全5件 (5件中 1-5件目)
1
2040年には車が完全に自動化するという。人はただ乗るだけで、車のほうで勝手に目的地まで正確、安全に連れて行ってくれるというのだからすばらしい。どうも運転手はロボットになるようだ。といっても3~5年刻みに、1段ずつ機能を上げていくようで、最初は渋滞やハイウェイの運転だけ車が運転し、それ以外は人間が運転するのだという。都市の運転には、さまざまな傷害や困難もある。歩行者、自転車、タクシーといった、行動の読みにくい要素が加わってくるからだ。それら予測できないものまで含めて、今後25年かかって完全なオートメーションにしていくわけだが、これだと車の中は緊張がほどけて、楽しい空間になっていくという。すでにグーグルの自動運転車はのべ113万キロ以上走り、1度も事故を起こしていないという。コンピューターの目と頭脳のほうが、私たち人間よりすぐれているのかもしれない。実際、将棋はすでに高段者も、ロボットに勝てなくなっているくらいなのだ。たしかに人間には優秀な人もいれば、少々劣る人もいる。その点ロボットは最優秀の頭脳の持ち主なのだから、頼り甲斐はロボットにありそうだ。それにコンピューターの性能は、よくなる一方だ。ところがここにきて、この車にハッカー攻撃を仕掛ける男たちが出てきた。自動運転する車を遠隔操作で、乗っとることができることを証明してみせたのだ。フィアット・クライスラーは140万台をリコールするという騒ぎになったが、1国の大統領も誘拐可能になるかもしれない。もちろん防御システムもつくられていくだろうが、どんなにすぐれた自動装置をつくっても、つくったのが人間ならば、それを壊すことも、人間ができることになってしまう。これから先はコンピューターの世界の話になってしまうが、いずれにせよ、最終的には人間にとって楽園のような世界ができ上がれば、すばらしいのだが。
2015/07/30
今年も無事に博多山笠を走って帰京した。といっても全長5キロを疾走する山と共に、走り切ったのではない。この山笠は実によくできていて、山の舁(か)き手の集団以外の走り手は、疲れたら歩いて近道をし、先回りしてまた一緒に走れるよう、走路が工夫されているのだ。さすがに数百年つづいてきた祭りだけに、実にみごとに設計されている。また大阪、岸和田のだんじりと同じように、狭い空間で山の舁き手を変えたり、右折左折する危険な個所も設定されていて、見物客をハラハラドキドキさせる。私は地元の友人のご厚意で、法被姿で8年前から走ることができるようになったが、むしろそれ以前より元気になった気がする。ともかくこの祭りが終わったら、もう来年の7月15日を夢想してしまうのだ。私の勇姿はFacebookをごらんになれば出ているが、自分でもこれが84歳かと、驚くほど若々しい(笑)。あと4年、88歳の米寿の年まで走る気でいるが、意外にすんなり実現するような気がする。いや、もしかすると90歳を越えても、若者たちのご迷惑にならないよう、幼児たちと一緒に走っているかもしれない。私は昔から数字の「1」と「100」が好きだった。「1番」になるか、「100万部、100回、100歳、100人」を実現するか――この2つが人生の目標だった。これまではいくつかの面でこの数字を実現してきたが、あと残るのは100歳まで走って、山笠1番の最高齢者になることだ。それも若々しい走者として。どんな目標を夢見ていても、誰に迷惑をかけることはないだけに、あなたも何か、大きな目標を樹ててみないか?
