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大正時代から戦中にかけて、多大な業績を挙げた日本画家にも関わらず、死後しばらく忘れられた存在だったとのこと。こういう画家って往々にして見られる。さて、今回の小早川秋聲展。とてもいい展覧会だった。初期の伝統的な日本画。「恋知り初めて」などの一瞬、洋画に見えるような明るいタッチの絵。アジアからヨーロッパ、アメリカまで諸外国を歴訪して描いた絵。オランダの港の光景を描いた「長崎へ航く」。船を見送る女性たちの衣装がとてもステキ。実際にテキスタイルを何枚も集めて描いたそうだ。シルクロードを描いた「絲綢之路」も気に入った。ほとんど水墨画。砂漠の中の駱駝。左隻の下部にひろがるデコボコは何だろうか。蓮池のようにも見えるが、オアシスなんだろうか。たらしこみのぼこぼこした雰囲気が心地よい。東本願寺の僧籍を持ち、従軍画家として活躍した。戦犯となることも覚悟したとのこと。代表作の「國之楯」、これはテレビ番組で放映されたのを見たことがあったが、実物を見ると実に凄まじい絵だ。戦意高揚・反戦の立場を問わず、一度目にしたらもう忘れられない。まさに「鎮魂歌(レクイエム)」だ。(10/23)
2021年10月26日
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コローから始まり、印象派、ポスト印象派、エコール・ド・パリなど日本人の好むフランス絵画のオンパレード。西洋絵画の歴史を学んでいるような感じで、まさに「甘美なるフランス」を堪能した。ポーラ美術館には何回か足を運んだことがあるので、ほとんどの絵は初見ではないと思うが、何度見てもいい。ただ若かりし頃にユトリロやモディリアーニに初めて出会った際の胸のときめきが一瞬よぎったものが、すぐに消え去ってしまったのは悔しい。なぜかドンゲン5点もあったが、なかなかドンゲンのまとまった作品を見る機会がないので嬉しい。お気に入りの絵はたくさんありすぎて(ほとんどと言っいいが)選ぶのは難しいが、今回のいちばんはゴーギャンの「白いテーブルクロス」。繊細なタッチが実に心地よい。ユトリロの白に匹敵する実に素晴らしい「白いテーブルクロス」である。(10/9)
2021年10月20日
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毎年、春の江戸絵画まつりを見ているが、今年は秋にも同様の企画。ヨーロッパの絵画を加えて、より深みのあるものとなった。テーマは「動物」、ふしぎ・かわいい・へそまがりという観点からいろいろな楽しい絵を紹介してくれる。まずしょっぱなから若冲の象と鯨図屏風。この絵が発見された時には大いに話題になり、大津のミホ・ミュージアムまで出かけたことを思い出す。この絵は釈迦涅槃図をイメージして描かれた絵なのではないかという解説。母親の17回忌のために描かれたとのこと。次に展示されている名古屋市西来寺の「八相釈迦涅槃図」を見ると確かに鯨と象が嘆き悲しんでいる。なるほどと感心。日本・ヨーロッパのさまざまな時代の動物の絵。見ているだけで楽しく、心が和む。前回の江戸絵画展でびっくりした徳川家光のうさぎやミミズクの絵も展示されている。応挙や芦雪の子犬の絵を比較するのも楽しい。何よりうれしかったのは、大好きな小倉游亀の「径」があったこと。親子と犬の足並みが見事にそろっている。そういえば作者の名前も動物だった。(9/25)
2021年10月20日
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9月の読書メーター読んだ本の数:13読んだページ数:4040ナイス数:250Another 2001の感想多感な中学生時代。クラスメートが一人亡くなっただけでも、大ショックなのに、次々に起こる災厄。もぉ止めてくれぇ・・・。中盤、なんだ、こんなところに仕掛けがあったじゃないかと気づいて、一段落したと思ったら、さらにラストは怒涛の展開が。次作に向けて、いろいろ仕込みがあるらしい。しかし800ページの単行本は寝ながら読むには重かった。読了日:09月30日 著者:綾辻 行人諸星大二郎 デビュー50周年記念 トリビュートの感想中3の時からリアルタイムで追っかけている諸星大二郎。