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東京国立博物館でやっていた特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」は私にとって大変意味のあるものでした。 それは10年前の関西旅行で対面したものの、厨子とガラスに遮られほとんどよく観ることができなかった葛井寺の国宝秘仏千手との再会です。当時のブログ記事がこちらhttps://plaza.rakuten.co.jp/pandora7775/diary/200705010002/ 十年前、目の前まで行きながら観ることが叶わなかった正面の合掌している2臂を除く38臂の持物と後背のような1001本の手の先。 単眼鏡で覗き込むと目の前にうねるように広がる手の群れは息をのむ美しさです。一つ一つが微妙に違うのに全体として見ると統一感を感じるのはとても不思議です。千手千眼観自在菩薩の名の通り、単眼鏡でよく見ると手のひらに描かれた目もしっかり確認できました。 そして、写真だとなかなかわからない慈悲に満ちたお顔の素晴らしさ。 とくに向かって左横から見るお顔の美しさは格別でした。 真後ろの暴悪大笑面をじっくりと観ることができるのも博物館ならではですね。 なお、その同じ日に行った道明寺の秘仏十一面観音にも今回再会したが、お寺で観た時は仏像が高い位置にあり、下から仰ぎ見る形だったので前に立って張り付いていた人が邪魔になってよく見えなかったが、今回の展示では近くでよく見えた。 道明寺へ行ったとき桜餅の店があるかと探して無かったのも今では良い思い出かも… 当時のブログ記事がこちら。https://plaza.rakuten.co.jp/pandora7775/diary/200705010001/ 開帳時に見逃してしまった中山寺の馬頭観音にお会い出来たのも嬉しかった!ガラスケース越しではありますが、その迫力溢れる造形(目が合うと怖いです)、綺麗に残った彩色、見事というしかありません。 神呪寺の秘仏如意輪観音も間近で見られて感激です。しかし、この如意輪様は色々な本の写真でお見かけしていましたが、今回の展示では手に持つ法輪が縦ではなく横になっていました。これがもともとの形だったのでしょうか??今回の図録でも横になった写真に変わっていて特に説明はありませんでした。 あと強く印象に残ったのは福井県小浜の明通寺の巨大な降三世明王ですね。同じ明通寺の二メートル五十を超える深沙大将と並んだ姿は凄い迫力。やっぱり一木は重量感があっていいですねぇ。 降三世印がカッコいい!お顔の表情も厳しいようで不思議とやさしい印象。真後ろにも顔があってこちらも良い表情。やっぱり後ろからも見ることができるのが展覧会の良さですね。 しかし、この展覧会展示の説明が少しあっさり気味なのが勿体なかったですね。私はいいけど降三世明王が踏んでいるのが何なのかぐらい説明があっても良さそうな気が… (参考 うちにある降三世明王のフィギュア。シヴァとウマーを踏んでます。) 展示で力が入ってたのが観音堂の再現でしょうか。 千手観音を中心に眷属の風神・雷神・28部衆が並ぶ姿は壮観。ここは撮影可ということで大人気でしたね。 堂の裏の方も仏画が再現されていました。 じっくり観たので常設展と合わせて四時間近くかかりました。本当に良い展覧会でした。
2018.03.19
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川越市立美術館開館15周年を記念した川越ゆかりの小村雪岱(図録の記載によると、雪岱の生誕地はこの美術館のすぐ隣なのだそうです)の特別展(1月20日から3月11日まで)へ行ってきました。 装幀、挿絵、舞台装置など幅広い分野で活躍した雪岱。この展覧会では主に装幀、挿絵の原画や下絵を中心とした展示で、独自の雪岱調を完成していく過程がよくわかり大変有意義な時間を過ごせました。 私が雪岱を知ったのは鏡花がきっかけなので、最初の方にある数々の装幀本の実物は感激しましたね。 雪岱が装幀を担当した有名な鏡花の『日本橋』は私の家にも復刻本があるけれど、本物はまるで別物のような素晴らしさ。昔の版画の技術は本当に凄いです。オークションで高値で取り引きされるのもわかります。 途中、装幀されずに伝わった版画が一つ出品されていて、その版画自体の完成度の高さに驚くとともに、そのようなそれ自体芸術作品といえるものを表紙に使うなんて贅沢なのだろうとただただ感嘆するばかりでした。 あと印象に残ったのが資生堂意匠部時代(あの今も使われている資生堂書体の誕生にも雪岱が関わっているそうです)に製作にたずさわった香水瓶ですね。並べると雛人形のような形で、和のテイストをおしゃれにまとめていて、今これを復刻したら外国で売れそうな気がしました。 挿絵の展示は少しずつ独自の世界観を作り上げていく様子がわかるようになっていて興味深いものでした。 有名な邦枝完二と組んだ『江戸役者や『おせん』、『お伝地獄』などの挿絵、はまさに雪岱調が確立された頃の作品で、白黒二階調で無駄のない細い描線、斬新な俯瞰気味の構図、常に動きが感じられる人物描写(人がいない風景でも人が今にも出てきそうな雰囲気なのが凄い)が本当に素晴らしい。いつかすべての挿絵が入った本を実際に読んでみたいものです。 最後は貴重な日本画の展示で、私は特に写真の『春告鳥』が良かったです。 美人の流れるような目線の動きがいいですよねぇ…。 この作品を観ただけでも川越まで来た価値が有りましたね。
