全24件 (24件中 1-24件目)
1
状況的に「恋つづ」の勝利が確定した感があります…。メディアの論調も、おおむね事態を理解したらしく、だいぶ状況に噛み合ってきたな、って感じ。わたし自身は、もともと「萌音推し・萌歌推し」だから見てたんだけど、当初は、萌音の主演を疑問視する見方があるのも承知してはいた。ただ、ドラマがはじまった時点で、佐藤健が自分の役割をよく理解してるのは見てとれたし、もう一方で、RADWIMPSやヒゲダンの成功を後押ししてきた東宝が、ここにメディアミックスの戦略を結集させてる感じもあったのです。長澤まさみから受け継ぐかたちでヒゲダンの曲を使って、さらに河野伸の音楽を使用したこともふくめて、萌音の主演を成功させるための体制が整ってる印象はありました。わたしは、このドラマを手放しで絶賛してるわけじゃないけど、先日も書いたように、これが映画コンテンツになる可能性は確実に高まってますよね。視聴者は、これを家で見るだけじゃなくて、大勢の人たちと共有する形で楽しみたいと感じはじめてる。コミック原作、ドラマ、音楽、ネット配信、ブルーレイ、映画、ノベライズ、そして各種の天堂担グッズ。メディアミックスの可能性がいろいろ膨らんできますよね。正直なところ、TBSの戦略というのは、わたしにはいまひとつ分からないし、全面的に支持しようとも思ってないのだけど、きっとTBSなりにラブコメの必勝フォーマットみたいなものが、出来つつあるんだろうな、というのもある。◇萌音と萌歌は、今後、舞台や音楽以上に、映像の仕事がいっそう増えていくのでしょうけど、ドラマを軸とするメディアミックスの起点になるためにも、ただ女優として演技するだけじゃなくて、これまでどおり、やはり多面的な活動を続ける必要があります。かつての斉藤由貴がそうだったように、公私ともに「オタク」でありつづけることは絶対的に重要です。ドラマの内側に多様な「文化」の要素や人材を引き込むことで、今回のような成功が生まれてくるからですね。たぶん女優というのは、たんに作品をつくるための部品ではなく、その女優自身が一種の文化的な媒体なんだろうと思います。2月26日 「恋つづ」第7話。2月14日 東宝は「恋つづ」と「ぎぼむす」を映画化できる。2月12日 「恋つづ」第5話 お疲れパン。2月06日 「恋つづ」は「中学聖日記」の二の舞…?1月29日 「恋つづ」第3話。やや脚本の詰めが甘い?1月15日 「恋はつづくよどこまでも」は医療ドラマ?
2020.02.29
「ハムラアキラ」第6話。ものすごく濃密。そして事件の構図は、かなり複雑。不気味で、気持ち悪い。だけど、メチャクチャ面白い。◇どうやら麻薬取引だの援助交際だのはミスリードであって、真相は「68会」がやっているゲームに関係しているようです。マッチョな親父が動物を殺して楽しむゲーム…悪いうさぎって何?ラストシーンで、野原に倒れているカナの姿が映りました。◇岡田(間宮祥太朗)の存在が、急に怪しくなっきた。滝沢の娘が美和で、元家政婦の娘がカナ。(どちらも行方不明)平の娘がミチルで、その兄は誘拐犯に殺されたミツル。そして山辺の息子が 岡田正太郎 。 …なのですね。つまり、岡田は「68会」の関係者なのです。「岡田管理官のことよく分かってねえんじゃねえの?」という刑事のセリフは、その意味を含むものと思われます。「親と子の苗字が違う」というのは、カナのことだけでなく、岡田自身のことかもしれません。岡田が担当外の捜査に乗り出してきたのは、事件の秘密を暴くためでなく、むしろ秘密を暴かれないようにするためかもしれない。しかし、岡田は、うっかりハムラに「カナは元家政婦の娘」などと喋ってしまった。ハムラも当然そのことを知っていると勘違いしたからです。岡田は「どうやってカナに辿りついたのか?」とハムラに問います。美和のポケットの手紙からカナに辿りついたのですが、その内容は、おそらく岡田にとって「マズい情報」だったはずです。アヤがカナに紹介した、3日で200万円を稼げるというバイト。それは68会の「ゲーム」に関係しているのかもしれない。カナの部屋からパソコンを持ち出したのは、おそらく68会の人間ですよね。あるいは岡田本人なのかもしれません。そしてハムラも、岡田たちに命を狙われるのかも。岡田は、ミチルと顔見知りでしたが、彼女は、岡田にとって敵でしょうか?味方でしょうか?さらに行方不明の美和は、生きているのでしょうか?死んでいるのでしょうか?ミチルの母は、「美和の母が保険金目当てに娘を殺した」と疑っています。なぜなら、同じ68会のメンバーである野中が、「彼女の会社が倒産寸前なので、娘さえ殺しかねない」と言ったらしいのです。そうなると、ミチルの兄が誰に殺されたのかも気になる。68会の男たち。その周囲の女たち。親と苗字のちがう子供たち。謎めいた男女関係と、不穏な親子関係。彼らの実業と、怪しげなゲームとの関係とは何なのでしょう?◇不思議なことに、この図式って、日テレの「シロクロパンダ」にも似てるのですよね。虐待する母と双子の娘。政治家の父に利用されたっぽい息子と娘。殺された警察官と復讐を誓った息子。パンダとコアラとウサギ。偽装誘拐事件と、警察の陰謀。坂上忍みたいなワイドショー番組に、ウサギの着ぐるみが出てきたりするところも、なんだか「シロクロ」っぽいのです。
2020.02.29
医療ミスをめぐるエピソードは先週で終わっちゃった?三浦翔平はともかく、田辺誠一さえ登場しないのですね…。木村佳乃と田辺誠一の関係を清算しなくていいのかなあ…。せめて木村佳乃の逡巡にスポットを当てて、退職願を出したり引っ込めたりしながら、松下奈緒の家族(遺族)との和解とかも、もうすこし感動的に描いたらよかったのでは?なんて思うんだけど、意外にあっさり病院に留まることにしたみたいです。なんだかメインのストーリーが一段落して、高畑淳子も旅に出てしまったから、うっすら最終回っぽくなった気がしないでもない。次週につなげる要素が何もなくなっちゃった感じ。まあ、一話完結の物語としては十分に成立してるんですけど…、このドラマって、一話一話がけっこう重たいわけだし、やっぱり次週に引っぱる「繋ぎのストーリー」があったほうが、視聴者のモチベーションのためにも得策じゃないのかしら?などと、よけいなお節介まで考えてしまう。制作者サイドは、もう視聴率のことは気にしてないのかな?あるいは、実際に病気と闘っている視聴者のことを想定して、むやみに翌週へ引っぱるような話の作り方を、みずから控えているのかもしれません。そこらへんは制作者の意図ですよね。毎回、最初と最後に美しい屋上のシーンがあります。遠景に横浜の海を見わたせる場所ですね。今回はとくに癒された。あのシーンにも制作者の意図があるのかな。
