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小生の感覚では、海外旅行をした際に、
お土産を海外で買う場合は、自分の使用する分以外は
基本的に関税が掛かると思っていた。
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昔外貨準備が少ない時期には、
海外旅行は業務・視察・留学などの特定の目的で認可され、
日本人の持ち出し外貨が500米ドル(年間1回)と
制限されていた!
観光旅行で、回数が解かれて1回につき500米ドル以内であれば
自由となったのは、1966年以降である。
現在は、JTBによると、日本税関では
通貨を問わず邦貨換算で1百万円超(北朝鮮仕向けの輸出は10万円超)
は申告が必要であり、
米国税関などでは1万ドル以上で、
欧州の国税関では大半が1万ユーロ以上で申告が必要。
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ところが、昨今の中国の旅行者は、爆買いで品物を
日本のあちこちで大量に買ってくれていたのである。
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日本政府は海外の旅行客が訪れてくれることを
大歓迎であり、おもてなしの心構えで日本の観光地は
彼らを出迎えていた。
彼らは秋葉原や百貨店などでは日本人の顧客が尻込みをするほどの
購買力を見せつけていた。
大量の土産品は、親類、友人などから依頼されたお土産である。
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しかし、見方に寄れば、
旅行客が代理で個人輸入をしているようなモノである。
この旅行者の代理輸入行為を、今までは、中国政府も寛大に
見逃していたらしい。
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今年の4月から、この観光客による大量の土産品に、
輸入品と同等の関税が適用されて、
なんと、上海ではMax60%の関税が賦課された。
これを知らなかった中国観光客が帰国時に
上海空港でパニック状態になったという。
空港の税関検査場の前には課税率が高い酒類・化粧品などが
散乱していたという。
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関税率の引き上げ は
関税率10%だったカメラ、食品、飲料水、玩具などが15%に、
関税率が20%だった衣類、自転車、ビデオカメラなどが30%に、
関税率が30%だった高級時計は60%に、
関税率が50%と最も高かった酒・化粧品は60%と嵩上げされた。
この引き上げは、実施日の2週間前に告知されたが、
告知場所は中国財政省のホームページのみでなされた。
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また、中国では、インターネット通販の衣類・日用品1,100品目に
新たな課税を適用し始めた。
また、土産品などで2,000元超の商品や、
年間2万元超の土産品などは個人消費と認めず、
通常の貿易品と同等の関税を適用する。
中国国内の輸入品には、関税、増値税(=消費税相当)、奢侈税が
賦課されるから、日本などでの直買が安い場合があった。
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昨年、中国人海外旅行者が海外で支出した額は、
前年比53%増の1兆3,500億元にも膨らみ、
他方で中国を訪問する外客が支出した額は3,846億元に過ぎない。
この▲1兆元もの赤字を埋めようとする中国政府の思惑が働いたモノであり、
今後は中国人の爆買いは影を潜める可能性がある。
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日本政府観光局が20日公表した 2016年上半期の
訪日外客数は1,171.4百万人で前年同期比28.2%増加と
過去最高水準を記録した。
上半期の国別外客数は中国が307.7万人(41.2%増加) 、
次いで韓国が238.3万人(31.0%増加)、
台湾が215.6万人(20.3%増加)、香港が86.8万人(25.5%増加),
米国が61.1万人(20.6%増加)、タイが48.6万人(14.7%増加)などと
なっている。
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国交省による訪日外国人消費動向調査(四半期調査)によると、
2016年4~6月 外客旅行消費額 9,533億円の国別シェアでは
中国が突出して37.0%を占め 、台湾が15.0%、韓国が7.3%、
米国が7.0%、香港が6.7%である。
対前年同期伸び率では、平均は7.2%増加であるが、
台湾が▲2.9%減、中国が▲1.5%減と2ヶ国がマイナスである。
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外客の1人当たり旅行支出で見ると、
平均は@約16万円で前年同期比▲9.9%と落ち込んでいる。
なかでも、 落ち込みが大きいのは爆買いで知られた中国の▲22.9% 、
台湾▲14.4%、シンガポール▲13.4%、イタリア▲9.4%、香港▲7.8%、
韓国▲6.3% である。
1人当たりの宿泊料金では独が11.3万円、スペイン9.6万円、
オーストラリア9.6万円、英9.1万円と高く、
買い物代では中国12.4万円、ロシア9.8万円が高い。
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以上の数字は、2016年4月からの中国の関税引き上げの影響を
多少とも反映しているかも知れない。
旅行消費額を費目別に見ると 、
宿泊・飲食・交通費は5,639億円 (前年同期4,776億円、同期比18.1%)、
買い物代3,603億円(シェアは37.8%、前年同期3,856億円、同期比▲6.6%)、
その他 292億円( 同261億円、同期比11.9%)と 買い物代の減少が大きい 。
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2016年4~6月の買い物代は3,603億円であり、
うち中国は1,983億円でシェアは55.0%を占める。
中国の前年同期は 2,176.6億円であり、同期比は▲8.9%減である。
中国人の1人当たり 旅行支出は 28.5万円→22.0万円(▲22.9%)
うち買い物代は 17.3万円→12.4万円 (▲28.6%)
うちその他 11.2万円→9.6万円(▲14.3%)と
爆買いが沈静化 していることを窺わせる。
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やっと、爆買いによる関税逃れから、通常の購買動機に代わろうとしており
2016年4~6月の数字で見ても底堅さが窺われる。
九州震災・豪雨の影響の中でも外客数が増勢にあることは
有り難いことである。
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< 爆買い:産経新聞 >

< 爆買い:東洋経済より >

< 上海浦東国際空港の税関:Record China >
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補足:
中国税関では外貨現金5,000米ドル相当額以上、人民元現金20,000元
以上を無申告で持ち込み、持ち出す場合は押収されることになる。
10,000米ドルを超える現金の国外持ち出しは原則禁止である。
5万元以上の持ち出しを原則禁止。
一人2個以上のスーツケース、ダンボール箱を携帯している旅行客は
税関での手荷物検査の対象となるようである。
中国の旅行者が包装箱を捨てて、現物だけを持ち帰る習性があるのは
手荷物検査を免れるためかも知れない。
多額の商品を土産と称して密輸した罪で中国人女性が上海で
逮捕された事件が今年4月に報道されている。
Webを検索すると、中国外貨管理局は 銀聯カード * (一種のデビッドカード)
に関して、年間の海外での元の引き出し上限を10万元とするとしている
(1日1万元の制限もある)。 ただし、買い物には制限がない。
* 日本ではゆうちょ銀行、セブン銀行、三菱東京UFJ銀行、
三井住友銀行などのATMで現金が引き出せる。
以上は、Webの寄せ集めであり、正確性は期しがたい。
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