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第五話「秘密」 あれから私は放課後になるとピアノのそばのソファーに寝そべって過ごす事が多くなった。其れと言うのも先輩が「君なら歓迎するよ妹何だから」と言ってくれたものだから「すっかり甘えちゃって」と言う都の声も気になりません。最も妹と言う事は私と先輩の秘密です、と瞬君も知ってるか!それと、桜子さんが寮長を辞めてしまい、その代わりに来たのがお母さんだったんですもうビックリです。桜子さんが最も信頼する人として紹介したのだそうです。其れとまだ有るんですよ変わった事が私に妹が出来ました。「後輩でしょ」都が横で突っ込んだ。「何一人で解説者してるの」梅酒片手に騒いでいます。あれから夢も見ない。桜が散り始めた頃退院祝いとお別れ会を兼ね学園の花見をしていた時の事です。 その事はもう前から決めていた事だったらしいです、桜子さんはもうそこには居ませんでした。あの日を境に「あの日本当は僕も行く予定でした、詳しい説明をしている暇が無くてすみません。だからこそ君に来て欲しかった。どうか彼女を攻めないで下さい、本当はこれも話してはいけない事ですが詳しくはあの人に後で聞いて下さい」うな垂れて悲しそうな眼をした彼を私は抱きしめて「最後にお花見しましょう」こうして決まったお花見「姫最後に一つだけ秘密を教えますあの桜の木の幹を見て下さい銃弾の後が有るでしょう」彼は一本の桜の木を指差して言った、少し開けた場所にその桜は有った。ちょうど私の部屋のまん前に当たる、あの日瞬君が立っていた場所だった。「じゃああの夢は本当にあった事で桜姫は居た」「いやちがう、あれと同じ事を過去に桜子は体験していた自分の記憶の中で・・・其れもあって鬼に対して異常な反応をしていたんだ。まだ真相ははっきりしないけれど過去に何かあった事だけは確かだ今後君達に危険が無いかどうかは分からないがあの人が居れば大丈夫だよ」「どうしてあの人なの?私のお母さんは」彼は困った顔をしてあの時と同じ様に私に背を向けて去って行った裏庭でお母さんと話しをしていた時と同じ様にもう二度と振り返らない。一人取り残され改めてその桜を見た傷は私のちょうど胸辺りでも私にも桜子さんにも傷は無い。「何されたの」慌てて都が駆けつけた。「あっ花見」とごまかして胸を隠した。「なーんだ告白かと思ったのに」事情を知らない彼女は続けた。「みんな勝手よね。だけど寂しくなる、なでも千草のお母さん面白い。筆記用具を借りに行ったらシャペンと鉛筆どちらがいいですかて聞くのよもう可笑しくて」遠慮なくげらげら笑っている。「あっ」音楽室の前で女の子が佇んでいた。「ちょっと千草怒った?冗談よ!待って」「今日は居ないよ」私はその子に話しかけた、後から都が駆けつける。「千草足はやい」「えっあっ」少女は言葉にならない音を発した。「明日の放課後なら居るよあなたお名前は私は・・・」「しししっ知ってますひひひひひっめ・・・わたし梢と日暮梢一年です失礼します。」梢ちゃんは疾風の如く駆け去ってしまった。「梢ちゃん可愛い」「良かったね、ライバル出現だね」「まああいつに二人も」最初の言葉を私に言った後でそう続けた。「ねえ都時々思うんだけど私、時々見られてる気がする」「気のせいじゃないよ、見られてるの千草有名人だから」「そうなの」「そうよ普通姫だなんて呼ばないよ千草は特別だから」「特別」何だか褒められた様な気がして嬉しくなった。 翌日先輩のピアノを聴きに来ると、梢ちゃんが入り口に立っていた。「ひひひひっめ」彼女は深々と頭を下げて挨拶した、その時複数の視線がこちらを見ていた。「あっ梢ちゃん千草で良いよ」「いいえ、それでは失礼です・・か・・ら・・」何かもどかしそうに考えているので「じゃあ先輩わどうかな私も桜庭先輩をそう呼んでるから」「はい先輩」嬉しそうに笑った。その翌日には寂しげな彼女の姿が有った。