2015/07/24
鹿児島大学大学院の山中寛教授は、がんの宣告を受けたが、むしろ冷静に受け入れるより、がんであることを否認し、怒る人のほうが、長生きするという。ところが日本人は、冷静に受け止めなくてはいけないと思うのか、できるだけ静かに医師の宣告を聞くという。それは「医師をエライ人と思っているからではないか」という。私はどこの医大の出身であるかを重要視するが、医師だってピンからキリまでいるのだ。英国の大学病院では(1)絶望している人 (2)冷静に受容する人 (3)その病気であることを否認する人 (4)闘争心をもつ人――の4種類に分けて患者を追跡したという。その結果(4)の闘争心をもつ人が一番長生きで、(3)(2)(1)の順だったという。山中教授自身大腸がんで「1年後には死にますよ」と宣告されたが、代替医療や祈り、食事と運動に注意した結果、6年後でも生きているという。その間肝臓に転移していたので、手術を予定されたが、医師の態度に怒りを覚えたので、結局手術も拒み、抗がん剤も使わず、放射線治療も受けず、これまで元気に生きているというのだ。山中教授によれば、「がんとはそれまでの自分の生き方がストレスになって、がん細胞が大きくなる」という。だからこれまでの自分の生き方と戦うことが重要になるのだ。ともかく「余命は誰にもわからない。医師のいうことをまともに聞く必要はない」らしい。たしかにキリの医師も腐るほどいるのだから、まず医師が信用できるかどうかだろう。
2015/07/17
大分県杵築(きつき)市の一家庭で、とんでもない事件が起こった。「妻が見送りに出ない」というので怒った夫が、なんと油をまいて、家を全焼させてしまった。それも8人の子どものうち4人を焼死させてしまったというのだ。まだ40歳だというのに、子どもが8人いるというのは、いまどき珍しい。しかし、どんな夫婦間のトラブルがあったか知れないが、深夜寝ている子どもたちを焼死させたことは、許されることではない。火を付けてから「俺が悪かった」といっていたようだが、信じられない異常短気男だ。この男は海上自衛隊の江田島基地に所属する一等海尉で、幹部といっていい。恐らく若い自衛官をふだんから怒鳴りつけているので、自宅でもいばり散らしていたのだろう。最近の男は「低リスク、低姿勢、低依存、低燃費」の4低タイプでないと、女性にモテないが、モテるモテないにかかわらず、「安全で高圧的でなく、女性に寄りかからず、金もかからない」男であることは、いまどきなら当然なのだ。ところが古いタイプの中年男になると、女性や若者に対し、バカバカしいほど高圧的だ。たまに飲みに行ってみても、この種の男はまだまだ少なくないのだ。それでも自分と無関係なら無視すればすむが、上司だったり、父親だったら大変だ。恐らくそんなタイプの男たちは、この事件をテレビで知って、少しは気をつけるのではなかろうか? ぜひとも日常の行動や横柄な口癖を直してもらいたいのもだが。
2015/07/10
現在、歴史小説で人気の澤田ふじ子という作家がいる。私は以前、直木賞候補となった『葉菊の露』という彼女の作品を読んだとき、これは間違いなく受賞する! と確信した。それほどレベルの高い作品だったからだ。ところが、この年の直木賞は「受賞者ナシ」となったのだ。私は直木賞選考委員の目を疑ってしまった。私はこのことを本に書いたのだが、それを読んだ澤田さんから、丁重な礼状が届いた。私の批評は、受賞した喜びに勝る、という内容だった。以後、澤田さんとの交友が深まり、彼女は押しも押されもせぬ歴史小説の大家となっていった。ところが5年前、突然澤田さんから「娘が小説を書いたので読んでほしい」と『孤鷹の天』(澤田瞳子)という長篇歴史小説を送ってきたのだ。そのとき瞳子さんはまだ33歳だというのに、驚くほど歴史に精通し、みごとな作品となっている。この小説は最年少で中山義秀賞をとったのだが、なんと今年の直木賞候補に、瞳子さんの新刊『若沖』がノミネートされたのだ! 伊藤若冲(じゃくちゅう)は生誕300年を迎える奇想の日本画家で、花鳥画、中でも鶏を描けば、比類のない鋭さを見せる。瞳子さんはこの若冲を長篇に仕立てて、文藝春秋から出版したのだ。母の叶わなかった夢を、愛娘が現実のものとするか、私はドキドキして選考日の7月16日を待つのだが、今回は有力作品が目白押しなのだ。それに初のノミネートなので、獲得できなくても仕方がない。母の『葉菊の露』のときとは状況が違うからだ。それにしても母娘2代、よくぞすばらしい作家になったものと私は感動するのだが、こういう場面に直面するのも、珍しい。澤田ふじ子さんには、さっそく今夜、手紙を書かなければ。
2015/07/03
全5件 (5件中 1-5件目)
1