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自分で言うのも何だが、猫麻呂はジャズ・トランペットに対する評価は概して厳しい。まず第一にテクニシャンは嫌い(ブラウニーやウィントンを聴くと、部屋中のトランペットを処分したくなる)だし、ハイノート・ヒッターも嫌い。逆に、評価が高いのが、丸い音色で中音域を中心に渋く唄うタイプ。初期のマイルスやアート・ファーマー、ケニー・ドーハムがその典型だ。このタイプのトランペッターは、どんな音楽を演奏していても聴いてしまう。ジョン・マーシャルは、ビッグバンド暦が長いにもかかわらず、このジャンルに属する稀有なトランペッターのようである。さらに、どことなくドーハムを意識したようなバップ魂が全開なところが「萌え~っ!」でもあり、猫麻呂的には大プッシュしたいトランペッターなのだ。フレーズに目新しさはなく、アウトもおイタもないが、バッパーへの憧れがストレートに出ていて爽快なのである。前回のMarmadukeのトランペッターのような「リバイバル感」ではなく、マーシャルには「バッパーの生き残り」のような雰囲気があると言っても良い。しかも、ブラウニー系のフレーズは一切吹かず、ガレスピー/ナヴァロ/ドーハム路線なのが素晴らしい。マーシャルの作品には選曲の良いものが多いが、この作品でもジャズファンを喜ばせるようなセンスの良さがある。まずは、1曲目の"The Most Beautiful Girl in The World"を名刺代わりに渋く聴かせる。マーシャルの一番おいしいところをぶつけてきたのだろう。バックを務めるRob Agerbeel Trioとの相性もバッチリだ。続いて"I'm Old Fashioned"を軽快なテンポで小気味よくまとめる。まるで、晩年のアート・ファーマーのようだ。渋めの2曲の後は、ドーハムも演奏した"Mamacita"だ。ドーハム程の爆発感はないが、ドーハム・トリビュートのハートは伝わってくる。次がエルヴィス・コステロの渋~い"Almost Blue"だ。マーシャルの本領発揮といったところか。6曲目の"Russian Lullaby"ではマーシャルのバップスイッチがオンになる。ドーハムというよりもハワード・マギー風のフレーズがビシバシと入り、バップオタクはにんまりしてしまう。8曲目の"Speak Low"でもマギー風の垂れ流しフレーズを多用しているが、どちらかはドナルド・バード風のやっつけフレーズを使ってくれると、バップ・オタク的には嬉しいんだけどな・・・。7曲目の"My Old Flame"はドーハムも演奏していた渋い曲。ここでもドーハムを意識したのかもしれない。9曲目の"Tin Tin Dio"がドーハム風で堪らなくカッコいい。10曲目の"Raincheck"は、選曲としては良いのだが、演奏は垂れ流し過ぎでやや雑っぽい(またそれがカッコ良かったりするのだが)。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)John Marshall & The Rob Agerbeek Trio / Almost Blue (Blue Jack) 1. Almost Blue 2. I'm Old Fashioned 3. Mamacita 4. The Most Beautiful Girl In The World 5. Bitter Sweet 6. Russian Lullaby 7. My Old Flame 8. Speak Low 9. Tin Tin Deo 10. Raincheck John Marshall(tp,flh), Rob Agerbeek(p), Harry Emmery(b), Ben Schroder(ds)2006年2月オランダ録音
2008年08月31日
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メイド・イン・スウェーデンの21世紀ハードバップ・リバイバルな作品。ノリとしては、ナイロビ・トリオ(=Donavan Muradian Quintet)のような元気ハツラツ系のスポーツ・ドリンクのようなハードバップだ。どこの国にもいるんですねぇ、ハードバップって・・・。ハードバップが好きで、好きで、堪らなくて、とうとう自分たちで演奏してしまいました、という気持ちが伝わってくる作品だと思う。最初に断っておくが、この作品は気持ちよく聴けるし、聴いていて楽しい。「名盤」とは言えないかもしれないが、当面はヘヴィー・ローテーションに入るかもしれないと思っている。演奏者の熱いハートと選曲の良さ(ここにもこだわりがあるんでしょうね)で聴かされてしまうのだ。それに、テナーサックスのFredrik Lindborgが素晴らしい。ロリンズやデクスター・ゴードンのようなゴリゴリの音なのだ。この音色一発でこのCDは聴く価値があると言っても過言ではないだろう。それ程素晴らしいこのCDに対して、猫麻呂は何が不満だというのだろう?しかし、このCDを聴いてから本物のハードバップを聴くと、このCDの位置づけが見えてくるのである。例えばリー・モーガンのキャンディとかコルトレーンのブルー・トレインあたりを聴いてしまうと、本物のハードバップとそれのリバイバルとの差が歴然なのである。何だろう、この違いは・・・。時代の匂いというと漠然としているが、色気や気迫の違いは明白である。とにかく、本物が濃厚なのに対して、リバイバルは熱狂しながらもどこか覚めた意識があるように思える。もちろん、リー・モーガンやコルトレーンのような超一流と比較されては仕方がない部分もあるだろうが、ビル・ハードマンやジミー・ヒースと比べても、やっぱり本物と比較すると何かが足りない気がする。そうは言っても、この手の音楽はライブで見ると「萌え~っ!」なのは間違いない。