訳を聴くと私を姫と呼ばない為に仲間外れにされたらしいのです。「じゃあ私が言ってあげるから」と言うと頭を振て反論した。「自分の問題ですから大丈夫です」と言って私の提案を跳ね除けてしまった。それでお母さんに相談したら「千草、その梢と言う子を良く見ていなさい」とだけ言って何も言わなかった。其れは何日も続いていた様ですが梢ちゃんは負けませんでした、その内に根負けしたのか嫌がらせは少なくなったそうで今では話し掛けてくれる友達も出来たとか言ってます。私は相変わらすソファーで先輩のピアノを聞き眠ってしまうと梢ちゃんが毛布を掛けてくれます。私が梢ちゃん可愛いと言うと先輩は笑います梢ちゃんは困った顔をします。この頃は視線の数も増え絶えず見られている気がします、それにお母さんも用の無い時は来ない様にと言って私を退けます。都に相談すると「当然でしょう、ここでは寮長と寮生の関係なの私だって気軽に会いに来るなと言われているのよ」「そうか桜子さんの仕事聞きたかったのに話してくれないのよね」「ああそれか、こっちもよ」桜はもう殆ど散り掛かった桜の木を眺めて私達は今日も授業をサボリ部屋で騒いでいます。「ねえお母さん美人だね、だから私も美人なんだ」「そうね・・・こら千草わざと言ったね」この頃は、都とこんな駆け引きをする様にもなり以前ほど動く事も苦にならなくなり。部屋の中をぐるぐると逃げ回り廊下に逃げた所で捕まった、と言うのも・・・「あなた達、元気そうね具合悪くて授業外れた筈だけど違ったかしら」そこには、おかあ・・・鬼が笑ったらこんな顔かと思える様な寮長の姿があった。「あなた達は明日から授業に出なさい、其れと千草は寮長室に都さんは学園長がお呼びです」渋々後に付いて寮長室に向かった。こんな怖い母を見たのは初めてだった、最も見えなかったのだから仕方が無いがこれ程怒られた事も無かった。私は自分の悪さを知っていたのでまともに顔を見る事が出来ないで居ると「わかってる様ね自分のしていた事が」声のトーンは変わらない。「はい」私は短く答えた。具合が悪いと嘘を言ったりした事が悪いと言う意味を今の私は知っている。以前の私なら知らなかった事もここに来て色々な事を知った。「変わったわね来る前と今では良くも悪くも仮病はいけませんが友達を思う気持ちは良い事です」「えっ」てっきり怒られると思っていたお母さんの顔は優しい顔に変わっていた。彼女は桜の見える窓辺に座り私を手招いて抱き締めると静かに語りだした。「千草は生まれた時から眼が見えなかったから少し甘やかして育てたと思っていたわ、其れが自分から学校に行ったり友達を作ったり悪さを覚えたりお母さん嬉しくなっちゃった」「あの怒らないの」「怒ったでしょう、さっき。だからその話しはお終い、それにむしろ嬉しかった千草がそうして積極的に行動してくれる事が昔は良く返事をする素直な娘だったけど今は悪戯もする普通の娘に代わった事が何よりも嬉しいの桜子に感謝しないといけないわね」「うん」「でもねこれは桜子にとって大変な事だったの自分の命を削って与えた物だから下手をしたら死ぬかもしれない危険な業なの・・・」「危険な業?」話は続いた。手に力が篭る、唇をかみ締めて吐き捨てる様に「そう母親の私ですら・・・躊躇った事をあの子はしてくれたの・・・だから千草も感謝しなさい命を粗末にしないでね」温かな胸の中で眠りかけた私の意識が、蘇った。「お母さんも、霊媒師なの?」「そうよ、小夜姉さん知ってるわね」懐かしい名を耳にした、小夜姉さんとは以前何処かのお邸で会った伯母さんの事だと思う。私が頷くと続けた。「千一夜家は代々天皇家の護人として仕えて来ました」「天皇家の護人?」聴き慣れない言葉が耳を突き私は寝そべった状態で母の眼を覗き込んだ。その眼を真直ぐに見返して頷くと続けた。「今まで小夜は一人でその役目を務めていた、その小夜が亡くなったのその為に桜子は小夜の義理の娘だから代りに・・・本来なら私が行く筈の場所にあの子はあなたの為に残れと言ってくれたの」お母さんは外の桜を見ながら何処か遠い眼をしていた。