2018.03.16
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昨年初栽培したリーキ。とても甘くて美味しいのです。 今日は自家栽培のニンニクとともにジェノベーゼで。 そこそこ保存もできるので最近野菜が高いから助かりますね。 種から育てるのは面倒だけど今年も作ろうかな~
2018.03.15
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昼の部終了後急いで幕見席を求めて一度劇場の外へ出て正面横の幕見席チケット売り場へ。 外には随分人が並んでいましたが、これは夜の部の二番目の演目である芝居前と口上を買う列らしく、係りの人に午後の部の最初から観たいと直接エレベーターで四階のチケット売り場へ行くように言われました。 受付番号はこんな感じでした。 この番号順に入場するため、幕見席の定員は150席で、その内椅子席は90席なので、最初の熊谷陣屋は立ち見確定です。 ただ次の幕のチケットも買っていれば幕間に退場しなくて良いので、熊谷の後の芝居前からは運良く椅子席で座って観ることが出来ました。 しかし、熊谷陣屋だけとはいえ、昼の部を見終えて少し疲れているところに一時間半を超える立ち見は正直きつかったです。 まずは、熊谷陣屋。 新幸四郎はこちらの方でも頑張っていましたね。 最初の花道の出の数珠を仕舞うところが随分あっさりしていたけれど、途中の物語りのところとか、僧形になっての「十六年は一昔、夢だ、夢だあ」のところは良かったように思います。 脇役では義経の菊五郎がとても貴人のオーラが出ていました。左團次の弥陀六は飄々としたところとシリアスなところの切り替えも巧いものですね。その弥陀六に出あっという間に殺される芝翫が妙に豪華で印象的でした(しかも幕見席からではこれなにが起こったのか全く見えない…)。魁春の相模も絶品、目は赤いけど。 次の芝居前からは椅子席で。 スターが一堂に会してとても賑やか。 ただ両花道を使って男伊達と女伊達が祝の言葉を述べるところは幕見席からは先頭の二人までしか姿が見えないんですよね。大好きな雀右衛門さんは丁度魁春、時蔵の次に並んでいたためセリフを言ってるところがまったく見えなくて残念でした。まぁ芝居前と一條大蔵譚はNHKで今度放送予定なのでそれに期待しましょう。 芝居前の後は高麗屋の三人だけによるによる口上。 最後は仮名手本忠臣蔵七段目。 今回の公演では平右衛門とお軽を演じる役者が偶然日は海老蔵と菊之助、奇数日は仁左衛門と玉三郎と変わるためチケットを取りづらかった気もしますね。 私が観たのは奇数日。仁左衛門は足軽にしては立派過ぎるとか、玉三郎とは兄妹というより恋人に見えてくるとか、そういう些末なところはどうでもよくなるくらい二人のやり取りはとても息があっていてとても楽しく、時に哀しく、とても面白い。襲名披露の二人よりも印象に残ってしまうのは問題なのかもしれないですが… 昼11時に来て、終演後、外に出ると21時。 本当に、長い1日でした。
2018.03.15
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高麗屋三代襲名披露の先月の公演についての感想、忘れそうなので備忘録として書いておきます。 今回は午前の部は三階席をとれたのですが、午後の部は結局手に入らず幕見席での観劇となりました(しかも、タブルヘッダー)。 幕開きは曽我対面の舞踏バージョンのような春駒祝高麗。 とくに小林朝比奈の又五郎、大磯の虎の梅枝が良かったですね。梅枝の立ち姿は本当に綺麗。 続いて新幸四郎襲名披露演目一條大蔵譚。 新幸四郎は時折吉右衛門のようなセリフ回しを見せたり、結構頑張っている印象。きっとこれから良くなっていくのでしょう。 檜垣で仕丁の数を数えていて鬼次郎を見つけて顔を扇で隠すところが少しわざとらしい感じがしたけれど…。 特に松緑のきりっとした動きが目に付きました(しかし、高麗屋の襲名披露とはいえ松緑が見得を切ってるところで高麗屋の声がかかったのは気の毒でした…)。鳴瀬の秀太郎、勘解由の歌六も良かったですね。 