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翻訳の自己学習方法について、GLOVAスタッフのKさんに相談してみました。Kさんは、私が検収作業をしていたときの担当者で、メールで何度かやりとりをしたこともある顔見知り(?)の人です。いつも「仕事以外のことでも、なんでも相談してくださいね」とおっしゃっていたので、お言葉に甘えてみました相談内容は「現在、自分で絵本を訳して訳本と見比べる、という勉強をしている。 だが、私が目指しているのは一般小説の翻訳であり、絵本と一般小説とでは日本語の 使い方が違う気がする。 一般小説には長編が多いので私には量的に訳すのは難しい。どうしたらいいだろうか」というもの。内容からして、ピンポイントの回答が帰ってくるとは思っておらず、アドバイスや勉強方法のヒントになるようなものを教えていただけたらいいな、と思っていました。すると、メールした翌日には返事が来ました!うれしい返事ではGLOVAの「翻訳を勉強するための道しるべ」というページを紹介していただきました。このページには、GLOVAの在宅インターン係さんがよしと思う書籍やWebサイト、GLOVAの通信講座が紹介されています。一番うれしかったのは、紹介されている本が多いことしかも、初心者、中級者、上級者向けや、IT翻訳、ビジネス翻訳、技術翻訳、出版翻訳など、分野によって細かく分かれていました。翻訳関係の本って、本屋さんで探してもあんまりないんですよね(大きな本屋さんならあるのかもしれないけど)。ページに載っている「ミステリ翻訳入門」の著者:田口俊樹さんは短編のミステリ小説もいくつか翻訳なさっているとのこと。短編なら自分で訳して勉強できるかも!田口俊樹さんの訳書をいくつか、調べてみようと思います最後に、余談ですが・・・この記事書くの、じつは3回目なんです。1回目も2回目も、ほとんど書き終わったところで、なにか変なキーを押してしまったらしく(BSP?F5?)、書いたものが消えてしまいました~
April 24, 2008
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さて、空飛び猫 第1作目、第2章。第2章は、子猫たちが住んでいた町を出てから森に到着するまでの旅についてのお話です。 (英文)As Thelma, Roger, Jamers, and Harriet flew on, all they could see beneath them, mile after mile, was the city's roofs, the city's streets. (訳文)セルマとロジャーとジェームズとハリエットは空を飛びつづけましたが、目に映るものと いえば、行けども行けども都会の屋根、都会の通り、それだけです。 ( 私 )セルマ、ロジャー、ジェームズ、ハリエットは飛び続け、何マイルもの間、下には町の 屋根と通りしか見えませんでした。 私の訳は、直訳ですね・・・ 1冊を通してずっと、「訳が硬いな~」と思っていました。でも、それを柔らかくするには どうしたらいいのか、まったくわからず・・・。 (英文)"What kind of birds are you, anyways?" it finally asked. (訳文)「ところで君たち、なんていう種類の鳥なのかな」と鳩は考えあぐねた末に尋ねました。 ( 私 )「とりあえず、なんていう鳥なのさ?」とうとうハトは尋ねました。 これは、子猫たちに出会った鳩が、しばらく子猫たちを眺めまわしたあとに話しかけて いる場面です。 「anyways」「finally」この2つを、どう訳したらいいのか全然わかりませんでした。 言葉の意味はちゃんと理解できるんです。 鳩がおかしなものに遭遇して困惑し、話しかけようか迷ったけど、気になるから話しかけて いる、そんなかんじ。 でも、それをうまく表現する日本語となると・・・ (英文)"Sitting in the catbird seat!" sang Harriet, perphed on a pinnacle. (訳文)「これはぬくぬく、らくちんだ!」とハリエットはとんがり屋根のてっぺんに腰をかけて 歌いました。 ( 私 )「てっぺんもーらい!」ハリエットは楽しそうに、塔のてっぺんに降り立ちました。 これも、第1章の例と同じように、自分で訳文を創作してしまいました。 「sit in the catbird seat」:訳注に書いてあったのですが、これは英語の熟語 なんだそうです。 意味は「ろくに努力もしないのに、高い裕福な地位にいて、のうのうと暮らす」 というかんじ。 私はハリエットが「catwings」を「catbird」と言い換えただけかと思ってしまい、 熟語だなんてまったく考えてもいませんでした。 なので私は、ハリエットが、イス取りゲームみたいなかんじで、教会の尖塔のてっぺんを 自分の席にしたのかな、と解釈してしまったのです。 「sing」:これは「歌う」ですね。これも、楽しいかんじを「say」ではなく「sing」で 表現したのかな、と思ってしまいました。 「perch」:これは「腰をかける」という意味です。ここでも私は、飛んできて着地する ところを「land」とかではなく「perch」で表現したのかな、と勘違いしてしまったのです。 