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ジアコーサ式 1969年、イタリア・フィアットはRRの「600」に代わりFF・3BOXスタイルの「128」を発表。 エンジンは直列4気筒横置き。 トランスミッションとデファレンシャルはエンジンと一直線に結ぶ方式を採用した。 このレイアウトは、横置きを前提として長さ(幅)の短いデフ一体型のトランスアクスルを新たに開発して可能になった。 開発者ダンテ・ジアコーサ (Dante Giacosa) に因んでダンテ・ジアコーサ方式と呼ばれた。 欠点はドライブシャフトが不等長になり、トルクステアが発生すること。 ジアコーサ式はイシゴニス式よりも設計の自由度が高く、低コストで前輪駆動方式を実現できることから多くのFF車に普及した。 「伸縮性」を備えたより完全な等速ジョイントは、バーフィールドの原案に基づき、東洋ベアリング(現:NTN)が「ダブルオフセット・ジョイント」(DOJ)として実用化し、スバル1000(1966年〉に初めて採用された。 以後、小型車に前輪駆動方式が普及した。 1960年代の欧州車から世界の自動車メーカーへと広がり、小型車はジアコーサ式の前輪駆動が事実上の標準となるに至った。
2018年10月01日
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イシゴニス式 小型の乗用車に前輪駆動方式が普及する契機は、今はなき英・BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)のオースチン・ミニ。 1959年に発表された当時、極めて経済的な4人乗り小型車は、革命的と評された。 その「ミニ」が採用した駆動方式が当時一般的ではなかった前輪駆動。 エンジンスペースの節約のためエンジンを横置き。 エンジンの下にトランスアクスルを置いて二階建てに配置した。 ミニの横置きエンジン二階建て構造は、開発者のアレック・イシゴニスに因んでイシゴニス方式と名づけられた。 そして前輪駆動の要は等速ジョイントにある。 フォードのエンジニアであったアルフレート・ハンス・ツェッパが1938年に原理を考案し、後にイギリスのバーフィールド社によって実用化された「バーフィールド・ツェッパ・ジョイント」がミニに採用された。 この量産型のボール式等速ジョイントは、操舵時の大きな屈曲角でも円滑に駆動力を伝えることができたので、振動が少なく、耐久性も良くなった。 ただし、バーフィールド・ジョイント(BJ)は作動角の大きい車輪側のみ採用。 デファレンシャル側は、カルダン・ジョイントや、不等速の「トリポッド・ジョイント」だった。 前輪駆動が自動車の空間活用に極めて有効であることが多くの人々に知られるようになった。 等速ジョイントのBJは日本のベアリング・メーカーNTNでライセンス生産され、当時唯一のFF車であったスズキのスズライトFEで採用された。 イシゴニス式は日産のチェリー、パルサーで採用された。 FFの歴史(1)等速ジョイントの歴史(第二次世界大戦後)
2018年10月01日
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自動車の評価が燃費の数字で決まるような傾向は終わったようだが、選択の重要な要素であることは、変わりない。 7年で12%の改善とは驚き禁じえないとともに、たゆみない開発者の努力に敬意を表する。 国内を走る自動車の燃費 7年で12%も改善 2018年07月16日 ニュースイッチ HVの増加や燃焼効率の向上が貢献 国内を走る自動車の燃費改善が続いている。 国土交通省の調査によると、ガソリンを使う車全体の2017年度の燃費は1リットル当たり12・0キロメートルとなり、調査を始めた10年度の10・7キロメートルから約12%改善した。 電気モーターを併用するハイブリッド車(HV)の増加やガソリンエンジンの燃焼効率の向上、軽量化といった技術進歩が背景にある。 17年度の燃費は、毎月約9600の自動車保有者を対象に実際の走行距離や燃料消費などを調べ、旧式車や商用車も含め推計値を算出した。 一定の条件下で計測するカタログの燃費とは異なり、実際の燃料消費量に近いとみられる。 17年度の乗用車の車種別の燃費は、HVが16・5キロメートル(10年度は16・3キロメートル)で、軽自動車が14・1キロメートル(同12・6キロメートル)だった。 小型車は11・9キロメートル(同11・3キロメートル)で、普通車は9・0キロメートル(同8・3キロメートル)。 HVの数値はほぼ横ばいだが、台数増加で全体の燃費改善に貢献している。 …(略)… 自動車保有台数の推移は、2010年の7,869万台から2017年8,126万台で3.2%増加。 だが、燃費の向上もあり(痩躯距離は分からない)ガソリンの販売量は着実に減少している。 ガソリンの販売量は2010年3,799,412kL、2016年3,407,517kL(△391,895kL、90%)。 化石燃料の使用量が減少していることは、よいことと思う。 寂しくもあるが、燃費改善前の旧車が入れ替われば改善の数値はいっそう大きくなることだろう。 先進国だけでなく、中国、インド、インドネシアなどの自動車市場が燃費性能の高い車、EVの普及拡大が進展することを地球環境のために願う。
2018年08月22日
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日本社会の成熟、国産車の耐久性の向上などにより、日本車の平均車齢は25年連続で向上。 2017年3月末の平均車齢は、乗用車(軽自動車除く)で8.53年、貨物車で11.32年となっている。 車齢の上昇とともに、タイヤの履き替えが増える。 最近、「新車のときに着けていた銘柄がいい」との広告をよく見聞きするようになった。 そもそも、磨耗限界以外のタイヤの寿命は何年か? 下記による10年。 長期在庫の未使用新品タイヤに 性能低下はないのか? 2018年7月1日 WEB CARTOP 適正な保管方法で3年以内ならフレッシュタイヤと性能に差はない タイヤはナマモノ。 鮮度の高いタイヤほど、ゴムも柔軟でパフォーマンスも高いが、製造されてから月日が経つにつれ、ゴムは硬化し性能は低下していく……。 ただし、タイヤのゴムに化学変化を起こし、性能を劣化させていく最大の要因は、走行時にゴムがたわむことによって生じる「熱」であり、この熱の入っていないタイヤ=未使用のタイヤは、製造から3年以内なら経年劣化の影響はほとんどないことがわかっている。 たとえばブリヂストンでは、「保管期間とWET制動距離の関係」を実際にテストしたうえで「適正に保管された乗用車用夏タイヤは、3年間は同等の性能を保つことが確認された」と公表している。 一方、ブリヂストン、横浜ゴム、ダンロップ、日本グッドイヤーの各社とも、使用開始から5年以上経過したタイヤは、専門店で継続使用に適しているかどうか点検することを推奨しており、製造後10年経過したタイヤは、トレッドの残り溝の有無など外観上に問題がなくても、新品タイヤへの交換を勧めている。 …(略)… で、新車装着タイヤがベストか。 こちらはいろいろありそうだ。 新車装着タイヤからのタイヤ交換 2016年3月27日 TireNavigater 燃費志向が強まったこともあり、昨今は車にあったタイヤが新車装着タイヤとして採用され出した。 だが、最近韓国、台湾のタイヤも諸性能の向上著しく価格と性能が新たな局面をむかえている。 品質に問題なし! 夏タイヤは韓国製(ハンコック)がオススメだ! 2016年12月8日 ネタンク
2018年08月20日
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エアバッグの欠陥に関して、現代の企業と思えない対応を続けたタカタが事業譲渡した。 1兆円超とされる負債はどこに行くのか? 欠陥エアバッグのタカタ、高田会長兼社長が退任 創業85年の社名も消滅 2018年4月12日 AFP BB News 自動車部品大手タカタは12日、米企業への事業譲渡が完了したことを受けて、高田重久会長兼社長が正式に退任したと発表した。 これにより、欠陥エアバッグ問題で経営が破綻した同社の社名も消滅した。「タカタ」ブランドは1933年、重久氏の祖父が繊維メーカーを立ち上げた際に誕生。 今回の事業譲渡で、その85年の歴史に幕が引かれた。 …(略)… タカタの事業は、問題のエアバッグ事業を除き、米自動車部品メーカーのキー・セイフティー・システムズ(KSS)に譲渡された。 KSSは15億8000万ドル(約1700億円)でタカタのほぼすべての事業を買収し、買収後に社名をジョイソン・セイフティ・システムズ(Joyson Safety Systems)に変更した。 …(略)… ビニールスクエアバッグ Linda Linda(リンダ リンダ) タカタのエアバッグで2000年~2008年の間に製造されたものに、不適切な破裂につながる不具合があった。 タカタは不具合を認識していたが事実を隠蔽して製造・販売を継続。 2014年9月、米ニューヨーク・タイムズがリコールの原因であったエアバッグの欠陥をホンダとタカタが長く認識していた、と報道。 全米で大きな騒動に発展。 2014年9月、米高速道路交通安全局(NHTSA)はホンダがエアバッグの不具合に関連した死傷事故の報告を怠っていた可能性があるとして、調査を開始。 2004年11月、この件で米国議会で公聴会開催。 2015年5月、タカタはこれまでの姿勢を一転し、全面的にエアバッグの欠陥を認めた。 終わりの始まり。 2017年6月、民事再生法適用申請。 そして、タカタの名を存続させる白馬の騎士は現れなかった。 JOYSON SAFETY SYSTEMSジョイソン・セイフティー・システムズは自動車の重要な安全部品を提供するグローバルリーダーです。米国ミシガン州アーバンヒルズに本社を置き、25か国において5万人を超える従業員と共に事業を営んでいます。当社は、Ningbo Joyson Electronic Corporation(SHA:600699、「Joyson Electronics」)の子会社です。 いわく付きの企業に、日本の自動車関連メーカーは手を出さなかったようだ。 「タカタ」はなぜ転落したのか。 超優良メーカーが民事再生を申請するまでの軌跡 【UPDATE】 南 麻理江 2017年6月16日 HUFFPOST
2018年05月04日
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「自動」と「万全」とは意味が違う。 ところが自動ブレーキというと、どんな環境下でも作動し車を安全に止めるブレーキであると誤解するヒトがいる。 自動運転も同様。 過信というか「あり得ないこと」を「自動」の二文字に重ね合わせてはならない。 “自動ブレーキ”過信しないで 国民生活センターが注意喚起 2018年1月18日 ITmedia NEWS ややこしい表現だが、「衝突被害軽減ブレーキ」という方が、より適切な表現。 車は急に止まれない。 慣性の法則から脱するシステムでない限り。
2018年04月17日
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米国はPL訴訟が盛んになって一時期、新小型機が発売されなくなった。 完全な機械、トラブルフリーな機械など作れるものではないからだ。 だが、米国は反省した。 新製品、新システムに注意書きは必要である。 テスラのオートパイロットは、人間だけで運転するより数倍安全性の高いシステムとしているものと思われる。 テスラに新たな事故 トヨタが「運転支援システム」と呼んでいるわけ 2018年2月12日 財経新聞 テスラの車が新たな事故を起こした。 停車中の車に後ろから追突する事故で、この類は特に珍しいものではないが、「半自動運転中の事故」であるため注目されている。 テスラの「半自動運転車」は、「大きな赤い消防車を発見できずに」追突したのだ。 人間が運転していれば起きなかった可能性が大きいため、衝撃が走った。 現代の「運転支援システム」の限界を示しており、現状でのこのプログラムの使用が適切であるのか検証する必要性があるだろう。 テスラのマニュアルによれば、「半自動運転で前車を追尾しているとき、前車がいなくなったとたんに静止した車などが前方に現れたとき、急ブレーキをかけられないことがある」と警告がある。 こうした場面でこそ緊急ブレーキが必要な時であり、これに対応できないと除外することは「危険」でもあるといえる。 こうした状態でも「実用レベルにある」と判断すること自体に問題はないのか? どうも「ソフトウエア開発者」は「マニュアルで警告しておけばよい」と判断しているが、これはとんでもないことだ。 …(略)… 日本では新商品、新規のメカニズム規格ほど、過去より安全サイドの対応が望まれる。 日本の自動車メーカー各社は自動運転、運転制御の開発が遅れていると見られている。 だが、米国、中国などは「万に一つも間違いがない」システムなど求められておらず、事故が発生しても、テスラのオートパイロットは表記の訂正さえしない。 オートパイロット テスラジャパン 記事は「それでもこの(運転支援システム)レベルでは「販売すべきではない」システムではないのか」とまで書いているが、そのレベルで売ってこそ、企業の競争力が維持されるのが、現実。 モデル3で量産に失敗し赤字化したテスラは、株価の礎であるオートパイロットを手放さない。 日本のエコノミストの記事は「自己責任」の意味が分かっていない。 世界レベルでみたとき、どちらかと言えば「消費者運動家」の側面を持っている。
2018年04月17日
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2017年12月、トヨタは2025年までに「エンジンのみ」の車種ゼロ、電動化加速すると宣言。 EVは2020年前半までに10車種以上を投入する。 そして2018年以降に発売する新型車からディーゼルエンジンの設定をなくす。 ドイツでは2018年2月、ディーゼル車の市街地乗り入れ禁止は「合憲」との判決がでた。 トヨタ、欧州でディーゼル乗用車撤退 環境規制に対応、電動化シフト 2018年3月6日 産経新聞 トヨタ自動車は5日、欧州でディーゼル乗用車の販売から撤退する方針を発表した。 欧州では大気汚染対策として一部の都市でディーゼル車の乗り入れが規制されていることなどから、ディーゼル乗用車への需要が減っており、トヨタは車両の電動化を推進していく構えだ。 トヨタは6日開幕のジュネーブ国際自動車ショーに先立ち、現地で発表した新型「オーリス」でディーゼル車の設定をなくし、2018年以降発売の新型車にディーゼルエンジンを搭載しない方針を明確にした。 オーリスでは出力の異なる2種類のハイブリッド車(HV)をそろえている. …(略)… ドイツメーカーもディーゼル乗用車は縮小。 増えるのはEV。
2018年03月30日
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「自動」と「万全」とは意味が違う。 ところが自動ブレーキというと、どんな環境下でも作動し車を安全に止めるブレーキであると誤解するヒトがいる。 自動運転も同様。 過信というか「あり得ないこと」を「自動」の二文字に重ね合わせてはならない。 “自動ブレーキ”過信しないで 国民生活センターが注意喚起 2018年1月18日 ITmedia NEWS ややこしい表現だが、「衝突被害軽減ブレーキ」という方が、より適切な表現。 車は急に止まれない。 車に限らず、移動するものは、慣性の法則から脱して移動するシステムでない限り、急には止まれない。
2018年02月06日
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タカタのエアバッグのリコール隠しが発覚したとき、エアバッグ開発の経緯からか、「ホンダが救済すべき」との声が多数上がった。 最大の債権額がトヨタであり、最多額の取引先もトヨタ。 救済するならトヨタであろう。 タカタへの届出債権、35兆8,393億円 2017.11.13 東京商工リサーチ エアバッグ大手のタカタ(株)への届出債権の全貌が判明した。 再生債権認否書によると、取引先や金融機関、ファンドなどが届け出た債権額の合計は35兆8,393億円に達した。 届出通貨別で最も多かったのは米ドル建で、30兆4,620億円。次いで、日本円建が3兆7,678億円だった。 このうち、タカタが認めた金額は1兆792億円で届出債権の3.0%にとどまった。 通貨別の認めた額では、日本円建の9,340億円が最も多く、次いで米ドル建の1,117億円だった。タカタが認めた最大債権者はトヨタ自動車 タカタが債権認否を行った結果、認めた額の最大はトヨタ自動車の3,312億円だった。 次いで、本田技研工業の2,397億円、マツダの1,311億円、 アメリカ合衆国の963億円と続く。 届出債権額と認められた額の「認可率」はトヨタ自動車が37.1%、本田技研工業は58.0%、マツダは65.2%、アメリカ合衆国は100%だった。 …(略)… ホンダとともにエアバッグを開発したタカタは、その製品を各社に売り込んだ。 いつまでも開発の経緯を引きずる浪花節は理不尽。 ホンダが救済を早い時期から「ありえない」としたのも無理はない。 だめなエコノミストはいまだに自動車の部品メーカーは系列に縛られているとの幻想を持っているのだろう。 トヨタ系の部品企業はホンダに多数の備品を納めている。 系列に関する義理人情で、世界市場が戦えるはずもなし。
2017年11月23日
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ホンダは遅ればせながら、安全運転支援装置に力を入れ始めた。 スバルはアイサイト、日産は先進安全装備(インテルジェントエマージェンシーブレーキ、インテリジェントクルーズコントロール)、トヨタは Toyota Safety Sense など様々な機能をまとめる名称が付されている。。 ホンダが軽自動車にホンダセンシングを標準装備した意義は大きい。 ホンダ「N-BOX」刷新 安全装備標準化が業界に与えた衝撃 週刊ダイヤモンド編集部 2017.9.4 DIAMOND online …(略)…業界の販売戦略に影響か だが冒頭の幹部を驚かせたのはこれらのモデルチェンジではなく、ホンダが今回、高価格帯の上級車に搭載している最新の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を、エヌボックスの全グレードに標準装備したことにある。 ホンダセンシングとは、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせて車の前後方の情報を認識し、車両や歩行者を検知してブレーキをかけたり、ステアリング制御で先行車に追従したりできるホンダの独自技術だ。 競合車では、ダイハツ工業「タント」やスズキ「スペーシア」も衝突軽減ブレーキなどを搭載しているが、いずれも標準装備ではない。 軽自動車のユーザーは価格にシビアな傾向があり、「安全装備なしの低価格グレードも用意し、お客さまに選んでもらう」(ダイハツ)ことが軽自動車販売の“常識”とされてきたからだ。 …(略)… 軽自動車メーカーはこれまで低価格や低燃費を競ってきたが、上級車並みの安全システムの標準装備が軽でも「当たり前」(ホンダ)となれば、各社の販売戦略が大きく変わる可能性がある。 …(略)… 安全運転支援装置は普及拡大する。 また、安全運転支援装置は、自動運転にいたるプロセスとみられている。 安全運転支援装置に不具合が起きたら? 2016年1月15日 Th!nk 事故起きたとき、装置のフェイル・セーフ・システムの働きが求められる。
2017年10月14日