次が海老蔵の暫。海老蔵って声は大きいのに、セリフが聞き取り難いのが不思議ですね。 午前の部の最後が井伊大老。実はこれが私の一番のお目当てだったのですが、期待通りの素晴らしいものでした。 井伊直弼というとこれまで、教科書で習った勅許を得ずに不平等条約を結び、安政の大獄を引き起こしたという悪いイメージをずっと持っていたのですが、このお芝居を観てから、史実を勉強しなおして見方が180度変わりました。 歴史の事実は一つでも光の当てかたで受ける印象は変わりますよね。 暗殺前夜、亡き娘を忍ぶひな飾りを前に直弼(吉右衛門)と若い頃から苦楽をともにしてきた側室のお静の方(雀右衛門)の二人が酒を酌み交わしながら語り合う場面は、グイグイ引き込まれてしまい最後まで一度も双眼鏡を目から離すことができませんでした。 しみじみと彦根時代の貧しくも楽しかった日々を語る場面は二人の視線の先にその光景が本当に浮かんでくるようでした。 ちょっとした会話の間や、視線の動きでこれだけのものを表現できるなんて… 自分のやっていることの真意を後世の人に理解されないことの無念を嘆く直弼が、「それでよいでは…」というお静の言葉に励まされ自らの信念を貫き死んでゆく覚悟を新たにしながらも、最後につぶやく「生まれ変わってもまたお前と一緒にいたい」「生まれ変わったら大老にはなるまい」というセリフは胸に迫るものがありました。人間の強さだけでなく弱さをも表現した素晴らしい作品だと思います。 私もそうでしたが周りも最後の方は泣いている方が多かったです。 長くなったので午後の部は次回。
2018.03.14
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タイ旅行に備えて… あの字が読めて発音出来ればかっこいいなと… 毎年挫折するアラビア語よりはなんとかなるのだろうか。
2018.03.08
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生誕150年を記念した南方熊楠の企画展を観るため先月国立科学博物館行ってきました。 南方熊楠を知ったのは昔少年ジャンプで連載され速攻で打ち切られてしまった『てんぎゃん』という伝記漫画。黄金期でバトル漫画全盛のジャンプにあって生き残りは難しかったようですが、それでもまだ一般にマイナーだった熊楠の名前を世間に広めた功績はそれなりにあったように思います。 十年以上前に科学博物館へ人魚のミイラなどを展示する化け物の文化誌展を観に行った時、偶然やっていた企画展で南方の標本やメモなどを初めて観て圧倒された思い出があります。 今回の展示も大変面白かったですね。 厖大な量の文献の抜書だけみてもその好奇心、記憶力の凄さがわかります。 昭和天皇に献上された貴重な標本と進献図も。 有名な神社合祀反対運動に関連して後に南方二書として柳田国男により有識者に配布された帝大教授松村任三宛ての書簡 頭の中が常人離れしているのがよくわかる『十二支考』虎の腹稿。 GoogleやWikipediaなど最近のインターネットの世界を先取りしていたのがよくわかります。まさに百年早かった! 柳田に日本人の可能性の極限と言わしめた熊楠、こういう分野を飛び越えた天才って今の日本だとなかなか出て来ないでしょうね。ますます全集と日記が欲しくなりました(^^;)
2018.03.07
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2月の文楽公演は結局時間と予算の都合から三部あるうち襲名口上のある二部のみを観てきました。 2時の開場前に国立劇場に到着し切符を引き取りにチケットセンターへ行こうとしたらすれ違った劇場から出てきた女性の方が「やっぱり文楽っていいわぁ、すごいエネルギーをもらった!」なんて言ってるの聞き、やっぱり一部も観ておけばよかったと少し後悔。 第二部の演目は花競四季寿、八代目綱太夫五十回忌追善 豊竹咲甫太夫改め六代目竹本織太夫襲名披露口上、摂州合邦辻でした。 ロビーには綱太夫の祭壇と新織太夫へのお祝いの花やご祝儀が飾られてました。 作家や歌舞伎役者、落語家に混じって進次郎の名も。 口上では八代目綱太夫の写真が掲げられ、新織太夫と師匠であり八代目の子息である咲太夫が登場。 織太夫は終始無言で神妙な表情で平伏。口上を述べるのは咲太夫一人でした。 口上は父親である綱太夫の50回忌の追善公演が出来ることと、その父の前名である織太夫を弟子である咲甫太夫に継がせることが出来ることの喜びや弟子を思う気持ちが伝わってくる大変感動的なものでした。 続く追善襲名披露狂言『摂州合邦辻』はかなり荒唐無稽で無理のある話(これについては谷崎が随筆『所謂痴呆の芸術について』で結構詳しく分析してます。