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大文字屋は「相場師の目は、片方が近眼で片一方が遠眼やないといけまへん」と、まずいった。大文字屋のいうところの意味は、十年先の世の中がどうなるかという巨視的な観測と、きょうあすの相場はどう動くという手近な観測の二つが必要であるということである。(司馬遼太郎「俄」より)
これは、現代風の言い方に換えれば、長期的視点と短期的視点で物事を見る、あるいは考えるということに該当するでしょう。
国家、企業、個人の各レベルにおいて、この二つの視点は大切です。
たとえば、自分の人生を考えるとき、今日、明日、あるいはここ1年ぐらいは何をすべきか、どう生きていくかということを考える短期的な視点と、10年先、20年先、30年先をどう生きていくべきかを考える長期的視点が必要です。
その際に重要となるのはその順序です。
まず長期的視点に立って将来の自分のあるべき姿を考え、次に、では、将来その姿を実現するためには、今現在何を何時までにどうしなければならないかを短期的視点に立ってちょうど糸をたぐり寄せるようにして考えます。
将来の姿を明確にすることにより、今すべきことが明らかとなります。
そうすれば、つまらないことに足をとられたり、回り道したりすることなく、効率よくむだのない人生をおくることができるようになるでしょう。
これは、まず将来の大目標を立て、次に、それに行き着くまでの中目標、小目標を立てることと同様なことです。
企業も長期経営計画、中期経営計画、年次計画を立てたりします。
この場合もまず長期経営計画があって、これをベースに中期経営計画や年次計画が策定されます。
長期、短期の視点は時間的視点といえましょうか。
視点としてはこの他に空間的視点としての、マクロの視点とミクロの視点というものがあります。
この他にも、立場を換えて見る、相手の立場に立って考えるといういうようなことです。
例えば、喧嘩を成敗するときは両方の言い分を聞いてみるというようなことです。
あるいは外国からあらためて日本を見て見るというようなことです。
このような複眼の視点を持てばものごとがよく見えるようになります。
ものごとの本質に迫ることができるようになります。
真実が分かるようになります。