ここに掲載されている漫画家諸氏も同じ体験をしているのかと嬉しくなる。ラストの諸星大二郎の「タビビト」は北脇昇のクォ・ヴァディスへのトリビュート。読了日:09月26日 著者:諸星大二郎影を買う店の感想幻想小説短編集。中には理解不能な作品もあったが、戦時下を舞台にした作品などは、皆川節が炸裂して面白い。読了日:09月24日 著者:皆川 博子世界でいちばん素敵な建築の教室 (世界でいちばん素敵な教室)の感想まず、世界各地の建物の美しい写真に見とれてしまう。説明も分かりやすく、建築の入門にぴったり。ただ説明文のポイントが小さく、拡大鏡がないと読めなかったのが残念。読了日:09月22日 著者:たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)の感想戦後の新しい学制により、1年間だけ高校3年を経験することになった主人公。男女共学制度のとまどいなど、変革の時代の混乱の様子がよく分かった。戦争での殺戮に比べれば、たかが殺人。こういう考え方も当時はあったのだろうか。人の心の移ろい易さを感じた。推理小説としての出来栄えは?。読了日:09月21日 著者:辻 真先ついてくるもの (講談社ノベルス)の感想「祝儀絵」、山形、結婚式の絵・・・「むかさり絵馬」だとすぐに察しがついた。この叔母さんも怖い。ラスト1編はテイストが違ってちょっと調子外れでした。読了日:09月17日 著者:三津田 信三モダンの感想ニューヨーク近代美術館に関わる人々を主人公にした短編集。サクッと読めるが、9.11や3.11もテーマになっており、内容は重い。「中断された展覧会の記憶」で、3.11当時の日本に対する海外の反応の様子がよく分かった。「私の好きなマシン」はデザインがアートになることをうまく紹介しているいい話。読了日:09月14日 著者:原田 マハ世界で一番美しい建築デザインの教科書の感想インテリア・家具あたりはわかりやすかったが、後半の集合住宅のデザインあたりから、難しくなってきた。建築に疎い素人にはちょっと……、でもイラストは美しい。読了日:09月13日 著者:鈴木 敏彦,松下 希和,中山 繁信女神のタクトの感想ギャグコメディ調の序盤から打って変わって、ラストはまじめな音楽小説になり感動のうちに終わる。そのギャップが激し過ぎ。まぁ、楽しめたから良しとするか。読了日:09月13日 著者:塩田 武士古道具 中野商店 (新潮文庫)の感想タイトルから古道具店を舞台にした人情物語か、コメディか、それとも骨董をめぐるミステリーかと期待して読みました。ところが、アルバイト定員の主人公と関係者のはっきりしないモワッとした人間関係・恋愛感情の移り変わりが中心で、もう勘弁してほしいと思った部分もが多かったです。ただ、いわくつきの古物の話とか興味がわいたところもありました。ラストは過去を振り返り、新しい展開を期待させる終わり方でちょっと好感を持ちました。読了日:09月11日 著者:川上 弘美山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)の感想「鳥とファフロッキーズ現象について」は、どこかのアンソロジーで読んで感激した話。そうか、この作者だったか。表題作「死者のための音楽」は美しい物語で好き。「井戸を下る」の異界が現実になっていく様が楽しい。読了日:09月07日 著者:山白 朝子愛なき世界 (単行本)の感想研究場面は難しい単語が多く、ググりながら読んだ。エッペンチューブ、なんとカバーの真ん中で青く光り輝いていた。愛なき世界を愛する愛情たっぷりの人々の話にほっこりした。松田教授の過去の話には泣けた。読了日:09月05日 著者:三浦 しをん神去なあなあ夜話 (徳間文庫)の感想前作、なあなあ日常の続編。相変わらず著者の語りぶりは楽しくあっという間に読了。ただ前作のような神去村での不思議な体験が語られなかったのは残念。こちらのほうがより、神去村の「日常」に近づいた感じだった。読了日:09月02日 著者:三浦しをん読書メーター
2021年10月04日
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