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昔、AT車で力一杯ブレーキを踏んだのに車の前進を停められなかったとの証言があり、ATミッションの欠陥が疑われたことがあった。 結果は、どのような実験をしても、そのような事態は再現できない、との結論だった。 即ち、運転者はブレーキと勘違いして、アクセルを踏み続けていたはず、との結論が得られた。 以降、自動車側の欠陥が疑われることはなくなった。 だが、アクセルとブレーキの踏み間違い事故は後を絶たない。 高齢者ほど運転への自信強まる、 ドライバー意識調査の怖い結果 唐仁原俊博 2017.7.8 DIAMOND online夏本番でドライブ真っ盛りドライバーの96%が「ヒヤッ」を体験 …(略)…初心者とベテランで異なる運転中の「ヒヤッ」傾向 最近、「ブレーキとアクセルを踏み間違えてコンビニに突っ込んだ」というニュースがしばしば報道される。 踏み間違えによる「ヒヤッ」を体験したのは、免許取得から1年未満の人で、なんと21%に上る。 かなりの割合だ。 停車中の若葉マークの車の前には絶対に立ちたくない。 踏み間違えは免許取得から年数が経つごとに減少していくが、それとは対象的なのが、眠気でヒヤッとした人。 免許取得から1年未満の人は、他の人と比べると随分少ない(少ないと言っても15%。 6人に1人くらいだから、それなりの数ではある)。 注目すべきは、取得から5年以上経ったベテランドライバーたちは、3分の1が眠気での「ヒヤッ」を体験しているということ。 …(略)… しかし、同じ質問を年代別で見てみると、非常に興味深い結果が明らかになる。 回答者の年代が上がるごとに、「高齢になっても自分は運転できる」という自信が強くなっているのだ。 60代以上では、「66歳~70歳」は19%に減少し、「71歳~75歳」が42%と最多。 「76歳~80歳」も23%だ。きっと「いま運転できてるし、若い頃に考えてたよりは、全然平気だな」と思っているのだろう。 しかし、それって、ちょっと怖くないか。 …(略)… 記事に記載はないが、若者と高齢者の違いに、間違ったときの修正動作への転換がある。 踏み間違いは若者にも多い。 大事故が高齢者に多いのは、状況判断による動作の修正ができないか、遅過ぎるためと解釈できる。 変化に鈍感なのだ。 高齢者に限らず自宅周辺で事故が多いのも、思い込みの強さなどのため変化に鈍感なことが関係していると考える。 自動車の所有にこだわらない若者が増え、仕事のある都会に集まる。 交通インフラが整っていない地方の高齢者の比率は高まる。 とすると、高齢者に限らず自動運転の普及拡大は必須となる。 完全自動運転の実用化は容易ではないが、誤発進抑制機能は実現している。 さらなる進化が求められる。 【寄稿】 自動運転車が変える高齢者の暮らし 2016年11月29日 THE WALL STREET JOURNAL 日本版 80歳以上の免許保有者は10年で2.5倍。 80歳以上のドライバーの事故は10年で約1.7倍。 高齢ドライバーの増加という要因もあるが、他の交通事故が減少する中、高齢ドライバーの事故の絶対値が増えている以上看過できない問題。 自動運転は全ての解決策ではないが、有効な防止策、減少策にはなる。 「自動運転車の実用化は間近」の大いなる錯覚 2017/3/31 日本経済新聞 IT pro 完全自動運転の実現には様々なハードルがあるが、実現されれば確かに多数の失業者が発生すると予想される。 「自動運転」でなくなる20の仕事ランキング 2017年2月3日 現代ビジネス
2017年09月08日
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TNGAは Toyota New Global Archtechture 。 “イイクルマを”を生み出すためのトヨタの新しい挑戦。 「乗り降りや運転のしやすさ」を最優先課題とした上で、「車の低重心化」「各部品の低配置化」「乗車時のベストな姿勢の確保」「流麗なデザイン」など46項目にわたって徹底的に追求し、従来、セグメントごとに設計・開発・製造していたプラットフォームを、複数のプラットフォームに共通したモジュールとして増加させることで、コンポーネントを共有化し、プラットフォームごとの台数を増やすことができるシステムとして開発された。 TNGA開発構想に基づく、プラットフォームを基幹とし、商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成する目論見。 TNGA トヨタ公式サイト だが、TNGAを聞くたびに、TENGAと紛らわしいと思うのは私が助平だからだろう。 快適と革命という共通点は偶然のなせる技なのか? TENGA は会社名の「典雅」からとされるが、ではなぜ「典雅」なのか。 TENGA、革命的アダルト神器はいかに誕生? “血のにじむような”開発、世界中で大ヒット 2015年5月16日 ビジネスジャーナル 一文字違いは誰でも勘違いしやすい。 それともトヨタのネーミングは確信犯なのだろうか。 TNGAはテンガと読んではいけない 2015年11月5日 cara style
2017年07月24日
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2017年5月10日、タカタは2017年3月期(2016年4月~2017年3月)の連結決算を発表。 売上高6625億3300万円(前年同期比-7.7%)。 営業利益389億5800万円(-7.5%)、経常利益は430億円(+22.1%)、最終赤字は795億8800万円(前年同期は130億7500万円の赤字)。 2017年6月26日、タカタは民事再生法の適用を東京地裁に申請、受理され、法的整理に入る。 タカタ株は7月27日、上場廃止となる。 高田重久会長兼社長は陳謝。事業譲渡までの「適切な時期に経営責任をとって辞任する」と表明。 タカタが2017年1月、米司法省と合意した総額10億ドルの司法取引のうち、問題のインフレ―ターを購入して損失を被った自動車メーカーへの賠償金などの8億5000万ドル(約940億円)の支払期限は2018年2月。 タカタの民事再生法申請を受け、日系自動車メーカー6社は26日、立て替えているリコール費用が「回収不能になる見込み」との見解を発表。 ホンダはリコール費用としてこれまでに約5560億円を計上、トヨタは、5700億円計上。 スバルを除く5社(トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、三菱自動車)は前期までに乾燥剤なしのリコール費用をすでに引き当て済みで、業績への影響は「限定的」。 タカタは中国の寧波均勝電子の100%子会社、米国キー・セーフティー・システムズ(KSS)に1750億円で事業譲渡する基本合意を発表。 寧波均勝電子は2016年、KSSを9億2000万ドル(約1030億円)で買収。 KSSは米国ミシガン州に本社を置く1916年設立の自動車部品メーカー。 エアバッグやシートベルト、ハンドル部品などを製造。 寧波均勝電子はタカタの買収で、自動車用安全部品のサプライヤーで世界2位となるとみられている。 寧波均勝電子は、王剣峰会長(46)が2004年に創業。 中国の自動車部品メーカー。 主な製品は 、自動運転のヒューマン・マシン・インターフェース部品、工業自動化と産業ロボット、新エネルギー車の駆動制御システム、空調制御システム、センサーシステム、吸気システム、電子制御システム、自動生産ライン、車内空調管理システム、フロントガラス洗浄システム、バックミラーシステムなど。 2016年の売上高は前年比130%増の約186億元(約3000億円)。 営業利益は4.5億元(約72億円)。 2008年、2008年にドイツのVolkswagen(VW)社のティア1・サプライヤー、米General Motors(GM)社のグローバル・サプライヤー。 2011年から海外企業の買収を積極化。 2011年、車載電子部品のドイツ・Preh社買収。 2013年、ソフトウェア開発会社のドイツ・Innoventis社買収。 2014年、高級車向けステアリングおよび内装部品メーカー、ドイツ・Quin社買収。 2016年、KSS社を買収した。 これらの買収により、米・フォード、ドイツ・ダイムラー、BMW、Audiなどのグローバル・サプライヤーに業務を拡大。 KSSは1億個に上るとみられる欠陥エアバッグのリコール費用を負担せず、リコール費用の責任はタカタが負う。 インフレータ(膨張装置)事業はタカタに残る。 タカタ、中国傘下の米企業支援で再建へ …民事再生法申請が受理 2017年6月26日 Response 欠陥エアバッグで経営が悪化したタカタは6月26日の取締役会で民事再生法の手続き開始を決議し、同日東京地裁に申請して受理された。 国内外の自動車メーカーによるリコール費用が膨らんで負債総額は1兆円を超え、製造業では戦後最大の倒産となる見通しだ。 タカタは、本体と同時に連結子会社であるタカタ九州(佐賀県多久市)とタカタサービス(滋賀県彦根市)についても、民事再生法の適用を申請した。 さらに米国の子会社TKホールディングスなど海外の12社についても、同日(米東部時間25日)、米連邦破産法11条の適用を申請した。 …(略)…
2017年06月28日
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スバルのアイサイトの効果の体験試乗で、鋭い停止力に感銘を受けた。 自分で操ることにこだわらない人々は、事故を避けるため各種の運転サポートを積極的に取り入れる。 GW、お盆休みなど長期の連休時に多数発生した事故は激減することが容易に想像できる。 自動ブレーキ普及で板金業者が悲鳴! 悩めるディーラーも 2017年6月18日 WEB CARTOP事故減少は大歓迎だが新たな事業展開が必要な板金業者も 昨今の自動車の最新装備で話題となっているのが自動ブレーキ。 衝突事故防止や被害の軽減にはかなり効果があるようだ。 聞いた話では、自動ブレーキではないものの、後付けで前方車両へ過度な接近をしたときなどに警告アラームを発するデバイスを装着しただけでも、衝突事故をかなりの割合で防ぐことができるとのことなので、自動ブレーキはさらなる効果が期待できるのは間違いない。 事実、某メーカー系レンタカー会社では装着可能な車両ならすべて装着しており、実際に効果をあげているとのことである。 ある日、馴染みのディーラーセールスマンを訪ねたときに自動ブレーキの話になると、「確かに事故抑止には効果があるようですが……」と言葉を濁すので聞いてみると、「お客様が事故を起こす確率が減ることは喜ぶべきことです。 しかし自動ブレーキや衝突事故軽減ブレーキなどが普及してくるにしたがい、とたんに板金修理の入庫もガタ減りとなったのです」。 …(略)… 現段階で板金業者が「悲鳴」をあげるレベルかどうかは不明。 板金業者は慢性的に人手不足であり、カーディーラーの多くが、板金修理を外部に依頼している。 修理の減少とともに、小規模経営が多い板金業者も減少すると考えられる。 大資本にはチャンスかもしれない。 多数のデータが集まり任意保険が保険料の優遇措置を適用するようになれば、自動停止などの運転補助装置は一気に普及することになる。 事故が減ってもエアバッグは必要。 このまま消え去るわけには行かないタカタに、民事再生法が適用されるだろうか。 タカタ取引先、懸念広がる…代金回収にリスク2017年6月17日 讀賣新聞 欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で経営が悪化しているタカタが民事再生法の適用を申請する方向で調整に入ったことを受け、タカタの取引先に懸念が広がっている。 タカタがエアバッグやシートベルトなどを作るのに使う部品を納入している企業は代金を回収できなくなるリスクが出ているためだ。 …(略)… タカタが民事再生手続きに入った場合、タカタの債務は裁判所の管理下に置かれるため、すぐに代金の支払いを受けられなくなる可能性がある。 この企業の社長は報道が出た16日、タカタの担当者に問い合わせたが、「はっきりとした回答は得られなかった」と話す。 …(略)… タカタの部品納入メーカーは、新たな仕事を探すこともできず、タカタとの取引を続けるしかない状況なのだろう。 救い手の企業、投資ファンドでも現れない限り、タカタは民事再生と倒産という手続きが残されている。 取引先の債権の全額回収は不能となる可能性が高い。 自動運転技術が確立されても、暫くの間、エアバッグは必須装備のままだろう。
2017年06月27日
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「エアバッグ」は、必ずSRSエアバッグと表示されている。 エアバッグはシートベルトとセットで効果を発揮する安全装置であり、シートベルトをしていないと危険であることはあまり知られていない。 正しくシートベルトを着用していても、火薬を使って急速に膨らませるため、作動時には車内の気圧が急激に上昇するため、窓を閉め切っていた場合などは、、鼻血が出たり鼓膜を傷めたりすることがある。 短時間で爆発的に膨張するエアバッグは安全と危険のぎりぎりのところで安全側で作動している。 エアバッグ 出典:Wikipedia エアバッグ(英語: airbag)とは、膨らんだ袋体を用いて移動体の運動エネルギーを吸収、もしくは衝撃緩和する装置のことである。 身近なところでは自動車の乗員保護システムの中の1つとしてエアバッグがあり、SRSエアバッグシステム(SRSはSupplemental Restraint System(補助拘束装置)の略)と呼ばれる。Supplemental(補助)とあるように、エアバッグはあくまでシートベルト着装を前提とした上で、その効果を最大限に発揮する乗員保護システムの1つである。 したがって、シートベルトを着用していないとその効果は発揮されない。 それどころか、最悪の場合はエアバッグにより死亡する場合もある。 前席(運転席と助手席)に加え、一部車種では後部座席用も用意された。 現在では側面からの衝突に対応するサイドエアバッグやカーテンエアバッグ、膝にかかる衝撃を緩和するためのニーエアバッグ、さらにはシートベルトを膨らませる方式のものもある。 オートバイ・自転車のライダー用や歩行者用のエアバッグも販売されている。 また、火星探査機が火星に着陸する際にエアバッグを利用して着陸するなど、さまざまな方面で衝撃吸収のために利用されている。 なお、エアバッグは保安基準の対象外であるため取り外しても特に罰則等はない。 現在、一般的に使用されているエアバッグは、日本人の発明である。 1963年、特許申請事務代行業のGIC(グッドアイデアセンター)を経営していた小堀保三郎氏が、航空機事故などで、衝撃を緩和させ、生存率を改善させる装置として考案した。 エアバッグが、火薬の使用が当時の日本の消防法に抵触してしまうことから、その後、日本でエアバッグが開発されることはなかった。 欧米では、エアバッグの研究、開発が進められ、それにあわせて法規も整えられていった。 安全装備としての有用性が認められ、1970年頃からは日本でも本格的な開発が始まった。 1970年代中盤、米国でエアバッグが実用化された。 1971年、フォード社が顧客の車両にエアバッグを取り付け、モニター調査を実施。 1973年、ゼネラルモーターズ(GM)が、キャデラック、ビュイックなど数車種でのオプション装備としてエアバッグ(Air Cushion Restraint System)をラインナップした。 極めて高価で売れ行きが悪く、誤作動による事故が発生したため1976年モデルを最後に消滅。 1980年、ダイムラー・ベンツ社が、高級車Sクラスにオプションとして装備。 初期のエアバッグは、一部の限られた高級車にオプション装備として搭載された 次第に乗用車のほとんどでオプションとして設定されたり、上級モデルに標準装備されるようになった。 1987年、ホンダ・レジェンドが日本で初めて市販車にエアバッグを搭載した(運転席のみ)。 1992年ホンダ・ドマーニが、日本で初めて運転席側を全車に標準装備とした。 ホンダの要請でタカタが開発したエアバッグは、初期にインフレーター(ガス発生装置の膨張材)としてアジ化ナトリウムを使用していた。 有害性の指摘から、1990年代後半、硝酸アンモニウムに切り替えた。 他社はインフレーターとして硝酸グア ニジンを使用。 硝酸アンモニウムはエアバッグを より小さく、軽くでき、コストではなく技術面での メリットが大きいという。 しかし、硝酸アンモニウムの火薬は高湿度のもとで不安定になる特性 があり、爆発時に過大な力が生じる傾向があるとされる。 エアバッグ世界一のオートリブはパッシブセーフティー製品のシェアは2014年、日本で20%程度だった。 欧州と北米ではその2倍。 日本を除くアジアでは35%を超えている。 タカタは、世界第2位のグローバルプレイヤーだった。 タカタに続くのはZF・TRW(旧TRWオートモーティブ)、豊田合成、日本プラスト、芦森工業、ダイセル。 米国でのタカタ製エアバッグの事故とその後のタカタの対応まずさから、自動車メ ーカーはインフレーターの 調達先をタカタからオートリブやダイセルに切り替える動きが広がった。
2017年06月22日
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フェイルセーフは誤作動、ご操作が発生したとき安全側に制御すること。 自動車ではクラッチがその役割を果たしていた。 クラッチ操作には、間違えると止まる、あるいは駆動力が伝わらない機能があった。 発信停止が多い日本では急速にオートマチック・トランスミッション(AT)が普及拡大した。 CVTが低燃費となって、AT化は拡大。 AT限定自動車運転免許の制度ができるまでとなった。 便利なものの落し穴として、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が増加した。 踏み間違い事故の絶対数は29歳以下が最も多い。 高齢者の起こす事故には大事故が多く、マスコミが高齢者の事故を特に大きく取り上げている。 高齢者特有の勘違いによる事故ではなく全年齢層が起こす可能性の事故であるので、対策が必要。 高齢者に多いブレーキの踏み間違い事故データを調査 ~原因と対策 2016年3月7日 自動車保険ガイド MT車の事故率が少ないので自動車メーカーにマニュアル・トランスミッション(MT)車を復活して欲しいという、自己責任の観点に欠ける投書が新聞の投稿欄に採用された。 MTとATは購入者の選択であり、MTが好まれれば自ずと自動車メーカーはMT車を販売する。 操作が難しいMT車の方が簡単なAT車より事故率が低い理由 2017年5月18日 NEWSポストセブン …(略)… そうした議論に一石を投じる提案が朝日新聞『声』欄に掲載された。 「マニュアル車を復活させよ」という、51歳の高校教師の意見投稿(5月7日付)だ。 〈MT(マニュアル)車にはAT(オートマ)車にない安全性がある。 面倒なクラッチ操作だ。操作方法やタイミングを間違えればたちまちエンストする。 わずらわしいが、これは大事な安全装置だ。 「アクセルとブレーキを踏み間違えた」という事故の多くは、MT車ではありえない。 (中略)メーカーは今できる策としてMT車を復活させてほしい〉 NPO法人高齢者安全運転支援研究会の平塚雅之事務局長は、この提案に同意する。 「AT車でペダルの踏み間違いが起こりやすいのは、例えば駐車場や高速道路の料金所などでお金を払う場面です。料金所の機械にお金を入れようと、運転席から身を乗り出す。 その際に、ブレーキペダルから足が離れてしまうと、AT車の場合、クリープ現象で前進してしまうので、慌ててブレーキを踏もうとする。 このとき、右足の位置がずれているのに気づかずにアクセルを踏んでしまい、急発進して追突事故を起こします。 一方でMT車は、一時停止時には左足でクラッチペダルを踏んでいる。 そのため、仮に誤って右足でアクセルペダルを踏んでしまっても、エンジンを“ふかす”だけで、急発進することはない」 「MT車のほうが事故が起こりにくい」ことを裏付ける研究結果がある。 2004年、鳥取環境大学環境情報学部情報システム学科の鷲野翔一教授(当時)は全国の交通事故を「右折事故」「左折事故」「出会い頭事故」「追突事故」「正面衝突事故」の5パターンに分けて分析した。 その結果、「正面衝突」を除く4種類の交通事故において、MT車の事故率はAT車の約2分の1だった(「正面衝突」の事故率はほぼ同程度)。 …(略)… 問題の所在はMT、ATではなく、発信に際しクラッチを使用するかどうか、と認識することが適切。 操作が難しい方が運転に集中する、という見解は納得できる。 だが、時代はATの先の自動運転を目指してすすんでいる。 また、パドルシフトなどクラッチなしのMTはあるが、電気自動車(EV)のクラッチ付きは現代のクルマではみたことがない。 分かり易く実現のハードルが低そうに思えるが、税金やMT車の自動車保険料が著しく安いなどのメリットがなければ、メーカーがMT車を用意しても普及することはない。 購入されないからだ。 ということで、踏み間違い防止には別の方法を考えるべきだ。 右足アクセル、左足ブレーキとして使用するように、左右のブレーキとアクセルの間隔を従来より広げるると簡易な解決策になると思っている。
2017年06月18日
