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コナラやクヌギの類は茶色くなって落葉すると思っていたけど、寒暖差がある地域だとこんなに綺麗な色になるんだ~。思い込みが邪魔をして、今になって気づくことが沢山あります。見通しが良くなった山では、ツルリンドウの赤い実やムラサキシキブの実が目立ちます。リンドウの花の可憐さは山野草の中でも際立っていますが、連なって下がる実も魅力的です。勿論きのこ探しも怠りません。根元をぐるりと一周しているナラタケは、いつも遊んでいる山に発生するものとは別物と思うくらい厚みがあり身が締まっていていい香り。ヒラタケを求めて歩いたのですが、見つけたのはクリタケ。選別すればいくらか採れましたが、先々週掌ほどの大きなクリタケを見ていたので、今一つ収穫する気になれず見置きしてきました。春の山野草から晩秋のきのこ狩り・・今年は何回山へ出掛けたかしら。むせ返るような緑風の中、逸る気持ちできのこを探した夏、色とりどりの落ち葉を踏みながら、紅葉も楽しんだ秋。日々の悩みや多少の体の不調も好きな山へ出掛けると忘れることができて、自然は私の主治医のよう。そろそろ納籠かなと思っていたら、今日郷の母から「帰ってきてほしい」との電話が・・・。年末から正月にかけて妹が帰省してくれますが、それまでが寂しくて待てないようで、十二月は二週間ほど母と過ごしてきます。今年も、私の拙いきのこ話しに付き合ってくださった皆様、ありがとうございました。
2019.11.25
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もみじは紅くコシアブラは光を透かした黄色。足元の積もった落ち葉は、歩を進める度にサクサクと「ほら、上を見てごらん」と語りかけるよう。場所を変えた山はいよいよ冬支度が整ったようで、黄葉だけが残る。心躍る錦とは違い静寂と安心に満たされるような景色。どこかで見たような・・・東山魁夷さんの絵画を思い出しました。初めての森は出会う人もいなくて、はてこんな場所にナメコがあるのかしらと恐る恐る笹薮をかき分けると、ビックリ!立ち枯れをぐるりと一周して、まさに採り頃のナメコが。チャレンジ精神って必要なのですね。出始めのマメも沢山あったので、都合がついたらまた来ましょうと、「GPSにポイントしてね」・・・「あっ、えっ、GPS車に忘れた」と相方。笹薮を歩き廻ったので、二度と行けない場所。幻のナメコポイントになりました。ナメコが採れたんだから欲は出さないと自分に言い聞かせながら歩きますが、やっぱりヒラタケも欲しい。採るには早い出始めを三株ほど見つけ、迷った末にやっぱり頂いてきました。数カ所の朽ち果てた倒木にはキナメツムタケが出ていますが、やや採り頃を過ぎていたので見るだけ。同定に自信がなくて帰宅後ネット検索すると、仲間の天目さんの数年前の記事にヒット。読んでみると、あら・・私も同行していた。そうそう思い出しました、チャナメやシロナメよりもずっと美味しいとBさんに教わったのを。紅葉の魅力に誘われて、そこにきのこが出ていればなお良し。納籠という言葉を脇に置いての散策は、雪が降る頃まで続きそうで、我ながら「きのこバカ」だな~と。あと一回は行けるかな。
2019.11.18
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稲刈りがすんだ田圃、枝が折れそうなほどの実をつけた庭先の柿の木、冬支度に備えて家廻りが片づけられた民家、郷愁を誘われる集落を過ぎると登り坂にさしかかります。左側はせせらぎに落ちるような斜面、右側は先日の豪雨の影響か所々黒土がむき出しになった崖、そんな昼なお暗い森の中を抜けた先には、目が覚めるような紅色の世界が広がっていました。肌寒い森の中の、紅の葉っぱを通した陽の光には暖かさが含まれているようで、斜めになった木にもたれて見上げ、しばし紅葉狩り気分に浸ります。「なめこ、在ったよ~」仲間の声のもとに集まり、ひと時撮影です。「採って、採って、皆で楽しまなきゃ」・・なんて優しい言葉でしょう。出始めのナメコは、山の宝石のようでありながらイクラの粒々にも見えます。小さすぎて収穫は少しだけですが、こんな状態を見られただけでも幸せ。今度は、「こっちです~ヒラタケ在りましたよ」の声。重なっている場所は、手が届かない上のほう。でも大丈夫、仲間の秘密道具がいい仕事をしてくれて、おすそ分けをいただきました。晴天が続いたためか乾燥していましたが、裂いてみると虫は入っていません。調理の前に、短時間水に浸しましょう。いろんな山でクリタケを見てきましたが、ここのは品種が違うのではないかしらと思うほど大きくて肉厚。所々に採り頃を過ぎたものがありました。早速炊き込みご飯用に煮て・・・今夜はクリタケご飯です。「状態のいいハナビラニカワタケがあります」身軽に動き回る仲間が、またまた教えてくれます。オーガンジーのリボンの片側を絞って整えたような姿はとても上品でこのまま髪飾りにできそう。そっと撫でてみるとヒンヤリしたプルプル感が伝わってきます。四季ごとにいろんな美しさを見せてくれる森。力強さを分けてくれる春の淡い緑もいいものですが、一番好きなのは蓄えてきた力を開放するかのように見せてくれる紅葉の季節。散り際の潔さと刹那的な美に、心を持って行かれます。優しい心配りをくれる仲間達のおかげで、今回は初めての森を歩き美しい自然に触れ合うことができました。雪が降り始めるまであと何回散策できるかしら、今週末はどこへ行こうかしら。私も春から秋へと蓄えてきた力を開放するかのように、もう少し森を舞い歩いてみたいです。
2019.11.11
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深い森の中で甘い香りがする落ち葉をサクサクと踏みしめていると、瞑想しているわけでもないのに、現実なのか夢なのか分からなくような瞬間があります。それほど晩秋の森は安息を与えてくれて、あるべき自分の姿を教えてくれているような心地よさがあります。遅くまで咲いているイチゴの花。寒くなるので実が熟れることなく散っていくでしょう。紅葉狩りを兼ねたきのこ狩り。晩生のチャナメツムタケが思ったよりも出ていて、広範囲を歩いた後のきのこ籠はずっしりとした重さになります。春に可愛い花を咲かせていた草ボケに実がついて、それは他の果実に例えられないような、爽やかさと甘さを混じり合わせたいい香り。果実酒にも使えるようですが、車と部屋のアロマとして10個ほどもぎ取ってきました。因みに、熟れても硬いので食用には向かないようです。今季最後のチャナメツムタケの籠盛り。時間が経つにつれ茶色に変色してきますが、採れたてのカサはとても綺麗。早めに下ごしらえして、鶏肉とあわせたチャナメ汁となりました。6月の山野草観察から始まった今季の御山通いも、今回でおしまい。これからは近場のきのこウォチング、そして機会があれば遠出してのナメコ採りができたらいいなと・・・。楽しませてくれた御山に、遊んでくれた仲間達に感謝いたします。
2019.11.05
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