「初めて会うのに懐かしい気がした、以前に何処かで会った様なそんな気がする子ね」「都も私と桜子さんは桜姫に似ているって言ってた」「痛い」お母さんが急に腕に力を込めたので私は痛みを訴えた。「あっ・・・御免ね今桜姫と言った?」頷くと「桜子も知っているの」と続けたのでまた頷いた。「そう」其れは長い沈黙の後の返事だった、桜の花弁が枝を離れ地面に落ちると思われる程の長い時間。「どう思った?」「桜姫がかわいそう」「桜子が千一夜を名乗らない理由は知っている」私が首を振るとため息を付いてまた遠い目で桜を眺めて居たが其れも長くは続かなかった。昼の休憩を告げるチャイムがうるさく鳴り響き中断された。「さて午後に備えてお昼にしましょうね今日のおかず何かな」と私と眼を合わせて言った後に恐ろしい言葉を加えた。「千一夜さん寮のトイレ掃除宜しく、午後からでいいから」「へっ」「足りないか?」「いいえ十分です・・・鬼」お母さんはさっさと食堂に向かった。授業に出るのは明日からの理由はそこに有ったらしい、放課後へとへとで部屋に帰ると都も校舎のトイレ掃除を言い付かったそうだ、最も他にもサボリが居てそのメンバーと一緒だったらしい。「これからは当番制やめてサボリが掃除にしましょうかだって」夕日に染まる桜を見詰めため息を付いた。
April 30, 2004
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読む人が少ない?なぜか?日本の読書家は多い筈だが?少なくなったか!悲しいな。日本の活字文化は何所に行くのか?このまま絶滅だろうか!アニメの影響か絵の方に視点がいく様だ。絵は確かにダイレクトに物事を伝えるが空想の余地を残さない残酷なものでもある、そこには個人レベルの想いが許されて居ない事に気付くべきだ。
April 29, 2004
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仕事が無い予定が無い。何も無い、空しい男です。書き込みも無い、ここの話しだけどROMがおおいよ(*^_^*)話ししたいのに(^。^)・//宜しく。
April 28, 2004
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この事件「華邸は華盛り」の内容を髣髴している様な、最も日本の対応がですがこの話しもそんな体質の問題が裏にあるので偶然と言えば不思議です。前回の千草発見に続き驚いている次第です。
April 27, 2004
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最近は首が痛くなって枕を買いました。そのおかげか痛みが引きました。私が買ったのはウレタンの形の変わるものです、これは形が首にヒットしてとても安定しますので熟睡しました。これで小説が進むかな関係ないけど!?(*^_^*)
April 26, 2004
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昨日「華邸は華盛り」の「千一夜千草」そっくりの娘に会いました。眠そうな眼で店の中をふらふらと浮遊しながら人にぶつかりそうに成るとサラリとかわす身振りなどまさに千草でした。私はしばし見とれてしまった。第一話で千草と桜子がぶつかるシーンが有るが、あれは桜子と千草が普通の人間でなかった為に起きた現象なのだ、お互いが互いに確認できなかった。現象的には桜子がよそ見をしていて走ってくる千草に気付かなかったのだが、それ以上に彼女にはショックな事が起きていた、其れは千草が千夜の娘であることを知ったからだ(この事はまだ作品で語られていない)そのための痛も有ってその反応が緩慢なものに千草には捕らえられた。
April 25, 2004