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「新技術-時代はトヨタ」、「技術の日産」、「新しい技術と長い伝統のいすゞ」、「技術革新のマツダ」、社名に技術と研究が入っている本田技研。 日本の自動車メーカーは技術力にこだわる。 通産省(現経済産業省)の思惑と異なり、世界中を見渡して、世界市場で通用する四輪車、二輪車メーカーがこんなにたくさんあるのは日本だけ。 グループ化がすすんでも、各々の得意技、得意領域はしっかりと掴んで放さない。 ゴーン社長になってから、GTRなどの先端技術、メカニズムに直接関係しないIT関連技術ばかりが目立った日産だが、ここのところ少し変わってきた。 ニュルブルクリンク北コース(20.832km)を世界最速で駆け抜ける技術も大事だが、普段使いの技術はもっと大事だ。 日本の自動車が派手さを求めるステイタスシンボル的なものから、役に立つ身近な道具になって、普段使いの技術も高く評価されるようになった。 デザインが無骨でも、燃費性能、走行性能がクラストップでなくとも、N-BOXが売れ続けているのがその証左。 スバルのアイサイト搭載以来、環境性能とともに安全性能が重視されるようになった。 セレナの「予防安全性能評価」ファイブスターは普段使い技術の最たるもの。 史上初の満点! 日産セレナが、JNCAPの「予防安全性能評価」で最高評価を獲得 2017年5月30日 cliccca 国土交通省、自動車事故対策機構(NASVA)が行っている「自動車アセスメント」。 「平成28年度自動車アセスメント(JNCAP)」には、被害軽減ブレーキのような事故を未然に防ぐ技術を評価「予防安全性能評価」、衝突時の乗員や歩行者の安全性を評価する「衝突安全性能評価」のほか、「チャイルドシート安全性能評価」も用意されています。 日産セレナが同アセスメント(JNCAP)の「衝突安全性能評価」で最高評価の「ファイブスター賞」を、「予防安全性能評価」においてJNCAP史上初の満点で最高評価の「ASV++」を獲得しました。 …(略)… ノート e-POWER も観光性能とともに、使って(はしらせて)気分がいいことを追求したことが評価された。 良い加速、心地よい減速は Fun to Drive の基本。 日産 「ノート e-POWER メダリスト&NISMO」 (公道試乗) 岡本幸一郎/Photo:中野英幸/Photo:原田 淳 2017年4月14日 …(略)… 購入者は今までEV(電気自動車)に触れたことのなかった人も少なくなく、試乗して独特の加速感を味わい、まさしくひと踏みで気に入って購入にいたるというケースが非常に多いそうだ。 これまでも何度か実車に触れてきた筆者も、その気持ちはよく分かる。 …(略)… 燃費・環境性能を追い求めるあまり、楽しくない車になっていることをトヨタの豊田社長も危惧していた。 プリウスでも走りを追求したようだが、電気モーターが主のトルク感は圧倒的。 電気モーターのトルクを生かしているのがホンダ・NSXばかりでは寂しい限り。 アクアやフィットのスポーツモデルにエンジンの出力特性変更+モーターの出力向上型があったら、注目度が高まるはず。 ホンダCR-Zだって走りが楽しい(速いではない)モデルがあれば、もっと長く売れたはず。 あっ、CR-Zはモーターだけの出力向上型は無理か。 各社のハイブリッドシステムの違いをまとめた 2016年3月11日 anopara 昔の車はエンジンの吹け上がりとともに回転落ちの良さも評価の対象だった。 燃費のための高いギア比、環境性能向上のための穏やかなエンジン回転の低下は、「走る喜び」「操る楽しさ」を遠ざけた。 低速から高速までぐんぐん加速し、急カーブ手前でしっかりエンジンの回転が落ちる車が、昔々は高く評価されていた。 ノート e-POWER 環境性能と「走り」がともに高い評価だから、2012年にフルモデルチェンジされたモデル末期の車が売れた。 日産ノートe-POWERに試乗してきた。 聞いた実燃費と電気自動車の驚きの加速力を初体験! 2017年3月7日 ももねいろ …(略)… 特徴的なのが、3つのドライブモードがボタン1つで切り替えられることです。 「NORMALモード」「Sモード」「ECOモード」の3つの走行モードがあり、色んな走行シーンに合わせて最適に自動制御してくれます。 なんだか難しいことばかり考えていてもさっぱりわかりませんので、まずは試乗して体感してみることにしましょう。 実際に試乗してみてびっくりなのが、発進時の加速度がすごい! …(略)… 驚いたのが「NORMALモード」での発進時の加速度です。たった3秒で50kmまで到達しました。 恐ろしいぐらいのモーターの威力です!! 発進時が力強くてなめらかで、びっくりするぐらいスピーディに走り出します。 以前トヨタのアクアの試乗をしてみたことがあるのですが、こんなに一気に加速はしませんでした。 これは夫婦で同時に試乗してみて体感したことでした。 これだけ力強いとモーター音がうるさいと思ってしまいます。 急加速するとブィーン!っていう音は聞こえますが、不快感はまったく感じられませんでした。 …(略)… 環境や安全だけが市場に評価される技術ではないことを日産は知った。 これからが楽しみな限りだ。 派手な外観だけでなく、環境性能を満たしながらの圧倒的な加速感は、往々にして気の短い(スピード重視)の経済発展国の人々にも高く評価されるだろう。 「やっちゃえ、NISSAN」。
2017年06月12日
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2017年4月28日、DENSOは富士通テンの出資比率を51%とし、連結子会社化することを発表。 富士通の子会社だった富士通テンはトヨタグループとなる。 目的はIT人材の確保で自動運転技術の開発強化をはかること。 トヨタは他に東芝、NTTなどとの連携強化で自動運転技術の開発強化、実用化促進をはかる。 DENSOは電装部品に限らず幅広く自動車(二輪・四輪)のエアコンを含む部品を扱っている 。 トヨタグループに限らず世界の主要メーカーに部品供給しており、既に世界一の自動車部品企業。 歴代社長にデンソー生え抜きが就任している、トヨタグループの中で異色の企業。 富士通テンの子会社化で、さらなる製品ラインナップの強化、総合化がすすむ。 DENSO 自動運転技術開発強化で富士通テンを子会社化! 2017年5月2日 clicccar …(略)… 富士通テンは1972年に富士通のラジオ部門が分離独立。翌年の1973年にトヨタ自動車とデンソーが資本参加し、トヨタは35%を保有しています。 DENSOは自動車向けICT(情報通信技術)関連製品を手がける富士通テンの子会社化により、先進運転支援システム(ADAS)や、自動運転技術の開発強化を目的にしており、同日には東芝との連携強化を併せて発表するなど、自前主義に捉われず、必要な分野では外部企業と積極的に手を組む姿勢を鮮明にしています。 …(略)… 富士通テンは日本毛織を率いる川西清兵衛が創設した川西機械製作所が起源。 1955年、 トヨタ自動車工業(当時)のクラウン専用カーラジオ、及び市販用カーラジオを発売。 1959年、カーラジオの全トランジスタ化に成功(日本初)。 1967年、8トラック方式カーステレオ発売(日本初)。 1968年、神戸工業が富士通株式会社と合併し、同社で自動車用通信機器部門を担当する「神戸工業部」に移行。 1972年、富士通からラジオ部門が分離・独立し、富士通テン株式会社を設立。 1973年、トヨタ自動車工業、日本電装(現DENSO)の資本参加を得る。 1983年、世界初の車載CDプレイヤーを発表(トヨタ・クラウンのロイヤルサルーンに設定)。 1997年、世界初の1DINサイズ6枚CDチェンジャーをトヨタ自動車に納入開始。 2000年、世界初のDVDナビゲーションとオーディオビジュアルを2DINサイズに集約したDVD-AVNをトヨタ自動車に納入開始。 トヨタとの取引が多く、世界展開していることとあわせ、DENSOと富士通テンの相性は悪くなさそう。
2017年05月27日
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ホンダは看板車種フィット・ハイブリッドの燃費向上、操行感覚向上のためDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を投入。 熟成不足から画期的なメカニズムは3度のリコールの原因となった。 従来の延長線上ではないエンジン、トラスミッション技術を実現することで、従来以上の省燃費が実現できる。 トヨタはエンジン、フレームとともに2種のトランスミッションを発表。 トヨタが新型2.5L 直列4気筒直噴エンジンと8速/10速ATを開発!! CO2排出量を15%以上削減へ 2016年12月7日 11時33分 clicccar 豊田章男社長の直轄であり、トヨタグループ総力を挙げてのEV参入で話題を集めているトヨタ。 しかし、2040年時点でも何らかの形で内燃機関を使った車両は80%近く残るという分析もあります。 EVやFCVなどの電動化車両へのシフトは徐々に進んでいくのは間違いないにしても、従来からのガソリン、ディーゼルエンジン、トランスミッションの進化はまだまだ伸ばす必要があり、マツダがHCCI(予混合圧縮着火)」の開発を推進しているのもその一例といえます。 …(略)… トヨタ自動車 TNGAによりエンジン・トランスミッションなどを一新し、 スムースでキビキビとした“思いどおり”の走りを追求 -優れた低燃費も実現。車両搭載を拡大しCO2排出量削減を推進- 2016年12月6日 TOYOTA Global Newsroom•基本性能を徹底的に見直し、優れた走行性能と高い環境性能の両立を追求。 特に走行性能は、「ダイレクト&スムース」を開発テーマに、“トヨタの走りを変える”ことにチャレンジ。•2021年には、トヨタの車両販売台数の60%以上に拡大(日本・米国・欧州・中国が対象)。 CO2排出量は15%以上。 …(略)… 新型「8速・10速オートマチックトランスミッション」 -Direct Shift-8AT・10AT- 2016年12月6日 TOYOTA Global Newsroom エネルギーロスを最小限にし、伝達効率を高めるためにギヤやクラッチなどに様々な対策を施しました。 ギヤは、歯面の摩擦係数を低くする新たな加工を施して、ギヤが噛み合う時のエネルギー伝達ロスを削減し、クラッチは、機構内の摩擦材形状を最適化し、回転時のクラッチの損失トルクを約50%低減(従来型6速AT比)するなど世界トップレベル*の伝達効率を達成しています。 さらに小型軽量化により車両燃費を向上させるとともに、低重心化により直進およびコーナリングの走行安定性を向上させています。 さらに、ギヤをワイド化するとともに、高性能・小型トルクコンバーターを新開発し、ロックアップ領域を拡大しています。 これにより、アクセル操作に素早く、滑らかに反応することで、ドライバーの思いどおりに反応するダイレクト感あふれる走りを追求しました。 また、Direct Shift-10ATは、8速から10速に段数アップしてトータルのギヤ数を増やしながら、低中速域を中心に、各段の使用領域(段数)を最適化するクロスギヤを採用。 これにより、FRプレミアム車にふさわしいスムースかつ世界最速レベル*のクイックな変速が生み出すリズミカルで“気持ち良い走り”を追求しています。 *2016年11月現在。トヨタ調べ。 新型 FF用8速オートマチックトランスミッション・トップレベルの伝達効率による車両燃費への貢献・小型軽量低重心による走りへの貢献・新8速ギヤトレーン・ロックアップ領域拡大によりダイレクト感あふれる走りを追求 …(略)…■Direct Shift-8ATの性能 世界トップレベルの伝達効率を実現・多段化による効率悪化を最新技術による磨き上げ アクセル操作に即応するダイレクト感あふれる走り・加速度の向上 多段化と高機能化をコンパクトな設計で両立・全長 -5mm(ギヤトレーン部 -15mm)■Direct Shift-8ATの採用技術の詳細 低損失摩擦材・係合していないクラッチの引き摺り抵抗低減のため、セグメント形状の最適化を行い損失トルクを50%低減 従来6AT比 40~55%低減 高性能小型トルクコンバーター・新開発のロックアップシステムにより、ロックアップ状態で走行可能な領域を拡大しました。 高減衰ダンパー、小型超扁平トーラス、多段式ロックアップクラッチ 従来6AT比 約30%向上
2016年12月29日
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2016年12月22日、本田技術研究所は、米グーグルの自動運転部門ウェイモ(Weymo)と、完全自動運転技術の実用化に向けた共同研究の検討開始を発表。 ホンダとグーグルが組む理由は? 片山 修 2016年12月22日 BLOGOS …(略)… もともと、自動運転技術をめぐっては、一段ずつ階段を上るように慎重に開発を進める自動車メーカー。 当然ですね。クルマといえば安全がかかっていますからね。 それに対し、ITの文化は違います。 一気にジャンプして完全自動運転を実現しようとするIT企業。 両社の間で、次代の自動車産業の主役の座を巡る“覇権争い”が激化していることは、何度も触れてきました。 そのなかで、本来、対立関係にあるはずの自動車メーカーとIT企業が手を組むのは異例で、画期的ですね。 アルファベットは、今年5月には、フィアット・クライスラーとも提携を発表しています。 が、自動車業界への影響力、ブランド力は、断然ホンダの方が大きいですよね。 ホンダは、ウェイモと組むことで、運転支援技術の延長線上にある自動運転技術に加え、一挙に完全自動運転を実現するという大胆な戦術に出たわけです。 ホンダは日産やトヨタと比較して自動運転技術の開発が遅れていると指摘されてきました。 したがって、IT企業の雄で、自動運転技術でトップを走るグーグルと組めば、巻き返しの可能性が十分出てきますよね。 ホンダは今年、AI分野でソフトバンクと共同研究開始を発表しましたが、技術的な自前主義を貫いてきたホンダは、ここにきて、オープンイノベーションに一気にカジを切ったといえます。 環境技術、自動運転、コネクティッドカーなど、技術開発の戦線は広がっていて、自動車メーカー一社がすべてを抱え込む時代ではなくなってきた。 一社でやる限り、カネと時間がかかり過ぎますからね。 …(略)… それはさておき、先日報道された通り、自動運転の実用化に向けては、世界経済フォーラムの呼びかけで世界連合が発足します。 トヨタや日産、VW、GM、保険会社やIT企業など、27社が参加しますが、ここには、フォード、テスラ、そしてウェイモやホンダは、参加しません。 これも、今回のホンダとウェイモの提携と、無関係ではないでしょうね。 …(略)… 高性能のカメラ、レーダーなどのセンサー類と人工知能、ビッグデータの解析による判断技術が必要とされている。 一つひとつの要素技術が高度、高次元であることも大事だが、相互のすり合せ(連携の最適化)も重要。 目指すべきレベルは「人間以上」なのだから。 既にフィアット・クライスラーと提携しているグーグルとホンダが提携することの意義は相互に大きい。 収益面で長い間米国一本足打法を続けたホンダは、自動運転の分野で米国に新たな足がかりを築いた。 ホンダと Weymo の企業文化が共同研究で相乗効果を発揮することを祈ろう。 ホンダ+ Weymo + ソフトバンク の組合せで生み出されるのは、ヒトのパートナーとなる新たなモビリティ。 それは運転者との対話で目的地を提示できるレベルかもしれない。 形になるかどうかは分からないが、夢はデッカイ。 2020年、日産は市街地で自動運転できる車の市販化を目指し、トヨタは車線変更を含む高速道路で自動で走行する車の実用化を目指している。 自動運転技術は急速な進化が求められている。
2016年12月23日
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高価ではあるが大衆商品である自動車は不断のコストダウンがすすめられる。 単品の量産であり、新しい素材、製造技術の投入であった。 設計、生産効率向上のために導入された手法がモジュール化。 予めモジュール(基本単位、ユニット)を設定し、車両を構成するモジュールを組み合わせてシンプルに設計する仕組みを作り、多品種生産が可能な方法を見出す。 モジュールは単体として独立した機能を持ち、全体が集まってシステムを構成する要素。 1990年代、米・ゼネラル・モーターなど欧米の自動車メーカーが取り入れるとともに日本の各メーカーも導入を開始した新しい生産方式。 主要部品をまとめてユニット化し、部品メーカー各社が完成車の生産ラインの一部を担うことで、取り引きの簡素化、コストダウン、納期短縮をはかる。 例えばコックピット・モジュールであればメーター、エアコン、オーディオが一体化,されて組立ラインに納入される。 モジュールを納入する部品メーカーは、構成部品の納入を受ける立場なので、規模の大きな部品メーカーとなる。 個々の部品を製造するだけでは、直接車体製造メーカーに製品を納入することはできない領域が増えている。 部品の開発能力があり、モジュールに取り組むことができる規模の大きな部品メーカーが、ドイツのボッシュ、コンチネンタル、ZF。 日本のデンソーは、ボッシュ、コンチネンタルに続く世界第3位の自動車部品メーカー。 トヨタも認めた自動車部品「メガ企業」の正体ドイツ勢が日本中に開発拠点を続々開設宮本 夏実:東洋経済 記者2016年12月05日 東洋経済 ONLINE 自動車業界の伝統的な取引関係に変化が生じている。 トヨタ自動車が昨春に発売した新型「カローラ」に初搭載された、自動ブレーキなどの安全装備「トヨタ・セーフティ・センスC」。 搭載車種数は今年に入っても増え、直近で16車種に達した。 システムに欠かせないのがカメラやレーザーレーダーを組み合わせたセンサーモジュールだ。 この部品を自動車部品大手の独コンチネンタルが納入したことで業界に衝撃が走った。 トヨタを攻める独巨大企業・コンチネンタル トヨタ系最大の部品メーカー・デンソーではなくコンチネンタルから調達したことは、部品によっては伝統的な取引関係にこだわらないという姿勢の表れだ。 自動車業界に詳しいローランド・ベルガーの貝瀬斉プリンシパルは「この例は部品業界の変化を象徴している」と分析する。 コンチネンタルは2015年6月にトヨタ向けの開発拠点としてエンジニアリングセンターを豊田市に開設。 トヨタへの営業活動を一層加速させる。 同社は20年までの5年間に、世界全体での日系完成車メーカー向け売上高の倍増をもくろむ。 直近3年で日本のエンジニア数を4倍に増員。 営業所は広島(マツダ)や浜松(スズキ)、群馬・太田(富士重工業)など中堅メーカーの拠点にも配置、日本の顧客対応を充実させている。 コンチネンタルだけではない。 世界最大の部品メーカー・独ボッシュは、16年2月に「システムエンジニアリング」部門を日本に新設。 シャシー(足回り)やステアリング(操舵機構)などの部品の組み合わせから電子制御の調整まで、横断的に統括する組織だ。 これにより「複数の部品とソフトウエアを一体化させ、ユニットにまとめたものを提案できる」(ボッシュ・シャシーシステムコントロール事業部長のルッツ・ヒレボルド氏)という強みが生まれる。 ボッシュは21年までの6年間で日系完成車メーカー向けグローバル売上高を毎年10%以上増やす方針だ。 ドイツ勢が続々と拠点を設ける理由 トランスミッション(変速機)などで高シェアの独ZFも、15年秋に研究開発センターを横浜に開設し、2年間で70人のエンジニアの採用を予定するなど、規模を拡大中だ。 …(略)… ホンダのフィット・ハイブリッドでリコールを繰り返したDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)は、ZFとの共同開発。 系列外の部品メーカーが革新技術を保有している場合、車体製造企業は躊躇なく系列外の部品メーカーから納入を受ける選択をする。 様々な部品に電子制御対応が求められており、それに対応できない部品メーカーに未来はない。 省燃費技術、自動運転につながる安全運転技術でも車体製造メーカーがもたない技術を部品メーカーは求められている。
2016年12月15日
