森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.07.13
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カテゴリ: 森田番外編
先日大阪の街で感じたことを書いてみたい。

大阪でエスカレーターに乗るとみんな右側に並んでいる。
左側は空けていてそこは急いでいる人が、歩くところである。
エスカレーターに乗ってまで急がねばならないという雰囲気があるのが大阪と言う街である。
事実何人もの人が私を追い越して行った。

私の住んでいる広島では基本的に右に立とうが左に立とうが自由である。
そもそもエスカレーターは立っていれば自動的に動いてくれるものだから、それに輪をかけて急ぐ必要はないと考える。
急いでいても、前に人がいれば、そこで立ち止まってしまうのが普通だ。

「お兄さんどこに立ってますんや。どいてんか」と言われるようなことはない。


次に、電車を待つホームや電車内でやたらスマートフォンを操作している人が多い。
これは広島でもよく見かけられる光景である。
確かに対面式の電車内では前に知らない人がいると目の置き場がない。
以前は狸寝入りか本を読むか、あるいはあちこち視線を移動させていた。
それが今はスマホに変わったのである。
でもホームや歩きながらの操作はどういうことなのだろうか。
そんなに急いでメールチェックをする必要があるのだろうか。
急いで情報をとる必要があるのだろうか。
あるいは外出してまでゲームにはまっているのだろうか。
そうだとするとゲーム中毒ではないか。

それから地下鉄に乗ると「女性専用車両」というのがある。

吊革に大きく書いてあったので、次の駅で移動する羽目になってしまった。
これは女性に自由に化粧をしてもらうためのサービスの一環なのだろうか。
それなら鏡やレースのカーテン、一輪ざしでも飾ったらどうか。それは違うだろう。
ずばり痴漢対策なのだろうと思う。
事実不審な迷惑行為をしている人を見つけたら駅員に一報してくださいとなんどもアナウンスされていた。

これは内外に向かって「大阪は痴漢大国ですよ。女性の方は注意しましょう」とアピールしているようなものではないだろうか。
男性は肩身の狭い思いをしていることだろう。小さな親切大きなお世話と言いたい。
「女性専用車両」は大阪の風物詩だなと思わず納得してしまった。

地下鉄中央線堺筋本町の先の中央区公民館にいった。
その前の道路に驚いた。一般道の上に高架道路があった。
それはどこでも見られる光景である。そこにはその上にさらに高架道路が作られていた。
そんなに折り重なった空中道路を作りあげても大丈夫なのかと思った。
大阪には有名な上町活断層がある。地震が起きたとき倒壊する恐れはないのだろうか。
倒壊するとそれだけでも大変な被害となる。

また大阪には格子状に地下鉄網が張りめぐらされている。
交差するところは地下鉄の線路の下にさらに地下鉄が走っていることになる。
災害が起きたときに大変な惨状が発生することにはならないのだろうか。
災害の後で見直しても遅いのにと思わず思ってしまった。

以上大阪では日本の縮図を見せられた気がする。
それは人々をスピード、効率性、物質至上主義、儲け主義一辺倒で追い込んでいく日本社会の最先端の姿である。
もっと早く、より多くの正確な情報を集めよう。
人に後れをとったら落後者になる。人との競争には勝つ以外にはない。
もっと先を急いで一刻も早く目標に到達しよう。
もっと効率性を高めよう。
もっと安いものを、もっと美味しいものを、もっと刺激のあるものを、もっと楽しいものを。
もっと、もっと、もっと・・・・・。そのためにストレスが溜まりに溜まっている。

その姿はいつまでも飽きずに糸車を回し続けるハツカネズミを連想させる。
たえず物に憑かれたように常に動き回ることで、心の安定を得ている。
このハツカネズミにそんなに糸車を回すのは大変だろうからと言って、モーターを取り付けて補助すると大変なことになる。
すぐにストレスを起こして生きていけなくなるのである。
大阪の人にも同じようなことが言えるのではないか。
生きていく中で身につけた体質のようなものである。

暇がある。お金がない。何もすることがない。遅い。もたもたする。
要領が悪い。考えすぎ。等はご法度なのだ。
それだけは絶対に避けなければという無意識の共通認識が成立しており、それに向かってみんながいっせいに突き進んでいる。

あなたにたっぷり時間を与えます。最低限の食料水はあります。
条件はこの部屋を出ないこと。
自由に自分のやりたいことをして充実した時間をお過ごしくださいと言われたとします。
たえず、視線を外に向けて、動き回ることで精神疾患に陥らないように心の安定を得てきたものにとって、これは過酷な拷問のようなものです。
精神の安定構造がガラガラと崩壊していくのが目に見えるようです。
こうしたもっと、もっとと追い立てられる以外の生き方はないのだろうか。

これは決して大阪の人を批判しているのではない。
自分たちの暮らしぶりを見直すヒントにしてもらいたいのだ。
心証を害した大阪在住の方には心からお詫びしたい。





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Last updated  2016.07.13 07:02:28
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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