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「書きあぐねている人の小説入門」を本屋で見付けました。占いの本と花の本かどちらかを買おうとしていて見付けました。はっきり言って詩人の私としては買う気は有りませんでしたが、他の本は持っていたので仕方なく買いました。 そんな訳で買った本なのですが、読んでみると先程の意見を訂正しなければならない事に気付きました。失礼しました。m(__)mまさに本を書く人間の言葉だと実感したしだいです、何を隠そう私も同じ考えで詩を描く人間だからです。はっきり言ってどの職業にも言える事です。私はこれをセブンセンシズと呼びます。これからの時代には無くてはならない能力だと確信するしだいです。私は新人類と呼ばれた世代ですが、その新人類こそ将来は必要とされるべき人材だと言いたい。みなさんはどんな感想を持っているでしょう?聞かせて欲しいものです。
April 24, 2004
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着手しました。
April 14, 2004
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第四話「面影」トクン桜の花が散っているトクンこのときめきは・・・お母さんと誰かが寄添って歩いているトクン・・・・・・トクン私の期待したあの夢じゃないなんだかとっても楽しい夢、心が溶け出しそうなとても甘ずっぱい・・・トクン私はあまりの衝撃に目を覚ました。見るとベットから落ちていた。そこは懐かしい自分達の部屋だった。「そうだ昨日帰ってきたんだ」桜子さんがもうしばらく様子を見た方がいいと言うのを都が大丈夫だと言い張って私を連れ戻したのだ。確かに桜子さんの心配のし過ぎの様な気がする。時計を見ると八時を過ぎていた、休みとは言えこれは寝坊かな都はまだ起きる気配がない。出かけるのが、九時の予定だからそろそろ起こさないと・・・そう思い都のベットにそっと近づき私が起きない時に都がする起こす方法をする事にした。ペーパーナイフの先に付いた羽で鼻の辺りをコショコショと撫でるあのやり方は一度やって見たかった方法の一つだったの。わくわくした面持で私はそっと鼻に羽を近づけた。メガネをしていない都の顔は何処かかわいらしいと私はしげしげと見入った。何時もはきびきびした顔なのに今はとても可愛らしいと私は・・・「あっちちっ千草」ビックリして都が飛び起きた拍子に「あっやっと起きた」と誤魔化した。都はそれで納得したのか何も言わず恥ずかしそうに御免と言った。 寮の入口では数人の女子と話していた瞬君がこちらに気付いて手を振った。それを合図に女の子達は散って行った。「相変わらず人気者」と都が言うと「お褒めに預かり光栄です」と瞬君は言った。その後に「姫御身体は大丈夫ですか」と優しく言ってくれた。姫とは私の事で儚いと言う意味らしく、学園ではその呼び名が定着しています。「はい」私達は駐車上まで歩きながら話しをしていた。その先では待ちくたびれた赤いジャガーのオープンカーがクラクショクンを鳴らした。その車にチャイナ服で乗り込む桜子のセンスに都は頭を抱え「今日も決まってます」と瞬君ははやした。私は意味が分からず、ただ開いたドアから私達専用の様な座席に滑り込むしかなかった。「屋根は無いの」と私が言うと助手席に座った瞬君が甘い顔立ちを向けて「そういう車なんです」と教えてくれた。その指先はナビのタッチパネルを器用に操作している。グククウーと返事の代りにお腹が鳴った。その途端、座席の真中からお菓子が現れ。「飛ばされないようにね」出発前に桜子さんがそう付け加えた、その理由が直ぐ分かった。その走りの素晴らしさ風の如く周りの風景をすり交わし視界の彼方へと追いやってしまう。はじめこそ初めての体験にはしゃいでいたがある事に気付いた。「桜子さん髪結ったんだ」私は自分の髪が風になびくのに彼女の髪がなびかないのに気付いた。