かえりみち

かえりみち

2008/09/11
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カテゴリ: 四国遍路
道中で様々な人と出会う。
これがお遍路のすばらしさでせう。

★9月4日

私は仕事をしに、今治へ。予讃線で一時間も乗ると、目的地があった。
愛媛県今治市はタオルと造船で有名な愛媛第二の都市。


↑伊予国分寺(愛媛県今治市国分)


四国霊場五十九番札所「金光山国分寺(こくぶんじ)」に着いたとき、私の精神は限界に達し、身も心もボロボロであった。

そんなときに声をかけてくれたのが、国分寺門前にある タオルの里 五九楽館 のTさんであった。



そして国分寺へ。


↑国分寺標柱

和気から歩いてここまできたおじいさん。なんて早いんでしょう。道中、お気をつけて。www

ここで山口から原付で来たいうおっちゃんと長話。どうやら息子さんは競艇の選手らしいです。サラリーマンなんてつまらないから、競艇の選手に親父がしたらしいです。そんなおっちゃんも凄い人。航空自衛隊、山口県警、機動隊、米軍岩国基地で働き、今は徳山の工場のおえらいさん。仕事替えすぎやろ。

おっちゃん曰く、人に使われるような商売はダメだ。公務員ほどつまらんものはない。(でも、おっちゃん公務員やん。w)

おっちゃんが道中会って、可愛いと絶賛するLさん。
ついに私もお目にかかりました。

めっちゃかわいいでー。憧れのマドンナです。日本語もままならないのに、おひとりで四国を回られてるそうです。

なんだか、先までの私の悩みが阿呆みたいに見えてきました。異国の霊場を海外の方が必死に一日20キロも歩いている。なんだか、感動です。私なんて阿呆です。本当に阿呆です。

かたことの日本語と、かたことのぶぎょう英語でなんとかLさんと会話してみました。私が積極的に英語を使用した初の事例です。これは誇らしいことかもしれん。

「My name is M. I'm E Univ COMMUNICATION MAGAGINE EDITER」



「It's free paper.」

みたいなー。山口のおっちゃんはこれを一部始終みていたようである。
スミマセン。英語できない文系です。ww

山口のおっちゃん曰く、「彼女はイギリス人だから。アメリカ英語はもっと適当でいいんよ。」

さすが、岩国でおっただけはあるなー。しかし、おっちゃんも一言も英語を話せない。どうなっとるんや。ww



これが一期一会。

私も手を合わした。
「道中、気をつけて。」


↑豊穣な今治平野


お世辞などまったくない、心からの感謝である。
そう、これが「いつくしみ」なのか。

私はこの瞬間から覚醒したようだ。道に死んでいるセミの死骸にまでも慈しみの心を感じてしまった。もはや宗教を超越した心の世界なのか。

まさしく、これがブッタの説く涅槃というものなのか。
そう、これこそが四国なのだと。
(また、自己完結。)


↑南朝の総大将、脇屋義助公の墓所

ここで小説に読みふける仙人みたいなひげの長老とであった。話かけるべきだったのだろうが、近づき難い光を発していた。

「どうも。」

軽く一礼した。あの長老とはまたどこかで会いそうな気がする。会いそうな気がする。

やはり私は南朝の人間なんだとつくづく感じた。伊予はええとこぞ。


↑国分寺塔跡

国分寺が隆盛を極めた平安時代。この塔は今治のほとんどの地域から眺めることが出来た。いわばランドマーク。

と、ここで一人の老人と旅をともにすることになった。彼は大阪からやってきた人である。その名をMさんとおっしゃった。

これも一期一会であろうか。
秋田の人間と大阪の人間という年の離れた二人が一時の友を得たかのように親しく話した。彼は一国周りをしよるそうで、今日までに小松入りせんといかんのらしい。

あと14キロ。70を過ぎた老骨に鞭を打ち東へ東へと歩みゆくそのさまは、たくましく見えた。

このお年で四国を回られてるということは、それなりの事情があるのだろう。険しい道をどこまでもどこまでも。

雨の日も風の日も歩きとおすのだ。

私などは本当にちっぽけな人間である。童である。
恥ずかしい。生きているのが恥ずかしい。
そう思いました・・・・・。

地元の人もみな優しい。これがお接待の志である。

3キロほどともに歩いたが、出会いあれば別れあり。
ここで私は何を思ったか、所持しとった「たのしくなけりゃ遍路じゃない」という本をMさんに差し上げることにした。

今まで、いろんな人から受けた志をここで授ける。初のお接待である。
私なんかが持っているよりもMさんが持っているほうが遙かにこの本は価値がある。そう思ったのだ。

そう、大事なのはお金なんかじゃない。
心なんや。

沈み行く太陽。

Mさんは頑張って、川之江までの旅を終えられることと思う。いや、それを願う。

素直な真心で手をあわせた。

「では、道中気をつけて。」

「ほんまにありがとう。」


にほんじんってさいきんなにかわすれてません?
わたしなんか、いやしくてわがままであほみたいなにんげんやけど、きょうちょっとだけにんげんらしくなったようなきがします。

一期一会。

人は数奇なものです。えぇ。
ほんまに。

だから大切なひとは大事にしましょう。

帰りに高校生カップルが「パピコをチューチューチュブリララー♪」してる姿にさえもほほえましく思ってしまいました。

愛媛には愛があります。
このようなすばらしい文化を廃れさせてはいけん。


同行二人。

月は東に、日は西に・・・・・・









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Last updated  2008/09/11 09:28:31 AM
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