2020.02.28
いくら有名週刊誌の記者だとはいえ、傷害事件の被害者の顔をテレビ番組でさらすのは、さすがにコンプライアンス違反じゃないかってことと、「私の行きつけのラーメン屋のスープが市販品でした!」みたいな心底どうでもいい記事に比べたら、「ホワイトデーはラスクが定番だよね。」って記事のほうが、まだしもマシだと思えてくることなどが重なってしまい、まずは冒頭15分の前提部分に引っかかってしまう…。さらに最後の15分、収賄の尻ぬぐいを押しつけられた金庫番が、親族の不利益になるような真実を遺書に書き残すくらいなら、最初から自殺なんかせずに真相を暴露すりゃよかったじゃん、という思いも、なかなか簡単には拭いきれない。帳簿データの隠し場所を、なぜ主人公が「犬の首輪」だと確信したかも、けっこう謎です。妙なディテールに細かいわりに、脚本の粗が多すぎるのでは?大石静は、アシスタントにでも手伝わせてるのでしょうか?◇さて、編集長(佐々木蔵之介)は、主人公に、尾高(柄本佑)との「略奪婚」を勧めました。すでに有名人になってしまった主人公は、「殺人犯の娘として」について手記を書くだけでなく、「不倫報道記者自身が略奪婚をする理由」についても、手記に書いて週刊イースト誌上に発表するのでしょうか?「バッシングする側」が「バッシングされる側」になる展開は、このドラマの最大の肝になる見せ場だろうと思うし、だからこそ世間からのバッシングを覚悟で手記を書くべきなのですが、当の編集長自身は、主人公に手記を書かせることに及び腰のようです。「だったら略奪婚なんか勧めてんじゃねーよ!」とツッコミを入れたくもなる。編集長の本来の信念にしたがえば、「殺人犯の娘として」についての手記はもちろんのこと、「不倫記者自身の略奪婚」についての手記も書かせなきゃなりません。人間の様々な側面を伝え、人間とは何かを考える材料を提供する。それがゴシップ誌にあるべきジャーナリスト精神なのだから。いや、あの編集長ですから、最後には怒鳴りつけてでも手記を書かせるとは思いますけど、その前に、まずは殺人犯との血縁を確認するほうが先ですね。◇◇それはそうと、重岡大毅のクズっぷり演技に100点満点!でも、主人公はあのクズ男と付き合ってたんだよね。求婚されたときはウハウハしてたでしょ?たんなる面食いなのでは?他人の旦那を略奪するほど男を見る目があるのかなあ…。
2020.02.27
萌音の新曲。タイトルが「明日に種をまこう!」っぽいねと思ったら、歌詞の中身は、泥まみれで土を耕してるみたいな内容だし(そういうアニメなのね)、そうかと思ったら、なぜかミュージックビデオの映像は、水槽のなかに溶けた絵の具みたいなイレギュラー…でした (笑) 。◇それはそうと、第7話。金子ありさの芸風が全開です…。まあね、たしかに人間ってのは弱いものだと思いますけど、その弱さの表現があからさますぎて、デレデレしすぎ、ベタベタしすぎ、気持ち悪さ寸前。やっぱり、どこかしら「中学聖日記」的なものを感じてしまう。七瀬はともかくとしても、天堂も、来生も、上条も、あらゆる登場人物が 弱っちく なってしまう。弱っちくなって、デレデレになって、ベタベタした展開になる。演じてる佐藤健の顔が、こころなしか引きつってる気がしないでもありません。たぶん、ここから先は、結華も、流子も、みおりまでも、どんどん弱っちくなっていくのでしょう。たしかに恋愛すると誰しも弱っちくなるよね。唯一、山本耕史が演じる小石川の存在だけが救いかな。あるいは、七瀬こそが、みんなの弱さを受け止める聖母的な存在になる感じ?こんなふうに、弱っちい人たちの、甘々でベタベタな世界を描くのが、金子ありさの芸風ってやつなのでしょう。それって、よくもわるくも少女漫画的ではあるし、そこがたまらなく好き!って人もいるでしょうけど、まあ…、好みの問題なのかなあ。
2020.02.26
コロナウィルスへの対策として、政府は「軽症患者は自宅待機」という方針を出しました。軽症の感染者は「もう病院に来るな」ということです。病院内でのむやみな感染を防ぐには仕方ありませんが、自宅待機によって家庭内感染を野放しにする面もある。そもそも日本の医療現場には、すべての検査をおこなうだけのキャパシティがなく、まして入院させるだけのキャパシティなどなく、そもそも治療する能力もないのですね。そして、いちばん問題なのは、じつは重症患者でさえ受け入れられる施設が少ないこと。「日本の医療は世界最高レベル」などという神話もありましたが、もはや、そんなものは信じないほうがいい。しょせんは医師会と自民党政権が吹聴したホラ話にすぎません。実際は、先進国で最低レベルなのかもしれませんよね。いまや韓国以下になっているという話さえある。自画自賛するだけがお得意の馬鹿な国民は気づいていませんが、さまざまな項目のランキングにおいて、日本の評価は軒並み最低レベルにまで下がっていますから、あながち医療だけが例外だとは思えません。日本の病院は、危険の少ない患者に対しては、やれ「検査しましょう」だの、やれ「治療しましょう」だの、やれ「手術しましょう」だのと勧めてきますが、ほんとうの意味で危機的な患者に対しては、じつは検査もしたくないし、治療もしたくないし、そもそも病院にすら来てほしくないのです。つまるところ、日本の病院とは、ただ不安をあおって検査費を稼ぐだけの機関にすぎません。しかし、このような体質は、なにも病院にかぎったことではありません。いまや日本社会全体に蔓延した体質だといえます。安倍政権の場合も、ふだんから脅威をあおっては法整備の議論を繰り返し、さも「万全の対策」を取っているように繕うのが得意ですが、いざ実際に危機が起こってみると、毎度のように「想定外」だとばかり繰り返している。いわばオオカミ少年のような国家なのです。ふだんから物事を「嘘」「隠蔽」「取り繕い」でやりすごし、対面だけを必死で取り繕って済ませている。そんな社会全体に蔓延してしまった不真面目さが、実際の危機に対応するだけの実力を失わせているのです。「軽症患者は自宅待機」の方針によって、正確な感染者の数を把握できなくなったことは、日本の対外的な体面を保つうえでも、政府にとっては、むしろ好都合なのでしょうね。
2020.02.26