「何所まで行くんですか」都が言った。「覚悟して今夜は帰さないから」真面目な声で桜子さんが言う「あそこです」手前のデパートを瞬君が指差した。 私が駆けつけると瞬君の周りには女の子達が群がっていた。「相変わらずね」都のマネをして言った。途端に周りの子達が、そこそこに挨拶をして去って行った。「楊貴妃が出て来たのかと思いましたよ」車のボンネットに腰掛けて彼は笑った。「あれから如何しました」あれからとは、私がこの屋上の駐車場から二人に拉致されて売り場に連れて行かれてからの事に違いない。売り場に着くと二人は商品を手に取り私をボックスに押し込んで着替えさせた、最初は付け方を教えてくれながらサイズを測ったりととっかえひっかえていたのだがその内に都の手は胸の辺りを揉みだしたので一人で出来るからと言って二人を追い出し逃げてきたわけだった。私がなかなか答えないで居ると「だいたいは想像できますが」と溜息を付いた。「えっ」「二人とは昔の知り合いなんです都は同郷だし桜子は同じ病院で一緒でしたから」「病院、桜子さんの恋人って瞬君なの」私が興奮して聞くと「相棒かな鬼から君を護る為の」彼はそう冷たく冷めた声で答えた。「鬼、桜姫の事なの悪い人なの」「僕達が知る鬼は人の血を吸う悪魔です最も桜姫が何者かは知りませんから鬼と決め付けるのは危険な判断でしょう。姫あなたが気に病む事はありません」「あっ瞬君?病人は何所だ」 私の心の声えっこの声「千ちゃん」続いて声は私に向けられた。私が不思議そうに見ると若作りの中年男性は(後で都が言った)「いや失礼した知ってる人に似てたものだから君のような若い子と見違うとはどうかしている、ああそうだ患者は・・・」「先生遅い」声の主は屋上の入り口に立つ髪の長い楊貴妃だった(あとで瞬君が小声で言った)それは都を小脇に抱えた桜子さんでした。「君は」 また私の声あれまた声は軽自動車からだった。白いワゴン車の運転席にはあの声の主が座っていた。「先輩・・・」私はそれ以上言えなかった、血管が喉を圧迫して声が出せない。「良かった」「えっ」「盲腸だな君は千ちゃんいや千夜さんの娘さんか似てるわけだ、お母さんによろしくね」「都ちゃんのこと心配だろうけど大丈夫あの先生なら一週間で帰ってくるから」「私、都と一緒に行きます」私は慌てて桜子さんに訴えた、その横で「千夜て千一夜千夜さん」重苦しそうに瞬君がゆっくりと呟いた。「そうお母さん」私は頷いて答えた。「瞬」怖い顔で桜子さんは瞬君を睨んだ「分かってます約束ですから」彼は渋々答えた。「千草ちゃん今日は大事な用なの」桜子さんは私に向き直ると優しい声で囁いた。「私、都と行きます大事な大事な友達なんです」私も引けない、都を置いてどんな大事な用でも行くことは出来なかった。「桜子、我々だけで行こう」瞬君は何時もの優しい笑顔の瞬君ではなく大人の顔をした瞬君だった。「分かったわ気を付けるのよ」桜子さんも何時もの優しい笑顔ではなく真面目な瞳で私を見詰た。「はい」二人の言葉の意味は知らなかったが、何か重大な事だけは私にも何となく分かったので私も真面目な口調で答えた。「話しは決まった様だな、さあ乗りなさい」待ちかねたように中年男性は都の脈をとりながら言った。その間先輩は私が座りやすい様に備え付けの椅子を用意していてくれた。それと同時にジャガーのエンジンが吠えた。桜子さんの顔には笑顔は無かった、ただ無表情に前方を見据えるだけだった。そして先輩もエンジンを噴かした。乗り込みかけた瞬君が走ってきた。「僕も行くよ姫が狼に食べられると学園の皆が悲しむから」と囁いたその仕草を見て先輩がアクセルを勢いよく踏み込んだ。軽ワゴンはいきなり飛び出し前の車にぶつかりそうになった。「何やってるんだ」先輩がお父さんに怒られた。(後で先輩が教えてくれた、家が病院なので休みの日は手伝っているだそうです) 私の心の中「本当に気をつけてね」心配そうな桜子さんの心が語り掛けてきた。