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大企業の製造現場などで派遣労働者を請負労働のように装って働かせる違法な「偽装請負」について厚生労働省は3月1日から,是正方法として派遣への切り替えを認めず,受け入れ企業が労働者を直接雇用するなど指導を転換することを2月27日,厚生労働省需給調整事業課が明らかにしました。偽装請負を告発し,直接雇用を求めてきた労働者の闘いが成果として現われた結果です。 製造業への派遣は,2004年3月解禁。受け入れ企業は1年(3月から3年)を超えると労働者に直接雇用を申し込む義務が生じるため,請負契約を装う偽装請負が横行していました。しかし,これまで厚労省は,偽装請負と認めても直接雇用ではなく,派遣への切り替えや「適正な請負」など企業に都合のいい指導しかしてきませんでした。 厚労省によると,派遣への切り替えは制度定着のため容認してきましたが,3月からは派遣期間が3年となり本格的制度になるため認めません。既に派遣に切り替えたものは指導の対象にはしないといいます。この方針は,偽装請負が大きな社会問題となった昨年8月に決めたもので,企業にはセミナーなどで説明してきたとしています。 需給事業課は「直接雇用に限って指導するわけではないが,派遣への切り替えは認めない」と言明しています。安定雇用を確保するため派遣制限を設けた派遣法の考え方に基づく方針だと述べました。 派遣への切り替えを認めないことは一歩前進だと言えます。今後,直接雇用の指導を徹底すべきで,企業だけでなく,労働者・国民にも方針を文書で明らかにするなど知らせるべきと考えます。 キヤノンなど大手メーカーでは,派遣に切り替えて直接雇用を逃れてきましたが,今後はこういうやり方は認められなくなります。各社は根本的見直しを迫られることになり,労働者が願う安定した雇用を実現する闘いの力となるものです。 厚労省はこれまで直接雇用に背を向けてきました。徳島県のトヨタ系列光洋シーリングテクノでも直接雇用を指導しませんでした。しかし,労働者の闘いと野党の国会論戦で企業を動かして昨年8月,直接雇用を勝ち取りました。 これに押されて厚労省は昨年9月,偽装請負の是正通達を出すなど対策に乗り出さざるをえなくなり,3月からはとうとう直接雇用を指導することになったものです。 ただし,直接雇用といっても,労働者が願う安定した長期雇用になる保障はありません。 「期間工」として直接雇用にした,いすゞ自動車では,わずか2ヶ月の細切れ契約を繰り返し,「いつ雇い止めになるか不安で仕方がない。正社員など安定した雇用にして欲しい」という声が労働者から出ていますのが現実です。 派遣労働は臨時的・一時的なもので,安定雇用を確保するというのが派遣法の考え方です。 「直接雇用の申し込み義務」はそのための仕組みで,柳沢伯夫厚労相も経済財政諮問会議で「必ず長期雇用を申し込まなければならない義務がある」と言明しています。 財界は,御手洗冨士夫経団連会長を先頭にこの申し込み義務の撤廃を求めています。不安定雇用を野放しにし,貧困と格差を一層拡大する横暴は認められません。 大企業に安定した長期雇用を保障する社会的責任を果たさせることが一層求められています。
2007年02月28日
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アメリカ航空宇宙局(NASA)ゴッダード宇宙研究所のジェームズ・ハンセン所長は2月26日,ワシントン市内で記者会見し,二酸化炭素(CO2)削減による温暖化対策の緊急性を改めて強調しました。地球温暖化を1980年代から警告してきたハンセン氏は,個人の資格で会見し,政府研究機関へのブッシュ政権の政治的介入を批判しました。 ハンセン氏は,地球温暖化問題では,研究者が解明してきたことと,国民が知るべきことの間に「大きな溝」があると指摘。その原因として,「民主主義の根本的な前提である,情報を国民に誠実に知らせることが行われていない」と述べました。 同氏は,政府系研究機関で,「科学者の言葉を国民に分かりやすく伝える広報部門のトップが(政権によって)政治任命されている」ことと,連邦議会に報告義務を負う研究者の証言が,ホワイトハウスによって編集され「フィルターにかけられる」問題を指摘。「私の政府機関での30年にわたる研究生活で,いまほど(政治的介入が)深刻な時はない」と述べました。 ハンセン氏は,チェイニー副大統領が米テレビとのインタビュー(2月23日)で地球温暖化の原因が人間の活動によるものかどうか「議論がある」などと述べたことについて,「疑問の余地がない」事実をいまだに認めようとしない「大変がっかりするものだ」と語りました。 ハンセン氏は,温暖化対策は「悲観的な先行きの話ばかりではない。エネルギーの自立的確保,節約,安全保障の面に寄与し,なにより環境・生物の保全につながる」と述べました。 