喜美子と八郎はなぜ離婚したのか?多くの視聴者は、その理由を十分に理解できなかった。でも、それは登場人物も同じ、ということらしい。先週は、いってみれば武志が視聴者の思いを代弁する形で、その理由を両親に確かめようとしましたが、やっぱり明快な回答は得られませんでした。結局、本人たちにさえ、はっきりした答えは分からないのかもしれない。実際、人生なんてのは、長い時間がたってなお、「どうして自分たちはあんな選択をしたんだろう」という疑問を抱きつづけるものかもしれません。そういうリアルを描くドラマがあってもいいとは思う。ただ、意図的にドラマで描かれなかった部分があるのも事実だし、主人公は、最後までこの問題を引きずるのかもしれないし、スピンオフ大会をはさんだ来週以降に、息子の人生にもかかわっていくなかで、ふたたびこの問題に向き合うことを期待します。何らかの答えが見つかるとは限らないし、かりに答えが見つかったとしても、それがかならずしもポジティブなものとは限りませんが…。むしろ自分の人生の選択にネガティブな結論が出るほうが、今回の朝ドラらしいリアルかな、とさえ感じています。
2020.02.25
そもそもクルーズ船を陸から隔離したのは、船内に感染者が存在する可能性があったからです。そして、船内に感染者がいる可能性があったなら、クルーズ船を陸から隔離するだけでなく、船内にいる個々人をも、互いにセパレートしなければならないし、それらの環境を医療の専門家が管理しなければならない。そうしなければ船内感染が進みます。それは、素人でも想像がつくことです。常識的に考えても、たとえば隔離病棟のなかで、病人同士が相部屋などということはありえないわけで、当然、病人同士はセパレートされるはずです。そして、それぞれの環境は医療の専門家が管理するはずです。当然、クルーズ船においても、そのように管理されているはずだ、と思われていました。ここは中国でも北朝鮮でもなく、日本なのですから。しかし、実際のクルーズ船内では、個々人はまったくセパレートされておらず、乗務員の大半は相部屋で過ごしており、あろうことか、彼らが乗客へのサービスをおこなっていました。いわば隔離施設の管理を素人にやらせていたようなものです。もともと日本政府に批判的な海外メディアは、この状況を早くから問題視していましたが、NHKをはじめとする国内メディアは、安倍政権の対応を批判することに及び腰でした。正しい実態をろくに報道しないまま、なぜか「正しく畏れましょう」などという標語だけを、意味もなく拡散させつづけたのです。そして、挙句の果てには、オペレーションにあたった厚労省の職員までが感染する始末。口先だけ「正しく畏れた結果」が、これでした。政府はいまだに、「検疫官も医療従事者も感染を予防する技術を習熟し十分に対策している」などとウソぶいていますが、実際に感染者が出てしまっているのですから世話がありません。結果的には、船内の「5人に一人」が感染するという弁解できない事態となりました。しかし、政府は性懲りもなく、「英国船籍」「米国主催」「イタリア人船長」「法的な壁」などといった弁解のパターンを並べながら、法改正の議論へと話をシフトさせようとしています。◇かりに船内のオペレーションに障害があったのなら、最初から乗員乗客を下船させて、陸上施設での隔離にすべきだったはず。結局のところ、今回の失敗は、船内の管理がずさんだったこと。オペレーションの責任者がバカだったこと。そして政府の判断が誤りだったこと。に尽きます。さらに「陰性」と診断されて下船した乗客のなかから、再度の自主検査によって「陽性」であると判明した人も出ている。国は、こうした状況を隠すために、下船した乗客の再検査そのものを渋っているようです。クルーズ船から拡散させてしまったウィルスをも、「経路の追えない感染」「市中での散発的な感染」として偽装しようとする姑息な意図が見え隠れするのです。◇近年の安倍政権では、「嘘」「隠蔽」「誤魔かし」「取り繕い」が常態化し、それによって体制が維持されるような状況になりました。今回のクルーズ船の問題でも、安倍政権は「取り繕い」によって乗り切るつもりでいるはず。中国政府の場合は、国民からの批判を必死で封じ込めているのですが、日本の場合は、むしろ国民のほうが政権に忖度して批判を控えてきた面が強い。あきらかな「嘘」「隠蔽」「取り繕い」があっても、メディアと国民は見ないフリをしてきたし、あくまで自国の政府と文化と技術力を自画自賛し続けてきた。その結果として、海外の論調と、国内の論調が、とんでもなく乖離してしまった。日本は、ほとんどガラパゴス国家になってしまったのです。しかし、感染してしまった人々とその関係者は、厚労省を相手取って告訴すべきですし、国会も、厚労省の責任者に説明させるべきでしょう。ただし、現時点では、すでに厚労省のなかにウィルスが蔓延してる可能性もあり、そのことを自体を危険視したほうがいいのかもしれませんが…。◇今後、もっとも危惧されるのは、教育現場におけるウィルスの拡散です。たとえば大学入試において、「罹患者は受験不可」「追試も認めない」と表明した学校があります。これを知った受験生は、あえてウィルス検査などしないでしょうし、かりに体調が悪くても、無理を押して受験するはずです。「多少の熱があって咳が出ても無理して受験しろ」と言っているようなものです。若年者は重症化しにくいと言われており、逆にいえば、若者ほど「隠れ保菌者」になりやすいのです。そうした若年者を一か所に集めることは、非常に危険です。ウィルスを一気に拡散させる惧れが大きい。
2020.02.25
いやー、だいぶ民放臭いドラマでした。これがBSクオリティってやつでしょうか。潔いくらいに、NHKらしさはどこにも感じられなかった(笑)。暇をもてあましてたはずの田舎の刑事が、借金まみれの実父を疑うミスリードをすることもなく、どんどん真相に迫っていく感じとか…義父が娘を殺そうとするときに、わざわざ法律の条文まで朗誦してトリック説明したりとか…最後は、中山美穂が殺し終わるのを二階で待っていたかのように、登場人物がぞろぞろ階段から下りてくる感じとか…あまりにお約束すぎる設定と、安っぽい昼ドラみたいな演出がいっぱいで、ほとんど内村プロデュースのコントを見てるような気分。80年代の安っぽさをあえて再現するのが「リバイバル」の意味なのかなあ?そのように割り切って見れば、十分楽しめる内容だったのかも。そもそもトリック自体が、複雑なわりに偶然だのみの無謀なものに思えるし、娘に自首させるのはまだしも、偽装自殺なんてさせた日にゃあ、母親が正気を失って真相をバラすに決まっている。まあ、夏樹静子の追悼という意味もあって、なるべく原作に忠実にドラマ化する意図だったのでしょうが、逆にいえば、わざわざNHKがドラマ化した意義は、そこ以外には見出せませんでした。どうせやるなら、もうすこし知的なドラマに仕立ててほしかったけど、ぶっちゃけ、いまのNHKにとって、本腰を入れて取り組むほどの素材ではなかったのかもしれません。
2020.02.25
