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エフェクター好きによるエフェクター好きのためのエフェクター専門店「PEDAL SHOP CULT」渾身入魂のオリジナル・ディストーションペダル “Tenpest” は オーバードライブ “Ray” に続き世界初の超々ジェラルミンの強固な筐体をもち、伝説的なヴィンテージ・マーシャルアンプの限られた1968~1970年/歪む個体のディストーションサウンドを参考にサウンドを追求したというマニアックなペダル。メーカーホームページで製作者が語っている“他の機材との適合性、弾きやすさや扱いやすさなどの観点から多くのプレイヤーに求められています。それらの喜ばしい要素を捨ててでもリアリティを追及し、CULTが考える真のディストーションを表現しました。” という言葉が示すように、万人受けは狙っておらず、製作者が自分の為にこだわりを問答無用で詰め込んだ逸品。スマートフォンサイズの超々ジェラルミン筐体を持つ “Tenpest” は重量522gと一般的なペダルで見ればヘヴィ級。個人的にはこのデカさこそ正義、削り出した筐体の重さも含めデメリットではなく魅力でしかありません。試した結果、サウンドに関しては CULT の説明が示すように、かなり玄人向けなペダルでした。難しい。…と言いますのも、大抵は基準となるトーンがあって、それを好みに合わせて調整するというものが多い中、このペダルに関しては、アンプとの相性が悪かったりセッティングがキマらないと狙った音にはなりません。反面、キマると他にはない格好良い音を出してくれるのですが、万能ではないシビアさが玄人向けだなと感じました。歪みは真空管に負荷をかけてギンギンに歪ませた様なダークで荒々しい歪み。ゲインを上げる程に暴れていきます。ゲイン幅は相当あるので、コントロール14時以降では限界を超えて壊れる寸前の領域まで再現することができます。複雑な歪み具合と飽和感はファズに似ている部分もありますが、相反して妙に透き通っている部分もあり、暴れているのにコード(和音)や分離が良くも聞こえ、不思議な感覚を覚えます。ギター側のボリュームを下げても解像度が高く、ハイパスコンデンサーを入れた様にゲインが減衰するのでアンプライク。フル10では歪みが暴れるので、自分の場合はメモリ6~7程度で音を作り、時に応じてギター側で調整しています。伝説のマーシャルアンプをベースにした音なのかは、現物を弾いたことが無いので未確認ですがかなり “癖強” なペダルではあるなと。でも逆にそれが面白く、個性的で気に入ってます。所有している “Tenpest” ※初期ロッド” は電源が9~18Vに対応しているので18Vでも試してみましたが電圧が上がるとハリや艶が出る反面、歪み成分は減り “やんちゃさ” に関しては薄くなる印象を持ちました。ドライブペダルとしては個人的には9Vの方が歪みの質感に適度なエッジと柔らかさを兼ね備えているので良い気がします。一方、ローゲインのブースターとして使う場合は18Vの方が気持ち良くプッシュしてくれると思います。ディストーションをローゲインにするなら、一般的には歪み量の少ないオーバードライブがベストな印象をもちますが“悪(ワル)” な雰囲気をもったディストーションのローゲインブーストはオーバードライブとは違った格好良さがあります。過激な歪みを求め、その為に生まれた “ディストーションペダル” はローゲインにすると使えないものが多くありますがこの “Tenpest” に関しては激歪みペダルでありながらローゲインにもしっかり対応しているので優秀です。正直、まだ扱いこなせていないので、今後も探って参ります!ということで、レビューでした。あくまで個人的な価値観によるものなので好き放題語ってますので1つのインプレ程度でご参考ください。
April 17, 2025
