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ナンとも魅力的なジャケットである。真っ赤な背景に、サックスを持ちながらスキップするおじさん。その左にはタイトル"Clap Hands Here Comes Charlie"がある。このおじさんがチャーリーなのか・・・。このレコード、DJ筋で人気があるそうだ。ジャズオタとDJでは思考も嗜好も違うので想像ができないが、おそらくは、クラーク=ボラン楽団がDJ筋で人気が高いため、派生作品として売れているのだろう。ラテンやモードの好きなDJがこのレコードを好んでかけるとは思えないのだが・・・。まずは主役のカール・ドレヴォとは何者か、という疑問があるだろう。ネットで調べたところでは、オーストリアはウィーン出身のテナーサックス奏者ということらしい。ウィーン出身者がジャズをたしなむなんていうのはバチカンの人がメッカに向かって礼拝しているようなもんだ、なんて不穏当な比喩も出そうなものだが(そんな人はいないか?)、当たらずしも遠からじというところだろう。このレコード、タイトル曲でグっと来る人は相当年季の入ったジャズファンだろう。"Clap Hands! Here Comes Charlie"というタイトルで「萌え~!」モードに入った人は戦前ジャズ派か相当のジャズ狂のいずれかに違いない。そもそもこの曲は戦前のカウント・ベイシーやチック・ウェッブ等のスイング全盛期に流行った曲であり、1950年代以降に取り上げる人は少ない。しかし、このシンプルな構成の曲は一時代のダンサー達を狂気乱舞させたのは間違いない。そんな曲であることをドレヴォおじさんが知らなかったはずはない。2曲目の"I'm Getting Sentimental Over You"はトミー・ドーシー楽団のエンディング・テーマ曲だ。ドレヴォおじさんが米国のスイング時代に憧れていた疑いは濃厚である。更に、B面1曲目の"Limehouse Blues"だ。この曲、キャノンボールとコルトレーンの競演で有名だが、スイング期にはポピュラーだったこの曲もモダン期には取り上げられる機会は少ない。これらの状況証拠から考えると、ドレヴォおじさんはアメリカのスイング時代に憧れるヨーロッパのテナーマンというプロファイルができるだろう。そうなると、B面の2曲目"Foot Pattin'"を見逃すわけにはいかない。この曲を取り上げているのは、テナー・バトルの聖典といえる"Very Saxy"に他ならないのである。ドレヴォのようなテナー・サックス・マニアがその点を見逃すはずはない。ホーキンスを始めとするテナー・バトルの競演を知らずにこの曲を演奏するなんてことはありえないのだ。この曲が出た時点で猫麻呂は「萌え~!」なのである。それはともかく、1930年代末から1940年代にかけてのテナー・バトルの歴史をドレヴォが意識した可能性は高いと言えるだろう。結論としては、DJ筋で人気のあるこの作品は、正統派ジャズオタ的にも実は見逃せない作品と言えるのかもしれない。クラシック音楽の聖地にありながらスイングジャズに憧れ、テナー・バトルにも造詣が深いウィーンっ子というだけで面白いのだが、その作品自体が古き良き時代のジャズを彷彿とさせるというのが面白いではないか。しかも、録音された時代がモードやフリージャズ全盛期なのに、1930年代のスイングジャズをやっているというのが最高に面白い。DJ筋はこの辺りの事情を分かって聴いているのかどうか疑問ではあるが、ジャズがダンサブルだった時代の音楽を再現したのだから、「当たらずとも遠からじ」と言えなくもない。だけど、DJさん達には興味のないジャズの歴史を知ってこそ分かる面白さがこのレコードにはあるのかもしれない。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Karl Drewo / Clap Hands Here Comes Charlie (Rearward)
2009年01月25日
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昨年の11月頃からディナを聴き始めて、今や猫麻呂イチオシのヘヴィー・ローテーションとなったCDがこの作品。ピアノ・トリオだけだから、ディナ率100%でかぶりつきで楽しめる。以前にも書いたが、ディナ作品はピアノ・トリオとしてまず楽しみ、次にナチュラルな歌声を楽しむのである。ディナの歌は自身のピアノ伴奏と一体となってこそディナ・ワールドが完成する。ディナ・ワールドだなんて言葉を勝手に作ってしまったが、都会的な洗練された音楽にもかかわらず、どことなくカントリーな感じがするのが特徴だと思っている。クールなのに落ち着くというか、冷んやりした中にもほのかな暖かみがあるというか、暗がりの中のロウソクというか・・・。