放火事件と門田殺しの真相が解けて、レンの母親が逮捕されました。結局のところ、放火事件は、コアラ男の事件とは無関係だったのでしょうか?真相は分かったものの、母と娘の物語が終わったようには思えない。そもそも、なぜ母親がリコだけを憎んだのか。その理由は、まだ十分に解き明かされた気はしない。「私を檻から出して!」と助けを求めていたのは、自意識を持たないモンスターだった、と流星は言います。母親は、リコのなかのモンスターを憎んだのでしょうか?それとも、虐待によってモンスターが育ったのでしょうか?流星は、そのモンスターに、「ミスパンダ」という形を与えて飼い慣らしました。「ミスパンダはリコの願望を映し出した姿」だともいいます。いわばリコ≦ミスパンダのような関係なのでしょうか?母親はリコを憎みましたが、もし流星がリコを愛せるのだとすれば、それは自分のなかにも同じモンスターがいるからでしょうか?「門田先生から君の過去を聞いて全てがつながった」いったい何がどうつながったのでしょうか?そのことが、なぜ父親の復讐に結びつくのでしょうか?たんなる謎解きだけではなく、こうした因縁への決着をつけてほしいです。
2020.02.24
新型肺炎ウィルスの拡散が危惧されていますが、感染のリスクがもっとも高いのは、人々の集う「会食」です。当然ですが、食事をするときは、マスクをしていませんし、おたがいに至近距離から面と向かって喋りますので、飛沫感染のリスクがもっとも高くなります。屋形船の場合も、クルーズ船の場合も、会食をとおして感染が広まった可能性が高い。反対に、スーパーでの買い物などではあまり喋りませんし、電車内でも、日本人の場合はほとんど喋りませんので、(中国人はよく喋りますが…)感染するリスクはそれほど高くないはずです。ただし、声に出してレジ打ちをする店員には、絶対にマスクの着用を義務付けるべきです。たとえ本人が発症していなくても、ひそかに保菌していれば、あらゆる客にウイルスを拡散させます。マスクは、予防のためではなく、保菌者がウィルスを撒き散らさないためのものです。とくに「喋ること」を職業とする人たちは、営業職の人はもちろん、政治家や教師やテレビの出演者もふくめて、絶対にマスクを着用すべきです。もし、声がこもって聞き取りづらいというのであれば、口から布が浮いている立体的なマスクでもいいと思います。とにかく周囲に飛沫を拡散させないことが重要です。テレビの出演者の振る舞いは影響が大きい。「マスクをして喋るのは失礼だ」「説得力が弱まる」といった固定観念や慣習は、この際、捨てなければなりません。現状において社会が何を優先すべきなのか考えねばなりません。◇いわゆるスーパー・スプレッダーとは、よく喋る人のことです。無口な人は、誰とも喋りませんが、よく喋る人ほど、ひっきりなしに誰とでも喋ります。コミュニケーションの媒介者こそがウィルスの媒介者なのです。ウィルスを拡散させないために必要なことは、すなわち、人と人とのコミュニケーションを抑制することです。マスクをせずに喋っている人や咳をする人には、絶対に近寄らないほうがいい。
2020.02.18
今日のエピソードは面白かったです。5人の大人が、子供みたいに動き回りながら、それぞれに好き勝手なことを喋って、じつはおたがいの心理を微妙にさぐってる…。その様子を、カットを切らずに、複数のカメラで一気に撮っています。(実際はカットを割ってると思うけど)ちょっとした舞台劇を見てるような感じ。ほとんどコントですね。その中で、それぞれの人物の気持ちがじんわり浮かび上がる。◇成功と安定を得てからの大人たちは、強さを手に入れたぶんだけ弱くもなっていて、いま、それぞれの寂しさと向き合っています。小池アンリが登場してからのじんわりしたエピソードは、けっこう好きです。
2020.02.18
「シロクロパンダ」第6話。爆破事件のエピソードはもう終わり?ハブとマングースは、はやくも退場でしょうか?ついでに被害者遺族の姉弟も退場でしょうか?なんだか、まだ未消化な印象です…。◇爆破事件が警察内部の犯行だったことを隠蔽するために、無関係な人物に罪を着せたところまでは分かるのですが、なぜその死刑囚をわざわざ脱走させたのか、なぜ彼を殺害して、その罪を被害者遺族に着せたのか。冤罪にまた冤罪を重ねた理由が不可解です。かなり分かりにくい。警察の企てがあまりに無謀すぎる気もします。…これを警察側の視点から考えてみると、爆破事件の真相を隠蔽するために、無関係な人物に冤罪を着せたものの、法廷で無実が証明されることを恐れた警察は、ミスパンダを装って死刑囚を脱走させ、口封じのために彼を私刑によって殺害し、同時に、本物のミスパンダをおびき寄せて生け捕りにし、その罪を彼女に着せようとした。しかし、空手で抵抗されて取り逃がしてしまう。空手有段者がミスパンダだと思い込んだ警察は、わざわざ証拠(ミスパンダの衣装)を捏造して被害者遺族を誤認逮捕。ところが、その直後、本物のミスパンダが現れ、おびき寄せられたハブとマングースは生け捕りにされ、その結果、警察が隠蔽していた事実をすべて暴露されてしまった。…って感じでしょうか。ただ、ドラマ自体は警察側の視点で描かれているわけではないので、ふつうに見ていただけでは、ちょっと分かりにくいです。被害者遺族を本気で誤認逮捕してしまったのか、それとも冤罪を承知のうえで意図的に証拠を捏造したのかも、よく分からない。次週で、そのあたりを整理してくれればスッキリするのですが。◇メインのストーリーについてですが、いよいよMrノーコンプライアンスが黒幕っぽく見えてきました。彼は、コアラ事件のことで警察から弱みを握られている。しかし、その一方、警察の弱みも握っている。持ちつ持たれつの関係があるようです。ちなみに佐島家の兄妹は、父親ほど多くのことは知らないようです。精神科医が殺されたことで、レンの催眠は解けはじめ、リコの人格が覚醒しています。ここから清野菜名は「一人3役」ということになりそうです。レンの人格とリコの人格はたがいに葛藤するでしょうか?それとも両者は和解していくのでしょうか?それともレンの人格は消えてしまうのでしょうか?リコが復活したら、母親はどうするのでしょうか?リコは、虐待した母親への復讐をしていくのでしょうか?一方、流星は「自分は真っ黒だ…」と言いはじめました。
2020.02.17
