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「ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」というサブタイトルに惹かれて出かけましたが、あらかじめWEBサイトで展示リストを見た時に出かけようかどうかと迷った危惧がその通りになってしまいました。まず展覧会のコンセプトが全体的に難解だったというのが最大の欠点。単なる眠りを描いた「序章 目を閉じて」のルーベンスの子どもたちの絵やフジタの裸婦像など10点は分かりやすく、GOODでした。次の「第1章 夢かうつつか」のコーナーもシュルレアリスム絵画を取り上げたことは理解できます。ところが「第2章 生のかなしみ」あたりから、疑問符が漂い始めます。眠りは死と裏腹だと訴え、枕を描く小林孝亘の作品は解説を読んではじめてなるほどだと思いました。解説を読まなければ単に「眠りに必要な枕」のイメージしか湧かなかったことでしょう。今まで東近美で何回も見ている堂本右美の「Kanashi-Ⅱ」はこの黒い線が初めてチューリップだったこと解説によって知りました。このコーナーの作品はやはり解説が必要です。塩田千春も初期の映像作品のみの展示で期待していた大規模なインスタレーションは無く拍子抜けでした。「第3章 私はただ眠っているわけではない」のコーナー。森村泰昌の三島由紀夫に扮するビデオは面白いのですが「無関心=人々が目覚めていないこと」と眠りと引っ掛けるのは理解するのは如何なものか。「第4章 目覚めを待つ」。ここの作品は解説を読んめば、なるほどなと感じます。でもどこがいいのでしょう。ぱっと見では何が何だかさっぱり分かりませんでした。「第5章 河原温 存在の証しとしての眠り」、この人のこのシリーズもかつて何回も見ましたが、いまだにその良さが思い浮かびません。そして「終章 もう一度、目を閉じて」。現在のコロナ禍における「新しい日常」の中での生き方のヒントをもたらすということですが、何ともピンときませんでした。ただホームページに載せいている展示会場を網羅した3DVRは素晴らしいです。(これでちょっと期待したのが間違いでしたが) (2/6)
2021年02月17日
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いつだったかテレビ東京の「美の巨人たち」で小村雪岱の特集を見ました。そこで雪岱の最高傑作が「青柳」だと紹介されていました。以前、埼玉県立近代美術館でも眺めたことがありましたが、もう一度この絵を見たいと思い三井記念美術館に出かけてきました。誰もいない青畳の上に三味線と鼓が残されています。柳の枝がふわりと垂れ下がっています。ちょっと前には人がいたと思われるのですが、今見ているこの絵には不思議な静寂さを感じます。デンマークのハマスホイの絵画のようです。確かこの絵は家の二階から隣の家を眺めた絵だったと紹介されていたように思います。隣家をのぞいたら必ず女性の幽霊が見えるという以前に読んだホラー小説を思い起こしました。小村雪岱の魅力は、その線の美しさです。曲線と直線のバランスが素敵です。そして鈴木春信の再来かと思わせる可憐な女性像です。「おせん 雨」の木版画。降り注ぐ雨の中に様々な角度で描かれた傘。そこから除く人々の顔。おや、顔が見えずに身体だけが描かれている人もいます。この絵も雨の直線と傘の円のリズム感が素晴らしいのです。他にも雪岱の装幀した多くの本、肉筆画など見ごたえのある作品が並びます。また鈴木春信の浮世絵や明治から現代までの超絶技巧の工芸品まで展示されていて楽しめました。(2/6)
2021年02月17日
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靉嘔は、今から40年以上前の学生時代に知った版画家です。近くにあったパルコの中にあった文具売り場で版画が売られていました。当時は実際に購入することがなかったのですが、その鮮やかなレインボーカラーにあこがれてその店を通るたびに眺めていたものでした。それ以来、近辺で靉嘔の展覧会が開かれるたびに出かけています。今回も久々の展覧会でした。波形の変化だけが描かれたような抽象的な作品、アンリ・ルソーの模写、地獄絵図、十二支の動物、浮世絵の春画など、多種多様な種類のレインボーカラーがあふれ出て、何とも心地よい雰囲気に浸ることができました。うねうねと曲線を描く虹を見ていると身体から見えないエネルギーが発散されていくようです。般若心経の文字をレインボーカラーで描いた作品は宗教的な作品です。シュールリアリズムの画家北脇昇の作品を思い起こしました。ここで、レインボー喜寿靉嘔展を見たのが12年前。御年90才の靉嘔のますますのご健勝を祈念するところです。(1/31)
2021年02月09日