まぁ谷崎的には玉手御前の貞女になるのが不満なのはわかるけど…)なのですが、特に咲太夫と清治さん登場のあたりからグイグイ引き込まれました。 そして、最後に「待ってました!」のかけ声とともに新織太夫と燕三さんが登場。 新織太夫については、前に忠臣蔵を通しで観た時、七段目で平右衛門(人形は勘十郎さんだったかな)をやっていたのがとても良かった印象はあったのですが、今回の大熱演はそれを超えるインパクトでした。 豊かな声量を生かした明瞭で迫力のある織太夫の語りが燕三さんの火の出るような三味線と相俟って心にずっしりと響きました。 人形の勘十郎さんも期待通り素晴らしい玉手御前でした(表情は相変わらず凄いけど)。 公演後すっかり織太夫のファンになってしまった私は売店でサイン本をゲット。 花の織太夫のこれからの活躍がとても楽しみです。
2018.03.07
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文楽公演で三宅坂へ行く前に、溜池山王で地下鉄を降りてツッカベッカライカヤヌマさんへ幕間のおやつ用に予約しておいたクッキーの詰め合わせを取りに行きました。 このテーベッカライ缶はけっこう人気で朝は行列が出来てすぐ売り切れてしまうのですが、予約の取り置きもできるんです。 お値段は一番安いものでも四千円弱ぐらいとけっこうするのですが、それに見合う価値はあるかも?(しかもカード不可…) 今年はここのシュトレン食べてみたいですね。
2018.03.02
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招待券が来たので世田谷の静嘉堂文庫美術館の歌川国貞展へ行ってきました。 館内はわりと空いていてじっくり観ることができました。 展示のボリュームも思った以上にあり、説明書きもわりと丁寧なのですべて観るのにかなり時間がかかりました。 こちらの収蔵品はどれも大変保存状態の良いものが多く、本当素晴らしいです。 色鮮やかで同じ作品でも他のところで観たものとはまるで印象が違います。 所蔵の国貞作品の8年ぶりの一挙公開らしいのでラッキーでしたね。 空摺りなどの細かな表現も単眼鏡でじっくり堪能しました。 今回は特に『今風化粧鏡』シリーズの(合わせ鏡)が良かったです。合わせ鏡に写る美人の襟足が妙に艶めかしい感じでつい見惚れてしまいました。流石国貞。彫り師や摺り師の技術も素晴らしいですね。 江戸の髪型の鬘とか簪、笄なども展示されていてとても勉強になりました。 浮世絵を通して江戸時代の人々の生活や風俗も知ることができるのはとても楽しいですね。 この展覧会唯一不満なのはちゃんとした図録が無いことでしょうか。写真のような350円の小さな本が二種類売られているだけで収録作品も少ないし、印刷も安っぽい感じで少し残念です。 後期(2/27から3/25)もほとんど作品総入れ替えのようなのでまた観に行きたいですね。
2018.03.02
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昨年の 暁斎展以来のBunkamuraザ・ミュージアム。 ルドルフ2世の世界展は土曜日でも結構空いていてゆっくり観ることができました。 目玉展示のアルチンボルドの『ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像』はひとつひとつの構成野菜を図示した説明パネルがあり、左肩がアーティチョークの蕾と葉で出来ているのを知ることができた。自分のよく知っている花や実が使われているのを知るとちょっと嬉しいかも!? 前売り券の特典でこの作品の3Dのクリアファイルもゲットしました。 今回の展覧会ではこの作品も含めスウェーデンにプラハが攻め込まれた時に略奪されてそのままスウェーデンのものになってるお宝が結構展示されてました。 アルチンボルド以外の展示では特にルーラント・サーフェリーの動物画が見応えがありました。色々な動物が画面一杯に描かれている不自然な感じがなんとも魅力的。 ヤン・ブリューゲル(父)の花瓶に生けられたら花束の絵も一つ一つの花の名前を図示した説明パネルがついていて、季節がバラバラの花が一つの花瓶に収まっているのがわかり興味深かったですね。 今上野でやってるブリューゲル展でも同じような花の絵が展示されてますが、あちらよりこちらの方が作品も解説も良い気がします。 今回初めて名前を知りましたがヨーリス・フーフナーヘルという人の『人生の短さの寓意』の昆虫などの細密描写と奇妙な味わいのデザインも印象に残りました。 出口のところにはアルチンボルドにインスパイアされたフィリップ・ハースという人の3Dアルチンボルド作品があり、撮影可でした。
2018.03.02
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