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日本時間31日に行われたダイヤモンドリーグ第3戦(米国)の男子100m決勝で、中国の蘇炳添(スー・ビンチャン、1989年8月生)が9秒99を出したという。アジア記録はフェミ・セウン・オグノデ(カタール、1991年5月生)が2014年仁川アジア大会で出した9秒93だが、彼はナイジェリア出身であり黄色人種では初めての9秒台突入となる。蘇炳添は、2014年仁川アジア大会では10秒10で2位になっている実力者だ。また、中国には2013年モスクワ世界選手権準決勝で10秒00を出した張培萌(ジャン・ペイモン、1987年3月生)という選手もいる。そして仁川アジア大会の男子4×100mリレーでは、3走蘇炳添・4走張培萌の中国が37秒99のアジア新記録で日本を下して優勝している。「お家芸」で負けて9秒台も先に越され、ここ数年アジアの単距離男子をリードしてきた日本は完全に逆転されてしまった様相だ。知ってのとおり日本にも桐生祥秀(東洋大、1995年12月生)と山縣亮太(セイコーホールディングス、1992年6月生)というダブルエースがいる。桐生は、高校3年時の2013年の織田記念100m予選で日本歴代2位の10秒01を出している(今年の3月にテキサスで追い風参考記録ながら9秒87を記録)。山縣は、大学2年時の2012年ロンドンオリンピック予選で日本歴代5位の10秒07を出している。かつて伊東浩司(1970年1月生)が当時のアジア記録ともなる現日本記録の10秒00を出したのが、1998年バンコクアジア大会の100m準決勝。そして同年代の朝原宣治(1972年6月生)が日本歴代3位の10秒02を出したのが2001年のオスロ。久々に9秒台突入が現実味をもって語られるワクワクする時代になったというのに、桐生も山縣も9秒台突入どころか自己記録の更新もままならない状況だ。10秒00台をアチコチでコンスタントに出せなければ9秒台など難しいと思うが、やはり日本のアマチュア・システムの中では限界があるのだろうか。桐生・山縣が立ち止っている間にあっさり中国に抜かれてしまった。そして気になるのが「陸上の華」である4×100mリレーだ。2008年北京オリンピックで朝原たちが銅メダルを獲得し、2012年のロンドンオリンピックでも5位入賞を果たしているが、2016年のリオデジャネイロオリンピックではどうだろうか?2016年は決勝進出、2020年に再びメダル獲得というのが美しいシナリオだろう。
2015/05/31
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「大阪都構想」が僅差で否決されてから暫くたち、各種分析も一通りそろった感がある。その中で、先日産経新聞とFNNが行った世論調査によると、住民投票の結果を「評価する」が39.6%で「評価しない」が46.4%だったという。つまり大阪市民の民意は実は「大阪都構想」に賛成だったということになる。住民サービスの低下を懸念した高齢者(特に70歳以上)の意向が勝ったという分析も多かったが、一般の議会選挙と同様に若者の投票率の低さが大きく結果に影響したようだ。投票行動がいかに生活に直結しているかを証明したかのようだ。特に橋下市長を好きだという訳ではないが、瀕死の大阪市が蘇る機会を逃してしまったことは実感できる。現在の大阪市の厳しい現状は公表されている幾つかの都市データを見ればすぐにわかるが、以下の2つのデータが特徴的だろう。1つ目のデータは、極端に多い職員数(地方公務員数)だ。人口約255万人の大阪市の職員数は、人口約364万人の横浜市の1.33倍もいる。例えば横浜市と同程度の比率にしようとすると、1.5万人以上も職員をリストラしなくてはならなくなってしまう。もう1つのデータは、極端に多い生活保護人員だ。人口比では政令市(20都市)と中核市(41都市)を合わせた中でもダントツに多く6%近い。これも横浜市並みの比率にしようとすると、10万人以上の生活保護を打ち切らねばならなくなってしまう。大阪市を含む関西の特殊性は多少理解していても、現在の組織体制のままで財政の健全化を目指すというのは事実上不可能だろう。やはり「大阪都構想」という荒療治しかなかったように思う。住民投票の分析の中で、「大阪都構想」に反対した地域は南部地域と湾岸地域だった。これらは確かに高齢化率が高い地域ではあるが、同時に低所得者が多い地域でもある。乱暴にいえば「既得権益が守られた」というのが今回の住民投票の意味ではないだろうか。
2015/05/29
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