CO2の削減のために,議会が検討すべき課題として,『CO2を獲得・隔離する技術の開発まで,石炭を燃やす火力発電所の新たな建設を一時停止する』,『炭素税の導入』,『カリフォルニア州で採用されているエネルギー効率基準の連邦レベルでの導入』などを政策化するよう提言しました。 日本でも温暖化対策は思うように進んでいません。 世界の科学者たちの知識と見識を集積した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第4次評価報告書第1作業部会の報告書では,地球温暖化は,20世紀半ば以降の温暖化の原因を「人為起源の温室効果ガスの増加」とほぼ断定しています。 温暖化が「人為起源」,つまり人間の営みによるものだということは,裏返せば,温暖化防止の鍵を握るのは人間の行動だということが言えます。 日本では京都議定書で決められた削減目標実現のめどがたっていないばかりか,むしろ増加しています。排出量の80%を占める事業所や官庁の責任は重大です。 特に,産業界に対しては「重要な社会的使命」として温室効果ガスの低減とそのための投資が求められます。 政治的パフォーマンスではなく,政府や自治体の積極的な行動を求められます。 また,産業界や政府は日本を「低炭素社会」に変えていくための具体的な行動が緊急課題として求められています。
2007年02月28日
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最新鋭の原子力空母ロナルド・レーガン。アメリカ海軍は長崎県佐世保入港の前日の2月23日,佐世保沖で日本の報道陣に初公開しました。 「ここは世界一危険な場所だ」。ロナルド・レーガンの飛行甲板の上に立つと,説明にあたったパイロットの言葉にうなずけます。全長333メートルの甲板から,ほぼ1分おきに空中に飛び立つ数十機の艦載機。そのたびに爆音と熱風とジェット燃料のにおいが充満します。静止状態から時速数百キロに加速するまでは約50メートル,5秒とかかりません。 艦載機は機体後部のカギ状の着艦装置で,甲板上の3本のワイヤのどれかを引っ掛けて停止します。高度な技能を要するため,飛行士は事前の離着陸訓練による資格取得が義務付けられています。空母艦載機が常駐するアメリカ海軍厚木基地(神奈川県)の周辺住民は,この訓練の爆音に苦しめられているのです。 イラク軍事作戦などに参加し,昨年7月末にアメリカ本土に帰還した同空母は5ヶ月後の今年1月,日本など西太平洋地域への展開を命ぜられました。次の航海までの間隔は通常,6ヶ月,7ヶ月が同空母は5ヶ月です。アメリカ海軍は今回の展開を「サージ・デプロイメント(急派)」と呼んでいます。ロナルド・レーガン空母打撃群のマートグリオ司令官は「部隊の柔軟性と即応性を示したものだ」と強調しました。 「共同交戦能力」(CEC)と呼ばれる最新鋭の戦闘指揮システムも公開されました。クラフト艦長は「空母,空母艦載機,空母に随伴する護衛艦のそれぞれの情報を瞬時に共有できる」システムだと説明します。同艦長は,2008年に横須賀に配備が計画されている原子力空母ジョージ・ワシントンには,さらに改良されたCECが搭載されていることを明らかにしました。 「最新鋭」ぶりを誇示するロナルド・レーガン。20階建てビルの高さに匹敵するアメリカ空母の姿を目にするたび,「この巨大な力はいったい何のためなのか」と強い疑問をいだきます。 ブッシュ政権の先制攻撃戦争で空母打撃群は決定的な役割を果たしました。イラクでもアフガニスタンでも情勢は泥沼化し,軍事力で「テロとのたたかい」に勝利できないことは明らかになっています。北朝鮮の核開発問題も6ヶ国協議での外交的解決の道が開かれつつあります。 「西太平洋への展開は同盟国へのアメリカの目に見える関与を示したものだ」と語るマートグリオ司令官。 しかし今後も巨大な軍事力を展開し,日本国民が基地の負担を負わされつづける必要性は「目に見える形」では示されていません。
2007年02月28日
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俳優座9条の会,みなと・9条の会(東京・港区)が2月26日夜,都内で「平和憲法を守る一点で手をつなごう」と呼びかける集会を開催しました。補助席も出す,会場いっぱいの380人が参加し,開場前から100人の行列ができるほどでした。 俳優座9条の会呼びかけ人のひとり,俳優の加藤剛さんが,「理想という言葉が否定的に使われるのは恐ろしいこと」と指摘し,戦わない平和憲法を選択した日本国民の先進的役割を述べました。 詩人・作家の辻井喬さんは講演「憲法の不思議」で,理想をかかげ,それに近づく努力をすることを訴えた南原繁と吉田茂首相との論争も紹介しながら,敵を味方にする運動をと訴えました。 劇作家のジェームス三木さん(みなと・9条の会会長)は「どんな理想をかかげるかは,文化の原点だ」と挨拶し,憲法という理想を日本国民がもっていることを強調しました。 