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コニッツのピアノ・デュオ作品というだけで、トリスターノとコニッツのアヴァンギャルドな世界を勝手に想像してしまった。猫麻呂の頭の中では、コニッツはいつまでもトリスターノな人であり、あって欲しいのだ。コニッツに「人間宣言」なんてして欲しくない。いつまでも「雲の上の音楽」であって欲しいと思っているのだ。だから、猫麻呂ブログではスティープルチェイス時代以降のコニッツには厳しいコメントが多くなる。しかし、この作品はなかなか良い。コニッツ自身は往年のカミソリのような切れ味はなく、ハサミくらいの切れ味しかないが、この時代のペーパーナイフのような演奏と比べれば格段に良い。しかし、所詮は「ハサミ」なので、切れ味は期待しない方がいい。むしろ、凄いのがハル・ギャルパーの好演なのである。ギャルパーは、フィル・ウッズやチェット・ベイカーの伴奏もやっていたので、名前には馴染みがあったが、ギャルパーの演奏に耳が釘付けになったことはこれまで無かった。そんなギャルパーが、このCDではコニッツを自分の世界に引きずり込んで自己主張をしているのだ。単調になりがちなコニッツに、リズムを変えたり、アウトに誘ったり、あの手この手で音楽として飽きさせない工夫をしている。結果として、コニッツはギャルパーの作ったお神輿の上で踊らされているようなものとなったが、これがコニッツ的にはハマっているから不思議である。考えてみれば、コニッツは自身が音楽をリードするよりも誰かがリードする音楽の上でオイシイとこ取りをするのが得意なのかもしれない。トリスターノ派は単色系の演奏だから、誰に色を付けてもらわないと水墨画のような音楽になってしまう。だからこそ、コニッツは様々な個性のジャズマン達と共演を続けたのではないだろうか。「共演」が「競演」となって音楽性がアレレ?な方向に行ってしまうことも多い中、ギャルパーは大先輩のコニッツと争うのではなく、コニッツを手玉に取った演奏をした。結果、コニッツのハートに火がついて、ギャルパーの思惑通りに事が進んだのではないだろうか。さすがはバークレーで教えているだけある。実は、バークレーで「先輩ジャズマンの使いこなし方講座」なんてやってたりして・・・?猫麻呂:★★★★(4.0)Lee Konitz & Hal Galper / Windows (SteepleChase)
2008年01月27日
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イタリアという国はマニア王国らしい。食べ物に装飾品、音楽という快楽系のものは、歴史的にもイタリアが最高なのだそうだ。ローマ帝国恐るべし・・・。ジャズとワインについても、イタリアはマニアックに走るらしい。ジャズはアメリカ、ワインはフランスが一応「本場」ということになるのだが、「おいしい」ものについてはイタリア人は貪欲というか、徹底して研究するようだ。ワインでは「スーパー・タスカン」と呼ばれるトンデモなく美味しいイタリア製「フランスワイン」(変な表現だなー)を作ってしまった。お値段もスーパーなので簡単に手の出せるものではないが、一度は飲んでみたいなー、サッシカイア。ジャズについては、イタリアは今や立派な「輸出大国」となっている。イタリアにおけるジャズの歴史は、恐らく日本とほぼ同じなのだろう。第二次世界大戦後に一大ジャズブームが起こり、その流れが現代まで受け継がれている。ジャンニ・バッソはジョージ川口より3つ若いだけだから、同世代のジャズマンである。しかし、日本はジャズの輸入大国となりイタリアは輸出大国となったのは何故なのだろう。西洋音楽の歴史と音楽人口の層の厚さが違う・・・と言ってしまえばそれまでだが、どうなんでしょうねぇ。例えば、日本のジャズマンはオーケストラで演歌歌手の伴奏をやらされたりしたのだが、イタリアではどうなのだろう?カンツォーネの伴奏か?いずれにせよ、日本はジャズマンが生活するには厳しい国なのだろうと思う。イタリアはいい国なんだろうなー、という感想が、このCDを聴いた第一印象なのである。この作品、良くも悪くも「メイド・イン・イタリー」なジャズである。とにかくカッコいい。本場アメリカのジャズは、どことなく「どんより」していて重たい。あのカッコいい帝王マイルスでさえも、ジャズの歴史の重みからは解放されなかった。それが、イタリアでは何事もなかったように軽々とジャズの重圧から解き放たれたようなジャズ(これまた複雑な表現で申し訳ない)を演奏している。これが聴いていて心地よくもあり、物足りなくもある。しかし、カッコいいなー。カッコいいと言えば、この作品で演奏されている曲がカッコいい。全てオリジナル曲だと思うが、爽やかで分かりやすい曲ばかり。このあたりも作品コンセプトなのだろう。とにかく気持ちよくなる曲が並んでいる。さすがは快楽の国、イタリアである。分かりやすいのは曲だけではない。演奏もシンプルそのもの。こんな簡単なことしかやっていないのに、こんなにカッコよくなるのである。