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世界最大の自動車部品メーカー、ボッシュが、気筒内水噴射装置を実用化した。 熱機関は熱サイクルの温度差が大きい程効率が良く、内燃機関は吸気温度が低い程燃焼時との温度差が大きくなり効率が良い。 内燃機関では、混合を最適より濃く設定して、過剰燃料による気化熱により燃焼室内の温度を下げてデトネーションを防ぐ方法もとられている。 水噴射装置は、吸気に水を噴射して、過剰燃料による気化熱を水の気化熱によって補って混合気を冷却することで高出力での混合比を最適に設定して、出力を上げる。 より熱効率を上げるための手法として水噴射装置が開発された。 ボッシュ、BMW「M4 GTS」で採用された水噴射システムを 他の自動車メーカーにも供給 ウォーター・インジェクション(水噴射)は昔からある改造車テクニックの1つである。 フルパワーで稼働中のエンジンがオーバーヒートするのを防ぐため、シリンダー内に水を噴射して燃焼熱を和らげる仕組みだ。 そうして温度や圧力が下がることで、エンジンが適切な状態に保たれるのである。 BMWはボッシュ製のウォーター・インジェクション・システムを限定モデル「M4GTS」に採用し、向上したブースト圧のおかげで最高出力を431pから500psに引き上げることに成功した。 このシステムが、今後はより多くの量産車に採用されるというニュースが入ってきた。 報道によると、ボッシュは同社のウォーター・インジェクション・システムをBMW以外の自動車メーカーにも供給する予定であり、これを採用する新型車が早ければ2019年に発売される見通しだという。 ボッシュは、ウォーター・インジェクションによってパワーは5%、燃費は最大13%向上すると述べている。 この性能アップの要因はおそらく、高圧縮比または高ブースト(あるいはその両方)で作動できるようにエンジンを設計することで、長期信頼性の点でリスクを伴わずに排気量あたりの馬力を引き上げることが可能になるためだろう。 ボッシュのファビアナ・ピアッツァ氏によれば、ウォーター・インジェクションは排気量1リッターあたり110psを超えるエンジンで最も効果があるという。 …(略)… 水噴射装置のデメリット・装置不使用時はデッドウエイト・各シリンダーに均等に噴射するためには精度の 高い噴射ポンプが必要・シリンダー内の腐食・エンジンオイルの乳化や希釈 ボッシュは重量以外の課題は解消したはず。 量産車の水メタノール噴射装置は、米国では1961-63年式オールズモビル・カトラスのターボモデル、F-85 ジェットファイアーの215Cu-in(3.52L)のV8エンジンに、水メタノール噴射装置が搭載されていた。 欧州では1978年のサーブ・99ターボSが水メタノール噴射装置を搭載されていた。 【空の水噴射装置】 私が水噴射装置を知ったのは、第二次世界大戦中のレシプロ機のエンジンの話。 大日本帝国陸海軍は、スーパーチャージャーや高効率の過給器を利用して高高度で大出力を発揮する米軍の航空機対策に苦労していた。 B-29やP-47はスーパーチャージャーを実用化し、高高度を高速で飛行できた。 工作精度が低く、冶金技術に劣り、資源も不足している日本で、スーパーチャージャーの実用化は困難だった。 高高度で過給給圧を上げればエンジン出力は上がるが、圧縮された混合気が高温になるため、デトネーションを起こし、最悪の場合エンジンが壊れる。 米軍はアンチノック性の高い高オクタン価(100-120)の燃料を使うこと、吸気温度を下げることなどでデトネーションを防ぎ過給圧を高くすることができた。 日独の航空機の燃料は90オクタン前後だった。 メッサーシュミットBf109に搭載され、高精度、緻密な設計で有名なDB601エンジンは低オクタン価燃料で作動することを前提に設計されたので、低回転型となったとされる。 高出力を実現しデトネーションを防止するため、日独は「 水メタノール噴射」装置を装備した。 高空の低温環境では水だけでは凍りやすいため、水にメタノールを混合し、腐食防止剤を入れて噴射し、混合気の温度を下げた。 ドイツのMW 50はメタノール50%、水49.5%、腐食防止剤0.5%の噴射装置。 Fw190に搭載されたBMW 801D型エンジンでは、離昇出力1700馬力を2100馬力にまで向上させることができた。 Fw190D-9に搭載されたユンカースJumo 213A-1は、離昇出力1776馬力を2240馬力にまで向上させることができた。 大日本帝国海軍は水メタノール噴射装置を使いこなすことができなかったようだ。 水メタノール噴射装置にあった整備(エンジンの調整)もできなかったのかもしれない。 誉(ハ45)にも水メタノール噴射装置は搭載されたが、整備能力、工作精度の低さ、ガソリンのオクタン価の低さなどで、満足に稼働させる事ができぬまま終戦を迎えた。 大日本帝国陸軍は一式戦闘機「隼」の強化策としてハ115-Ⅰを隼に水メタノール噴射装置を搭載した隼三型を1,153機を戦地へ送り出した。 隼三型を担当した大島設計主務は「速度は零戦の各型より優速となり、上昇力、航続距離、操縦性何れも上回り、劣っているのは武装のみ」と水メタノール噴射装置を評価した。 ハ45搭載を搭載した四式戦闘機「疾風」についても、整備の教育システムを整えて整備能力を向上させ、終戦まで稼働率90%以上を維持した部隊が存在した。 工作精度、燃料のオクタン価の低さは陸海軍で変わりないので、出力は十分出ていなかったと想定される。
2016年12月14日
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日産はカルソニックカンセイの保有株を売却。 日産とともに歩んできた部品メーカーが日産グループから離れる。 日産が米ファンドKKRにカルソカンセ売却へ TOB応募 2016年11月22 ロイター 日産自動車は22日、連結子会社の自動車部品メーカー、カルソニックカンセイの保有株すべて(発行済み株式の40.68%)を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。 KKRは来年2月下旬からTOB(株式公開買い付け)を実施し、日産の保有分を含む全株を取得して完全子会社にする方針。 取得総額は約4983億円となる見込み。 カルソニックも同日、TOBに賛同する意向を表明した。 日産はTOBが成立した場合、2017年3月期連結決算で約1140億円の投資有価証券売却益を特別利益に計上する予定。 売却で得られた資金は安全・環境分野の次世代技術の開発強化などに充てる。 カルソニックは熱交換器や排気・空調製品などを手掛ける日産系列最大の自動車部品メーカーで、KKR傘下入り後は日産以外のメーカーとの取引拡大と次世代技術に生かせる製品ラインアップ強化を図る。 現在は東証1部に上場するが、TOB成立後は上場廃止となる予定。 16年3月期の売上高は前期比9.1%増の1兆0533億円、営業利益は同21%増の382億円だった。 日産はKKR傘下の特別目的会社CKホールディングスが実施するTOBに応募し、カルソニック全株式を売却する。 …(略)… スーパーGT選手権でいつも優勝候補の青いGT-Rは見られなくなるのだろうか? 日産はデンソーからもたっぷりと部品を購入するようになるか。 カルソニックカンセイ 出典:Wikipedia 概要 1938年に「日本ラヂヱーター製造株式會社」として創立。 自動車用のラジエーターの分野では、「日本ラヂヱーター株式会社」の時代から高いシェアを誇り、当時はニチラの通称で親しまれていた。 1988年に「カルソニック株式会社」と社名を変更した後、2000年に日産系の自動車部品メーカーである株式会社カンセイと合併し、現在の社名となった。 2014年度の自動車サプライヤー売上高は世界第25位である。 沿 革 旧カルソニック1938年 - 「日本ラヂヱーター製造株式會社」として創立。1952年 - 「日本ラヂヱーター株式会社」に社名を変更。1954年 - 日産自動車に各種ラジエーターの全面的納入を開始。1962年 - 東京証券取引所に上場。1976年 - 米国法人として「Calsonic Incorporated」を設立。(現在の社名の由来となる)1988年 - 「カルソニック株式会社」に社名を変更。 旧カンセイ1956年 - 「関東精器株式会社」として創立。1978年 - 東京証券取引所第2部上場。1990年 - 東京証券取引所第1部に指定替えとなる。1991年 - 「株式会社カンセイ」に社名を変更。 カルソニックカンセイ 2000年 - カルソニック株式会社と株式会社カンセイが合併し、「カルソニックカンセイ株式会社」となる。2005年 - 日産自動車が同社の第三者割当増資を引き受け、日産の連結子会社となる。 富士通はニフティを売却するが、私が目をつけたのは富士通テン。 同社は2011年3月期以降の6年間で、最終黒字は2期だけ。 6年間の合計損益は300億円弱の赤字。 デンソーは規模の富士通テンの株式保有比率拡大は規模の拡大が目的ではない。 富士通、醜い内紛のお荷物ニフティ等を次々売却 …解体的「事業総入れ替え」作戦断行 2016年11月23日 Business Journal 富士通は、ようやく長年の懸案だったニフティの事業見直しに手をつける。 ニフティはインターネット接続事業の老舗だ。 パソコンとインターネットの普及期に会員数を増やし、かつては富士通の顔だった。 2016年3月時点で134万人のブロードバンド接続会員を抱える。 しかし、スマートフォン全盛の時代になり、その勢いは急激に衰えた。 16年3月期の売上高は668億円と過去5年間で3割以上減った。 そこで、将来、大きな成長が見込めない固定回線を利用したネット接続サービス事業から撤退することにしたのだ。 その前段として7月、東京証券取引所2部に上場していたニフティを113億円でTOB(株式公開買い付け)を実施、完全子会社にした。 そして10月、ニフティの企業向けクラウドサービス事業は本体に取り込み、個人向けネット接続事業を売却する手続きに入った。 KDDIや伊藤忠商事、オリックス、丸紅などが応札すると報じられている。 …(略)… ■カーナビとパソコン事業は切り離す 個人向け事業は切り離す。 9月、カーナビゲーションを手がける富士通テンをデンソーに売却することを決めた。 富士通テンは国内カーナビ市場でシェア第3位。 直近の売上高は3600億円と富士通の売り上げの1割弱を占める。 デンソーが富士通の保有株式を数百億円で買い取る。 現在の出資比率は富士通が55%、トヨタ自動車が35%、デンソーが10%だが、売却後はデンソーが51%、富士通が14%となり、トヨタの出資比率は変わらない。 17年度前半に売却手続きは完了する。 販売不振が続いていたパソコン事業に関して、中国レノボとの提携を正式に発表した。 パソコン事業はレノボ・グループの傘下に入り、富士通は連結決算から切り離す。 エクリプス・ブランドのカーナビ大手である富士通テンの技術は、デンソーが力を入れている自動運転技術に活用できる。 カルソニックカンセイは世界自動車部品メーカーランキング25位以内にその名をみないがデンソーは堂々の世界3位。 日産がデンソーとカルソニックカンセイを同じ天秤にかけるようになるととデソーは優位であろう。 日本で見ていると自動車関連事業は先行き不透明だが、世界でみると広大な市場が広がっている産業。 エンジンやモーターに関係ない部品領域は概ね自動車の普及拡大イコール市場の拡大。 売上と収益をしっかり確保している世界3位の自動車部品メーカー、デンソーは、さらに力をつける。 上位2社、ボッシュ、コンチネンタルなどのドイツ勢は果敢なM&Aで巨大化した。 企業規模がメリットに直結するかはもう少し長い目でみる必要がある。 【最新2016年】 自動車部品メーカー世界ランキング上位25社 2016年8月23日 のまどサラリーマンのブログ 自動車部品メーカーの最新2016年世界ランキング。 2015年実績(売上・純利益)を参考にしています。 …(略)… 金額単位は百万ドル1位 Robert Bosch(独) 売上 78,300 純利益 3,9002位 Continental(独) 売上 43,500 純利益 3,0003位 デンソー(日) 売上 37,300 純利益 2,4004位 Johnson Controls(米) 売上 36,300 純利益 4475位 Magna International(加) 売上 32,700 純利益 2,0006位 Hyundai Mobis(韓) 売上 32,100 純利益 2,7007位 ブリジストン(日) 売上 31,300 純利益 2,3008位 アイシン精機(日) 売上 26,200 純利益 7639位 住友電工(日) 売上 24,500 純利益 73010位 Michelin Group(仏) 売上 23,500 純利益 1,300 以下日本企業のみ11位 豊田自動織機 売上 18,800 純利益 1,50012位 ジェイテクト 売上 11,700 純利益 40218位 豊田紡織 売上 11,600 純利益 18923位 住友ゴム工業 売上 7,000 純利益 46124位 小糸製作所 売上 6,600 純利益 327
2016年11月28日
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カメラのミラーレスは画像センサーの間にあるミラーの有無で、外観からは分からない部分。 車のミラーレスはドアサイド、室内で目立つサイドミラー、バックミラーを電子ミラー(カメラ)に置き換えること。 ミラーに関する国際基準が改定され、車両の後方を確認するための手段としてカメラを採用することができるようになった。 日本では国土交通が6月18日に道路運送車両の保安基準を改定し、サイドミラーとバックミラーのない「ミラーレス車」を開発することができるようになった。 新型車(新規に型式認定を受ける車)なら、2019年6月18日以降、継続生産車は2021年6月18日以降発売可能。 光学式サイドミラーを電子ミラーに代替すると、小型化による設計の自由度の拡大、死角の低減、悪天候時の視認性の向上、風きり音・空気抵抗の低減などが可能になる。 カメラがとらえた画像の表示場所・大きさの自由度も高まる。 車両後方の画像の電子データは、当然、安全運転補助にも活用できる。 導入にあたってのネックは、技術面で成熟した商品である光学式ミラーを電子式ミラーに置き換えるときの5~10倍とされる価格。 とはいえ、外観に大きく影響するので、まずは高級車、スポーツカーを中心に普及すると考えられる。 車載電子ミラー市場は立ち上がるか。 日欧解禁で各社が相次ぎ製品化 東海理化はサイドミラーの知見生かす, 2016年07月03日 ニュースイッチ カメラで撮影した車外の映像をミラーの代替として利用する電子ミラー。 安全運転や燃費改善に貢献するため、注目される次世代技術の一つだ。 実用化に向け車載機器各社が技術開発を競うなか、東海理化は電子ミラーを開発し、自動車メーカーへの提案を始めた。 自動車のサイドミラー大手の同社は、電子ミラーが欧州や日本で解禁されたのを受け、本格展開に乗り出す。 そのほか、音声やモーションでドアを開閉する機能を付けたスマートキーも開発した。 先進技術を盛り込んだ製品群の拡充で、新規需要の取り込みや創出を狙う。 …(略)… センサーとなる車載カメラが増えれば、自動車の電子化、運転(運転補助)の電子制御はさらにすすむ。 ロボット技術での利用もあり、センサー、サーボモーター分野は市場が大幅に拡大する。 一方、地球規模で自動車の普及拡大が進んでも、ガソリンエンジンとその周辺部品は、スモール化、電動化で今後も市場規模には期待できない。 自動車の普及拡大は大気汚染との戦いであり、ハイブリッドを含む電動化の進展とセットとなる。 大気汚染がひどいのは東アジア、東南アジア主要都市共通の課題。
2016年11月25日
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1979年、自動車運転免許をとって初めて購入した車は、中古の日産チェリーX-1R。 独特のプレーンバックスタイルとオーバーフェンダー(ソフトガード)。 メッキパーツが少ないヨーロッパ車のような外観。 OHVでも高回転まで吹け上がる軽量コンパクトな5ベアリングA12T・ツインキャブエンジン(80HP)と、軽量ボディ(640kg)の組合せが、大いに気に入っていた。 同じクラスのカローラやサニーはFRで、シビックが大いに売れていた当時でもFFは目新しさがあった。 等速ジョイントを用いたFF車の先達、スバル1000やff-1はめったにみかけなかった。 エンジンの下に追いやられたミッションはサニーのヒューランド・パターン5速と異なり4速だったのはちょっとだけ残念な点。 斜め後方視界に著しく難があり、小さな補砲弾型フェンダーミラーの効果的な使い方が分からなかった私は、バックが大嫌いになった。 今なら問題ないので、ロータス・ヨーロッパ(スペシャルじゃない方)のような、現代でも斬新なプレーンバックスタイルを復活して欲しいと、真剣に思っている。 以来、マイカーは全てFF。 FRも4WDもRRも所有したことはない。 タックイン、アクセルオフ活用のコーナリング・テクニックは今でも活用している。 *タックイン 旋回中にアクセルオフして前輪加重を増やして、巻き込むようにがる前車軸の加重配分が大きいFF車向きの走行法。 多少オーバースピード気味で旋回に入っても、ブレーキをかけることなくスムーズに旋回できる。 後軸加重が抜けることの是非、立ち上がり加速に入るタイミングの遅さは別として、コーナーの頂点をスムーズに曲がれる爽やかさが好きだ。 前輪(前軸)加重比率が大きければ、FRでも効果的なタックインは可能。 ホイールベースが短いFR、2代目スターレットでもタックインは有効だった。
2016年10月06日
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FF車で問題となるのが駆動軸が操舵と懸架で大きく動くこと。 FFの駆動輪は、タイヤがどの位置にあっても駆動力が同じように伝わることが滑らかな走行の要件。 ジョイントへ入力する回転速度と、出力する回転速度が等しいジョイントが等速ジョイント(ConstantVelocity Universal Joint)。 ユニバーサル(十字軸)ジョイントは、折れ角があると等速性がなく、回転の2次(1回転に2サイクル)の速度変動を生じる。 FF車の駆動系は「エンジン」→「トランスミッション」→「デファレンシャル・ギア」→(等速ジョイント)「ドライブ・シャフト」(等速ジョイント)→「タイヤ」となる。 このドライブシャフトの両端で接続する「等速ジョイント」が重要な要素。 FRのエンジン・ミッションとでデファレンシャルギアをつなぐプロペラシャトの両端にはユニバーサル・ジョイントが使われきた。 動きの大きい前輪にユニバーサル・ジョイントを組み合わせて使った「フック型ジョイント」は連結される2軸の傾角の角度が7度以上になると振動が発生する。 車輪をスムーズに回転させるために、入力と出力の様々な角度において入力側(デファレンシャル・ギア側)と出力側(ホイール(タイヤ)側)の速度を等しくする必要がある。 操舵と駆動を担うFF車の前輪の「等速ジョイント」が重要。 現代のFFの始まりはアレック・イシゴニスが設計した1952年発売のBMC・ミニとされる。 ミニはドライブシャフトのホイール側に「バーフィールド型等速ジョイント」を世界で初めて採用した。 デファレンシャル・ギア側は安価なユニバーサルジョイント(ダブルカルダンタイプ)。 ミニは限られたストロークの中で最大限サスペンションの効果を活かすべく、プログレッシブ特性の強いラバーコーンサスペンションを採用した。 また、エンジンを横置きにし、その下にトランスミッションを置いて二階建てに配置する方式(イシゴニス式)を採用した。このレイアウトは日産・チェリー、チェリーF2とランボルギーニ・ミウラ(!)ぐらい。 1970年発売の日産初のFF量産車チェリーは、ジョイントもミニと同様の配置。 他の多くのFFはダンテ・ジアコーサが1964年発売のアウトビアンキ・プリムラで用いた、エンジンとトランスミッションを横一列に配置するレイアウト(ジアコーサ式)を採用した。 富士重工は初の量産小型車スバル1000を開発していた。 開発に当たり、同クラス以上のスペース効率、静粛性、低振動に留意し、水冷4サイクル水平対向エンジンとトランスミッションを縦置として、等長のドライブシャフトを用いたFF方式で開発を進めた。 FFに重要な等速ジョイントについて東洋ベアリング(現NTN)に相談。 技術提携先であるイギリスのバーフィールド社でエンジニアをしていた「ウイリアム・J・カール」氏が「バーフィールド型等速ジョイント」を発展させたものとして考案した「ダブルオフセット・ジョイント(DOJ)を共同開発し、実用化。 DOJは、ツェッパ型等速ジョイントを軸方向に伸縮できるようにしたジョイントで、 タイヤの上下動にともなうドライブシャフトの有効長の変化を、ジョイント内のボールベアリングが伸縮方向にスライドして吸収する画期的な等速ジョイントだった。 スバル1000は1966年、発表、発売された。 東洋ベアリングはスバル・1000のために開発されたDOJの量産化に成功し、1970年代以降、世界の小型車のFF化への潮流を生み出す源流となった。 NTNの自動車用等速ジョイントは世界シェア2位。 アクスルユニットは世界トップ。 ちなみに世界シェアNo.1は英国のGKN。 近年DOJは独立懸架の後輪ドライブシャフトにも使用され、デファレンシャル・ギア側とホイール側の両方で使用されている。
2016年10月05日
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自動車のトランスミッション、かつて走行性能中心に注目されていた。 現代は環境性能の面での注目度が高まっている。 トランスミッション自体の性能比較、メカニズム紹介があまり見られなかったが、日産のCVTの紹介動画は分かりやすく、面白い。 ゴーン氏の指揮ののもと、研究開発分門は縮小され、業績は向上した 日産の新技術投入は従来より限られた分野だけに見られた。 「技術の日産」は復活しつつあるのだろうか?