その一方で「瞬ありがとう、だけどこれ使い方分からないよ」と心配げな心が微かに響いた。 その夜、私達は桜庭家にお世話になった。日本庭園の中庭のある広い家に父子二人で暮らしているそうです。家の事は警備会社に任せきりで父親は医療に没頭し息子は学園で音楽にのめり込んでいる。四人でインスタントカレーを食べ先輩のパソコンでゲームなどをして遊んだ。都の方は順調で明日にも一般病棟に移れる程だと先輩のお父さんの徹さんが教えてくれた。その後徹さんはお酒を私に勧めながらお母さんの事を聞いてきた。お母さんとは高校まで一緒だった・とても綺麗で人気者だった・お母さんの家は資産家だった事を聞かせてくれた。「今はアパートで一人で暮らしています」「そうか大変だね、いっそワシの所に来ないかい」「父さん飲み過ぎだよ」しまいには酔い潰れて寝てしまった。「よっぽど嬉しかったんだこんなに飲むなんて久しぶりだよ」先輩は嬉しそうに言って毛布を掛け私の横に座った。あれ先輩の顔がまじかに感じられた。あれお酒のせいかな頭かがボーとしてる、これってもしかしてkiss・・・先輩なら「まさか君は妹なのか別れた母さんの・・・」「えっ」先輩の予期しない問いに私の思考回路は停止した。その後のことは良く憶えていないけど「まったく姫は暢気だね」と言う瞬君の困り果てた声を聞いた気がする。 翌朝目覚めるとなぜか私は瞬君と先輩の間に寝ていた。
April 10, 2004
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最終工程に入りました。
April 9, 2004
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いよいよ桜の季節です考えて見ると私の小説はこの季節に書く事が多いようです。「めぐる日々」「桜の庭」「花屋敷」「桜姫」そして「華邸は華盛り」二十年の間に書いた作品は春のものばかりです。
April 8, 2004
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私が三十年前に小説に書いたような事が実験段階に入っている。例えば「分子変動装置」これなどは以前は笑い話にされたもので相手にされなかった物だ。それが今では真面目に研究されていると言うから驚く。だが私はこれを昔は兵器としての転用を考えていたのだが、今では平和の為に使って欲しいと勝手な事を考えている。今日この頃
April 7, 2004
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第四話もう少しで発表します
April 4, 2004
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HPを改装しました
April 3, 2004
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トクン「桜姫、アメリカの船を沈めてよ」子供の声トクン「違う私は違う」桜姫は頭を抑えて叫んでいるトクン「ありがとう桜姫、船が沈んだよ」また子供の声トクン「違う私ではありません私はわしは・・・」トクン「わたしは・・・」トクン「千草・・・」私を呼んでる?都の声がだんだん遠くなる・・・「君も桜の花に見惚れているのかい」これは去年の春の事総一郎先輩と一緒に桜の木の下でお話した最初の春何を話したのか憶えていない何も話さなかったのかただ一緒に居るだけで心が和む「子供の頃よくこうして父さんと桜の花を見ていた」頬に冷たいものが当たった「風花だ、桜に白い雪かなんだか音色の様だね」音楽を奏でる口調で先輩は語る、柔らかな音色「くしょん、ご御免なさい」「少し寒くなったね」自分のコートを私に掛けてくれた急に身体が熱くなった暖かいコートだった少し汗のにおいの付いた・・・?におい!