1つの文で勘違いが3つも重なり、出来上がったのはまったく違う訳。 「あれ?と思ったところはきちんと調べる」 「単語の意味をきちんと反映した訳にする」 この2つは多分翻訳の基本で、すごく大事なことなんだな、と思いました。 (英文)They were slept for a while in a weary, furry heap. (訳文)子猫たちはもうくたくただったから、しばらくのあいだ、みんなで折り重なるようにして ぐっすりと眠りました。 ( 私 )くたくたになった4匹はそこでふわふわの毛玉の固まりになってしばらく眠りました。 「in a furry heap」。これも、どう訳したらいいのか困ってしまったところです。 みんなでひとかたまりになって眠ったんだろうな、ということはわかったのですが、 そう訳してしまうと、せっかく「furry heap」という言葉から伝わってくるフワフワ したかんじが消えてしまう気がして。 なので、「ふわふわの毛玉の固まり」と訳したのですが・・・。 見返してみると、変ですね 「ふわふわのボールみたいにひとかたまりになって」とかなら良かったのかな~。 でも、訳書ではフワフワなかんじが全然表現されていないところが気になります。 著者はべつにフワフワにこだわってこの単語を使ったわけではないのかな? (英文)"I think it's dinner," he said. (訳文)「こいつはどうやら夕御飯のおかずになりそうだぞ」とロジャーは言いました。 ( 私 )「夕ごはんだよ」彼は言いました。 これは、森の小川ではじめて魚を見たときのセリフです。 訳文と私の訳をくらべてみると、私の訳では「I think」が反映されていないようです。 場合によっては私の訳でも当てはまると思うのですが、魚を見るのが初めて、という 背景を考えると、私の訳では「I think」を軽く扱いすぎたかな、と思います。 「翻訳する英文だけでなく、その背景を踏まえて日本語にする」って、こういうこと なのかな、と思いました。 もう1つ。 昨日、第1章で書き忘れたことがあって。 以前の日記で、空飛び猫に出てくる「fly-by-night」の意味が分からない、という記事を 書きました(記事はこちら)。 Wikipedia(英語版)で意味を調べると、 「fly by night」=「軽蔑の意味を持つ言葉で、短期間やその場つなぎの仕事をして 町を渡り歩いている人のこと。仕事がいいかげんで、依頼主や警察から逃れるために 夜逃げをすることもある」 空飛び猫の訳注に載っていた意味は「腰が軽くて、落ち着きがなくて、調子が良くて、 すぐに雲隠れするような人」 意味はまあまあ、同じです。 ですが、出てきた訳は全然違ったんです。 (英文)"I suppose their father was a fly-by-night" (訳文)「そりゃ、この子たちのお父さんが、飛びまわって遊んでばかりいるような人だった からだよ」 ( 私 )「父親は夜逃げしたんだと思うわ」 私の訳では、翼と父親のあいだにはぜんぜん関係がありません。 著者が「fly」と翼をかけたことはおそらく間違いないので、それが分かるような訳に するべきでした 「街から街へ飛び歩いている人」とか。 (これでも訳文とは全然違いますが、参照した「fly-by-night」の意味そのものがちょっと 違うので、そこは大目に見ます☆) 「原文に忠実に」って、意味が同じだけではないんですね。 比喩、しゃれ、リズムなど、いろんなことに気をつけないといけないんだな、と思いました。
April 20, 2008
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今、空飛び猫の第1作目について、自分の訳と訳書とを見比べて勉強しています。ざっと見比べてみると、意味は一緒だけど、書いてある日本語がぜんっぜん違うブログでは私の訳と訳本とで、特に書き方が違うところを挙げていこうと思います。たくさんあるので、1章ずつ、進めていきます(第1作目は全4章です)ということで、第1章。第1章では、翼を持った4匹の子猫たちの町での生活に始まり、町から巣立っていくまでが書かれています。 (英文)They were beautiful children, well brought up. (訳本)子猫たちはみんな揃って美しく、すくすくと育っていきました。 ( 私 )彼らは上手に育てられた、美しい子どもたちでした。 私の訳、ひどいですね・・・。 訳しているときにいい言葉が思いつかず、そのまま直訳してしまったところです。 「well」を「すくすくと」はともかく、複数形を「みんな揃って」と訳すなんて、 思いつきもしませんでした。 (英文)But Mrs.Tabby worried about them secretly. (訳本)でも口にこそ出さなかったけれど、タビーお母さんは子猫たちのことが心配で なりませんでした。 ( 私 )しかし、タビー夫人は心の中で心配していました。 「secretly」=「口にこそ出さなかったけれど」 こっちのほうが、「心の中で」よりもずっと自然ですよね。 (英文)So the children's wings were the least of Mrs. Tabby's worries. (訳本)そんなわけで、タビーお母さんとしては、子猫たちの翼のことまで心配する 余裕がないというのが正直なところです。 ( 私 )というわけで、子どもたちの羽はタビー夫人の心配事の中で一番ちっぽけな ものでした。 これは、主語と目的語が入れ替わっています。訳書のように登場人物を主語にすると 主観的になるし、私のように物を主語にすると客観的な文章になります。 どちらが良いかは、物語り全体の雰囲気をどうしたいか、で決めるのかな、と思いました。 (英文)"My work is here." (訳書)私はここで生きていきます。 ( 私 )わたしの生活はここにあるの。 これも上と同じですね。 訳書のほうが、断固とした感じが出ていていいな、と思います。 しかも、わたしの訳は、日本語として変ですね。そのほか、訳本と見比べていて思ったのですが、私の訳は「単語の訳」にとらわれすぎているように思いました。たとえば、「this」を私は「このこと」と訳していても、訳文では「この」の内容をちゃんと説明している、とか。上記の「secretly」もそうです。原文に忠実に訳す、ということに注意していたのですが、注意のしどころを間違っていたようです。原文に忠実に訳すことは大事です。でも、原文は単語から成り立っているけれど、単語はただの道具でしかないんですね。内容を伝えるための。翻訳では、道具を伝えるのではなく、内容を伝えなくてはいけない。「原文に忠実に訳す」ということがどういうことなのか、実感した気がしました。でも、「原文に忠実に訳す、ということに注意していた」はずなのに、忠実に訳せていなかったりもして・・・。 (英文)It really was a terrible neighborhood, ~. (訳文)近所の環境があまり良くなかったし、~。 ( 私 )このあたりは本当に住みにくく、~。 英文では、「住みにくい」なんてどこにも書いてありません。「terrible neighborhood」 だから、住みにくいだろうな、と思った私が、勝手に変えてしまったのです。以前読んだ翻訳の雑誌に、「初心者の翻訳は大きく2つに分かれる。片方は、直訳に近い訳、もう片方は、自然な日本語にしようとするあまり、原文と違う内容になる訳」というようなことが書いてありました。だいぶ前に読んだのですが、だいたいこんな感じだったと思います。これに影響を受けて、「原文に忠実に訳す」ということを心がけていたのですが、上記の例は明らかに後者・・・。同じ日本語でも、話すのと書くのでは大違い、まして翻訳では自然な日本語・・・難しいです。
April 19, 2008
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今日、空飛び猫の訳本、借りてきました!お昼に「まだ借りれない~」って記事を書いたばっかりなのに(笑)帰りの電車で、さっそく読んでみました。すると、やっぱり、わたしの訳と全然違う。お話全体が自然な日本語で書かれているし、「そういえば、こんな言い回しあるよな~」というところがたくさんありました。自然な言い回しって、日頃は使っていても、訳すとなるとなかなか思いつかないんですよね村上春樹さん、さすがプロの翻訳家ですあとがきをみると、村上春樹さんはこの本について「作者はまるで小さな子供にそっと優しく話しかけるように、飾りのないシンプルな言葉で、とても静かに、分かりやすく、文章を書いています」というふうに述べています。わたしがの本を読んだときの感想と近いところがあって、うれしかったですプロの翻訳家の人と同じようなことを感じることができたんだな、と思って。本を読んで、その感じ方は人それぞれで、それに正しいも間違いもないと思います。でも、目指す人と同じように感じることができた、というのは、やっぱりうれしいですまた、村上春樹さんは、上記のような本だから「僕もそのつもりで、なるべく読みやすい、そして耳で聞いて分かりやすい文章にするということを頭において、日本語の文章にしました」と述べています。絵本だから、「易しい日本語」というだけでは不充分なんですね。「耳で聞いてわかりやすい」文章にする、なんてこと、自分ではまったく思いつきもしませんでした。翻訳、奥が深いです自分の訳と訳本の照らし合わせは、まだやっていません。今日もそれなりに帰りが遅かったので、時間がなくてなるべく早いうちに照らし合わせて、しっかり勉強しようと思います。
April 14, 2008
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3月末に翻訳し終えた「空飛び猫」。図書館で訳本を借りて自分の訳と照らし合わせたいのですが・・・。家の近くにある図書館には訳本がないため、会社の近くの図書館で借りるつもりでいます。なのに、ここ数週間、図書館が空いている時間に帰れず、借りることができませんせっかく翻訳したのに~!今日こそは!!と思う、毎日ですところで、「The WEDDING」は、順調に読み進めていますよ~。電車で読むことがほとんどなので、読みながら寝てしまったり・・・、ということも多々ありますがいまは、半分ちょっとくらいを読み終えたところです。やっと、奥さんの心がだんなさんに向いてきたかんじ。おもしろくなってきました
April 14, 2008
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