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「愛おしい骨」 キャロル・オコンネル著 創元推理文庫読了。「オーレンはイザベル・ウィンストンに目を据え、フロアをまっすぐ進んでいった。拒絶されるのでは、などという心配はしていなかった。もとよりダンスを申し込む気はないのだ。そんなやり方は、愛と戦いのダンス、タンゴの精神にそぐわない。」二十年ぶりに故郷に帰ってきたオーレンが、イザベルとタンゴを踊るこのシーンの描き方は秀逸で、この作者のセンスの良さと力量が窺えるというものだ。「十七歳の兄と十五歳の弟。ふたりは森に行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、時が止まったかのように保たれた家。誰かが玄関先に、死んだ弟の骨をひとつづつ置いていく。・・・・・・・」と、本の表紙に書かれた紹介では、この本の魅力は伝わらない。ふたりのタンゴの様子の描写の見事さが、何よりもこの作品の面白さの保証だと、僕は思うのだ。
2011.06.29
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花の画家 ルドゥーテ『美花選』展Bunkamura ザ・ミュージアム2011年5月29日(日)-7月3日(日)ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759~1840年)画家としての修業の後フランスへ行き、ルイ16世王妃マリー=アントワネットの蒐集室付素描画家の称号を得る。フランス革命後、ナポレオン一世の皇帝妃ジョゼフィーヌなどの庇護のもと、宮廷画家として王侯貴族や上流階級の人々に「花のラファエロ」あるいは「バラの画家」と称えられる植物画家の巨匠として名声と人気を集めまた。生涯にわたり植物画を描き続けたルドゥーテは、植物学的正確さを踏まえながらも芸術性を備えた花の姿を描いた。 Bunkamura ザ・ミュージアムでの3度目のルドゥーテ展となる今回は、ルドゥーテの版画作品ベスト版ともいえる最晩年の傑作集である『美花選』全144作品を中心に公開。
2011.06.26
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「ココ・アヴァン・シャネル」 DVDにて観賞。良くできた映画だとは思うのだけれど、物足りないのですよ、これが。孤児院で育った、お金もコネもない女性が世界の”シャネル”にどうしてなれたのか? やはり、観たいのはココでしょう。僕は、オドレイ・トトゥがとても好きで、それだけに期待もあったのだけれど、110分で描くにはちょっと短尺すぎたと思う。きれいに撮れた映画なので、楽しめるのだけれど、”シャネル”は扱うにはテーマが大きすぎた?ココ・アヴァン・シャネル Coco avant Chanel 監督 アンヌ・フォンテーヌ 製作 キャロル・スコッタカロリーヌ・ベンジョーフィリップ・カルカソンヌシモン・アルナル 脚本 アンヌ・フォンテーヌカミーユ・フォンテーヌクリストファー・ハンプトン 出演者 オドレイ・トトゥブノワ・ポールヴールド 音楽 アレクサンドル・デプラ 撮影 クリストフ・ボーカルヌ 編集 リュック・バルニエ 配給 ワーナー・ブラザーズ 公開 フランス2009年4月22日日本 2009年9月18日 上映時間 110分 製作国 フランス 言語 フランス語
2011.06.25
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浜松餃子を食べてきました。予定していたお店に行ったところ、移転中で25日までお休み。しかたなく、タクシーに乗って、運転手さんおススメの店に。餃子15個とライス、味噌汁の定食で1000円をちょっと切る値段。美味しいとは思うが、昔、宇都宮に住んでいた僕としては、宇都宮餃子に軍配をあげたい。浜松餃子の多くは、ラーメン屋さんがそのメニューの一つとして載せているのに対し、宇都宮では餃子Onlyの専門店である。ライスも置いていないところがあるのだ(「美味しんぼ」の雁屋さんによると、餃子はそれ自体で完成された料理ということだから、ライスを置くのは本来は邪道なのかも)。案内してくれたタクシーの運転手さんが「餃子だけではやっていけない」という浜松餃子に比べて、宇都宮餃子専門店の何と高貴なことか!僕は宇都宮時代によく食べに行った餃子屋さんは3人前で当時、500円ぐらいだった。「焼きトリプル」(焼き餃子3人前)ってたのんだんだけど、思い出してよだれが出そう。「ビールを置かないのは、酔客がいると、女性や子どもが気軽に食べに来れなくなるから」と宇都宮の店長が言ったことがあるが、餃子一本でやっている宇都宮に、浜松がかなうものか!