ちょっと息苦しい「ごほっ」「大丈夫千草ちゃん」心配そうな桜子さんの顔が目の前にアップであった。「あれ都の顔、桜子さんに見える」寝惚けている私の額に手を置いて熱を測ったとても冷たい手だった。改めて部屋を見回すと一面に生花が飾られ花屋さんの中に居る錯覚に陥りそうな花花の世界に満ちていた。夢の中で嗅いだ花の匂いの正体はこの花達。「ここは」起き上がろうとする私を制して話してくれた。 私は昨日の夕方、女子寮の廊下で倒れて今まで眠っていた。今は午前中らしい。それで一日中様子が見られるように自分の部屋に移したらしい、寮長室は一階の東はじにありとても日当たりが良い場所なので今はカーテンが引かれている。この花は桜子さんの趣味ではなく男子生徒の見舞いらしい。「ほんと代表で買ってくればいいのに一人一人で来るものだから・・・」桜子さんは困り顔で語った。「あなたの周りに霊的なものが集まっているせいね、体質なんでしょうね家族の人で同じ感じの人は居る」「母はそんな事はないですとても丈夫です私だけが身体が弱くて・・・」「あなたのせいではないわ体質なんだから」「分かるんですか」「私は霊媒師よ、そしてあなたも特別な力を持っている悪霊にとって厄介な存在なのだから具合を悪くしてその能力を抑えている」「桜子さんも具合が悪くなるの」何時も平静を保っている桜子さんに聞いた。「私には防衛力があるから千草ちゃんはまだ弱いようね、でも良いお友達が一緒だから安心して」「都ですか」「この花を見なさい、花屋さんから苦情がくる位よ良い学校に来たわね問題もあるみたいだけど」桜子さんは丘の方に視線を向けた。「桜姫ですか私調べようと思いますその事」「無駄よ私も去年調べたわ、分かったのは全て伝説で実際に桜姫に会った者は居ない事が分かった位なの邸に付いても何時建てられた誰の物なのかさっぱり資料が残ってない」あきれ果てた面持ちで語った。「突然現れた」「考えたくはないけど其れしか考えられない」「この国を護ろうとする桜姫の心がこの邸を呼寄せたのね」「ふっあなたはお気楽ねその夢が真実とは限らない悪霊の影響もある事だし鵜呑みには出来ないわよ用心して一人では出歩かない事いい約束して」「はい」あまりに真剣な眼差しで言われ私は思わずそう言っていた。その時突然パソコンの電源が入っりMailソフトが自動で立ち上がり、一件のメールが読み上げられた。電子メッセイジの後に「瞬です・図書室で調べていたら戦時中の新聞を発見したので送信しますPDFで読んで下さい」「ちょっと授業中でしょう」呆れて桜子さんは言った。「やだな授業は受けていますよ、調べたのはパソコンです」「それは屁理屈です」「はい分かりましたスミマセンでも何か気になったので見て下さい失礼します」電子メッセイジの読み上げが終了した。「瞬・唯原 瞬 転校生」私が機械のような口調で記憶をたどると桜子さんが。「そう彼も協力してくれたの千草ちゃんの事知らせてくれたのもあの子よ後でお礼言っておいて昨日はチョットもめたしあなたの方が良さそうだから」何か具合が悪そうに囁いた。「そうですか・・・」私が昨日の事を言おうとすると桜子さんは其れを制止してパソコン画面に見入っていた。「海岸で少女発見」私は見出しを読んだその後にあった写真に愕然となった、桜子さんにそっくりの写真でした。 発見された少女は巫女装束で海岸なに打ち上げられていた、船が難破したものと思われる。髪は長い黒髪で茶色の瞳をしてる。健康状態は良好だが記憶を喪失している為名前さえ分からぬ状態で身元の確認は困難。軍で借り受けている華邸に収容される。内容はそんな所だった、写真は確かに似ているが痩せているし幼い気がする。「私も子供の頃の記憶がないの当然両親の記憶も・・・私が知る記憶はこの町の病院で目覚めた十八歳からの記憶だけが唯一の思い出と言えるわね」悲しそうに語る桜子さん。「関連記事」画面の下にあった文字を私は見付けた。 