かっこいいのに癒されるんですね。選曲はブルージーなものから小粋なスタンダード、更にはジョン・レノンの"Imagine"まで取り上げている。スピーカーと対峙しながら聴くような曲ではなく、自然と耳に入ってくるような曲が多い。"Imagine"はディナのオリジナルだっけ?というほど自然に聴こえる。とくにコレがイチバンという曲はないが、猫麻呂が好きなのは1曲目の"Meditation"。ディナの歌が終わったところで出てくるクレシェンドにゾクゾクしてしまう。2曲目の"All My Life"のベースのアルコ・ソロもいい。9曲目の"A Walk in The Park"はディナのオリジナルだが、この曲だけインストのみの演奏となっている。しかし、歌が入っていないことに気が付かないで聴いてしまう。この作品、録音も良いしジャケットデザインも良い。一家に1枚常備しても損のない作品なのである。猫麻呂ポイント:★★★★★(5.0)Dena DeRose / A Walk in The Park (MaxJazz)
2009年01月17日
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気が付いたら新年に入って10日も経過してしまった。今さら新年の挨拶というわけにもいかず、ここは何事もなかったかの如く済ましてしまおうかな・・・、やっぱり「今年も宜しくお願いします」くらいの挨拶は必要かな・・・、と悩ましい日々が続く今日この頃。ブログ更新もサボって猫麻呂は何をしていたかといえば、インフルエンザで寝込んでいたのだ。一家全員発病するという悲劇的な年末年始ではあったものの、寝込んでいる間は音楽を聴くくらいしか楽しみがない、という願ったり叶ったりの環境でもあった。ハードな音楽は体に障るということで、女性ヴォーカルを少々とウェストコーストジャズをたっぷりと聴いていたのである。ハワード・ラムゼイやホーティー・ロジャースにはホント世話になったなー。それで女性ヴォーカルの話だが、そもそも猫麻呂のウチには女性ヴォーカルのディスクがほとんどない。前々回のブログに登場したディナ・デローズとペギー・リーの古いアルバム(これが実は愛聴盤だったりする)以外はアニタ姐とダイナ・ワシントンしかないのだ。これではいけない、と一念発起して買ってみたのがロベルタ・ガンバリーニのCD。なぜガンバリーニのCDなのかって?そりゃ、ジャケ買いですよ。この魅力的な・・・(モゴモゴ)。そんな下心いっぱいの動機はあったものの、一応の大義名分はある。ジャズのお仲間に聴かせてもらったガンバリーニの"You Are There"でのハンク・ジョーンズとのデュオが素晴らしく、それ以来すっかりファンになってしまったのだ。このお仲間の方は猫麻呂にディナを教えてくれた人だが、実は密かに女性ヴォーカル地獄への道案内をしているのだろう。まんまと策略にハマりつつある猫麻呂であった。今年は女性ヴォーカルを聴いて、立派な"エロ・ジャズオヤジ"になるべく精進するのだ・・・。(できるかな?)とは言え、単なる女性ヴォーカル作品は猫麻呂にはちと辛い。その点、この作品にはちょっとした秘密がある。ここで猫麻呂アドバイス。「まずは4曲目"On the Sunny Side of the Steet"から聴くべし。」これでコアなジャズファンもガンバリーニの魅力にアリの巣コロリとなること間違いなし。その秘密とは何か・・・。それは聴いてのお楽しみ。ガレスピー・ファンやロリンズ・ファンは思わずニンマリするだろう。(これだけで分かる人には分かるんだろうなぁ。)4曲目でコロっといったら1曲目から素直に聴いてみる。1曲目の"Easy to Love"を聴くと、技巧的な"On the Sunny Side of the Steet"とはまったく違ったガンバリーニの本当の歌声が聴ける。カーメン・マクレエなんて強面の名前を出したくはないが、音域や声の伸び方が似ているのかな。そんなことはどうでも良い。このアルト・ヴォイスの伸びと艶が、しっとりとした曲をよりしっとりと聴かせてくれる。深夜のバーでこの歌を聴きながらしんみり独り酒なんていいだろうな。静かな曲だけでなく"No More Blues"でラテン気分というのも良い。パンチは効いているけど怖くないのが嬉しい。最近の女性ヴォーカルは随分聴きやすくなったものだ。怖くもないし、妙なかわいらしさもない。女性ヴォーカルも等身大にジャズしている時代になったのかもしれない。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Roberta Gambarini / Easy to Love (Groovin' High)
2009年01月10日
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