「アリバイ崩し承ります」第3話。トリックはいままでで一番面白かったけど、最後の説明がけっこう分かりにくい…(笑)。原作どおりなのかもしれませんが、もうすこし内容を咀嚼して、時乃のセリフを組み立て直してほしかったです。証拠がベッド下の床の指紋というのも、いまいちリアリティに欠ける気がしました。◇最後のトリック説明を、わたしなりに再構成してみます…。時乃:時を戻す事ができました。純子さんのアリバイは見つかりました。ついでに犯人も見つけました。察時:ほんとうか?時乃:わたしは「殺害当日に敏子さんがマッサージを受けた」という芝田さんの証言は嘘だと思います。敏子さんは、それよりも前に芝田さんに殺されていたんじゃないでしょうか。察時:だが、芝田だけじゃなく、新人の田川も、ぐっすり眠っている彼女にマッサージをしたというじゃないか。時乃:マッサージをされていたのは、きっと敏子さんではなく、妹の純子さんだったんです。純子さんは「夢の中で体を押さえられた」と言ってましたよね。察時:うつ伏せで眠っている純子さんの顔が見えず、田川には、敏子さんとの区別がつかなかったというのかね?時乃:ハイ。しかも、そのときの純子さんは、敏子さんとそっくりだったんです。敏子さんと同じ服を着ていて、敏子さんと同じ化粧をしていたから。察時:同じ化粧?何故そんな化粧をしていたんだね。眠っているあいだに誰かに化粧をされたとでもいうのか?時乃:ハイ。純子さんは「夢の中で顔を撫でられた」とも言ってます。察時:かりに犯人が芝田だとしても、彼にそんな化粧が出来るだろうか?時乃:化粧をしたのは芝田さんじゃありません。姉の敏子さんです。服を着替えさせたのも、髪型を整えたのも、付け爪を取り替えたのも敏子さんです。察時:敏子さんが? キミの言ってることは、さっぱり分からない…。時乃:じゃあ、順を追って説明しますね。敏子さんを殺した犯人は、芝田さんで間違いありません。でも、殺害するまで、芝田さんと敏子さんは「共犯」だったんです。正確にいえば、芝田さんは敏子さんを騙して「共犯」だと思わせていた。察時:共犯?!敏子さんは”自分自身”を殺そうとしていたのかね?時乃:ちがいますよ!二人は、芝田さんの奥さんを殺す計画を立てていたんです。奥さんを殺したあとで、二人は結婚しようと約束していたんです。察時:なるほど…。時乃:敏子さんが奥さんを殺害する実行役になり、そのあいだに、眠らせた純子さんを敏子さんに成り代わらせてアリバイを作るはずだったんです。そのために、純子さんに睡眠薬を飲ませた。察時:しかし、どうやったら睡眠薬を飲ませられるんだ?純子さんの家には鍵がかかっていたじゃないか。時乃:純子さんの家は、もともとは敏子さんの家でもあるんです。だから敏子さんも鍵をもっていたはずです。察時:そうか…。時乃:敏子さんと芝田さんは、純子さんが出勤している夜のうちに家へ忍び込んで、睡眠薬を入れたワインにすり替えました。そして、早朝に帰宅した純子さんがワインを飲んで眠るのを見計らって、ふたたび家に忍び込み、すり替えたワインを元に戻し、眠りこんだ純子さんを抱きかかえて運び出したんです。純子さんが「夢の中で空を飛んでいた」というのは、そのときのことだと思います。 察時:そのまま純子さんを敏子さんの家へ連れて行き、服を着替えさせて、姉そっくりに化粧をしたというわけか。時乃:そうです…。でも、化粧が終わるや否や、芝田さんは敏子さんを裏切って殺害しました。そして純子さんのパジャマの袖に敏子さんの血を付着させたんです。それが午前9時台前半のことだと思います。ちなみに、その日は敏子さんのピアノ教室が休みだから、翌日まで死体が発見されることはないんです。察時:そこから純子さんをマッサージ店まで運び、敏子さんだと見せかけて、新人の田川にも施術をさせたんだな。時乃:そのとおりです。察時:だが、芝田は店を閉めるまで仕事を続けていたはずだ。純子さんを店に寝かせたままで仕事を続けたのかね?時乃:敏子さんを退店させたように装って、ベッドの下に純子さんを寝かせておいたんだと思います。察時:「夢の中で暗い洞窟に閉じ込められた」というのは、そのことか…。時乃:ハイ。そして店を閉めてから、純子さんの化粧を落として家へ運び戻し、血の付いたパジャマに着替えさせて、ベッドへ寝かせたんです。夜中に目が覚めた純子さんは、血の付いたパジャマの袖や、剥がれたネイルの痕を見て、夢遊病になった自分が姉を殺したと思い込んでしまった。察時:…芝田にしてみれば、ただの愛人にすぎない敏子さんが結婚を迫ってきたのが不都合だったのだな。時乃:そして、敏子さん殺しの罪を、相続争いをしていた妹の純子さんにかぶせようとしたんです。
2020.02.16
「恋つづ」と「ぎぼむす」は映画化できるだろうと思います。いわば佐藤健2部作ですね。上白石姉妹作ともいえる。とりあえずはTBSが制作を主導する形で、いったんはテレビドラマのノウハウを取り入れて、そのうえで、テレビの枠組みでは出来ないことを、思い切り映画のなかで解放すれば、きっとうまくいく。映画化される作品にとって、もっともクリエイティヴな部分はどこなのか。それを検討したうえで、そこに予算を投じれば、テレビでは味わえない映画体験ができますよね。わたしが考えるに、それはやっぱりスペクタクルの部分。「シンゴジラ」にしても「君の名は。」にしても、観客の多くを惹きつけたのはスペクタクルの魅力です。「恋つづ」でいうなら、それは佐藤健の美しさを引き出すための映像。極限までドリーミーな視覚的快楽にこだわって作れば、それだけで映画館へ足を運ぶ動機づけになるはず。もともと少女コミックの映画化は、主力路線としてのフォーマットになりえるものですし、「恋つづ」はそれを証明する格好の素材だと思います。とくに萌音のようなキャラクターは、少女コミックを映像化する場合の、おそらく、もっとも標準的な「型」なのです。だから成功している。「ぎぼむす」のほうでも、佐藤健の美しさを押し出すことは可能です。銀河鉄道999の鉄郎にみたいに、映画版だけビジュアルをバージョンアップさせることも出来るし、ふだんはヤンキーの麦田を、ある瞬間にだけ王子様キャラに変貌させるような演出をしてもいい。もしくは、午後の紅茶っぽい感じで、萌歌と井之脇海の甘い恋物語のほうにスポットを当ててもいいと思います。
2020.02.14