先日海岸で発見された少女は桜の季節に華邸近くで発見された事から「桜姫」と命名された、ご存知のとうりこの地方には「鬼姫伝説」が伝えられている少女も治癒の力がある事が判明する。他にも何か能力がないか検査中である。「まるでモルモットね」呆れたように桜子さんは言葉を吐き捨てた。「桜姫はどんな思いでこの国を護っているのでしょう」「・・・」桜子さんはただ無言で私を見詰た、その瞳がふっと笑い。私の首筋に白い手を這わした、冷たい感触が電気のように脳髄に走り抜ける。「可愛い子」そう言うと首筋に彼女の唇が触れた。ぞくっと言う感触が身体を走り次の瞬間とても心地よい気分になった。「あらっ驚いた、キャサリンとよくこうしてじゃれ合ったものよ千草ちゃんには刺激が強すぎたわね」「都とはそうするけどまだ他の人は・・・」「あっいいのよ無理しなくてこういうスキンシップには徐々に慣れればいいのよ御免ねつい友達感覚になってしまって駄目ね修行不足だわ」「いいえ私の方こそ母と二人暮しが長かったから・・・こういうのは苦手です、都にも言われました慣れなさいって」「そうね総一郎君とデートも出来ないわね」「でっでーと」私は物凄い大声を出して叫んでしまった。桜子さんが耳を塞ぐほどの騒音だったらしい。「それとそろそろブラジャーをしなさい今度買いに行こうか」「はい」私は気乗りのしない返事をした、ただ都に何でもいいから返事をするように言われていたから。「じゃあ明日行こう休みでしょう」私の返事などまったく気にしないそぶりで楽しそうに微笑む。今まで人前に出る機会は殆ど無かったから服装に付いては母にまかせっきりで自分で考えた事が無かった。改めて目も見える様になり鏡に映した自分を見つめたのは昨日の夕方の事だった、あの時は下着の事なども服装に付いても何も考えなかった。ただ服を着て出かける他の人に見せるとは考えていなかった。今改めて私は鏡の前に立ち自分を見詰直していた。「背が低くて胸も小さい」「それから」桜子さんは何でもいいから言ってみなさいと私を鏡の前に立たせた。「えっ髪が長い肌が白い眠たそうな目わっ」桜子さんが急にくすぐった。「わ笑うとえくぼが出来る」「それが今のあなたね、そのままでも十分可愛いけど」彼女は言葉を切って見詰直した。「昔ねと言うか五年前だけど、私も言われたの自分自身を見詰なさいてね」と嬉しそうに。「恋人」と私は鋭く返すと「ちちちちっ違います」と何時もと違う反応が返ってきた。その時私の心に悪戯心が芽生えたのだが運悪く。グググーーゥと私のお腹が空腹を訴えた。「さあお昼にしましょう」と言ってから小声で「あれは二人の秘密よ」と付け加えた。「どれ」と言いかけた私の唇に人差し指を立て着替えさせ始めた、仕方なく着替える事にする。その時一瞬パソコンのスピーカーからか私に呼びかける声がした様な気がして私はパソコンを見たがその時には消えていた。私のそんなそぶりに桜子さんは気付いていないのか、私の準備に夢中だった。「あっグググーー」「催促してるわね行きましょう」私は言いかけた言葉を忘れまだ誰も居ない食堂に向かい花畑のような部屋を後にした。この日の放課後は大変で先輩に会いにいけなかった、明日の予定を知った都が明日の準備をするからと私を自室に連れ戻し明日着る洋服を選び始めたために夕食までみっちり準備させられてしまった。しかも転校生の唯原君までがコース取りをシュミレートすると言ってパソコンで店のデータを調べ始めるし桜子さんは桜子さんで御祓いを始めるし・・・ただ都には感謝しないと先輩のピアノを録音したテープを持って来てくれたのだから「ありがとね都」都が急に抱き付いたので私は硬直して言葉が出ない。「痛いよ」都が力いっぱい抱き付いたので私は痛みをうっえた。「もう心配させて」とこずかれた、泣きながら怒っている。グス「バカ」泣きながらまたこずいた。だから私も優しく抱きしめた。夕暮れの中桜の花が揺らいでる。
April 2, 2004
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