そうだ、ハードバップ・リバイバルはライブで楽しむための音楽なのだ。本物のハードバップを見たくても、当時のNYに行けるわけではない。当時の録音を聴くか、「真似事」だろうと何だろうとライブを見るしかないのだ。そうなると、このMarmadukeというグループにとって、このCDはライブに客を集めるためのサンプラーなのかもしれない。そう思って聴くと、このCDがより楽しくなってきたではないか。キラキラしたトランペットの音とドスの効いたテナーサックスの音がスピーカーから飛び出してくるようなライブな録音も良い。それに、このCDを聴きながら自分でも楽器を取り出して一緒に吹いちゃったりして、これがまた「萌え~っ!」だったりする。CDのこんな使い方も、たまにはいいんじゃないですかねー。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Marmaduke / Conflictions (Imogena) 1.Old Devil Moon 2.Springy (Matti Ollikainen) 3.Conflictions (Matti Ollikainen) 4.Do Nothing Til You Hear From Me 5.And Then She Stopped 6.Hope (Fredrik Lindborg) 7.Reflections 8.Milestones 9.Parisian Thoroughfare 10.Springtime (Matti Ollikainen)※オリジナル曲だけ作曲者を( )に記載しました。Samuel Olsson(tp), Fredrik Lindborg(ts)Matti Ollikainen(p), Victor Furbacken(b), Goran Kroon(ds)
2008年08月23日
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「クラブジャズ」系な人は、ラテンビートやフルートの入ったジャズが好きなんでしょうねぇ・・・。この作品、クラブ活動な人にとっては名盤なのだそうだ。「クラブジャズ」系ではなく「ジャズクラブ」系(しかも何故か体育会系音楽集団?)な猫麻呂ではあるが、確かにこの作品は心地よく聴くことができると思う。話は脱線するが、「クラブジャズ」系な人は、ジャズオタと違って、ジャズを素直に聴いているのではないかと思うことがある。ジャズの「汗」というか「臭い」とというか、バックボーン(=「ジャズの歴史」)を踏まえてジャズと向き合うことは、ジャズの理解には必要だと思うが、音楽それ自体を楽しむには、逆にそれが足かせになっている点があるのではないだろうか。考えてみれば、猫麻呂にとってのクラシックがそんな感じである。所詮は隣の芝生のようなクラシックだからこそおいしそうに見えるが、そこの住人になる気は更々ない。猫麻呂にとっての「クラシック」とは、所詮は「ジャズ」というフィルターを通して見た虚像なのだと思っているが、それでも音楽としては十分楽しめる。音楽に垣根はないが、住民票くらいはあるのだろう。猫麻呂はあくまでも「字ジャズ」なのだ。話を戻すと、この作品はサウンド的に面白いと思う。バリトンサックスとヴィブラフォン&マリンバという組み合わせは、かなり新鮮だ。曲もラテン調からワルツ風といった、典型的な4ビートではないものが多い。しかも、サヒブ・シハブとケニー・クラークといった「バップの権化」が演奏しているにもかかわらず、バップの臭いをまったく感じさせないところが凄い(特にA面)。ユーロ・ジャズの懐の深さを感じると同時に、バップオタにはやや物足りなさを感じるところでもある。しかし、バップの権化たちがヨーロッパで進化させたジャズを楽しむのもジャズオタ冥利に尽きるというものだろう。「文句なしの名盤!」と言われる程の作品とは思わないが、それなりに楽しめる作品ではある。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Sahib Shihab / Seeds (Rearward) 1. Seeds 2. Peter's Waltz 3. Set Up 4. Who'll Buy My Dream 5. Jay - Jay 6. Another Samba 7. My Kind's A World 8. Uma Fita De Tres Cores 9. Mauve 10. The Wild Man Sahib Shihab (bs, fl), Sadi(vib, marimba, bongos)Francy Boland (p), Jimmy Woode (b [4-5以外])Jean Warland (b [4-5のみ]), Kenny Clarke (ds)1969年録音
2008年08月20日
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この作品、猫麻呂的にはどうやっても燃えないのだ。「幻の名盤」のCD化やLP再発としてジャズディスク専門店では大々的に取り上げられていたのだが、そんなに大騒ぎするほどの「ありがたい」作品なのかなー、と疑問に思う。この作品、店頭でBGMとして流れていると、ものすごくカッコよく聞こえる。よく考えられたアレンジに高度な演奏技術なのだから、50年代アメリカの黒人ハードバップ作品とは比較にならないほど「よくできている」はずだ。しかも、ジャズの本場アメリカからはるか遠くの地イタリアで「ジャズ」に憧れながら「オタク」をしていた人たちの作った音楽なのだ。同じような境遇の日本人「ジャズオタク」としは、どこか共感を覚えるのかもしれない。このCDの日本語ライナーを読むと、当時のバッソとヴァルダンブリーニは、アメリカのウェストコースト・ジャズを意識したような音作りなんだそうだ。