このドラマは「伏線を回収しないドラマ」なのかも、とひそかに思ってはいた…。なかなか物事が上手くいかないし、ちょっと進んだと思ったらまた戻ってくるし、宣言や約束はちっとも果たされないし、悪いヤツだと思ったら意外に善人だったりするし、すべてが思惑とは違う結果を招きつづけるドラマなのです。◇ふつうに物事が成就するドラマの場合、伏線がきれいに回収されながら話がまとまるのだけど、このドラマは、ほぼ伏線が回収されない(笑)。「一緒に生きよう」と誓ったはずの夫婦。「成功したら穴窯やります」と言ったはずの妻。「平和なうちに穴窯やれよ」と言ったはずの夫。何ひとつ初志は貫徹されず、むしろアベコベになっていく。そういうところが、かえってリアルで面白いのかな、と思ってました。そんななか《炎を信じて》という神話のなかでは、なぜか村上ショージだけが確実に「神」になるという、リアルを超越する宗教的展開だけが際立ったのでした。◇このドラマには、印象的になんども繰り返されるシーンがあります。いろんな登場人物が、いったん去ろうとして、また戻ってくるシーンです。最近では、信作もそうでしたし、草間も、武志もそうでした。いちどは背中を向けて歩き去っていくのですが、途中でなにか思い出したように、スタスタと戻ってきて、主人公にむかって大事なことを言うのですね。そういうシーンが象徴するように、このドラマは、さまざまな意味で、行ったと思ったらまた戻ってくる物語なのだと思います。みんな、なかなか前に進まない。◇一般に離婚のことを「出戻り」と言います。いちどは大阪に出た主人公が、また故郷へ戻ったように、わたしは当初、主人公の離婚のエピソードも、行ったと思ったらまた戻ってくる物語として描かれると予想しました。でも、結果は逆でした。そもそも喜美子の場合は、嫁いだのではなく、八郎を婿に取ったのですから、考えてみたら「出戻った」のは八郎のほうだったのです。ちなみにモデルとされる金場清子さんは、婿養子を拒否して夫の神山の籍に入っています。ドラマは、あえてその設定を逆にしている。喜美子から見れば、むしろ八郎は、行ったまま戻ってこなかったのです。そして、八郎が戻ってこなくなったとき、喜美子はようやく前に進むことができました…。◇離婚に至るまでの展開は、かなり強引な印象をあたえました。「やっぱり不倫のほうが説得力あったよね…」という思いは拭えない(笑)。たしかに、八郎の性格から考えれば、三津がよっぽど淫乱かつ強欲でもないかぎり、けっして不倫には至らなかったのだろうけれど、結局のところ、「なぜ夫婦は離婚するほどすれ違ったのか?」について、視聴者の多くは明確な回答を得られなかったと思います。そもそも売れる保証すらないのに、「いますぐ穴窯」「借金してでも穴窯」「家を焼いてでも穴窯」という喜美子の頑固さはちょっと解せなかったし、かたや、登場人物がみんな喜美子に協力しはじめたのに、ひとりだけ別居をつづけた八郎の頑固さもちょっと解せなかった。むやみに同じ屋根の下で衝突しないように、一時的に別居しただけなのかもしれないけど、それがなし崩し的な離婚に至るんじゃあ、元も子もないわけで。◇ただ、ひとつ言えることは、この離婚において、喜美子は「被害者」じゃなかったってことです。かりに不倫なら、八郎や三津にこそ罪があれ、喜美子は「被害者」ってことになるけれど、この脚本では、喜美子にはほとんど被害性が見当たりません。たしかに、三津とのことや、女性差別の問題や、芸術面でのすれ違いや、八郎の京都への移転など、なし崩しに色々なことが積み重なったとはいえ、結局、八郎を捨てたのは、喜美子自身の選択だったともいえます。その意味では「花子とアン」の蓮子に近い。大きなものを得るために、大事なものを失うという生き方。そのすべての責任を、自分で背負わなければいけない生き方。ヒロインに「罪」を背負わせたところが、この朝ドラの大きな特徴です。それを描いたところに、この朝ドラの新しさがある気がする。◇このドラマは、前に進むことを、かならずしも肯定的には描いていません。前に進むことは「戻れなくなること」であり、何かを得ることは「大事なものを失うこと」です。もっとえいば「何らかの罪を背負うこと」でもあるかもしれない。陶芸家として成功を得てから後の喜美子の姿は、おどろくほど寂しいものになっています。成功して、夢も叶って、経済的な不安も無くなったのに、気づいたら、夫もいない。息子もいない。父も母もいない。喜美子は、多くの時間を一人ぼっちで過ごしています。肯定的な描き方ではないけれど、ものすごくリアルです。◇まだ一ヶ月以上ありますが、このドラマの結末は、いったいどうなるのでしょうか?アシガールみたいに、若いときの三津がタイムスリップして武志に出会ってほしいけど、神山清子さんは長男を亡くしている。モデルの女性は存命していますし、はたしてどの瞬間を物語の終着点にするのか、とても興味深いです。
2020.02.13
うん。わりと今回のエピソードは好き。やっぱり仕事で認められるのは嬉しいよね。異性として愛されるよりも、かえってリアリティがある。山本耕史の「心に線はひけない」という台詞にも唸らされた。たしかにね~。ある意味、このドラマの最大のテーマを言い表してました。佐藤健のお約束展開も、なかなか笑えて楽しめた。河野伸の甘い音楽がうまくコミカルに機能しています。Mステのヒゲダン生歌パフォーマンスの勢いもあったことだし、今週は日本中の天堂担が焼きたてのチョココロネでお疲れパンでしょう。…ただ、あいかわらず、勇者コスプレは中途半端で蛇足感が強いけど!あそこだけは是非とも改善していただきたい!どうせやるなら、河野伸の「勇者のテーマ(?)」にのせて、コスプレ萌音がまたがった白馬に大草原を走らせてほしいのです。
2020.02.12
「シロでもクロでもない世界でパンダは笑う」第5話。今回は「つなぎの内容かなァ」と思ってたら、後半になって、どんどん事態が動き、結果、2人の人間が殺されるという、今までにない凄惨な展開。あらたな謎がまた増えてしまいました。流星と菜名の格闘シーンも、ますますスゴかった!◇佐藤二郎の秘書の男(=きづき)は、彼の息子であり、白石聖の兄であることが分かりました。そして、彼こそがコアラ男である可能性が高まりました。兄妹はレストランで写真メールのことを相談しています。彼らが問題にしていたのは、「コアラ男からメールが来たこと」ではなく「流星と菜名が抱き合っていたこと」でした。妹の白石聖は「許せない」と言い、兄のきづきは「俺が何とかしてやるよ」と答えています。どうやら、この兄妹にとって、コアラ男は畏れるべき存在ではないのですね。兄自身がコアラ男なのだとすれば納得できます。彼らの父である佐藤二郎も、流星からコアラ男のことを問われたとき、「調子に乗るな」などと言って突き返しています。コアラ男の誘拐事件とは、選挙で世間の同情票を集めて勝つための、佐島ファミリーによる自作自演だったのかもしれません。だとすれば、佐藤二郎は文字どおり「ノーコンプライアンスな男」なのです。流星の父(=田中圭)は、その真相を追って殺されたのかもしれません。流星は、父の仇を討とうとしている。ジャーナリストの要潤も、流星のそのような立場を把握したようです。◇流星にとって、佐島ファミリーは宿敵なのでしょうか?佐藤二郎は、流星が田中圭の息子であるのを知っているはずです。それを承知のうえで彼を利用しているのでしょうか?兄妹(=白石聖ときづき)も、流星の出自を把握しているのでしょうか?