森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.01.19
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人間は猿から分化した原始社会では、脳幹の働きがとても重要でした。
他の肉食獣が近くにいれば、戦うか逃げるか、とっさの判断を迫られました。
もたもたしていると、すぐに肉食獣に食べられてしまいます。
自分と家族の安全を確保するためには、戦うか逃げるかしかなかったのです。
特に男性は、食料を確保して生き延びるために、日夜他の動植物と戦っていました。

その痕跡は、現代に生きる私たちの中にも、依然として生き続けています。
国同士は、覇権と資源の確保を狙って、常に臨戦状態にあります。
多国籍企業は、世界中のライバル会社と熾烈な生き残りをかけて戦い続けています。
会社内では、自分の居場所や地位の向上を目指して、仲間同士がライバル競争を繰り広げています。


勝つか負けるか、征服するか従属されるか、相手より強いのか弱いのか、相手より優れているのか劣っているのかということに神経が過敏になっています。
そこには二者択一しかなく、相手と調和して助け合って生きていくという中庸の考えはないのです。
社会を戦場のように捉え、自律神経の交感神経をピリピリと緊張させながら、脱落しないように厳しい社会を勝ち抜くという考え方にあまりにもとらわれているのではないでしょうか。

相手をライバルとして見なして、自分を鼓舞して目標に向かって努力するという姿勢は立派なものです。
スポーツの世界を見ても、ライバルと競争して、切磋琢磨して技術を磨き、頂点を目指す事は素晴らしい事です。ところが、何が何でもライバルには勝たなくてはならない。
どんな手段をとっても相手を蹴落として勝利を掴むという考え方は、自分たちの生き方をゆがめているのではないでしょうか。
何が何でも相手を倒さなければならないということになると、自分を高めるものではなく、逆に自分を苦しめる道具となってしまうのです。

そうなりますと、自分の感情や気持ち、考えや意志などは蚊帳の外になってしまいます。
寝ても覚めても他人の言動に注意や意識が向いていきます。
そして、他人に批判、否定、軽蔑、無視されることに異常なまでにこだわるようになります。
相手に負ければ自己嫌悪、自己否定することになります。


これでは自分の人生を生きているのではなく、周囲の人に振り回され、他人の人生を生きているような状態になります。人生の意義を見失い、生きる事は葛藤と苦痛以外の何物でもないと考えるようになります。このような「かくあるべし」は極力少なくしていかなくてはなりません。
本来は人間同士を互いに助け合いながら、仲良く暮らしていくのが一番だと思います。
そのためには、何が何でも相手に勝ち続けるという人生観は修正しなくてはなりません。
人間は意識しないと、つい人間関係が対立して生きずらさを抱えてしまうことに思いを馳せる必要があるのではないでしょうか。





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Last updated  2019.01.19 06:54:55
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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