イタリア男はやることが違うねェ!それにしても、イタリア男は歳をとってもカッコいいというのが、憎いというか悔しいというか、驚かされる。サックスのバッソとトロンボーンのピアナは本作品録音時に74歳と75歳だったというのが凄い。トランペットのピストッキの年齢はわからないが、恐らくは70歳前後だろう。そんな御年でよくもあんな音が出るものだ。余程丁寧に歯磨きをしないと、70歳超えて金管楽器は厳しいだろうに・・・。CDで聴く限りは、そんな年寄りの演奏とはとても思えない。やっぱりイタリアは凄い!猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Idea 6 / Metropoli (Deja Vu) 1. Metropoli 2. New Born 3. Minor Mood 4. Pittura 5. Train Up 6. Windy Coast 7. Vivacita 8. Marmaris 9. Autumn In Milano10.Tokyo LullabyGianni Basso(ts), Dino Piana(tb), Guido Pistocchi(tp),Luciano Milanese(b), Stefano Bangnoli(ds), Andrea Pozza(p)
2008年01月20日
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ネイサン・デイビスのCDはどうしてこんなに早く市場から消えてしまうのだろう。このCDも既に廃盤であり、入手困難(それでも今なら探せば入手できる)となってしまった。これから中古市場でプレミア付きで出回るのだろうが、大枚はたいて購入するほどの価値のある内容ではない。B級はB級価格で買ってこそ価値があるのであり、B級ものをA級価格で購入して喜んでいるのは愚の骨頂である。とは言え、このディスクはB級的魅力満載の愛すべきB級盤であることは間違いない。まずは2曲目の"Spring Can Really Hang You Up The Most"でのワンホーンでの歌いっぷりである。この曲は透明感のある歌い方をする人が多い中、ネイサンは何とも雑味いっぱいの歌いっぷりで、逆に新鮮な感銘を受けてしまうのだ。だからこそ、ピアノ(何故かオルガン奏者のラリー・ヤングが弾いている)ソロでのベースの掛け合いに美しさを感じてしまうという、逆説的効果も期待できるだろうB級的魅力その2は、ネイサンのオリジナル作品である。"Evolution"という不気味なワルツはいつまでもメロディーが耳に残る強烈な印象がある。ただし、この曲もウディ・ショウのゾルタンのテーマに美味しいところを持って行かれてしままっていて、全体の中ではあまり目立たないのだが、そんな点もB級な所以か。それ以上にB級度に貢献しているのが、1曲目の"The Flute in The Blues"だろう。このディスクを試聴した人の8割がこの1曲でズッコケて購入を断念したのではないかと思われるほど、あからさまにコッパズカシイ曲なのである。この曲さえなければ売れたはずなのに、わざわざ1曲目に持ってくるところがB級盤愛好家の中での評価を高めていると思われる。魅力その3は参加メンバーの面白さだろう。ウディ・ショウを参加させて時点でハード作品に仕上がることは間違いないのだが、そこに何故か、オルガンのラリー・ラングがピアノで参加という面白さ。更にはジミー・ウディを参加させてリズムをかっちりまとめているところが憎い。ただし、作品全体のコンセプトがよく分からないところが何ともB級的な感じで良いのではないか。期待して聴くほどの作品ではないかもしれないが、期待しないで聴くとガツンと来る作品と言えるだろう。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Nathan Davis / Happy Girl (SABA) 1. The Flute in The Blues 2. Spring Can Really Hang You Up The Most 3. Happy Girl 4. Evolution 5. Theme From Zoltan 6. Along Came Byrd 7. Mister E.Nathan Davis(ts,ss,fl), Woody Shaw(tp), Larry Young(p)Jimmy Woode(b), Billy Brooks(ds)Recorded January 31, 1965
2008年01月14日