今後、流星と要潤が手を組んで、佐島ファミリーの悪事を暴いていくのだとしたら、彼らは白石聖とも敵対することになるかもしれません。◇◎川田家 …山口紗弥加、清野菜名◎森島家 …田中圭、横浜流星◎佐島家 …佐藤二郎、きづき、白石聖双子のうちの片方を育児放棄するというのは、いかにも「パンダ的」な行為です。そう考えると、川田家がもっとも「パンダ的」に思えます。しかし、山口紗弥加が抱いているのはパンダではなく、ウサギのぬいぐるみです。パンダのぬいぐるみは、むしろ田中圭から横浜流星へと受け継がれています。そう考えると…◎川田家 …ウサギ◎森島家 …パンダ◎佐島家 …コアラという図式が見えてくる。ほんとうに白黒つけたがっているのは、やはり森島家の人間なのでしょうね。とはいえ、状況はますますグレーになっています。流星は、ミスパンダにむかって、「君は単純でいいね…」などと呟くようになっています。シロクロの背後には、巨大なグレーの領域が広がっているのです。◇もっとも怪しい存在だった精神科医の山崎樹範は、誰かに携帯で「待ってるよ」と話した直後、殺されてしまいました。今後、彼が隠していた川田家の資料などが明るみになり、レンとリコの記憶の入れ替えの事実や、放火事件の真相なども世間に知られていくでしょうか?そもそも山口紗弥加はなぜ入院してるのでしょうか?なぜ娘と自由に会えないのでしょうか?◇今回、新しい登場人物が加わりました。ハブとマングース爆破事件の被害者遺族いずれも男女のコンビです。おそらく、どちらかが「偽パンダと偽飼育員」だと思われます。ハブとマングースは現役警察官、被害者遺族は空手の有段者です。惨殺された死刑囚は、「あのとき俺は…」と言いかけたまま殺されましたが、彼は、ほんとうに爆破事件の犯人だったのでしょうか?ちなみに流星は、今回の格闘のなかで、警察にも顔が割れてしまったはずです。
2020.02.10
これが1~2話ぐらいの内容だったら大絶賛してたところ。ようやく第5話になって出てくるというのは遅きに失している。そもそも、このドラマは、犯罪者の心情を探っていく物語なのだから、今回のエピソードは想定の範囲内ですけれど、佐々木蔵之介が語ったジャーナリストとしての信条と、事件当事者の切実な感情が葛藤しあう部分には迫力がありました。問題は、ここから先の話が、さらにどう転がるのか。その展開こそが実のあるものにならなきゃ意味がない。今回がいちばんのピークになるようじゃ話になりません。もう、ここから先は、昨今の話題のネタだの、妙に細かいディテールだの、そんなものを寄せ集めただけの無意味なエピソードはいらないし、柄本佑がカッコいいだの、重岡大毅がカッコいいだの、そんな視聴者向けの安っぽい話題づくりも必要ありません。(あってもいいけどね)とにかく物語のいちばんの幹の部分を、残り数話のなかで実のある内容にしてもらいたいです。ここまで来たら最後まで見るつもり。つまらなかったら、とことん大石静をこきおろしてやる。
2020.02.06
日本中の天堂担のみなさんが、佐藤健とのLINEに熱をあげているらしいし、ヒゲダンの曲も異常なほど売れてるようだし、どうやらドラマの人気も衰える様子はありませんが。◇天堂先生は、はやくも「ツン」から「デレ」に移行しはじめてる。ちょっとタイミングが早すぎるのでは?最後の最後までタメるべきじゃないかなあ。だって、4話でキスしたら、最後はどこまで行くの?まあ、最後にフラれて終わるってのも、かえって美しいかもしれませんが。◇…というか、いよいよ金子ありさの芸風が開示しはじめちゃって、もはや笑うしかない独走世界に入りつつある。1話・2話にくらべて、病院の出来事がユルいものになってきたと思ったら、それにつれてドラマ全体の物語までユルくなってきてる。20年ぶりの母娘再会も、ストーカーへの対処も、さほど中身があるとは思えない薄いエピソード。書いてる本人は、これが会心の出来と思ってるんでしょうか?どこまでが本気で、どこまでがギャグなのか、判然としないところが、この作家の悩ましいところ。脚本家自身は真面目に書いてるのかもしれませんが、見ている側は、どうにも笑えてきてしょうがないという…あの「中学聖日記」のような症状が再発してます。たんなる「笑って楽しむドラマ」と割り切れればいいのだけど、なまじっか社会性のある医療ドラマでもあるし、全編笑える話にされても困るしね…。その一方、勇者コスプレのタイミングも「そこ?」って感じで、あきらかな笑いのツボも今ひとつ噛み合わない。全体にベタベタした自己陶酔的な内容なのです。これ以上ベタつかないように何とか補正できないものでしょうか。ラブコメとはいえ、締めるところはピシッと締めてほしい。このままだと、「ツン」でも「デレ」でもなく、たんなる「ユル」だけに終始する作品になってしまいそう。
2020.02.06
アリバイ崩し承りますおじさんと少女がコンビを組む探偵バディものは、たぶん「探偵物語」にはじまってると思うのだけど、いまもなおアイドルドラマの王道路線なのですね。広瀬アリスの「探偵が早すぎる」だって、その部類であることに違いはない。2017年にNHKと蒔田光治が小松菜奈の主演でつくった「スリル!赤の章・黒の章」の出来がよかったものだから、去年の「ピュア!一日アイドル署長」にも期待したのだけど、あれは予想外にチープな内容だったので、ちょっとガッカリ。それにくらべれば、今回のテレ朝の作品のほうはだいぶ出来がいい。やっぱり原作があるのは大きいかな。「アリバイ」という概念は「時計」とともに近代に生まれたのだ、というコンセプトが、いい意味でドラマの世界観に渋みを与えています。トリックについては「それで犯人の特定に至れるか?」と疑問に思いましたけど。…それにしても、山崎紘菜と浜辺美波と福本莉子が同時に別々のチャンネルに出演してるのは、たんなる偶然なんでしょうか?◇ランチ合コン探偵いちおうバディものではあるけど、女性どうしのOL凸凹コンビというのは、あんがい新しいスタイルかも。ボーイッシュな山本美月は「名探偵コナン」みたいに可愛くて、民放の深夜ドラマというよりも、むしろEテレの夕方の少女向けミニドラマみたいな雰囲気なのですが、まあ気楽に観る分にはいいかなと思います。実際は「名探偵コナン」じゃなくて、ディーンの「シャーロック」のほうをパロってるのかもしれませんけどね。こちらもトリックについては「そんだけの情報で真相が分かるか?」という疑問を毎回感じてしまいます(笑)。◇ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~さすがにNHKは、一味も二味も三味も違いますね…。従来の類型にはまったく当てはまらない斬新すぎる女性探偵ドラマ。そもそも「アキラ」という名前が男女兼用だけど、シシド・カフカ演じる主人公も、さながら「探偵物語」の松田優作と薬師丸ひろ子の両方を兼ね備えたような中性的な役どころ(背格好は完全に優作のほう)。私立探偵によくあるクールでエレガントな雰囲気とは無縁で、あくまでも泥くさくて暑苦しい。車も使わずに、足を引きずりながら、ひたすら歩いて調べてるし(笑)。涼し気でエレガントなのは、どちらかといえば間宮祥太朗のほうですね。犯罪トリックにも凄みがあって、よく考えたら、実際に日本のどこかで起こっていても不思議じゃないような怖い話。真相が分かっても逮捕しない、という第2話の結末も妙にリアルでした。