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1月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:4672ナイス数:296イン・ザ・プール (文春文庫)の感想映画の場面も思い出しながら、十数年ぶりに再読。とにかく、伊良部医師の天真爛漫さ、おバカさに笑いが止まらない。そしてラストはほのぼの。次は空中ブランコ。読了日:01月30日 著者:奥田 英朗羊男のクリスマス (講談社文庫)の感想緩くかわいい羊男。おなじみの登場人物もみんなまったりとして、気持ちいい。佐々木マキのイラストが素晴らしい。読了日:01月30日 著者:村上 春樹,佐々木 マキ〈あの絵〉のまえでの感想世の中で阻害されている主人公たちが、一枚の絵画に出会い新しい人生を目指していくという短編集。それぞれ30ページぐらいの作品でサクっと楽しめ、そして泣かせられる。アートの持つ力を表現しようとする著者の意欲が感じられる。読了日:01月28日 著者:原田 マハ三体の感想難解な科学用語にどっと疲れたが、この世界観はすごい。ゲームの世界と現実が入り乱れて、頭がグダグダ。文化大革命の描写は逆にリアルで迫力があった。読了日:01月26日 著者:劉 慈欣あなたに似た人〔新訳版〕 I 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕の感想ワインバーのマスターから「味」を読みなさいと紹介された本。シャトー・ブラネール・デュクリュ飲んでみたいなぁ。最後にスカッとする鮮やかなどんでん返しの話を期待したのだが、そうではなく後に引っかかる話が多かった。読了日:01月23日 著者:ロアルド・ダール現代アートをたのしむ 人生を豊かに変える5つの扉 (祥伝社新書 599)の感想現代アートはまず見て体験すること。そこでの感情を大切にしようということなんでしょう。自分が竹橋の近代美術館、木場の現代美術館で感じたことと同じことを原田氏が述べられていてとても嬉しく思った。ネットの時代、展覧会の予習が必要だということはこれから実践しなければ。読了日:01月18日 著者:原田マハ,高橋瑞木紺碧の果てを見よ (新潮文庫)の感想海軍士官である主人公の物語。この当時の人々の生き方には、まだ幕末の戊辰戦争の影響を受けていたのだということに気づかされる。幼少期から海軍兵学校までの青春期の明るさから、暗雲立ち込める戦時中の重苦しさ、そして家族の物語とじっくりと読まされ、味わい深い一冊だった。読了日:01月17日 著者:須賀 しのぶ街角図鑑 街と境界編の感想モノには名前がある。でも興味がなければその名前なんか分からない。街の中にあるものに徹底的にこだわろうとする視点が面白い。まだまだ街にはこの本にある以上にいろんなモノがあるはずだ。そんなことに気づく楽しみを与えてくれる本だった。読了日:01月13日 著者:凍てつく太陽の感想戦時下、タコ部屋や刑務所内でのリンチ、特高の拷問のシーンなど、読んでいて辛くなるところも多かったが、主人公の超人的な活躍に魅せられながら読み進めた。アイヌ、朝鮮人差別の重い主題を扱いながら、エンターテインメントにしてしまうのはさすが。読了日:01月11日 著者:葉真中 顕生命式の感想常識とは何か、価値観の違いとは何か、心の中をグサッとえぐる衝撃的な短編集。グロからメルヘンチックな作品まで幅広く楽しめた。読了日:01月07日 著者:村田沙耶香街角図鑑の感想街中に何げなくあるもの、存在するのに普段は目に見えなくなっているものについて取り上げた本。お店のシャッターの汚れまで、千住博のウォーターフォールに見立てる面白さ。そんなものどこが面白いのかと言うなかれ。そういうことに気づく視点を学びました。読了日:01月06日 著者:三土 たつお黄昏たゆたい美術館―絵画修復士 御倉瞬介の推理 (実業之日本社文庫)の感想ゴッホとゴーギャンの軋轢やユトリロの母親への思いなど、画家をめぐる話には引き込まれたけれど、それらと実際に起こる殺人事件などの話を結びつける手法にはこじつけが多いように感じ、読んでいて疲れてしまった。読了日:01月05日 著者:柄刀 一雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)の感想2020年の大みそかの紅白歌合戦で「栄冠は君に輝く」が歌われて感激もひとしお。戦時中の配属将校の立ち位置など初めて知った。巨人軍の沢村やスタルヒンの扱いもひどい。現代版パートは新人新聞記者がキャリアアップする話が好き。読了日:01月02日 著者:須賀 しのぶ我らが少女Aの感想久々の高村薫。毎日新聞連載中は序盤で挫折したので気合を入れて読む。調布、府中、小金井、三鷹と東京郊外の4市が接する野川公園での殺人事件。土地勘はまったくないのに舞台の空気感を感じることができた。ADHDの人の思考ってこういうものなのかと実感する。読了日:01月01日 著者:髙村 薫読書メーター
2021年02月01日
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