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熱海のMOA美術館で岩佐又兵衛の三大絵巻を見てきました。「山中常盤物語絵巻」は、牛若丸が盗賊に殺された母常盤御前の仇討の話。「浄瑠璃物語絵巻」は牛若丸と浄瑠璃姫との恋愛譚。「堀江物語絵巻」も非業の死を遂げた父母のあだ討ちを果たす物語です。全巻展示ということで期待していたのですが、12巻から成る各絵巻計36巻の全場面を展示しているわけではなく、(山中常盤だけで150メーターありますから)各絵巻の一部分だけの展示となっていました。それでも解説文を読めばストーリーがよくわかり、十分楽しむことができました。「山中常盤」の牛若丸の盗賊退治の躍動感は本当に血沸き肉躍るというのにぴったりです。「浄瑠璃」の襖絵など細部まで緻密に描かれた表現と、金銀に輝き全体を覆う豪華絢爛さには目を見張る思いでした。400年前の絵巻がこんなに美しく残っているなんて大感激です。辻惟雄先生の「奇相の系譜」や「浮世絵をつくった男の謎 岩佐又兵衛」で又兵衛を知り、それ以来の又兵衛ファンなので大満足な展覧会でした。(4/18)
2021年04月28日
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福富太郎というとキャバレー経営しているの怪しげなおじさんというイメージを子どものころから持っていましたが、今回の展覧会で、そのイメージが一変。素晴らしい絵画コレクターだったことをはじめて知りました。今回、ちょうど竹橋の「あやしい絵展」から直行したもので、「あやしい絵展」第二章といった感じで眺めました。内容も華やかで竹橋の展覧会よりも優れていたように思いました。実際、清方の「妖魚」や北野恒富の「道行」など「あやしい絵展」の前期に出展されていたものがこちらにも展示されていました。とにかく、清方の美人画をはじめ、多くの日本画家たちの美人画の華やかなこと。ステーションギャラリーのあのレンガ色の壁が明るく輝いていました。甲斐庄楠音の「横櫛」の半身版もあり、こちらでは、間近でじっくりと顔を眺めることができました。一日に二種類の「横櫛」を見ることができて、とても嬉しかったです。美人画だけでなく、明治期初期の髙橋由一、山本芳翠、ビゴー、ワーグマンなどの洋画。佐伯雄三、岸田劉生、木村荘八、村山槐多、小磯良平・・・など近代美術館の常設展の続きかと思えるほどの作品があり、感激しました。戦争画まであって、まったくそっくりでした。ポーラ美術館にある岡田三郎助の「あやめの女」。この後ろ姿が大好きなのですが、これももともと福富コレクションだったそうで、思わぬ出会いに眼福でした。
2021年04月25日
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展覧会のキャプションによると「あやしい絵」とは退廃的・耽美的・妖艶・神秘的・浪漫的な絵を指すものらしいです。私はもともと「デロリ」のファンなので、甲斐庄楠音や岡本神草など大正時代の日本画家が楽しみで出かけました。「横櫛」はまだお上品、「春宵(花びら)」くらいの不気味さにグッときます。そういえば、岸田劉生の「麗子」がこの展覧会に無かったのが不思議に思いました。にんまりと微笑む麗子なんてまさにあやしいと思えませんか?あやしい絵の題材として、高野聖や安珍清姫伝説などが取り上げられていました。小林古径の日高川の清姫は、その一途さが感じられる美しい絵です。まだおどろおどろしさが感じられず、その後の展開にドキドキします。橘小夢の「安珍と清姫」は釣鐘の中で蛇体の清姫に絡め取られた裸体の安珍の姿。舞う桜の花びらがハートのように見えます。清姫の恋は安珍との心中で成就します。この「安珍と清姫」以外にも橘小夢の作品が何点かありましたが、これはみな「あやしい」ものばかりでした。以前、弥生美術館の展覧会を見てからこの画家は忘れられなくなりました。「水魔」の河童なんて悪夢の世界です。後期の目玉は上村松園の「花がたみ」なのでしょう。昔、上村松園展で見たことがあり、久しぶりの再会です。狂女を描いたとのことですが、本当にこの女性「照日の前」は狂っているのか、その振りをしているのか見ていて悩みました。残念ながら東京近代美術館は緊急事態宣言で明日からしばらく休館とのこと。駆け込みセーフでした。(4/24)
2021年04月25日
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毎年恒例の春の江戸絵画まつり。今年は与謝蕪村の特集ということで今回はパスしようかなと思っていました。というのも与謝蕪村は俳人なので、趣味で文人画を描くくらいの人だとばかり思っていたからです。今回の展覧会は蕪村の「ぎこちなさ」に着目して展示されています。かちっとした絵とぎごちなさとどちらが蕪村の本質だったのでしょうか。この展覧会では「きごちなさ」の方がまさに主で、生活のためにしっかりとした絵も描く必要があったとキャプションにありました。蕪村の句にあるように「のたりのたり」としたゆるい表現こそ、真骨頂。明るい人々の表情、かわいい動物たち。心が癒されました。(4/4)後期も出かけようと思っていたら、明日から休館。展覧会は惜しくも終了となってしまいました。
2021年04月24日