バッソがスタン・ゲッツでヴァルダンブリーニがチェット・ベイカーなんだとか・・・。こんな「そっくりさん」大会のようなライナーを読んでしまったものだから、とたんに気分が萎えてしまった。それまでは「オタク」の同志と思っていたのに、実は「そっくりさん」だったなんて・・・。しかし、「オタク」の同志と「そっくりさん」との違いって何なんでしょう?バッソのテナー・サックスは、確かにスイングとバップの中間的なゲッツの50年代に近いと思うが、ゲッツ特有の「閃き」はどこにもない。どちらかと言えば、リッチー・カミューカなんじゃないか、と思う。ヴァルダンブリーニのトランペットは、チェットよりも数段巧いが、チェット特有の「いかがわしさ」や「綱渡り」がない。音色は別として、雰囲気としてコンテ・カンドリのに近いのではないか、と思う。聴きどころは、世間で言うとおり、アフロ・キューバン風の"Lotar"だろう。その他の曲については、アレンジのかっこ良さはあるものの、各人のソロが古臭い感じがして、今ひとつ楽しめなかった。爺さんになってからのIdea6の味わいは、この時代のバッソ=ヴァルダンブリーニには期待してはいけないのかもしれない。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Basso Valdambrini Quintet (Music) 1. Come Out Wherever You Are 2. Fan-Tan 3. I Wanna Be Kissed 4. Parlami D'amore Mariu 5. Everything Happens To Me 6. Lo Struzzo Oscar 7. Lotar 8. Like Someone in Love 9. C'est Si Bon 10. Gone With The Wind 11. I Can't Get Started 12. Lover Man 13. Chet To Chet Gianni Basso (ts), Oscar Valdanbrini (tp) Renato Sellani (p), Gianni Azzolini (b) Lionello Bionda (ds)
2008年08月10日
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毎日暑い日々が続いて大変だが、北極や南極の気候変動に至っては「大変だ」では済まされない話なのである。特に、北極に至っては、北極海の氷が溶けて居場所のなくなったシロクマ(ホッキョクグマ)たちが、大量の難民となって南極に押し寄せる可能性があり、南極条約加盟国の中でも議論が紛糾しているらしい。どうやら、ペンギンの先住権擁護派とシロクマの生存権擁護派に意見が分裂しているらしいのだ・・・。なんてヨタ話を書いている場合ではないのだが、今日のCDの話はシロクマから始まるのである。何がシロクマかと言うと、CDのジャケット・デザインに出てくるシロクマが何ともいい味わいというか、このCDの中身をそのまま表しているのだ。場所は南国のリゾートだろうか。シロクマが南国のリゾートというのもおかしな話だが、ビーチパラソルの下で昼間からカクテル楽しむシロクマくんなのである。普段は陸上最大の肉食獣として北極海に君臨している立場も忘れ、今日は南の国ですっかりリラックス状態。目を閉じて恍惚状態で音楽に浸っている。そんなシチュエーションで、シロクマくんが聴くべきジャズとは何でしょう?今日のCDは、ドラムのアルヴィン・クイーン名義として1982年から1983年にかけて録音されたピアノ・トリオ作品。当然ながら、南国でのシロクマの休日をテーマとした作品ではないのだが、フュージョン全盛期の80年代に録音されたためか、全体的に爽やかな感じの音作りとなっている。ジュニア・マンスといえば、伝統的なピアノスタイルを継承する保守本流ピアニストのイメージが強く、どことなく重くて暗いイメージがあるのだが、この作品では保守本流ピアニストのおいしさはそのままで、重さ・暗さ・糖質は50%カットしたような感じだ。だから、最初に聴いたときは、とてもジュニア・マンスとは思えなかったのである。しかし、よくよく聴いてみると、せっつくような独特のリズム感の「マンス節」が楽しめるではないか・・・。しかし、南国のリゾートで「マンス節」云々なんていうのは、チョットねぇ。「マンス節」は、まずは"Snapp Crackle And Pop"のようなアップッテンポの曲で楽みたい。まるで、グリフィンとロックジョーが出てきそうな雰囲気だ。"Wave"や"I Don't Care"では、最初はおとなしく始まるものの、中盤からの盛り上げ方が「マンス節」なんですねー。でも、「マンス節」が出始めると、せっかくのリゾート気分が台無しなので、そんなあなたには"Funky Carnival"。ノリはほとんどフュージョン。夏はやっぱりコレですよ。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Junior Mance / The Shadow of Your Smile (Nilva→PonyCanion) 1. Funky Carnival 2. Here And There 3. Wave 4. Glidin And Stridin 5. The Shadow Of Your Smile 6. Snapp Crackle And Pop 7. I Don't Care 8. Watch What Happens 9. Emily Junior Mance (p) Martin Rivera (b) Alvin Queen (ds) 1982年7月29日, 1983年4月1日 ニューヨーク録音 ,
2008年08月02日
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