2020.02.05
「3年A組」や「あな番」や「ノワール」は、真相を考察したいなんて気持ちにはならなかったけれど、今回の「シロクロ」にかんしては、物語の構造がどうなってるのか、とても興味がそそられる。◇この物語は、さまざまな面が対称的な(あるいは裏表の)構造になってます。「表の清野菜名」と「裏の清野菜名」。「白黒のパンダ」と「グレーのコアラ」。「死んでしまったレン」と「生き残ったリコ」。それぞれの表と裏は、たがいに反転してしまう可能性がある。そして、佐藤次郎にも、「法務大臣」と「ノーコンプライアンス」(非法令遵守)という二面性がある。◇パンダというのは、もちろん「白黒つけること」の隠喩なのですけど、同時に、自然界のパンダは、「双子のうちの1頭を育児放棄する動物」として知られている。だから、動物園では、親に棄てられたほうのパンダを飼育員が育てます。もしくは、親にバレないように子供を取り替えながら、2頭の子供を代わる代わる育てさせる。その意味でも、レンとリコは「パンダ的」な存在であり、山崎樹範と横浜流星は「飼育員的」な存在なのですね。そこも隠喩になっている。◇この物語の背景には、2つの事件があります。「コアラ男の誘拐事件」と「川田家の放火事件」です。「コアラ男の誘拐事件」には、佐藤二朗と、白石聖と、田中圭、そして横浜流星の4人が関係してます。「川田家の放火事件」には、山口紗弥加と、清野菜名と、山崎樹範と、喫茶店夫婦の5人が関係してる。2つの事件は、たがいに無関係だったはずですが、横浜流星が山崎樹範のもとで精神医学を学び、清野菜名に催眠をかけはじめたときから繋がりはじめた。流星は、もともと放火事件のことは知らなかったはずです。ただし、清野菜名をミスパンダに選んだのが佐藤二郎(あるいは秘書?)なのだとすれば、彼は最初から2つの事件について知っていた可能性が高くなる。一方で、かりに山崎樹範がコアラ男なのだとすれば、彼こそが最初から2つの事件に関わっていたことになります。一体だれが2つの事件を結びつけているのか。そこに焦点が絞られてきている気がします。◇佐藤二郎と横浜流星は、はたして同じ目的を共有しているのか。それとも敵対しているのか。それも、現時点では大きな謎です。彼らが取り組んでいる「シロクロ」の世直しは、いつだって「グレー」に反転してしまう可能性があるのです。
2020.02.05
シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。第4話。すごい…。かなり濃密な脚本。一話のなかで、いろんなことがどんどん展開していく。人間関係が複雑に錯綜して、もはや誰が誰の味方か、ぜんぜん分からない。一話完結パートの物語も一筋縄じゃなく、いじめの隠蔽問題にも「裏」の「裏」があるという内容でした。流星のアクションを見せながら、会話劇を展開していく演出も鮮やか。◇流星は最初から事件の真相を見抜いていて、佐藤二朗が「手出し無用」というのも構わずにシロクロをつけてしまいます。流星は、幼いときの父(田中圭)の教えを守っているようですが、佐藤二朗は「似なくていいところまで似てきた」と最後に呟いています。◇流星は、レンの正体が「リコ」だと気づきました。山崎樹範が「親子を救うために催眠をかけた」と明かすのですが、流星は「本当にそれだけですか?」と疑います。すると、山崎は「お前こそ彼女に何をしてる?」と訊き返します。要潤は、流星が「飼育員」だと気づいて、その情報を、取材先で山崎樹範に漏らします。すると山崎は、レンが「ミスパンダ」かもしれないことを升毅に告げます。椿鬼奴は、入院している山口紗弥加と面会します。椿が「レンは前向きになった。リコを思い出した」と言うのですが、その言葉を聞いて、山口紗弥加は表情を曇らせます。彼女はレンがリコであることを分かっているのでしょうか。母親なのだから、とうぜん見分けがつく気もしますが。白石聖には、コアラ男から写真メールが届きます。彼女は、コアラ男に監視されているのを知って激しく怯えます。あるいは、流星とレンが抱き合っている姿に衝撃を受けたのかもしれません。◇やっぱり山崎樹範が怪しい気はするけど、だれが白でだれが黒なのかまったく見えてこない。最終的には、すべてグレーになりそうな気もします。ラストちかくで佐藤二朗の秘書が映ったのも気になる。まだまだ中盤ですが、ここまでのところ、ダントツに出来が良い。今後の展開次第では、名作と呼べるものになりそうな気がします。
2020.02.03
スカーレット。いよいよ離婚することになるようです。またしても「死んでくれ離婚」が発動するでしょうか?でも、予告によれば、>7年後、武志(伊藤健太郎)は高校2年生で進路に悩んでいる。>喜美子と八郎が5年前に離婚したのち、信作は八郎からの手紙を武志のもとに運んでいた。とのことですから、いわゆる「ナレ離婚」になりそうな気配が濃厚。やはり修羅場を露骨に描写するのはリスクが大きいでしょうか。先週までの経緯でいうならば、喜美子「穴窯がウチを呼んどるっ!退路を断ちたいっ!不安定な生活やし、家族は邪魔や!」八郎 「死んでくれ。…死んでくれ、喜美子。そしたら許したる。そしたら別れたる。」照子 「いつまで夢見てる、喜美子!目え覚ませ!私たちは年とったんよ!親なんよ!バカ!」みたいな状況だったわけで、じつは、ほとんど「半分、青い」へのオマージュだったのですよね。(さすがに八郎は「死んでくれ」とは言わないでしょうが。)◇描き方の違いこそあれ、喜美子の生き方は、「半分青い」でいえば涼次の生き方に近いし、「まんぷく」でいえば萬平の生き方に近い。喜美子は、結果的には萬平のように成功するのかもしれませんが、もしも失敗したあげく、八郎に再婚など申し出ようものなら、それこそ涼次と同じですよね。NHKの朝ドラは、手をかえ品をかえ、同じテーマを何度も繰り返し描いてる。問題は、視聴者がその生き方を受け入れられるかどうか、なのですね。
2020.02.03
全24件 (24件中 1-24件目)
1