス・ロック氏の製作によるドキュメンタリーをDVDで鑑賞。<内容> ツヤのある真っ直ぐな黒髪を求め、金と労力を惜しみなく注ぎ込んで髪の手入れをする黒人女性たちの日常を取材する。 限りない時間をかけて髪をせっせと編んだり、髪や頭皮に有害にもなりうる強力な化学薬品を使ってまで縮れ毛を矯正しようとしたり、決して裕福でもないのにローンを組んで高額の付け毛、カツラを購入したり。 黒人女性ならではの悩みも次々と吐露される。「髪が濡れるとあとがタイヘンなのでプールで泳げない」とか「愛しの君であっても髪を触られるのは恥ずかしい」とか。 付け毛の原材料になるのは実際の人間の髪の毛であり、その入手先を取材しようと、クリス氏はインドに飛ぶ。アジア人は直毛で黒髪だし、特にインドには髪を提供してくれる女性が多いため、需要と供給が見事に一致。 年に一度南部アトランタで開催される、「黒人の髪の毛を考える祭典」にもカメラが潜入し、その巨大な黒人用毛髪産業の実態も紹介される。<感想> 特に目立って派手な演出や編集もないドキュメンタリーではあるけれども、中立的な視点で律儀に取材していて好感が持てた。決して自虐的でもないし、理想の美を追求するオンナごころも真摯に解析。そして、直毛こそがgood hairとする世の風潮にもさりげなく苦言を呈す。 なるほどと思ったのは、黒人社会では床屋/美容院が「公民館」のような憩いの場として機能しているという点。白人と黒人との間の壁がどんなに薄くなろうとも、身体的特徴には違いがあり、黒人の髪を切るのには特別な技術がいる。黒人さんたちは必ず黒人専用の理美容師のもとに通うので、そこはひとつの共同体と化し、黒人同士でいろんな情報交換が行なわれる。 僕の周りにも黒人さんが何人もいるし、髪にまつわる話は彼らからよく聞くけれど、この映画を見てなおさら「美」とか「おしゃれ」、あるいは「効率性(手入れのしやすさ)」を追求するその熱意には素直に畏れ入った。 ま、僕としては髪が薄くなってくるお年頃なわけであり、人の髪がどうこう言ってる場合ぢゃないのも事実(笑)。
May 1, 2010
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