2016年09月25日
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2016年7月14日、マツダは「アクセラスポーツ」「アクセラセダン」を大幅改良し、新世代車両運動制御技術「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス(SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS)」の第1弾「G-ベクタリング コントロール(G-Vectoring Control)」を搭載して発売した。 ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、横方向と前後方向の加速度(G)を統合的にコントロール。 ソフトウェアのみで制御できる機能であり、路面状況などからのフィードバック制御ではない。 4輪への接地荷重を最適化してスムーズで効率的な車両挙動を実現する世界初の制御技術。 《新車 マツダ アクセラセダン 2WD 2200 2.2XD L パッケージ 6EC-AT 》☆こちらの新車には純正SDカードPLUS・純正バックカメラ・ETC・フロアマット・ドアバイザー・ボディコーティング・窓ガラスコーティングが標準装備されてます! G-ベクタリング コントロール …(略)… GVCの作動メカニズム GVCでは、タイヤのパフォーマンスを最大化するために、タイヤにかかる接地荷重に着目。 ドライバーがハンドルを切り始めた瞬間、GVCはエンジンの駆動トルクを制御して減速Gを発生し、前輪への荷重移動を行います。 これによって前輪のタイヤグリップを増加させ、車両の応答性を向上させます。 その後、ドライバーがハンドルを一定舵角で保持したときには、瞬時にエンジンの駆動トルクを復元して後輪への荷重移動を行い、車両の安定性を向上させます。 この一連の荷重移動によって、前後輪タイヤのグリップをより引き出し、ドライバーの意図に応じて車両の応答性や安定性を高めます。 マツダコレクション モデルカー 1/64 アクセラ 2013 スポーツ マツダ専用パッケージ仕様 ブルーリフレックスマイカ 38BM99380H *マツダコレクション* G ベクタリング コントロールは、荷重制御をステアリング切れ角(操舵角)と車速をもとに演算。 その情報から車両運動を演算し、目標荷重を演算。 その目標荷重となるようエンジンのコントロールを行なう。 これらは人間の知覚できるしきい値以下で行なわれ、エンジントルクの変化がハッキリと分かることはないという。 このシステムのメリットは、荷重移動が適切に行なわれることにより、必要なタイヤのグリップが向上すること。 また、タイヤが効率よく働くためステアリング操舵角が減少し、滑らかな運転が実現できること。 G-ベクタリング コントロールはアクセラでの導入を皮切りに、今後すべての新世代商品に搭載する予定。
2016年09月25日
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新型NSXの走りの要はSH-AWDというトルクベクタリングシステム。 トルクベクタリングは、左右駆動輪に伝達する駆動力の配分を積極的にコントロールする制御や機構のこと。 コーナリング中、外側の駆動輪へのトルクを大きく、内側の駆動輪へのトルクを小さく配分して、アンダーステアを抑制。 あるいは、逆の制御をしてオーバーステアを抑制する。 大馬力の車両は高速時のスピン防止のためのオーバーステア抑制が特に重要。 新型NSXは同車専用工場としてオハイオ州メアリズビルに設立された「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」で生産される。 北米仕様車から順に随時各地域に向けた生産を開始するとのこと。 北米のバックオーダーは2年と伝えられる。 日本向けは1年間で100台。 日産48台のS660以上に、NSXは需要に対して供給不足になると思う。 シビックタイプRを含め、売れる車を作ろうとしない姿勢は、日本の他のメーカーにはないホンダ独自のスタイル! Honda NSX 全長 4470mm 全幅 1940mm 全高 1215mm ホイールベース 2630mm エンジン V型6気筒 3.5Lツインターボ モーター 前2基(15kw)、後1基(90kw) 最大出力 550ps JC08モード燃費 15.0〜16.0km/L ミッション 9速デュアルクラッチ SH-AWD(Super Handling All-Wheel-Drive、ホンダ) 2004年デビューのホンダ・レジェンドに初採用。 「四輪駆動力自在制御システム」という名のフルタイム4WDシステム。 ドライバーの運転操作や走行状況から最適な前後左右の駆動力配分を行う. リヤデファレンシャルによって前後配分を30対70から70対30、後輪左右配分を100対0から0対100まで無段階に制御。 VSA(Vehicle Stability Assist、車両挙動安定化制御システム)と協調し、4つのタイヤ性能を有効に活用することで、高級車としての乗り心地と高い運動性能を両立させた。 Honda NSX : Stoffel Vandoorne puts the NSX through its paces AYC(アクティブ・ヨー・コントロールシステム、三菱自動車) 1996年8代目ギャラン/レグナムのVR-4タイプSで初採用。 電子制御駆動力配分装置付の4WD車の後輪用デファレンシャルギヤ。 旋回中の左右の駆動輪に積極的に回転差をつけることでヨー・モーメントをコントロールし、旋回性を向上させる。 ランサーエボリューションはEvo.4のGSRから採用。 スーパーAYCは従来のAYCの内部構造を見直し、ベベルギア式からプラネタリーギア式に変更。 それによって左右のトルク移動量を2倍に増大し、旋回性能とトラクション性能を高めた。 TVD(Torque Vectoring Differential、レクサス) 2014年デビューのレクサスRCFに初採用された、世界初のER車駆動力制御システム。 ドライバーのステアリング操作に応じてコーナリング中の駆動輪(後輪)の左右の駆動力を最適に電子制御。 STANDARD/SLALOM/CIRCUITの3つのモードが選択でき、タイヤのグリップ性能を最大限に引き出し理想的な車両挙動を実現することで高次元の運動性能を実現した。 2015年、GS F にTVD採用。
2016年08月27日
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フランス・ルノーグループの日産は、ノートに欧州流本格ダウンサイジングターボを搭載。 発進停止が多い日本向けのハイブリッドはラインナップにない。 日産・HRエンジンは、ルノーにも搭載されている。 1.5L 直4のHR15DEが基本で、HR12はその3気筒版。 ノートに搭載されるエンジンは、1.2L 直3 DOHC HR12DE型と 1.2L 直3 DOHC SC HR12DDR型(スーパーチャージャー付)と 1.6L 直4 DOHC HR16DE型。 1.5L/1.6L・直列4気筒から2代目ノートになり1.2L・直列3気筒にダウンサイジングした。 1.2L 直3 DOHC SC HR12DDR型は、直噴ミラーサイクルと加給(スーパーチャージャー)で燃費向上というヨーロッパ車によくみられる手法。 排気ガスで駆動する「ターボ」と違い、スーパーチャージャーは低回転時から比例的に加給する。 日産は低燃費と走る楽しさの両立をはかったと謳う。 スーパーチャージャーを採用した理由は、アクセル操作に対する応答性がいいことと、排気性能に優れること。 同エンジンの採用は、ヨーロッパ向けマーチに次いで2車種目。 NAエンジン同様レギュラーガソリン仕様。 最高出力:72kW(98PS) /5,600rpm , 最大トルク:142N·m(14.5kg·m) /4,400rpm トランスミッションはジヤトコ製のJF015E型副変速機付CVT。 HR12DDRエンジン 日産 車両搭載技術
2016年08月26日
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S型エンジンといえば、私たちの年代ではスカイラインGT-Rやフェアレディ432Zに搭載された日産のS20型が真っ先に思い浮かぶ。 プリンスR380のGR8型をベースにした2リッターDOHC直列6気筒24バルブ、クロスフロー、ソレックス3キャブレターエンジンだ。 そんな貧困な連想力と関係なく、ホンダのNシリーズに搭載された現代のS型は軽自動車用直列3気筒ガソリンエンジン。 S20との主な共通点はチェーン駆動DOHC、各気筒4バルブであること! 製造開始 2011年11月 タイプ 直列3気筒DOHC12バルブ 排気量 0.66リットル 従来のE型エンジン(SOHCベルト駆動4バルブ)およびP型エンジン(SOHCベルト駆動2バルブ)の後継として登場。 ボアストローク比はE型・P型のショートストロークからロングストロークに変更され、燃焼室のコンパクト化と低回転域のトルク強化による燃費向上をはかった。 ボアピッチはP型エンジンよりも短縮され、エンジン単体重量で約15%軽量化。 衝撃吸収能力を増大するため、衝突時にエンジンの補機が潰れ衝撃を吸収する構造、隙間に入り込む構造を採用した。 動弁機構は、チェーン駆動DOHC。 吸・排気バルブは各気筒2個ずつで、スイングアームを介し開閉される。 吸気カムシャフトは連続可変バルブタイミング・コントロール機構(VTC)が装着され、吸気効率向上をはかる。 ホンダの V6エンジンと同じ構造のラッシュアジャスター(ハイドロリックアジャスター)を採用し、静粛性向上、メンテナンスフリー化をはかった。 軽量化、フリクションロスの低減による熱効率アップもはかった。 燃焼効率向上のために、2013年11月発売のN-WGNのNAモデルに、ツインインジェクションシステム、ナトリウム封入バルブをホンダの軽として初めて採用。 圧縮比を11.8に引き上げ、ウォーターパッセージに一体化された大流量EGRシステムによりポンピングロスを低減。 CVTもアイドリングストップ時に油圧を保持する電動油圧ポンプを機械式の蓄圧タイプに変更し軽量化。 アイドリングストップの上限作動速度を減速時10km/h以下まで引き上げ、停止時に早めにアイドリングをストップ。 S07Aエンジンの出力はNA 58PS、ターボ 64PS。 燃費はFFのNAはJC08モードで29km/L 【N-WGNの主な低燃費化技術】(エンジン系)•ツインインジェクションシステム採用による燃焼状態の改善•ナトリウム封入バルブによるノッキング抑制(高圧縮比11.8を実現)•カムチェーンテンショナーの接触面積低減、モリブデンコートベアリング、鏡面仕上げクランクジャーナルによる摩擦抵抗軽減•新EGRシステム採用(ミッション系)・ミッションケース薄肉化、軽量デフケース、軽量低電力アキュームシステム採用により、CVTを約3.9kg軽量化・CVTフルード・ウォーマーの採用 •ハイギヤード化、トルクコンバーター流体特性変更、ロックアップ領域拡大 •約10km/h以下でアイドリングストップ(ボディ系)・インナーフレーム高効率継ぎ手骨格を採用・軽量高剛性技術の採用・超高強度部材、短ピッチスポット結合によるボディーの15%軽量化・全高の低い軽自動車並みの(N-ONEを下回る)低Cd値
2016年08月23日
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ダイハツ・ブーンは3気筒の「リッター・カー」(排気量1.0L)。 ブーンの初代と2代目は、ミラ、ムーヴ系などの軽自動車プラットフォームをベースにトヨタ自動車との共同開発。 今年フルモデルチェンジされた3代目ブーンは、「軽で開発した技術」と「ユーザーニーズに合わせた生活密着型の商品提案」を小型車に展開。 パッソはトヨタとの共同開発から生産委託(OEM)に変更された。 エンジンはシャレード以来のダイハツ「伝統」の3気筒。 ■新型ブーンの主な特長 1.ガソリンエンジン登録車No.1の低燃費28.0km/Lとお求めやすい価格 2.扱いやすいコンパクトサイズとクラストップのゆとりある室内空間の両立 3.街乗りでのフラットで上質な乗り心地など進化した基本性能 1KR-FEンジン(1.0L 3気筒 DOHC)の燃費改善策・吸気ポートをデュアルポート化し、高タンブル化かつ吸気効率を向上・インジェクターをデュアル化し、噴射口を燃焼室により近づけ、燃焼効率を改善・高タンブル化、アトキンソンサイクル化、ピストン形状の最適化で、高圧縮比を実現 (11.5から12.5)・EGRバルブの応答性向上でEGR量を拡大し、燃焼効率を向上 最高出力:69PS/6,000rpm 最大トルク:9.4kg・m/4,400rpm トランスミッション(CVT)系の燃費改善策・停車前アイドリングストップ機能付(世界初)の新「eco-IDLE」・電動オイルポンプを廃止・エコ発電制御(減速エネルギー回生機能付) これらの技術でガソリンエンジン登録車No.1の低燃費28.0km/Lを実現。 マツコDXがTV宣伝するトヨタパッソ、「軽じゃないK」(K=「カイテキ」「カワイイ」「カッコイイ」) も同様。
2016年08月22日
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自動車用排気タービンが低価格化したこともあり、ヨーロッパではダウンサイジング・ターボの花盛り。 1.0L3気筒、直噴ターボ、スズキのバレーノは2015年インド、2016年日本での販売開始。 トヨタは2016年秋、bBにトヨタ初の3気筒1.0Lダウンサイジングターボを搭載するとみられている。 2013年に新世代パワートレイン技術群として1.0、1.5、2.0Lの直噴ダウンサイジングターボを発表したホンダは慎重な動き。 1.5Lターボは2015年にステップワゴンに初搭載。 1.0Lターボは、2016年秋フルモデルチェンジのフリードに初搭載されるとの観測。 2.0Lターボ(350ps)は、2018年、S2000後継モデル、2シーターのZSXに搭載予定との噂。 ホンダ 新型 ZSX Baby NSX (S2000 後継車) 2.0L直4VTECガソリンターボ 最高出力350ps 創業70周年記念車 2018年発売!! 2016年8月14日 最新自動車情報2016 もともと車体重量に対してエンジンの排気量が小さい(小さすぎる)軽自動車は、従来から660ccの排気量そのままにターボを付加し、走行性能(高速、高負荷状態)を向上させている。 実燃費比較で、高速走行が多い場合、負荷が大きい場合は、ターボモデルの燃費はノンターボと遜色がない。 低速走行で燃費がよいハイブリッドは高速走行では力強さに欠けるとの評価が多い。 ヨーロッパでは、連続低速走行、頻繁な停車が少ないため、気筒数減による振動の問題も少なく高速走行に有利なダウンサイジングターボが好まれる。https://goin.jp/7047 【3気筒 コンパクトカー】 低燃費な輸入車14車種をご紹介! 3気筒と4気筒との違いはなに?そんな疑問にもお答えします! 2016年03月16日 GOIN ここ数年の間に、3気筒エンジンの輸入車が続々日本に上陸しています。 排気量の縮小と同時にシリンダー数を減らした【ダウンサイジング】のおかげで、燃費の向上と二酸化炭素の排出量を大幅に削減しています。 そこでひと昔前の「3気筒エンジンは振動がひどくパワーも出ない...」というバイアスを払拭する、魅力的な3気筒モデルを14車種選んでみました。 …(略)… 4気筒ガソリンエンジンと比較すると、そのメリットは? ガソリンエンジンは1気筒あたりのシリンダー容積が小さすぎると冷却損失が増え、逆に容積が大きすぎるとノッキング(異常燃焼)しやすい特性をもっています。 ただし気筒あたり400~700ccであればノッキングが避けられ、かつ高効率とされています。 3気筒エンジンは、4気筒エンジンと比較して、製造コストを低く抑えることができます。 そして同じ排気量であれば、4気筒エンジンに比べ3気筒エンジンの方が1気筒当たりの排気量が大きくなるので、燃焼室の表面積の小さい3気筒の方が、熱がエンジン外部に逃げていく「冷却損失」が少なく、また機械が動くときの摩擦抵抗(機械損失)も少ないので、高いトルクと低燃費が得られるというメリットがあります。 3気筒化をすると、4気筒よりフリクションロス(機械損失)が小さくなりますが、場合によっては振動を打ち消すために有効なバランスシャフト(バランサーシャフト)を装着する必要性が生じます。 かといって装着をすると重量増加とコスト高に転じてしまうので、各社はこの課題をクリアすべく、独自の工夫で3気筒エンジンの開発に取り組んでいるのです。 …(略)… 記事で紹介されているのは下記の車種。 【MINIクーパー クラブマン】 【MINIクーパー5ドア】 【ルノー ルーテシア ゼン】 【3代目ルノー トゥインゴ】 【smart forfour】 【VW POLO ブルーモーション】 【VW クロスup!】 【Audi A1】 【シトロエンC3 セダクション・レザー】 【プジョー208 Allure】 【シトロエンC4 セダクション】 【プジョー308 SW Allure】 【BMW118i】 【BMW218i】