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オスカー・ピーターソンの追悼記事を書こうと頑張ってみたものの、どうもビッグネームは苦手というか、腰がひけてしまって、ここまでズルズルと来てしまった。なんたって、新聞に写真入りの訃報が出て、「鍵盤の皇帝」やら「高松宮殿下記念世界文化賞」などという普段聞かないような言葉がちりばめられるような偉い御仁なのである。ちなみに、「高松宮殿下記念世界文化賞」は、Wikipediaで調べてみてビックリ!歴代受賞者には現代音楽の作曲家の名前がズラーっと並んでいるではないか!それなのに、シュトックハウゼンの名前がないのが不思議。そもそも、シュトックハウゼンも2007年12月に亡くなっているのに、新聞各紙の取り上げ方は小さかった。オスピーと比較すると、100年後の評価を考えるとアレっ?と思うような取り上げ方の違いだ。あー、話が脱線しすぎた。オスピーのピアノ論なんて猫麻呂には恐れ多くて書けないが、ホーン奏者の伴奏者としてのオスピーについてなら許してもらえるだろうと思って、ベニー・カーターのディスクをネタにオスピー追悼記事を書いてみたい。オスピーの伴奏といえばJATPでの名演の数々が凄い。オールスターズでのブルースや循環といったアップテンポの曲でのきらびやかなイケイケ伴奏も凄いのだが、バラードメドレーが一番凄いと思う。何が凄いかって、まず珠玉のイントロですよ。前の曲とのつなぎ方が絶妙で、キーが違う曲だってオスピーの手にかかれば実にスムーズに次の曲につないでしまう。また、イントロだけでなく、オスピーの伴奏全体が夢見るような美しさ。こんな職人仕事を、一発勝負のライブで平気でやってのけるのだから、ノーマン・グランツがオスピーに寄せる信頼は相当なものだったはずだ。オスピーの伴奏はスイング時代の名手の伴奏がほとんどであり、バッパーの伴奏はディジー・ガレスピーやスタン・ゲッツといった一部に限定される。オスピーがスイング時代の先輩ジャズメンを尊敬していたから・・・という説があるが、本当のところはどうだったのだろうか?ホーンの伴奏は不本意だったが、ノーマン・グランツ系のセッションでは伴奏の仕事を断れなかったのかもしれない。しかし、逆に言えば、ノーマン・グランツ系のホーン奏者だからオスピーが伴奏でも吹き切れたとも言える。ホーン奏者にとって一番やり易い伴奏者とはトミー・フラナガンのようなタイプだろう。ホーン奏者のやろうとしていることにピッタリ合わせてくれる。もしくは、ソニー・クラークやハービー・ハンコックのように、ホーン入りコンボを前提として音楽全体を作るピアニストも、方向性が合えばやり易い。このタイプは、ホーンを前面に出すようなバッキングをしてくれるので、ホーン奏者は気持ちよく吹ける(吹かされる)のだ。一番やりにくいタイプがピアニズム派のピアノ伴奏。バド・パウエルやビル・エヴァンスの伴奏でブリブリ吹くなんてことは、普通はありえない。オスピーは、バラード伴奏は別として、このやりにくいタイプに入るだろう。特に、アップテンポでのオスピー伴奏は、前のめりでスキがなく、ホーンの入る余地がない。それでは、どうしてスイング派のオヤジたちはオスピーの伴奏で名演ができたのだろうか?ひとつは、オヤジたちはバラード勝負だったから、と言える。このベニー・カーターのCDはその典型だ。"Imagination"という曲では、この世のものとは思えないようなオスピーの美しい伴奏の上を、カーターの美音が滑っていくのである。フレーズうんぬんというレベルではない。カーターの美しい音がオスピーの伴奏の流れに乗ってキラキラと流れ落ちて行くのだ。これが、ノーマン・グランツの一連のスイングジャズ録音を楽しむ「美の壺」だと思う。バラードはいいとして、アップテンポの曲はどうなのだろう。スイング派のオヤジたちは、バップ以降のフレーズで物語を作る手法とは異なる世界に生きている。オヤジたちの最大のこだわりは「音色」なのだ。どんなフレーズでも構わない。ワンパターンのフレーズで、個性的な音色を武器に得意技でキメにかかる。ピアノ伴奏が誰であれ、必殺技をくりだすのだ。極端な話、ピアノ伴奏でなくても、DTMの打ち込みでもリズムボックスでも何でも良いのだろう。それ程までに芸を練り上げているというか、ある意味シンプルなのだと思う。そうは言っても、やっぱりオスピーの伴奏は良い。何が良いって、もれなくレイ・ブラウンがついてくるからである。こういった安定感のあるベースが入ると、ホーンはかなり楽になる。レイ・ブラウンさえいればピアノは誰でもいい、と思ったホーン奏者は多いのではないだろうか。オスピーは、エド・シグペン入りのトリオでの大当たり以降、ホーン伴奏の仕事がめっきり減ってしまい、再びホーン奏者の伴奏を本格的に開始するのは、パブロでのトランペッターとの対決シリーズとなる。ここでは、トリオでの伴奏ではなく、オスピーとトランペッターとのシングル・マッチ。これは、さすがに聴いていて疲れる。やっぱり50年代初期のスイングオヤジものをマッタリ聴いているのが楽しい。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Benny Carter / Cosmopolite - the Oscar Peterson Verve Sessions (Verve)
2008年01月05日
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