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2008年02月13日
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カテゴリ: 邦画(08)
この映画に期待したのは、映画としての完成度ではない。先週 「デスノート」

この映画でL(エル)は、デスノートを使うか。
前作でデスノートは焼却処分にしたとなっていたので使うはずがない、という人もいるかもしれないが、いつ焼却したかは語られていなかった。しかもあのノートは紙の切れ端に書いても、効力を発するのである。でも使ってしまったら前作のラストはなんだったのだ、と言うことにはなるけれどもね。

Lは本当に死んでしまうのか。
もし死ななかったら、あの映画のラストは何だったんだ、と非難轟々だというかもしれないが、けれどもなんでもあり、というのが続編ものの伝統ではある。そうやって、人気が出た主人公のシリーズ化というのも過去ないわけではない。(「ゴジラ」シリーズ、「男たちの挽歌」)

監督が中田秀夫に変わったが、彼の持ち味は出るのか。 ということである。

結果はどうであったか。

すみません、以下はある意味ネタばれです。

L change the WorLd
監督 : 中田秀夫
出演 : 松山ケンイチ 、 工藤夕貴 、 福田麻由子 、 南原清隆 、 福田響志 、 佐藤めぐみ 、 平泉成 、 藤村俊二 、 鶴見辰吾 、 高嶋政伸



中田監督はなぜこの作品を引き受けたのだろうか。「デスノートの世界とは全く違った世界を作りたかった」と監督は言っているらしいが、それはこういいかえることができる。「デスノートはあれだけで完結した作品である。配給は金もうけのために三匹目のどじょうを狙って、私に白羽の矢が立った。けれども、あの世界以上のものを作るのはそもそも無理だ。しかし私も次回作のために、お金はほしい。どうせどんなB級作品を作っても、あれだけのキャラクターならば、そこそこ儲かるだけの宣伝はするだろう。それならば、キャラのみを変えてB級作品を作ればいい。それからともすると、あの前作で天才待望論的な作品世界を作ってしまった。小泉待望論なんかを見ていると、そんな世の中はあぶなかしくて見ていられない。私はそれも壊したい。」もちろん、まじめにそういうテーマに取り組むという手段もあったのでしょうが、中田監督は映画業界を熟知しているので、えらい目をしてまじめに取り組めば取組むほど、その映画は売れなくなるということをよく知っていたわけです。だから、あえて突っ込みどころ満載のB級映画を作って、一番最後に付け足すように、 「よく覚えておくんだ。天才一人で世界を変えることなんかできないんだよ」 とエルに言わせるわけである。(紋切型でまるで説得力がないセリフであるが、松山ケンイチ人気で映画館に足を運ぶ若者にとってはそのぐらいで十分説得力はあるのである。)これで配給も利益が出るし、中田監督も次回作が作れる、しかも若者の天才あるいは英雄待望論に少しだけストップをかけることができる、三方丸くおさまって万々歳ということである。B級作品万歳。中田監督はつくづく「大人」である。だから中田ホラーは今回はほとんど封印されている。

そういうわけで、今回冒頭前作の「デスノート」の映像はふんだんに出るが、そもそもデスノートの世界観を壊すことが目的なので、当然ノートは使われない。ただ、私自身はひそかにノートは使わないが、次のからくりは使ってほしいと思っていた。
デスノートにより、エルは23日後に死ぬことが決定していた。それは言いかえれば、23日間は「絶対に死なない」ということと同議である。それを使ってエル自身が絶対に死ぬようなところにわざと赴き状況を逆転させるというからくりである。
けれどもそれさえ使われなかった。
それぐらい使ってよ、と私は思う。そうでないと冒頭デスノート世界が映像として出た意味がないじゃん。
でもそれぐらい徹底しないと「デスノート」の世界は壊れないのかもしれない。

だから、よって、結局、エルは死ぬのである。まあいいんだけどね。

脚本はむちゃくちゃだったけれども、松山ケンイチ 、福田麻由子も持ち味をきちんと出していて、気持ちよかった。工藤夕貴は別人に思えるくらいに役になり切っていたと思う。高嶋政伸は脚本がむごかったので、頑張っているんだけど、説得力がなかった。存在感が出ていたのは、工藤夕貴ら人類抹殺計画に賛同している若き女性テロリスト佐藤めぐみの「行っちゃっている」演技である。かわいらしい女の子が狂信的になり、残酷になると本当に怖い。これだけはホラーだった。彼女、どっかで見たなあ、みたなあ、と思っていたら、なんと「ちりとりてん」のA子だった。びっくり。正反対の役だ。まだ映画にほとんど出ていないので、これから注目。

ところで、今秋の少年ジャンプで「デスノート」特別編が掲載されていた。夜神月が死んで三年後の物語である。キラもどきが出現してニアが退治するという筋書きだ。結局この特別編でわかったことは、もう二度と第三部「デスノート」はありえないということだ。なぜなら、デスノートの存在はニアだけでなく、FBIも日本の警察も何人も知れ渡っていて、今回ニアが簡単にキラもどきを退治できたように、今度デスノートが出現しても普通の展開ではデスノートは使えなくなっているからだ。今度使えばありえるのは、ハルマゲドン、デビルマンの世界になる。キラ軍団が出現して、戦争になるだろう。この物語の魅力である、頭脳戦にはならない。そんなマンガを描いても意味はないだろう。結局「デスノート」はそのような際もののとして、マンガの歴史に埋もれていくのが、真っ当な展開と言うものだ。





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最終更新日  2008年02月13日 23時31分41秒
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