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戦時中、日本のシュルレアリスムの画家たちは弾圧され受難の時代だったという印象が強いが、実は自分の表現活動を活かすためにかなり頑張っていたことが分かるいい企画でした。日本のシュルレアリスムの画家たちの作品にも欧米の画家にも負けず、ドキッとするものが多くて、好きなのですが、今回はシュルレアリスムの作品というより、どちらかというとオーソドックスな作品が展示されていました。吉井忠の「女(麦の穂を持つ女)」はモナリザを思い起こさせるような表現。とても1941年に描かれたとは思えない明るい希望に満ちた女性像でした。松本俊介の作品もたくさんありました。松本竣介を前衛画家の括りにしていいのかとも思いましたが、人っ子ひとりいない街の光景がシュルレアリスムと言われればそうも感じられます。戦時下、耳の障害のため徴兵されず都市にとどまった彼の孤独感がひしひしと伝わります。北脇昇も好きな画家のひとりです。京都の伝統と前衛を結びつける作品群は魅力にあふれています。「非相称の相称構造(窓)」は桂離宮の窓を模したものと知りました。総じてこの展覧会、「さまよえる絵筆」というタイトルにはなっていますが、それぞれ筋の通った作品ばかりで「さまよう」という主体性のないイメージはありませんでした。(4/3)
2021年04月24日
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3月の読書メーター読んだ本の数:8読んだページ数:2569ナイス数:147奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)の感想ホラーというか、SFミステリというような味わい。少々、「霊」にまつわる抽象的な問答で頭が混乱したが、登場人物のキャラでさらっと読めた。読了日:03月02日 著者:木犀 あこ東京23区 境界の謎の感想Google マップを眺めながら、境界や飛び地を確認しました。実際に行ってみたくなります。仲のいいお隣さんが他の行政区域って実際どんな感じなんでしょうね。読了日:03月06日 著者:浅井 建爾もう、聞こえないの感想姫川シリーズのようにスリリングな警察物語を期待して読んでいたら、武士道シリーズのノリになって、そのうちオカルト的展開になり、なぜか福沢諭吉まで登場し、何だこれは?と思っているうちに事件は解決し、一件落着。お疲れさまでした。読了日:03月13日 著者:誉田 哲也システィーナ・スカルの感想絵画修復士御倉瞬介シリーズの中ではいちばんの傑作だと思う。システィーナ礼拝堂のミケランジェロの最後の審判の絵をめぐる謎。読みごたえがありました。なるほどスカルに見えてきましたが、でもそれよりもダースベイダーに見えてたまりませんでした。読了日:03月19日 著者:柄刀 一ヒート (実業之日本社文庫)の感想マラソンはテレビでしか見たことがないのでペースメーカーの存在を知らなかった。さてこのペースメーカーが役割を放棄して本格参戦したらどうなるか。ラストの駆け引きはドキドキ。どっちが勝ったかわからない!イライラする!その他、イベントを仕掛ける側の苦労、唯我独尊の孤高のアスリートなど、興味津々。続きを読みたい。読了日:03月26日 著者:堂場 瞬一忌み地 怪談社奇聞録 (講談社文庫)の感想怪談の実話体験をまとめたもの。ある土地に関する一貫性があるのかないのか分からなかった。どの話もそこそこに怖いが、オチのない話は読んでいて疲れた。読了日:03月29日 著者:福澤 徹三,糸柳 寿昭不穏な眠り (文春文庫)の感想探偵葉村晶。なぜ、こんなに不幸に巻き込まれるのかと主人公同様に笑ってしまう。それでもきっちりと事件を解決し、しっかりとハードボイルドのテイストになっている。短編集でとても読みやすかった。NHKのシシドカフカ版を見たので、葉村のイメージが分からなくなってきてしまった。読了日:03月30日 著者:若竹 七海一人称単数の感想最近、「若さ」へのオマージュを感じることがたびたびある。「石のまくらに」や「ウィズ・ザ・ビートルズ」のように昔、関わりのあった女性のことを急に思い出すこともしばしば。「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」はさもありなんといった感じで面白かった。「品川猿の告白」はちょっとしたホラー。読了日:03月31日 著者:村上 春樹読書メーター
2021年04月12日
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笠松紫浪という版画家は、まったく知りませんでした。展覧会のチラシにも「川瀬巴水と類似しているためか、これまでほとんど注目されてきませんでした。」とありました。川瀬巴水が描いた東京の風景も素敵ですが、今回の笠松紫浪の描く風景にも心打たれました。巴水に比べるとぱっと見の色鮮やかさには負けますが、ほのぼのと胸に染みる味わいでした。都会の風景だけではありません。「とりいれ」などの田園風景を描いたもの、旅情たっぷりの「作並の湯」なども素晴らしかったです。前期から出かけていればよかったとつくづく思いました。これからは要チェックの画家となりました。(3/27)
2021年04月11日
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すみだ北斎美術館で開催されていたこの展覧会。版画ではなくすべて肉筆画。後期に出ていた岩佐又兵衛の「旧金谷屏風の龐居士図は未見だったので、これだけでもと見にでかけたのですが、そうそうたる絵師たちの肉筆画にうっとりと見とれてしまう展覧会でした。まさにタイトルにあるように、線の引力・色の魔力に引きつけられ、取りつかれました。細部まできっちりと描きこまれた絵もすばらしいのですが、着物のおおまかな輪郭線を描き、内部に着彩し、大量生産する懐月堂派も、庶民に親しんでもらおうという意気込みが感じられて好きな絵師たちです。興味深かったのは、江戸歌川豊国、京都の祇園井特、大阪の梅林斎雪山が描いた花魁たちの肖像画。比べてみると当時の浮世絵の特性がよく分かりました。下唇を緑色に塗る笹紅色という口紅が大流行したのですね。北斎の「生首の図」は驚愕です。さすが北斎、亡者の恨みの表情には鬼気迫るものがありました。(3/27)
2021年04月11日
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