2016年08月21日
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1977年11月発売のダイハツシャレードは、1L3気筒エンジンで新時代のコンパクトカーとして話題になり、 販売好調に加え、1978年にカー・オブ・ザ・イヤー(『モーターファン』主催)を受賞した。 350~500cc程度のガソリンエンジンが熱効率がよいという話は昔から語り伝えられている。 走る楽しさと行動範囲を広げる2つの新開発エンジン HONDA PRESS INFORMATION 2003年9月4日新開発、直列3気筒i-DSIエンジン 軽自動車のエンジンは、街中でも中・高回転域まで使用し、スロットルを踏み込む量が比較的多く、同じ車速で走行しても回転数は高めになるという傾向があります。 このような中で、低燃費を実現するために必要なことは、ピストンの駆動ロスを低減すること。 そして燃焼効率を高めるために圧縮比のアップを図ることの2つです。 まず、フリクション低減のためにショートストロークを、次に圧縮比アップのために耐ノッキング性に優れた i-DSIを採用しました。 さらに、優れた静粛性を獲得できたため、燃費を重視し、3気筒を選択。 これらにより、キビキビとした軽快な走りを生む、中低速のトルクを重視した出力特性を達成しています。 パワー&トルク、低燃費、低エミッションをバランス良く実現したエンジンです。 …(略)… 振動の問題は別として、660ccまでなら2気筒で事足りそうだ。 世界的な環境対応で、熱効率の高いエンジンが求められ、ダウンサイジングは大きな波となっている。 排気量の減少とともに気筒数も減少し、3気筒の車が増えてきた。 3気筒エンジン急増 2011年11月10日 自動車評論家 国沢光弘 3気筒エンジンが爆発的なイキオイで増えている。 昨日もフォードは1リッター3気筒ターボの『ECOブーストエンジン』の量産を開始するというリリースを出した。 このエンジン、最大125馬力を発生。 1.6リッター級NAまでのクルマに搭載されるという。 フォードの小型車全てがこのエンジンになると考えていいだろう。 VWも『UP!』から大々的に1リッター3気筒エンジンのバリエーションを増やして行く。 今のところNAだけながら、VWの得意技であるTSIに発展する可能性大。 けっこう高い評価を得ているのが現代自動車の1リッター3気筒。 燃費良くドライバビリティに優れているそうだ。 時代は3気筒になったかもしれません。 翻って日本を見ると、軽自動車を除けばトヨタと日産、三菱自動車のみ3気筒をラインナップしている。 しかし新しい世代と言っていいのは日産だけ。 トヨタも三菱自動車もターボエンジン無し。 消極的な3気筒だったりして。 マツダの役員に聞くと「3気筒なんか絶対やりたくない!」と言い切っちゃうほど。 なぜか? どうやら守旧派からすれば「安っぽい」という点が気にくわないようだ。 「4気筒でも3気筒並の燃費にすればいいでしょ」という意見まで通るそうな。 ましてや2気筒なんかトンデモナイ、という雰囲気。 でもフリクションロスや燃焼効率など考えれば、やっぱり3気筒の方が有利だ。 同じ技術なら絶対燃費も稼げる。 …(略)… 爆発工程の間隔が広がることによる一次振動の問題から4サイクルエンジンの3気筒、2気筒は避けられてきた。 日本の軽自動車は360cc時代の2気筒中心から、550cc時代に3気筒中心に転換。 振動、騒音、不安定な低速トルクがかなり解消された。 タントもワゴンRもN-BOXも3気筒ということで、ここのところの軽自動車は3気筒が中心。 振動抑制技術であるサイレント・シャフトの特許をもつ三菱自動車の軽も3気筒。 現在の軽規格が長く続くと、さらなる熱効率、空間効率向上を求めて、2気筒エンジンが増えるのだろうか? Fiat500“Twin Air(ツインエア)” は、新開発のSOHC8バルブ875ccのガソリンターボが直列2気筒。 バルブリフト量とバルブタイミングを連続で制御するマルチエアを採用して、高トルクと低燃費を両立。 このエンジンはほぼ同出力の1.4リットルエンジンより23%も短く、10%軽量に仕上がっている。 振動はバランスシャフトで抑制。 フィアットは「3気筒デザインと比較した結果、バランスシャフトを用いれば振動レベルもむしろ有利と分かった」と主張。 2気筒も成立するとはいえ、ヨーロッパのダウンサイジング・ターボは3気筒が主流。 660cc2気筒、1000(990)cc3気筒、1300(1320)cc4気筒ならボア×ストローク共通のエンジンラインナップができる。 フィット3に搭載されているL13Bエンジンの排気量は1,317cc。 できの良いバランスシャフトがあれば、660cc2気筒は成立する。 軽自動車に2気筒ブームはこないかな。
2016年08月19日
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そんなものは必要ない、と思われる装備品も、快適装備、安全装備の類は普及がすすめばインフラ同様、「普通のもの」「当然備わっているもの」になる。 世界を市場とすることでしか生き残ることができない日本の自動車メーカーは、それらの装備を可能な限り導入する。 ITとのインターフェイスの改革は、米国市場、中国市場で好まれることから、普及拡大が急速にすすむはず。 液晶パネル、タッチセンサーが自動車部品の必需品となる。 人口減少社会である日本人の「好み」について、自動車メーカでの優先順位は、今後も低下し続ける。 「最新装備」を搭載する2017年モデル10車種 さらなる進化に驚くかも? 2016年7月23日 Forbes JAPAN 自動車販売店のショールームにはここ10年ほど、足を踏み入れていない? そうだとすれば、次にディーラーの店舗を訪れるときにはきっと、最近の自動車にどれほど数多くの素晴らしい最新技術が詰め込まれているかを知って、驚くことだろう。 ダッシュボードは大幅に「電子機器化」しており、最も低価格のモデルでも最新型の車載インフォメーションを備えている。 無線を通じた携帯電話との音声、データ、テキストのメッセージの送受信が可能となっているほか、自動車、トラック共に、多くのインターネット接続車が登場している。 完全な自動運転車が導入されるのはまだしばらく先のことになりそうだ。 だが、自動ブレーキや衝突回避システムなど、最先端の安全システムを投入した新型モデルはすでに多数、発売されている。 衝突回避システムは低速・高速での走行中に歩行者や他の車両(一部は動物まで)を検知し、衝突を未然に防ぐことを可能とするものだ。 さらに進化するシステム 2017年モデルの自動車、トラック、クロスオーバー車は、安全性と機能性、エンターテインメント性をさらに高めた新型の機器・装置を備えたものとなる。 キャデラックはCT6に昨年、鉱石の乗員やヘッドレストなどでドライバーの後方視界が遮られることのない、高解像度のストリーミングビデオを組み込んだルームミラーを採用した。 そして、2017年はXT5クロスオーバー、SUV、電気自動車「ボルト」にもこれを投入する。 車載インフォテインメントやコネクティビティシステムはいまや、本格的な携帯端末機のようになっている。 大型化したタッチ感応画面が採用されており、タブレット端末と同様、スワイプなどで起動させることが可能だ。 ベントレーは高級SUV「ベンティガ」の2017年モデルに取り外し可能なアンドロイドのデュアルディスプレイを導入。 また、クライスラー「パシフィカ」のエンターテインメントシステムには、ビルトインのゲームアプリがある。キャデラック「CT6」の鉱石の乗員は、グーグルの「クロームキャスト」やアマゾンの「ファイアTVスティック」で、ビデオを視聴することができる。 ホンダ「リッジライン」に乗る人たちは、荷台部分に搭載したオーディオシステムによって事実上どこでも、パーティーを開くことができる。 その他、2017年モデルに新装備を採用する10車種を紹介する。 1. ベントレー エンターテイメントタブレット2. クライスラー「パシフィカ」 Uコネクトシアター3. フォード「スーパー・デューティー」 ガイダンスカメラ4. ホンダ「リッジライン」 トラックベッド(荷台ビルトイン型)オーディオシステム5. インフィニティ「QX30」 スパイナル(脊柱)サポート・シート6. ジャガー F-Paceアクティビティキー7. リンカーンコンチネンタル パーフェクトポジション・シート8. メルセデスベンツ「G550 4x4²」 ポータルアクスル9. ボルボ「S90/V90」 車道逸脱防止システム10. ボルボ「S90/V90」 大型動物検知システム
2016年08月17日
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2016年5月16日、韓国環境省が、同国で販売されている日産製SUV「キャシュカイ(QASHQAI)」のディーゼルエンジンモデルに排ガスの不正操作があると指摘。 その後、同車を輸入販売した韓国日産とその社長を大気環境保全法違反容疑でソウル中央地検に刑事告発し、韓国でこれまで発売された824台のリコールと在庫車両の販売禁止、課徴金3億4千万ウォン(約3千万円)の支払いを命じた。 当局による指摘に当初から「韓国の法令や規定を順守し、いかなる不正もない」と反論していた日産は、この告発に猛反発。 あらためて異議を申し立て、それが認められなければ不正認定の取り消しを求める行政訴訟を検討する方針を表明した。 日産、韓国で「排ガスに不正」と販売停止命令 「嫌がらせかも」陰謀説も噴き出す騒ぎに 2016年5月16日 J-CASTニュース 韓国内では、日産叩きは見られず、むしろ、ディーゼル車の急速な普及が大気汚染の原因になっていることや加湿器殺菌剤の事故などをを受けて環境行政に対する疑問の声が強まっているという。 韓国人は日本(人、企業)の正当性と韓国政府の不正とを比較すると、政府が怪しいと判断しているのだろう。 【Q&A】 韓国が日産を「不正」認定した理由は? 2016.6.17 産経ニュース …(略)… Q浄化装置の停止は不正なのか A不正ではない。 独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れは屋内試験時のみ浄化装置を動かす不正なソフトウエアを使っていた。 だが、日産は「不正かつ意図的な設定や、違法なソフトウエアなどを車両に搭載していない」としている。 実際、韓国と同じ排ガス規制のある英国やドイツは、キャシュカイが規制に適合していると認めている。 …(略)… 排ガス不正と言えばフォルクスワーゲン。 次々と発生する賠償金に苦しんでいるように見えるが、韓国でもお金で解決。 フォルクスワーゲン「韓国は米国と違うので賠償できない」 ―中国メディア 2016年7月1日 Record china 2016年6月30日、観察者網によると、ドイツの自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)がディーゼル車の排ガス不正問題をめぐり、米当局と購入者に147億ドル(約1兆5100億円)を支払うことで合意したが、韓国の消費者に対しては賠償できないとの考えを示している。 理由は「米国とは違い、韓国では法的な問題とならないため、賠償はできない」というもの。 同社の韓国法人は「韓国や欧州では法律上、排ガス操作に当たらない」とした上で、「米国の賠償案はVWの法的な責任を認めたわけではない」と補足した。 また、同社は「米国は排ガス基準が他国に比べて厳しく、構造も異なる。このことは、米国以外の地域の法律や規定に適用したり、影響を与えたりしない」と強調した。 …(略)… VWは道義的責任を認め、リコールについて環境部と協議を行っていること、100億ウォン(約9億円)規模の社会貢献事業を計画していることを明かした。 日産は日系企業だけにつらい。
2016年07月26日
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リバースエンジニアリング(Reverse engineering)とは、機械を分解したり、製品の動作を観察したり、ソフトウェアの動作を解析するなどして、製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図などの仕様やソースコードなどを調査する事。 日本車が低品質、パクリだった時代、日本の自動車メーカーは、部品の精度が高く故障しにくい米国車や高性能のヨーロッパ車を購入して、分解することで、開発から製造に至までの優秀な車作りのノウハウを取得しようと努力した。 そして今がある。 日系車を分解して分かった! 「日系車の強みや競争力」、中国車との「差」 =中国報道 2016-07-22 サーチナ 日本製品は世界で「高品質」と高い評価を得ている。 一方、中国製品は今なお「安かろう悪かろう」という評価が一般的だと言えるだろう。 中国政府は製造業の高度化を目指して「中国製造2025」を打ち出し、「安かろう悪かろう」からの脱却を目指しているが、その道のりはまだ遠いというのが現状だ。 中国メディアの捜狐はこのほど、「中国製品と日本製品」について比較する記事を掲載し、「政治や民族感情を取り除いて考えれば、中国人から見ても中国製品は低品質かつパクリの代名詞であり、日本製品は高品質で高い信頼性がある」と主張、両者には明確な差が存在するのが現実と論じた。 …(略)… 2000年12月、 ホンダは、中国の有力オートバイメーカーである海南新大洲摩托車股有限公司の二輪事業部門と合併、二輪車の製造、販売の機能を持つ新合弁会社「新大洲本田摩托有限公司」(仮称)を2001年4月を目標に設立する合弁契約書に調印した。 新大州が低コストで優れたエンジン製造技術を有していたからだ。 要素技術が多い四輪車は二輪車よりも学ぶべきことは多い。 …(略)… 続けて、自動車産業においても、日本と中国には「大きな差」があると主張する一方、中国の自動車メーカーがこのほど、日系車と中国車を同時に分解・分析するという企画を実施したことを伝え、日系車との差が明確となると同時に、中国車にとって足りない点や向上させるべき点も明らかになったと紹介。 同企画を通じて日系車の強みや競争力が見え、「品質を保ち、さらには向上させ続ける前提のもとで、コストを低減する日本企業の生産管理が見事に体現されていた」と指摘した。 …(略)… 人口減、GDP縮小の日本の中だけで新たな強みの創出は困難。 日本車がガラパゴス化しないのは、世界市場に力点をおいているから。 成長の鈍化だけでは、共産党独裁が崩壊することはあっても、中国社会が崩壊することはない。 巨大な国内市場をもつ中国の自動車メーカーが志せば、今後高い開発、製造技術を有することは可能だ。 「中国製造2025」はその指針。 「製造強国」を目指す 「メイド・イン・チャイナ2025」計画 2015年8月4日 独立行政法人経済産業研究所 …(略)… 「メイド・イン・チャイナ2025」計画の概要 「メイド・イン・チャイナ2025」計画は、「五つの基本方針」と「四つの基本原則」を掲げ、「三段階戦略」により、製造強国に向けた戦略目標の実現を図るとしている。 「五つの基本方針」とは、イノベーション駆動、品質優先、グリーン(環境保全型)発展、構造の最適化、人材本位のことである。 「四つの基本原則」とは、「市場主導・政府誘導」、「現実立脚・長期視野」、「全体推進・重点突破」、「自主発展・協力開放」のことである。 「三段階戦略」とは、 第一段階:2025年までに製造強国に邁進する、 第二段階:2035年までに中国の製造業を世界の製造強国陣営において中堅水準にまで高める、 第三段階:新中国成立100周年(2049年)に際し製造業大国の地位をより一層固めつつ、総合力で世界の製造強国のトップに立つ、 ことである。 製造強国に向けた戦略目標の実現に向け、「メイド・イン・チャイナ2025」計画は「九つの戦略任務」を示している。 …(略)… 小日本は3ヵ年、5ヵ年計画がせいせい。 大中国にはこれぐらい時間をかけた計画が似合う。 トヨタは遠大な志をもって世界一の自動車メーカーになった。 目立つものを叩く構造もまた、日本らしさ? 下記の著者はトヨタがなければ日本が良くなったと言い切れるのだろうか? それでもトヨタは、日本をどん底に叩き落とした「張本人」だ 2016年7月22日 まぐまぐニュース!