2011.06.18
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静岡県知事にして世界緑茶協会の会長も務める川勝知事。足柄の新茶に高い放射性物質が検出され、厚生労働省から荒茶の検査を求めたにもかからず検査の拒否をした知事です。二番茶が出るころになってから発言を翻し、検査することを発表したばかりでしたが、フランスに輸出した静岡茶から1000ベクレルの放射性物質が検出されたことをフランス政府が発表。「飲茶の場合、水で薄められて濃度は下がる」「静岡では、他県のものや海外をブレンドすることもあるから、出所は不明」と馬鹿発言。薄めれば大丈夫という考えが判らない。一度に飲めば危険だけれど、薄めて飲めばいいですよと言っているのと同じじゃないのか。体に蓄積されること、半減期が30年もあることが問題視されているのに。はっきり言って、大手のお茶屋が安い海外品を混ぜて静岡茶として売っているということは、昔、お茶農家をやっていた親戚に聞いて知っていましたよ。まさか、まだブランド詐欺が行われていて、しかも、知事が認めているとは・・・・・・。安全であるわけないんだ。放射性物質が検出されたのなら速やかに出荷を停止して東電に保障させるべきなのに。僕は、今年、静岡茶を地方の友人に送るのをやめている。新茶のシーズンに検査拒否を表明した静岡茶を贈れるか!東電に保障させる場合、昨年の出来高が基準になると思う。ブレンドして水増ししている大手は受け取る補償額が小さくなっちゃうから反対してるんじゃないのか?以下、記事を転載「静岡」の茶から基準を超える放射性物質が検出されたとのフランス政府の発表を受け、静岡県の川勝平太知事はコメントを発表し、「仮に製茶の数値が1千ベクレルだとしても飲用茶にすれば10ベクレル程度になる。飲んでもまったく問題ないと考える」と県の独自調査の結果を示して安全性を強調。その上で「情報を確認し、早急に輸出ルートを調査する」とした。 茶の輸出手続きを担当する同県経済産業部によると、フランスで検査対象となった茶の最終加工地が「静岡」だった可能性はあるものの、県内では他県産や海外産の茶葉を加工して出荷する場合もあり、茶葉自体がどこで生産されたものかはまだ分からないという。 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、欧州連合(EU)への食品や飼料の輸出には産地証明書が求められているといい、同部は農林水産省や日本貿易振興機構(JETRO)などへの情報収集に追われた。 .
2011.06.17
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「夜のピクニック」 恩田 陸著 新潮社読了。恩田さんは多作家である。恩田作品は何冊かこれまでにも読んでいる。好きな作家である。「夜のピクニック」を読んで思うのは、このひとはやはりジュブナイル作品が似合う、ということだ。面白い作品を書く人である、面白い作品を書く人であることは確かなのだが・・・・・・。ジュブナイル作品が似合う作家であり、その才能があるひとなのだ。朝8時から、翌朝8時まで80kmの距離を歩くと言う高校の行事「歩行祭」。高校三年生の歩行中の会話にのせた思い。「歩行祭」の一晩を描いた物語。
2011.06.14
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「永遠のこどもたち」予告編映画館で観たときもそうだったが、いま、こうしてDVDを借りて来て観ても、傑作ですよ、この作品。いい映画です。単なるホラー映画に分類されるものではありません。観ていない人は是非!
2011.06.13
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「原発と地震―震度7の警告」 新潟日報社特別取材班 講談社読了。2008年度 日本新聞協会賞&日本ジャーナリスト会議・JCJ賞受賞作2007年に起こった中越沖地震。柏崎刈羽原発がすべて停止。設計時の想定を上回る地震に襲われ、広範囲な被害やトラブルが発生・・・・・・・・。歴史は繰り返す。結局、利権が絡んでいるので、まっとうな原発の設計が、対策が出来ていない。事故が起これば終わりだというのに。「今の政治には防災だけに限らず、国民の命を第一に守るという発想はない。三日間は自力で生きてくださいというのが国の防災計画。そんなものは生き延びれたらの話です。問題はいかに死なせないかということなのに、そいう発想はない。思考停止の状態。そういう政治をつくったのは私たちです。きちんと政治を見詰めてこなかった。国民一人一人が自分で思考することからすべて始まる。それしかないんです。」p211 高村薫さんへのインタビュー
2011.06.12
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「殺してもいい命」 秦 健日子著 河出書房新社読了。第2弾まで読んだのだから、最後までと、ブックオフでやはり購入。雪平夏見刑事シリーズ。「殺人ビジネス、始めます」「新規開業につき、最初の三人までは特別価格30万円」 胸にそんな広告文を付けられた死体。死体は雪平の別れた夫。怨恨?との疑いもあるが、第2の殺人が行われ、殺人請負人:フクロウの名がマスコミを、ネットを賑わす。面白い展開のストーリーだが、やはり、ちょっと物足りない。筆力が薄い・・・・というのだろうか。軽く読めていいのだけども。僕はもう少し読み応えが欲しい。
2011.06.08
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「アンフェアな月」 秦 建日子著 河出書房新社読了。「無駄に美人」で、バツイチ、子持ち、大酒のみで、、男勝りのタフさに、検挙率No.1の刑事・雪平夏見シリーズの第2弾。第一弾を読んだのと、BOOKOFFで100円で売っていたので購入(きれいなハードカバーなのに)。軽い内容なので、すぐに読める。この作者のこの第2弾もなんか似ていて、書き方がトリックというか、ひっかけになっている、時間が明確に書いていなければそれは同じ時間軸の物語とは限らない。犯人ともう一人の行動が交差した結果、とらえどころのない犯人像になっている。本格的な推理小説を読みたい人向けではない。かといって、アクション系でも無し。ちょっと、もの足りない。生後三カ月の乳児が誘拐される。しかし、犯人からの電話には具体的な要求がない。乳児の衣類が発見され、付近を捜査した結果、埋められた6体の遺体が発見されるのだが・・・・。
2011.06.07
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