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映画「愛を読む人」


2022年01月22日
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テーマ: 読書(10012)
カテゴリ: 読書
ブログリンクしている Milkywayジャーナル さんが絶賛 していたので、図書館で借りて読んだ。



天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。

出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。


実は、読み始めてから最初の頃は、「コテコテの恋愛小説か?」という印象であり、
読み続けるかどうか少し迷ってしまった。
正直なところ、私は恋愛小説はあまり得意ではない。
なぜなのかよくわからないが、「恋」が主題のものは感情移入できにくいというか、
ついつい突っ込みたくなることが多くて、
どっぷりと物語にのめりこんで楽しめないことが多いのだ。
しかし、Milkywayさんに「読んでみたい」とコメントを書いてしまったので、

しかし私の予想は裏切られ、後半はどんどん物語にのめりこみ、
登場人物それぞれに感情移入しながら読んでいた。
一言で言うと、「面白かった!」。

単なる恋愛がテーマではなく、「愛」の様々な様相が描かれている。
人はどんな環境であれ、時代であれ、様々な出会いと偶然の中で惹かれあい、求めあい、
成長し、時にはどうしようもない嫉妬や自己愛との狭間で苦しみ、憎み、拒否し、
出会いと別れを繰り返しながら年を重ね、人生を歩み続ける。
そこには、社会的な背景も深く関与してくるし、家族や友人との関係も絡まりあう。
そんなどうしようもない人間の性というか業の中でもがくときに、
音楽や芸術がどのような意味を持つのか、あるいは特異な才能に恵まれた芸術家が、
自分の才能の意味をどのようにとらえ、追及していくのか。


私は映画や音楽には詳しくはないが、ギターやバイオリンを弾く人も知っているので、
ギターのコンサートにも行ったことがある。
私はオーケストラは別として、弦楽器のソロコンサート、特に他の楽器との共演でない場合、
どうしても多少は入ってしまう、弦と指の擦れたりするノイズが苦手で、
特にクラシックギター演奏の場合はそれが気になってしまう。

主人公の蒔野の演奏について書いてあるくだりを読むと、
こんな演奏は聴いてみたいなと思った。

高校時代の友人に、クラシックギターを弾く人がいた。
彼女は、ギターを弾くためにとても爪を大事にしていた。
そんなこともふと思い出していた。
彼女とは同じプレクトラム・アンサンブル・クラブで私はマンドリンを弾いていたのだが、
彼女はとても耳が良くて、少しの音のずれも気になるようだった。
私にはそんな才能はないので、一緒に演奏する時は緊張したものだった。

話はそれたが、この小説で私が特に注目したのは、PTSDのことと、
多分主題の一つであろう、「過去→現在→未来」の意味合いである。
「未来は過去を変える」あるいは、「現在は未来と過去を変える」ということを、
私は実感をもって納得できるような気がしている。
さて、この二人はこれからどのような人生を歩むのであろうか。
きっと、読者それぞれにイメージすることだろう。
私ももちろん想像をめぐらすのだが、それは「私自身なら…」ということになる。
うん、このような恋愛小説も悪くない。





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最終更新日  2022年01月22日 15時58分21秒
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