2016年07月24日
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自動車の環境性能の向上は世界的要請。 インフラが整っており理論面が確立されているガソリンエンジンは、究極の効率を目指して開発が続けられている。 優雅さの象徴でもあった6気筒エンジンは、モジュール化に不適切で新たに生み出されにくいと下記の記事にある。 消える「6気筒エンジン」 ストイキ直噴主流の時代での存在意義 2015.08.24 THE PAGE (池田直渡・モータージャーナル) …(略)… 昨今のエンジンの性能を決めるのは一にも二にも燃焼だ。 それを左右するのは燃焼室の設計なのだ。 燃焼室設計が緻密になった結果、熱効率は大幅に向上したが、その分設計したボアを何ミリか拡大しようとしたら大変な手間がかかるようになってしまった。 昔のエンジンはペントルーフならペントルーフで拡大設計すれば良しとされていたが、現在の緻密な燃焼室設計ではそんな荒っぽい改造は受け付けない。 その最大の理由は、ストイキ直噴がスタンダードになったからだ。 ストイキとは「ストイキメトリー」で理論空燃比(空気とガソリンの燃焼に最適な比率、重量比で 14.7:1 )のこと。 もともとガソリンの直噴エンジンは、リーンバーン(希薄燃焼)のために開発されたものだ。 しかしそれによって燃料を薄くすると正しく着火しないため、燃焼がくすぶり、希薄燃焼にもかかわらず燃料が濃い時と同様に煤を出す状況が頻発した。 結果、煤が燃焼室内に固着してエンジン不調を起こし、クレームが多発して消えて行った。 しかしこの直噴を、希薄燃焼ではなくストイキ領域で使うと思わぬメリットがあった。 吸気途中の空気にガソリンを噴霧すると気化潜熱で気体温度が下がる。 温度が下がれば充填効率が上がり、加えてノッキングが起きにくくなって圧縮比を上げられるようになった。 その結果、燃費とパワーが共に向上したのである。 現在の新しいエンジンは、ほとんど全てがこのストイキ直噴になった。 ではストイキ直噴が万能かというと、そういうわけではないのだ。 直噴のメリットは冷却効果であるのは前述の通りだが、デメリットは燃料の攪拌(かくはん)が間に合わないことだ。 燃料が空気と均等に混じり合うには様々な条件があるのだが、直噴の場合、その時間が短いことが問題になる。 旧来型の、エンジンの外で燃料を吹くポートインジェクションの場合、十分に空気と燃料が混じり合う時間がある上、吸気通路やバルブを通る過程で攪拌されて、ほぼ均等な混合気になる。 ただし、吸気管に付着する分の燃料がいつ気化するかは外気温やエンジンの加熱状態に依存するため、微細なコントロールができないのだ。 混ぜるのは得意だが緻密にコントロールできないのがポートインジェクションだ。 …(略)… 1気筒あたりの容量については過去の膨大なデータから、450cc~500ccがベストであることははっきりしている。 そこで500cc近辺に決め打ちしてシミュレーションを1回で済ます方向へ現在の設計トレンドは進んでいる。 要するにモジュラーの概念が変わったのだ。 かつてのモジュラーはシリンダーブロックが基準でボア径の変更で排気量を変えていたが、これからはどうも燃焼室設計がモジュラーの基準になっていくことがはっきりしてきたのだ。 …(略)… 記事の著者池田氏は2気筒の振動を問題にしているが、Fiat 500 ツインエアーは2気筒875ccインタークーラー付ターボで、 2気筒特有の振動はカウンターバランサーシャフトで抑制している。 Hondaが発表したグローバル対応の直噴ターボエンジンのラインナップは、まさしく1.0L、1.5L、2.0L。 新メカを好まず、いまだ大排気量志向が強い米国を除いて世界戦略を考えると、各自動車メーカーの落ち着き先は同じことになりそうだ。 クラストップレベルの出力性能と環境性能を両立した 直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」を新開発 2013年11月19日 Hondaプレスリリース 高度な燃料供給の制御性が可能な直噴は、日独伊の自動車メーカーを中心に増加しつつある。 トヨタは様々な車種にガソリン直噴エンジンを搭載しているし、マツダは、SKYACTIV-Gなどで積極的に展開。 スバルも2012年に自社製ガソリン直噴システムを採用したエンジンを、レガシィに搭載。 池田氏の論理に加えて、摩擦低減、重量(軽量化)、燃焼サイクル(ミラー・サイクル、アトキンソン・サイクル)について詰めていけば、小排気量、過給エンジンの有効性が開ける。 そしてトランスミッション(デュアル・クラッチ・トランスミッション DCT)についての話しを付け加えると、近未来のガソリン・エンジン車の生き残りの方向性が見えてくる。 発展途上の充電池、実用化されたばかりの燃料電池の技術はいまだ確立されたとはいえない。 その間、ガソリンエンジンは熱効率の向上、低炭素の実現にまい進する。
2016年04月13日
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トヨタ博物館で改めてT型フォードに注目。 T型フォードはマイクロゲージの導入による部品の互換性確保、横置きリーフスプリングで部品数を減らすなど、量産性向上を第一義とした取り組みが行われていた。 量産性の徹底は、バリエーション展開の制約ともなっていた。 T型のメカニズムの中で当時の他社の自動車と比べて、圧倒的にユニークなメカニズムが、遊星歯車式の前進2速・後進1速のトランスミッション。 半自動式のこのトランスミッションの採用でシンクロメッシュ機構のない時代の変速動作を容易にした。 T型の普及拡大 = ガソリン自動車の普及拡大に貢献し、後に米国がオートマチック・トランスミッション = イージー・ドライブ大国になった遠因ともされる。 1909年途中まで製造された初期のT型1,000台はそれ以前のフォードのモデルと同じく、遊星歯車利用の2ペダル、2レバー方式だった。 その後、レバー1組(ハイ・ギア操作)をペダルに置き換えた3ペダル1レバーに変更し、以後生産終了までこれを踏襲。 3ペダルは左から、変速とクラッチ機能、バック、ブレーキ。 エンジンと変速機はペダルのセットまで含めた一体のユニットとして構成され、生産効率面でも効果的、即ち低価格化に貢献した。 エンジンとミッションとブレーキが一体となったこのユニットを、当時のフォード社が「パワープラント」と呼んでいたのはまことに適切な表現。 当時の一般の自動車は「エンジン→クラッチ→選択摺動変速機」というレイアウト。 T型は「エンジン→遊星歯車変速機→多板クラッチ」というレイアウトだった。【モデルTの始動法】(1)エンジン始動後、発進時は、左側ペダルを半分踏み込んで、クラッチを切断した状態にする。(2)その後ハンドブレーキを緩め、スロットルと点火 時期レバーを更に下げつつ、左側ペダルを一杯に踏み込むと、クラッチが繋がってローギアに入り、動き出す。(3)ある程度加速したら、左側ペダルから足を離すことでペダルが戻り、自動的にハイギアに切り替わる。 ギアを同調させて変速するような技術と熟練を要する動作を必要としない。 前進2速、後進1速のミッションは、本格的な自動車時代ではなく舗装路の少ない道路事情で、低速域の扱いやすさを重視したエンジンとの組合わせにより、使い勝手がよかったことだろう。 フォードは1927年12月に生産を停止するまでT型、TT型だけを量産し続けた。 時代遅れとなったモデルTの後継となるモデルAは、舗装路の増加などによる高速化に対応し、一般化していたフロアシフトの3速マニュアルトランスミッション(ノンシンクロ)と4輪ブレーキを備えた。。 ヘンリー・フォードが贅沢品として嫌っていたセルモーターの導入、クーペ、コンバーチブルなどの様々なボディ・スタイル、黒以外の標準色が採用された。 1939年、ゼネラルモーターズ(GM)がオールズモビル1940年型にオプション装備として発売した「ハイドラマチック」が、現代レベルのオートマチック・トランスミッション(AT)のはじまりとされる。 4段式の遊星歯車変速機とフルードカップリングを組み合わせで、減速比は油圧によって切り替えができ、キックダウン機構など後年のATでも採用される基本機能を備えていた。 1950年代にはトルクコンバーター、ロックアップ機構の導入などでATはさらに進化。 1950年台中盤以降、OHVのV型8気筒エンジンが標準化し、排気量拡大、出力・トルク増大とともにATが普及率が増加。 1945年は5%未満だった乗用車のAT普及率が、ポニーカー登場後の馬力競争真っ盛りの1965年には90%超となった。
2016年02月20日
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ヴァンケル方式ローターリーエンジン搭載車の代表のようなRX-7、RX-8。 RX番号の系譜をクリッカーが記事にしてくれた。 マツダ・RX-7より前のモデルがあった!? ロータリーエンジン搭載「RX」シリーズの系譜 2015年12月2日 clicccar 今年開催された第64回東京モーターショーにて、マツダが展示した次世代ロータリーエンジンの搭載を想定しているコンセプトモデル「RX-VISION」が多くの人の注目を集めたのは記憶に新しいです。 「RX」と冠されることから、惜しまれつつ販売を終了した「RX-8」、そしていまもFDの通称で親しまれスポーツカー好きの憧れの1台として名が挙がる「RX-7」の系譜を継ぐモデルなのでは?と話題を呼んでいます。 さて、先述したとおり、ロータリーエンジンというユニークなエンジンを搭載するスポーツカーとして「RX-8」と「RX-7」は人気であり、ワタクシも中古車情報サイトを時々チェックしています。ところが、ある疑問が…… 「なぜ、RX-6やRX-5は無いのか?」 …(略)… 記事には下記のように記されている。 RX-2 カペラ エンジン滑らかな回転上昇と車の高速性能にちなんだのか、「カペラは風」とのキャッチコピーが印象的だった。 RX-3 サバンナ 「直感サバンナ」「微笑グランドファミリア」(レシプロエンジン搭載)のキャッチコピーとともに鮮烈なデビューを飾り、ロータリーエンジン車を普及させた。 街中の減速場面でアフターファイアーと破裂音を発することがあるのにも驚いた。 レーシングコースでRX-3(そう呼ぶ人はたくさんいた)のエキゾーストは、後続車を蹴散らす火炎放射器のようだった。 レーシングコース上でのロータリーの音は、当時を知る関係者で語り草、煩さの基準になるほど、大きな雑音だった。 RX-4 ルーチェ 急激に強化された53年排ガス規制で各社がスポーツバージョンを廃止する中、ロータリーエンジン(REAPS)で規制に適合した。 RX-5 コスモ 外観、内装ともゴージャス感があるロータリーエンジン搭載車。 今では見ることのないランドウトップを流行らせた。 RX-6は欠番とのこと。 RX-6がロードペーサーAP(13B搭載)だったりすると面白いのだが。 ロードペーサーのボディはオーストラリアのGMホールデン製。 なかったことにしたかった? そしてRX-7、RX-8へと続き、マツダはロータリーエンジン搭載車の生産を停止した。 孤高の存在! ロータリーエンジンのまとめ 2015年10月1日 NAVER RX-6も謎だが、RX-1も気になる。 何の根拠もないが、RX-0をコスモスポーツ、RX-1をファミリアプレストあたりにすると、RXの系譜として収まりがよいと思う。 今年の第64回東京東京モーターショーでRX-VISIONが展示された。 ハイブリッドの開発はしていないとのことだが、弱い低速トルクを電気モーターで補い、少しでも燃費を向上させることができれば、ロータリー・エンジンの命脈は保たれると思う。 ロータリーエンジンの長所と短所 出典:Wikipedia 4ストロークレシプロエンジンとの比較。 長所 ・同程度の出力で比較すると、冷却装備を考慮しても軽量かつコンパクト。 ・エンジン搭載位置の自由度が高くなり、ミッドシップレイアウトに頼らずとも均等な前後重量配分で低慣性モーメントのスポーツカーを、軽量・コンパクトに仕上げることが可能。 ・出力軸1回転あたりの燃焼回数が2倍となるため、同じ総排気量でも出力が高い。 ・ ローターの公転運動をともなってはいるが偏心量は小さく、低振動・低騒音(機械騒音)。 ・同回転数で1サイクルの時間が1.5倍となり、上記燃焼回数の増加と合わせてトルク変動が小さく、エンジンの回転が滑らか。 ・動弁系がないためエンジン本体の部品点数が少なく、またバルブ駆動に伴う摩擦損失がない。 ・燃焼温度が低いためノッキングしにくく、燃料のオクタン価の影響を受けにくく、ある程度粗悪な燃料にも耐える。 ・燃焼温度が低いため、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度が低い。 短所 ・燃焼室の表面積が大きく、またローターの回転に伴って燃焼室が移動するため、冷却損失が大きい。 同程度のエンジン外形寸法や出力で比較すると、大掛かりな冷却装置が必要となる。 ・上記により低回転域の燃焼安定性が悪く熱効率も低く、その域でのトルクレスポンスは同出力のレシプロエンジンと比べ劣る傾向にある。 町乗りなど主に低回転域で走る際には、燃費およびトルク面で不利である。 ・排気バルブがなく排気ポートが急激に開くため、排気騒音が大きく排気温度も高い。 ・燃焼室が縦長で、トレーリング側(吸気ポート寄り)の隅部が完全燃焼しづらく、排気ガス中に未燃焼燃料の炭化水素(HC)濃度が高い。 ・シールの総延長が長いため、摩擦損失が大きい。 ・各シールにかかる負荷方向・摺動速度が常に変動していて、シーリングの確実性・耐久性の確保が困難である。 ・トロコイド面の潤滑のために作動室内へのオイル供給が必要で、オイル消費量が多くなる。
2015年12月30日
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日本の真夏のドライブに、エアコンは不可欠。 昔々は窓全開、「三角窓」全開で凌いだものだが、その頃は気温が30度を越えると猛暑だった。 35度を超えるような日々が続く昨今は、三角窓があっても辛過ぎる。 真夏のドライブ エアコンを使わない方が燃料を節約できるとは必ずしも限らない? 2015年8月10日 Autoblog JP(オートブログ) By Danny King 夏の猛暑でも、アメリカでは道路を走行する際に燃費を少しでも向上させようと、エアコンをつける代わりに窓を全開にするドライバーも少なくない。 しかし、米国自動車技術会(SAE International)の報告書によると、それが必ずしも燃料の節約につながるとは限らないそうだ。 燃費は走行速度や交通状況、そしてクルマがどのくらい暑くなっているかによって異なるという。 間違いなくエアコンは、クルマの中で"最も燃費を悪化させる装備の1つ"だが、走行速度や外気の湿度、交通パターンによって燃費効率は変化する。 例えば、窓を開けて走行すると空気抵抗が大きくなり、エアコンをつけるよりも燃費が悪くなってしまうというケースもあるそうだ。 また一般的に冷房時のエアコンは、内気循環モードの方が外気導入モードにするよりも燃費が良いが、これも上記の通り、様々な条件によって変化する。例えば30mph(約48km/h)で走行中にエアコンをフル稼働させると、燃費が9mpg(約3.8km/L)ほど悪化するという。 つまり、車内が暑くなっているクルマでは、走り始めた時から内気循環モードにしてエアコンを作動させるのではなく、まず窓を開け車内の温度を下げてからエアコンをつけるようにと、報告書では勧めている。 同技術会によると、真夏の車内は家の中よりも温度の上昇が急激であるという。 例えば外の気温が約34℃の日には、一階建ての家の屋内温度が朝に21℃だった場合、上昇してもせいぜい約5〜6℃くらいだそうだが、車内は40℃度近くも急上昇することがあるらしい。 事実、午後には座席のシート表面は50℃を超え、ダッシュボードの上ともなれば100℃近くにまでなるという。 …(略)… 停車中の車内の熱気を排出すると、早目に温度が下がる。 そしてダッシュボードは暫く熱いままなので、停車した後、銀色のサンシェードをセットすると、冷房の効き始めに大きく効果がある。 多少は燃費に影響するのだろうが、レースしようのサーキットをセダンで走行するときにも窓は開けていた。 燃費のため、空気抵抗を減らすためにではなく、エアコンの効きをよくするために、窓は閉め、エアコンをつけたほうが良いと思う。 UVカット、熱線カット仕様のガラスもあることだし。 車内で熱中症にならないよう、エアコンの使用を考えた方がよい。 空調服のクールクッションは汗かきの私には、とても心地よい。 フルオートエアコンをコールクッション設置前より2度程度高い25度に設定している。 太ももから臀部にかけて汗ばむことがない。 5年程度使っているが、耐久性も申し分なし。
2015年09月03日
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サトウキビやトウモロコシなどバイオマスを発酵・蒸留させて製造するバイオエタノール技術は実用化されている。 バイオエタノールだけ、あるいはガソリンに混合して自動車用燃料として利用でき、排出する二酸化炭素はカーボンニュートラルと判定される。 ブラジルでは、ガソリンに20%混入、あるいは100%のエタノール自動車が走行している。 2005年、米国ではエネルギー政策法によりバイオエタノールの使用が義務化され、トウモロコシ価格に大きな影響が出た。 今回はガソリン代替燃料。 合成に成功することは技術的成功だが、コスト面を含めた実用化の道は不明。 Audi社ら、 ガソリンに代わる新しい植物性燃料の合成に成功 2015/05/25 日経テクノロジーオンライン 櫛谷 さえ子 ドイツAudi社は、フランスGlobal Bioenergies社と共同で化石原料を使わずに合成した燃料「e-benzin」の開発に成功したと5月18日に発表した。e-benzinは、トウモロコシ由来のグルコースが原料。発酵による自然蒸発で気体のイソブテンを分離し、これに水素を加えてイソオクタンを合成したもの。 成分は100%のイソオクタンで、硫黄やベンゼンを含まない。オクタン価がRON100となることから、エンジンの圧縮比を高くして効率を向上できる。 Global Bioenergies社は、フランスのランスに近いPomacleの試験工場でe-benzinの材料となるイソブテンを生産している。Audi社とGlobal Bioenergies社は、現段階では植物原料を使っているものの、中期的には水、水素、CO2を原料に、太陽光のエネルギーを使って合成する方法に変更することを目指している。 Audi社はこれまでにさまざまな企業と協力し、化石原料を使わないCO2ニュートラルな燃料の開発を進めている。現在では、工業的規模で合成メタン「e-gas」を量産しているほか、合成エタノール「e-ethanol」、合成ディーゼル「e-diesel」などを開発してきた。 シェールオイルが掘削、販売が実用化される前、原油高が続き、石炭由来の合成ガソリン(石炭液化)技術の研究・開発が進んでいた。 石炭の液化(Coal to Liquids-CTL) 穀物由来は世界の食糧事情に与える影響が大きく好ましくないが、カーボンニュートラルな燃料の開発は今後も続くことだろう。
2015年05月29日
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自動車、オートバイの部品の中で、大きさの割りに重量が嵩む部品の一つがエンジン。 なかでもシリンダーブロックは熱の変化、シリンダー内で発生する振動の大きさから、容易に軽量化できない部品。 熱的負荷の少ないインテークマニホールドは急速に樹脂化がすすんだ。 「樹脂製可変吸気インテークマニホールド」編 -製品紹介 アイシン精機 樹脂シリンダーブロックが採用されれば、自動車、オートバイの樹脂活用拡大による軽量化はさらに進む。 燃費向上、ハンドリング向上につながる軽量化技術はさらにすすむ。 シリンダーブロックの樹脂化でクルマを軽量に フラウンホーファー研究機構が軽量化技術を開発 2015/04/15 日経テクノロジーonline 高野 敦 ドイツFraunhofer-Gesellschaft(フラウンホーファー研究機構)などの研究グループは、シリンダーブロックの一部を樹脂化した単気筒エンジンを開発し、ドイツ・ハノーバーで2015年4月13~17日に開催されている「Hannover Messe 2015」に出品した。 この技術によって、アルミニウム(Al)合金製のシリンダーブロックよりも質量を20%ほど小さくできる可能性があるという。 ドイツBMW社の2輪車向け単気筒エンジンをベースにしており、金属製のシリンダーライナーとガラス繊維強化フェノール樹脂(繊維含有率は55%)をインサート成形で一体化することによって、シリンダーブロックの一部を樹脂化した。 このフェノール樹脂の溶融温度は約220℃とAl合金よりも低いが、周辺の温度は約150℃までしか上がらない設計とすることで、シリンダーブロックとしての耐熱性を十分に確保できているという。 さらに、Al合金製のシリンダーブロックを使ったエンジンと同等の出力性能が得られることも確認している。 フェノール樹脂は、住友ベークライトの素材を使用した。 この研究プロジェクトは、フラウンホーファー研究機構の化学産業向けICTの研究部門が進めている「New Drive System」というもの。 コンピューター・シミュレーションなどのICT活用による新技術の開発を目的としている。今回のようにシリンダーブロックの一部を樹脂化する場合、熱膨張率や放熱性の異なる2つの素材を一体化させることになるので、エンジン稼働時などの厳しい条件下でも機能するかどうかの検証などにシミュレーションを活用しているという。 シリンダーブロックを20%も軽量化できる技術は画期的。 熱による歪が少なく、軽量、冷却不要とされた「夢のセラミックエンジン」は、夢を実現できずに終わった。 効率と耐久性が求められる市販車に適用する画期的な「新技術」は、容易に実現しない。 “未来のエンジン” セラミックエンジンって、どうなったの? 【教えて!MJブロンディ】 2013年6月7日 オートテックワン リコールを繰り返したホンダのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)も同じ類なのだろうか?
