サイド自由欄
フリーページ
今日はあの人と会う日である。
さわやかな瞳の中でひとりの
男を思い出していた。
女はある思いをもって、仕事を休み
そしてひとり外出するために鏡の前にいる。
うすい化粧をしてコートとベージュの
マフラー・手提げバックを手にした。
そしてもう一度バックの中身を確認した。
女は30代半ばであろう。
黒い皮のブーツをはきマフラーをクルッと
まわしその先をコートの中に入れ家を出た。
家から近くの駅まで25分ほどである。
JR大阪までの切符を買い、階段を
上がって駅のホームに立った女の姿には
他の誰よりも美しく清清しいものがあった。
華やかな女のやさしさと色香が周囲に漂った。
この駅から列車にゆられ2時間をかけて
ひとりの男性に逢いに行くのだという。
その男性といつ知り合い、いつから愛を
感じたのかは今は誰も知るよしもない。
この女性しか知らない心の内であった。
ただ長い付き合いではない。
2ヶ月程度の友達関係だというのだ。
列車がホームに滑り込んできた。
始発駅だからゆっくりと座れた。
発車のベルがしてゆっくり列車は動きだした。
女はひとりの座席でその男をまた思い出していた。
その男の風采がどんな男かなどということは
誰もわからないのだが。。。
ただその女より3・4歳年上の独身の会社員で
どうもIT関係の仕事をしているらしい。
女は窓の外にながれる田園風景を見ながら
男との出会いに心をときめかせていた。
そのうちに睡魔がやって来たんだろう。
うつらうつらと眠ってしまった。
列車はいまどこを走っているのだろうか。
ガタンガタンというリズミカルな振動が
音楽となって眠りにに誘われた
脳裏の中で考えながら深い眠りとなった。
その眠りには、とても美しい女の表情があった。
(つづく)
第45回 「 バレンタインの女 」 … 2005年04月07日
第44回 「 バレンタインの女 」 4/3 2005年04月03日
第43回 「 バ レ ン タ イ ン の 女 」… 2005年03月29日
PR
New!
えむ5678さん
New!
USM1さん
New!
よびりん♪ さん
New!
よびりん2004さん
New!
カーク船長4761さん
New!
愛 つさん
New!
みなみたっちさん
New!
龍の森さんカテゴリ
カレンダー
キーワードサーチ