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野村監督の書いたものは、これまでに数多く読んできた。 (野村さんは現在、監督ではないが、監督と言った方がピッタリ来る) と言うより、その執筆のペースは、あまりにスゴ過ぎる。 (もちろん、自分でパソコンに向かって入力などしてないだろうが) それ故、書かれている内容も、重複する部分が多くなってくるのは当然で、 出版されるもの全てを読もうなどとは、現在はもう思っていない。 なのに、ついつい買ってしまう、読んでしまう……。 それは、そこに必ず新しい情報が、ほんの少し盛り込まるからである。本著の中で、野村監督が高く評価しているのは、西部の涌井投手、ソフトバンクの和田投手、日ハムの稲葉選手、中日の落合監督等。かつての選手で言うと、南海の杉浦・皆川両投手、金田・江夏投手と言ったところ。特に、皆川投手とのエピソードは、とても興味深いものだった。チームで言うと、阪神や楽天に対しては、やはり色んな思いを引きずっているようで、色んな面で嫌みっぽく、そしてグチっぽくなっている。そして、「4番とエースが不在」と、巨人に対しても手厳しい。まぁ、それは巨人だけに限ったことではないと思うが。そして、いまだにオールスター戦での投手・イチローについて述べている。このことについては、相当な拘りを持っている様子だ。 残念ながら、仰木は選手時代にオールスター戦に出たことがなかったから、 オールスターの価値がわからなかったのかもしれない。(p.143)もし、野茂やイチローが仰木監督ではなく、野村監督の下でプレイしていたら、ひょっとすると、二人ともメジャーで活躍する機会には恵まれなかったかもしれない。野球ファンは、数々の三振と共にメジャーリーグで湧き起こったトルネード旋風や、2度のノーヒットノーランを見る機会を失い、新人王、年間MVP1回、首位打者2回、盗塁王1回、シルバースラッガー賞3回、ゴールドグラブ賞10回を獲得し、今なおシーズン200安打以上を継続しているという、野球史上に燦然と輝く大選手を、失うことになっていたかもしれない。そうなると、いまだに、プレイヤーにとっても、日本に住む野球ファンにとっても、メジャーリーグは、とても遠い存在のままという可能性が高い。また、2回のWBCの結果も、全く違ったものになっていたのではないか。これが、野村野球と仰木野球の行き着くところである。
2011.05.29
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現在、日本においてサッカーという競技は確固たる地位を誇っている。 しかし20年前には、現在とはかなり違った状況であった。 数あるスポーツの中でも、ダントツの関心を集めていたのは野球であり、 多くの人々の話題に上る球技は、あとバレーボールにゴルフぐらいだっただろう。 そんな日本の人々の意識に、鮮やかに食い込んでいったのがサッカーである。 そのきっかけは、Jリーグの誕生である。 プロ野球よりも明確に、地域密着性というものを前面に打ち出しつつ、 カズやゴンと言ったスタープレイヤーにも恵まれ、Jリーグは成功への道を歩む。そのJリーグを先頭に立って牽引し、現在の日本サッカーの地位を築き上げたのが、初代チェアマン・川淵三郎さんである。本著は、その川淵さんが、Jリーグ発足にどのように関わったのか、そして、どんな思いで行動してきたのかを述べたものである。本著では、サッカーのプレイについての記述はほとんど見られない。と言うより、サッカーそのものについて触れている部分が、さほど多くない。それ故、サッカーについて書かれた書籍だと思って読み始めると、肩すかしを食うことになる。本著はビジネスマン・川淵三郎氏による、正真正銘のビジネス書である。
2011.05.29
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このシリーズも既に9冊めが書店に並んでいるが、 読み手の私の方が、そのペースについていけず、 今回やっと、7冊目を読了。 相変わらず、松岡さんはドンドン書き続けておられます。 さて(7)は、これまでとは少々趣が違っている。 それは、これまで、基本、自らの意志でフリーに動いてきた莉子が、 今回はマルサと連携、出版社に秘書として潜入していること。 そして、その経営の実情と、そこに絡む金の延べ棒の謎に挑む。このシリーズは、全てボリューム控えめ、ライト感覚テイストで、サラッと読むことが出来るのが売りだと思うが、今回もそれを踏襲し、お話しは決して重たくなることなく、流れるように進行していく。ストーリーに盛り込まれているトリックや、登場人物の心情の描き方もとても軽い。それ故、肩肘張らず、気軽に、まるで雑誌を読むが如く、お話しを楽しめるのだが、読後に、少々の物足りなさを感じてしまうのも事実。今回は、お話しの中に嵯峨君が登場したのだが、そのことで、より一層「千里眼」シリーズ・岬美由紀の復活が待ち遠しくなった。
2011.05.15