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先日、某楽器店に行ったところギブソンのレスポールSTDの指板インレイが尋常じゃないくらい右に寄っておりまして衝撃を受けた次第です。と言うのも、指板にインレイを組み込む以前に作業工程で把握出来ますし、その後ネックとボディを組み込んだり塗装したり等、何度でも検品・チェックするタイミングは大いにあったわけです。そんな中、当たり前に店頭に値段が付けられて並んでいる現状を見ると、正規で検品をパスした個体だということで。。。 これで数十万となると、なかなかどうして・・・いうネタです。木材の枯渇や業界の低迷という実態はあるにせよ、自分にとって “憧れの存在” “高嶺の花” であったギブソンがここまで落ち込んだのかと悲しく感じたわけです。元々が国産の様にカッチリした作りではありませんでしたが、それでも溢れ出る存在感や独特の音として人気のブランドなので、昔から知る自分としてはかなり衝撃でした。 仮に音に影響が無いとしても素人見に分かるインレイのズレは何とも悲しい次第。他も疑いたくなってしまう気持ちすら出てしまいますよね。それこそ山野楽器が日本代理店時代は日本人目線で検品を行って、こういった個体を検品で外していたと聞きます。今は山野楽器時代と比べて検品が甘く “あたり” “はずれ” があるのは少なからず致し方ないのですが、それでもなァ・・・と。。 技術が発展して職人のハンドメイドから機械を使ったオートメーションに変わり、効率こそ良くなれど悪くなる部分もあるよなと。特に楽器製造において人でしか感じ取れない繊細な部分は、大量生産になればなる程に失われる部分の様な気がします。対して国産ブランドは安価であっても逆に頑張っている気がするのでギブソンも頑張ってほしいところです。木材事情や大幅な値上げ問題は別としてカスタムショップ製はスタンダードラインとは別に気合いを入れて頑張っている気もしますが、間口となるスタンダードラインも大切にして欲しい。今のギブソンは個体差が相当激しいので値段だけではなく “見る目” や “知識” が無いと買えないかもです。 もしくは、以前にも増した雑さを “個性” と捉えて受け入れるか。俺達の明日は・・・どっちだ。。
April 4, 2025
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名器 “Klon Centaur #185” を “nature sound” がノブの動きによる各周波数特性まで落し込んだ狂気に満ちたクローンペダル。“nature sound VKC185” は国内でも指折りの技術を持つブランドで、多くのペダルビルダーに影響を与えてきた存在です。残念ながら製作者が亡くなってしまい、今は亡きブランドになってしまいましたがペダル達はギタリストの元で今も活躍しております。Klon Centaur の #185 個体を忠実に再現した究極のクローン “VKC185” はケンタ特有の “通すだけで音を立体的にするバッファー”は勿論、“クリーンブースト” から “オーバードライブ” まで幅広い汎用性を期待できる匠の技が詰まったペダルで今や100万円以上の価値が付く本物の Klon Centaur と比較をしても遜色が無いクオリティだとされる逸品です。 VKCシリーズ自体はグレーが初期、続いてバーガンディーカラーの中期、そしてシルバーの後期があるようです。初期の “VKC185” と中期以降の “VKC13” は参考にした個体にそれぞれ違いがあり、今回のレビューは “VKC185 FAX ONLY”になります。本物のケンタを使ったことが無いので分からないので何とも答えようが無いんですが音に関しては凄く音楽的ですね。ゲインやトーンの可変が非常にスムーズで、どの組み合わせでも使えない位置が無いくらい汎用性も高いです。ピッキングによる音量感と歪み具合、アタック音の大小が如実に出るのと、それに伴う倍音や飽和感も美しいです。ゲインを限界まで上げても破城することが無くクリアなまま歪み、コードストローク時の各弦音量バランスもGOOD!各弦のハーモニーがたまりません。高域の煌びやかさとミドルの押し出しが美味しく、荒々しくワイルドというよりは “洗練されて美しい” という言葉が似合います。希少価値が高い名器 “VKC185”ですが、マキノ工房ペダルも改めて素晴らしいなと感じました。ちなみにマキノ工房の方が音は太く、派手でガッツに溢れてます。立体感や解像度面で言えば “VKC” の方が上かなと。同じ向きで陳列された抵抗が相変わらず美し過ぎる。黒いボード下にエボニーの木材でサンドイッチされていたりとコダワリも半端無いです。ここまで美しく仕上げる匠の技術、この基板にしてこの音という、非常に満足度が高いペダルです。
April 1, 2025
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