2015年05月24日
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オートマチック・トランスミッション(AT)はどの方式が良いのか。 伝達効率の向上と滑らかな変速はATの主要課題。 トルコン(トルクコンバータ)は動力の伝達ロスが多い。 動力伝達に歯車を使用しないCVTContinuously Variable Transmission[無段変速機])は高速域の伝達効率が低い。 DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)は滑らかな変速の制御が難しい。 【送料無料】 オリエント ORIENT 万年カレンダー 自動巻き 腕時計 URL005EU(バンド調整器付) DCT同様に伝達効率を高めて、滑らかな変速を実現しようとしたいのがマツダの「SKYACTIV-DRIVE」。 低速域を含む全段にロックアップを適用したトルコン方式。 トルクコンバータ 出典:Wikipedia マツダがアクセラで初採用した、ガソリンエンジンのみでハイブリッドカーに匹敵する燃費を目指したAT「SKYACTIV-DRIVE」でも、伝達効率向上と燃費の抑制を図るため、発進直後以外の全変速段で常時ロックアップさせている。ロックアップ時の弊害対策としては、こちらも制御コンピュータのプログラムの工夫とロックアップ機構に大容量のダンパー機構を設けることによって解消が図られている。 上記のようにロックアップは伝達効率を向上させるが、その反面ショック等を生じやすく、快適性を損ないやすい。 特にトルク変動が大きい低速域ではダンパーでの吸収にも限界があるため、快適性を確保しつつロックアップ領域を拡大するのは難しかった。 そこで従来ロックアップを行わなかった低速領域や減速時に、ロックアップクラッチを微少に滑らせる(スリップさせる)程度に接続することでロックアップ時により生じるショックを抑制し、快適性と伝達効率の両立を図ったスリップ制御付ロックアップ機構の採用が見られる。 これによりロックアップ領域を低速側に拡大できたため、実用域でのロックアップ作動率は大きく向上している。 またアクセルオフ時にロックアップを行いやすくなりエンジンをフューエルカットできるというメリットもある。 この技術ではロックアップクラッチの摩擦特性が重要となるため、摩擦特性に大きく影響するATFも専用品が用いられる。 【中古】トヨタ オートマチックトランスミッション&… トヨタ自動車 ホンダはフィット・ハイブリッドでソフト、ハードの問題からDCTのリコールを繰り返した。 マツダのSKYACTIV-DRIVEは今のところ、リコールの話を聞かない。 2015年1月、タイでも生産開始。 新規で複雑なDCTも同じことだが、SKYACTIVーDRIVEの耐久性がクリアされているなら、よいメカだと思う。
2015年02月21日
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トヨタは水素自動車をデファクトスタンダードとすべく、燃料電池車関連特許の無償開放という思い切った策をとった。 燃料電池スタックや燃料電池制御のような、燃料電池車のキーとなる技術まで2020年末まで特許実施権を無償提供する。 世界を低炭素社会に転換させようとする、大胆な決断。 トヨタが燃料電池車の特許を無償開放へ 2015/01/06 日経テクノロジー online 久米 秀尚 トヨタ自動車は、同社が保有している燃料電池車(FCV)に関連する特許の実施権を無償で提供すると発表した。対象となるのは、同社が単独で保有している世界で約5680件の特許(審査継続中を含む)である。 同社は2015年1月5日(米国時間)、翌日に開幕を控える「2015 International CES」に合わせて記者発表会を開催し、FCV関連の特許を無償提供することを宣言した。登壇した米Toyota Motor Sales(TMS), U.S.A.社でSenior Vice Presidentを務めるBob Carter氏は「今日が自動車業界にとってターニングポイントになる」と強調した。 トヨタ自動車は、「次の100年は水素燃料の時代になる」(Carter氏)と読む。ガソリンを燃料とする内燃機関車からの主役交代を進めるためには、「FCV導入初期段階においては普及を優先し、開発・市場導入を進める自動車メーカーや水素ステーション整備を進めるエネルギー会社などとの協調した取り組みが重要」(トヨタ自動車)と判断し、今回の決断に至ったという。 …(略)… 常温で気体か液体かという違いはあるものの、気化しやすいガソリンと水素は、「危険性において大きな差はない」という見解もみられる。 トヨタの決断で水素自動車の普及拡大は大きく加速される。 エコカー戦争、EVはFCVに絶対勝てない理由 利便性と燃料充填で圧倒的な差 2014年12月31日 Business Journal 独自性を重んじるホンダが、燃料電池車の分野でソニーのようにならないことを願う。 リコールの嵐とF1活動再開を契機に、ホンダはかつてのように夢のある車を生み出す企業に変わってくれるのだろうか? ホンダがGoogleとAppleのプラットフォームをいち早く採用する理由 2014/12/2 日経テクノロジー online 清水 直茂=日経Automotive ホンダは、米Google社の車載情報端末とスマートフォン(スマホ)を連携するプラットフォーム「Android Auto」や、米Apple社の「CarPlay」の採用にいち早く動いた。2015年には、Android Autoに対応した車両を発売する予定である。その狙いを、シリコンバレーに拠点を構えるHonda R&D Americas社Sillicon Valley Lab(HSVL)の五十嵐亮治氏(Division Director, Chief Engineer)と、杉本直樹氏(Senior Program Director)に聞いた。 …(略)…
2015年01月07日
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第二次世界大戦中、ドイツは石炭を液化してかなりの量を石油の代替燃料として使用。 日本はドイツから技術を手に入れたが実用化に失敗。 松根油まで使って戦闘機を飛ばす羽目になった。 第二次世界大戦終了後、その製造コストの高さから石油合成技術は忘れ去られた。 1バレルあたり80-100ドルの価格が長期的に続き、石油合成技術復活の可能性が復活したが、シェールガス掘削技術の進歩により、実現は再び遠のいた。 水と空気からディーゼル燃料 Audi社が合成ディーゼル燃料をつくる試験工場を開設 2014/11/17 櫛谷さえ子=日経テクノロジーオンライン ドイツAudi社は、スイスClimeworks社とドイツsunfire社と協力し、合成燃料を生産する試験工場をドイツのドレスデンReickに開設したと発表した。CO2と水と電気を原料に合成した燃料「eディーゼル燃料」を生産する。 Audi社は、ドイツの連邦教育研究省から資金を得て2年の準備期間を経てこのプロジェクトを進めた。 このプロジェクトには二つの重要な技術が組み合わされている。 一つはClimeworks社の保有する、周囲の空気からCO2を抽出する技術。 もう一つはCO2から合成燃料を作る、sunfire社の「power to liquid」技術だ。 再生可能エネルギーにより作られた電力を使用し、水を水素と酸素に電気分解する。水素を220℃で二つの化学反応でCO2と結合させ、2.5MPaの圧力をかけて炭化水素化合物の液体を作る。この液体は「Blue Crude」と呼ぶ。 試験工場では、1日当たり160LのBlue Crudeを生成できる。 この80%が合成ディーゼルに変換できる。合成したeディーゼル燃料は、硫黄および芳香族化合物を含まない。 さらに高いセタン価を有し、容易に発火する。こうした化学的性質により、化石燃料のディーゼル燃料と任意の割合で混ぜることができる。 eディーゼル燃料の今後の鍵は製造コストだろう。 コモンレール技術の導入で、ディーゼル・エンジンの黒煙は極めて少なくなった。 しかし、ディーゼル・エンジンから多く発生する浮遊粒子状物質(SPM)の問題が解決したという話は聞かない。 超高温原子炉を熱源として石炭液化プラントの加熱、水素生成が可能になれば、従来より少ない石炭投入(低コスト)、少ないCO2発生で多量の人造石油を生産できる。 こちらは極めて困難と思われる超高温原子炉の実用化が鍵。
2014年12月09日
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フィットハイブリッドのデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)は3度のリコールを繰り返した。 その他2回と合わせ5回のリコール。 セールスマンは、お客様と親密なコミュニケーションが取れたに違いない。 気の毒なことである。 そのDCTをホンダと共同開発したパートナー企業がシェフラー。 革新的な技術を量産大衆車に投入するのは、乗り越えるべき難問も多かったことだろう。 シェフラー 燃費36.4km/Lの新型フィット ハイブリッドに採用された「i-DCD」基幹技術説明会 ホンダとの共同開発でハイブリッドカー向けの新型DCTを実現 2013年10月10日 Car Watch シェフラージャパンは10月4日、ホンダの新型フィット ハイブリッドのトランスミッション「SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Drive(スポーツ・ハイブリッド・インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ:i-DCD)」に採用された同社の新技術などに関する記者説明会を実施した。 …(略)… DCT開発パートナーのシェフラー・ジャパンは、コンチネンタルと合併し世界最大の自動車部品企業となったシェフラー・グループの企業。 日本の自動車メーカーとの取引拡大に向け、日本法人の開発担当者を2020年までに倍増し、研究開発拠点面積も3倍に拡大。 試作車両の試験や解析のための設備も増強し、日本法人が担当できる開発範囲を広げる。 日本の自動車メーカー向けの売上高は1割程度から3割程度までに引き上げを目指す。 シェフラー、日本拠点拡大へ …日系メーカーとのグローバル協業目指す 2014年10月29日 レスポンス 独サプライヤー大手のシェフラーは10月29日、都内で記者会見を開催し、日本国内の研究開発拠点を移転・拡張することを発表した。 また、アジア太平洋地域最高技術責任者(CTO)を新設し、日本を拠点として活動する。 現在神奈川県横浜市にある研究開発拠点を、同市内で移転し、現在の約2000平方メートルから順次拡張する。 2015年5月時点で約4700平方メートル、2020年までには6000平方メートルへの拡張を予定する。 従業員数についても現在の約270人から、2020年までに450~500名規模へと拡大する。 また、栃木県宇都宮市内にホンダとのパートナーシップ強化を目的とした新たな拠点の開設も行う。 シェフラーはこれらの投資により、製品の開発、シミュレーション、評価試験、性能確認のためのキャリブレーション能力を強化する。 シェフラー・ジャパンは、2020年までに自動車事業部門の売上の約3分の2が、海外における日系自動車メーカー関連の売上になると見込む。 日系自動車メーカーがグローバルにおける存在感を高めていることが背景として挙げられ、今回の投資はそれに対応するものとなる。 《瓜生洋明》 かつても協働して技術開発をすすめることで、ホンダは高次元の技術を大衆化してきた。 ホンダは新メカニズム開発に良いパートナーを得たが、製品化を急ぎ過ぎたためリコールの連発となったようだ。 シェフラー副CEO兼最高技術責任者(CTO) ペーター・グッツマー ホンダ・フィットの開発は挑戦 日系メーカーとの協業を増やす 2014年11月20日 ダイヤモンドオンライン 5度目のリコールを出したホンダ「フィットハイブリッド」。 その基幹部品を共同開発する独自動車部品大手のCTOに、日系メーカーとの協業の在り方を聞いた。 ──日系メーカー向けの売り上げを、1割から3割に引き上げることを目指している。 われわれは既にマツダに対して、新世代クリーンディーゼルエンジンの部品を、また富士重工業やジヤトコには無段階変速機を納入している。 日系メーカーとの取引実績をさらに飛躍させるべく、2020年までに日本の開発人員を、現在の2倍の約500人まで拡大する。今後も日本の自動車メーカーは世界の主要プレーヤーであり続けるし、重要な意思決定がなされている場所に、われわれも重要拠点を構えなければならない。──共同開発したトランスミッションが採用されているホンダ「フィットハイブリッド」では先月、5度目のリコールが出た。 5度のリコールのうち、三つのケースについて、われわれの技術が関与している部分がある。 過去の経験で想定していたリスクよりも、最終的に発生してしまった問題の方が大きかったかもしれない。 発売後、比較的早い段階で問題が表面化したのは不幸中の幸いだが、問題の所在を認識し、オープンな形でホンダと共に早期解決に取り組むことが重要だ。 …(略)… シェフラー・ジャパン
2014年12月02日
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トヨタが「TENGA」……衝撃だ、と思ったら「TNGA」だった。 ちょっとホットする。 エツミ E-6160 [モジュールクッションボックスA (オレンジ)] トヨタ、生産方式をゼロから大改革 「TNGA」の衝撃 二律背反の目標狙う 2014年8月18日 Business Journal いま、世界の自動車業界において、クルマづくりを抜本的に変えるモジュール化の嵐が吹き荒れている。 モジュール化の代表例は、独フォルクスワーゲンの「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」、ルノー日産自動車の「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」である。このほか、独ダイムラー、独BMW、米フォード、韓国現代自動車、マツダなども取り組んでいる。 モジュール化とは簡単にいうと、車両をいくつかのモジュール、すなわち塊に切り分けて、車高や重量などに従ってバリエーションを用意し、その塊を組み合わせることによって複数車種をつくることである。もとより、世界一の自動車メーカーのトヨタ自動車も、モジュール化に取り組んでいる。「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」がそれである。TNGAは「アーキテクチャー(クルマづくりの設計思想)」の大改革を意味するが、これによる車種はまだ誕生していない。TNGA第一弾となる新型「プリウス」の発売予定は来年で、その評価を下すのは時期尚早といえよう。 ただし、TNGAが計画通りに実現すれば、トヨタは一回りも二回りも強くなるのは間違いない。それほどの威力をもつ大改革である。●トヨタの深い反省 まず、トヨタがTNGAに取り組む背景から見てみよう。12年4月9日に開かれた「もっといいクルマづくり」説明会の席上、トヨタ社長の豊田章男氏は次のように語った。「台数や収益といった、本来、結果であるべきものが、いつの間にか目的になってしまい、誰のために、なんのために、クルマをつくるのかという自分たちの使命を、少し忘れていたのではないかと思います」 …(略)… 「世界トップのクルマをつくるために、基本性能を飛躍的に向上させたうえで、アーキテクチャーを定めたり、グルーピング開発などを進めます。そのことによって、競争力の高いユニットや部品ができて、それを賢く共用化することが可能になります。つまり、いいものをつくり、共用化することによって、元手が生まれます。その元手を開発のリソースや、地域の最適化に使うことができるようになります」 整理すると、(1)基本性能の向上、(2)グルーピング開発による部品・ユニットの賢い共用化、(3)仕入れ先と協力して原価を低減、(4)商品力向上の4つからなるサイクルを回転させる。すなわちTNGAは、大幅な「商品力向上」と「原価低減」の二律背反する目標を、同時に達成することを目指しているのだ。●TNGAの具体的作業 トヨタは13年4月、「TNGA企画部」と「商品・事業企画部」を新設した。両部は技術を軸に、商品・事業企画部は顧客や事業ニーズの吸い上げを通じて、それぞれ中長期の製品企画を立案する。 具体的な作業は、図式化するとわかりやすい。基本構造は、3層のピラミッド型だ。上から順に、(1)中長期の商品ラインナップ、(2)アーキテクチャー、(3)モジュール・部品(グルーピング企画・開発)だ。上位概念である(1)を先に決め、(2)(3)へと落とし込む。 …(略)…
2014年08月23日
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車型リニアモーターカーを開発しているにはタカラトミー。 電気自動車を開発、販売したこともあるが、リニアモーターカーは実車大のものを作ることはなさそうだ。 東京おもちゃショー2014で見つけたハイスペックのおもちゃたち 2014年6月17日 BCNランキング …(略)… タカラトミーは、クルマ型のリニアモーターカー「リアル未来カー」も参考出品。まだ外装のないコンセプト展示だったが、専用コントローラで1cmほど浮上した状態で、前後左右に動かすことができた。 「リアル未来カー」は、アルミ板の上を磁石が触れないように高速で動かすと発生する物理現象、渦電流を生かした渦電流リニアモーターを採用。渦電流が起きるとアルミ内で自由電子が動き出し、アルミと磁石が反発する力として作用する。アルミ板の上でしか遊べないといった課題もあるが、3年後の商品化を目指している。 …(略)… リニアモーターカーと聴くと、超電導ブームを思い出す。 どうなっているのだろうか? リニアメトロの普及推進 一般社団法人 日本地下鉄協会
2014年06月24日
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