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魚人島の冒険の始まり。 前回までのハードな戦闘シーンの連続から、 ちょっと緩めなファンタジーの世界へと大転換。 「空島」や「ゴースト島」なんかと同じ雰囲気が漂っている。 まぁ、ハードなシーンばかりだと、さすがに疲れてしまうので、 こういった感じのものも、合間に挿入しておかないとね。 お話しとしてのメリハリがつかないし、 この後に始まるであろう、壮絶な闘いが盛り上がっていかない。それは分かってはいるんだけど、個人的には、ちょっと読んでいて、気分が乗りきらなかった。新シリーズの始まりとうことで、説明的部分が多くなるのはある程度仕方がないけれど、一つ一つのカットが、ちょっと描き込みすぎでバタバタしている気がしないでもない。さて、さっき「ちょっと緩め」と書いたけれど、麦わらの一味のレベルアップに合わせて、敵も強者揃いのようなので、戦闘そのものは、これまで以上に激しいものになりそう。まぁ、ジンベエが登場する頃には、こちらも魚人島の雰囲気や新キャラクターにも慣れ、お話しを、しっかり楽しめるようになっているだろう。次巻に期待したい。
2011.05.04
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ストーリーが動き始めたところで終わってしまった感じ。 上巻を受けて、妊婦の術中死は刑事事件に、 そして、極北市民病院の良心・三枝医師は逮捕されてしまい、 極北市民病院自体も存亡の危機にさらされる。 非常勤の身でありながら、院長代行にまでなってしまった今中先生は、 極北大医局からの帰還命令の手紙を破り捨て、残留を決意。 そんな中、極北救命センター長代行として、速見先生がチラッと登場。 『ジーン・ワルツ』と『ひかりの剣』の清川先生は、かなり目立ってる。そして、大トリを務めるのは『ブラック・ペアン』の世羅先生。極北市民病院再建のため、新院長として颯爽と登場する救世主。でも、そこでお話しは終わり。続きは、現在週刊朝日で連載中の『極北ラプソディ』でということらしい。西園寺さやかは、いったい何者なのか?彼女を「お嬢」と呼ぶ、極北市観察医務院院長・南雲忠義は何者?そして、中途半端な存在に終わった武田多聞と布崎夕奈って何なんだ?さらに、この一連の事件に絡む警視庁の『無声狂犬』斑鳩の狙いは?何も解決しないまま、『極北クレイマー』は終わる。色んな意味で、海堂ワールドを広げていくための、繋ぎの作品だったのか?まぁ、私も海堂さんの作品を全て読んでるわけではないので、まだ知らないだけかも。そして、個人的には、室町院長のその後が、とても気になっている。
2011.05.03
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映画化もされた話題作『ジーン・ワルツ』の主役は、 帝華大学で、発生学の講師として教鞭を取る曾根崎理恵。 彼女は、さらに、産科医院・マリアクリニックでも、 非常勤医師として働いていた。 そして、その産科医院の院長が三枝茉莉亜。 彼女の息子・久広も、北海道極北市で勤務する産婦人科医。 ところが、彼は一人の妊婦の術中死により逮捕されてしまっていた。 その妊婦術中死を巡る事件を描いたのが、本作『極北クレイマー』。本作は、極北市民病院に非常勤の外科部長として赴任した今中良夫の視点で描かれる。極北市民病院は、財政破綻にあえぐ極北市の中でも、その赤字を生み出す大きな要因の一つ。そして、そこに勤務する人たちも、その赤字も当然かと納得させられる面々ばかり。そんな中、産婦人科医・三枝久広は、周囲からの信頼も厚い、真っ当な唯一の存在。そんな病院の現状に呆れ、失望するばかりの今中だったが、院長である室町からは、「ハリキリボーイ」と呼ばれるほどに、何とか現状を打破し、まともな医療を施したいという意欲を保っている。そこに登場するのが、待ってましたの、氷姫こと姫宮香織!姫宮さん、本作でも素晴らしく良い味を出しまくってます。そして、あのろくでもなかった極北病院の面々を、独特の言動連発で、あっと言う間に変えていってしまいます。もちろん、その言動の背景には、師匠をも上回るほどの人間離れした記憶力。そうそう、本作には、固有名詞としては登場しませんが、姫宮の師匠・白鳥さんや、不定愁訴外来の田口先生も、ちらっと登場してくれています。しかも、白鳥さんは、名前も登場しないのに、その存在感はさすがのもの。まぁ、これらについては、桜宮ワールドのファンしか、気付けない程度の記述ですが……。そして、この姫宮が、極北病院で獅子奮迅の大改革を断行している頃、いよいよ、三枝久広の関わった妊婦術中死が、事件になっていく。その仕掛け人は、医療ジャーナリスト・西園寺さやか。姫宮が去った後の極北市民病院は、この事件にどう立ち向かうのか。さて、それでは早速、下巻のページを捲ることに致しましょう。
2011.05.03
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