1月下旬から土曜,日曜を使って練習を積み重ねてきたという群読「日本国憲法」(吉原公一郎脚本,内田透構成・演出)には,俳優座,劇団民芸の俳優のほか,港区民も参加しました。侵略戦争で上官の命令で殺してしまった老人と孫との会話を演じた芝居から始まって,日本国憲法前文と九条の迫力ある群読へ移行しました。 地元の人たちによる「ねがい」,「私をほめてください」の合唱,女優の岩崎加根子さんらの小川未明作「野ばら」朗読,ラディッシュ・マス・クワイヤーのゴスペル「アメージンググレイス」など,反戦の思いを強く訴える集会となりました。 俳優の加藤剛さんが言うように,憲法9条を理想を否定的に考えるのは恐ろしいことです。理想だから軽視して良いのか。私自身,理想だからそれに向けて努力をし続ける必要があると考えます。 日本国憲法の前文で,『日本国民は,恒久の平和を念願し,人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて,平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して,われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは,平和を維持し,専制と隷従,圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において,名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは,全世界の国民が,ひとしく恐怖と欠乏から免かれ,平和のうちに生存する権利を有することを確認する。』とあります。 先の戦争の反省から,この現日本国憲法を制定するにあたり,日本国民が決意した平和を維持していく確認をしたのです。 日本国憲法で日本の目指す国家像が示されている以上,それを安易に変えてしまう改憲派の企みに騙されることなく,国民が憲法に興味を持ってもらい,憲法9条の価値も含めて理解してもらいたいと思います。 現在全国に「九条の会」は6,200近くあります。皆さんの近くにもあると思います。 機会があれば,「九条の会」の勉強会や講演会などに参加して,憲法9条はもちろんこのと,日本国憲法についても学んで欲しいと思います。
2007年02月27日
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政務調査費の不適切使用で6人全員が辞職した東京都目黒区の公明党議員団。2005年度の不適切使用分は返納したものの,同じ手法で受け取った2004年度,2003年度分はいまだに,沈黙を決め込んでいます。 公明党議員団(当時)が事態発覚後の昨年11月,自ら「間違えて収支報告書に記載」したとして削除し返納したのは,私有車の車検整備費やカーナビ代など,225項目の約773万円。2005年度に同議員団が受け取っていた約1,220万円の調査費の63%にのぼります。 特に目立つのは「広報紙発行費」。4月,7月,10月の3回に分け,1議員20万円ずつ,合計18回360万円受け取っていましたが,不適切な受給として全額返納しました。議員団は議会事務局に口頭で,編集会議,印刷や配布費用と説明していますが,同「発行費」とは別に,広報紙編集用の会場使用料,印刷代,ポスティング(配布)費用として110万円余を計上しています。 「広報紙発行費」を証明する資料として提出していたのは1枚20万円ずつの「領収証」18枚だけ。配ったはずの広報紙も添付されていなかったといいます。「領収証」の書式はすべて同じで,発行元(金の受取者)は各議員の名前をつけた「◯◯区議会通信」「▽▽区議会宅急便」などの各発行委員会で,宛て先はいずれも公明党目黒区議団。発行委員会なるものの住所も記載されていません。 「自分が自分に出したようなもので,領収証の体をなしていない」と言うのは立正大教授で税理士の浦野広明氏。「この領収証はいわば仮払い。印刷費など内訳を明示して精算しなければ意味をなさない。これでは,本当に広報紙を出したのかと疑われても仕方なく,“裏金”づくりの手法にもつながるという疑惑すら招きかねない」と指摘します。 同公明党議員団は2004四年度と2003年度にも同じ方法で「広報紙発行費」を60万円ずつ受け取っていますが,返納したのは,問題が表面化した2005年度分だけです。 それも辞任届と同様,「郵便で通知し,振り込まれた」(議会事務局)もので,議会など公的な場所に顔を見せていません。前議員のなかには辞任直後に転居したという例もあり,事実上の“雲隠れ”状態。議員団室の荷物も,今年2月の日曜日に整理に来るまでそのままになっていたといいます。 実際,広報紙の現物を添付すべきといった議論は,区議会内でも繰り返しされており,公明党が知らなかったはずはありません。過去にも遡って点検し,まず区民と区議会への説明責任を果たすことが議員として,そして政党として求められます。 国民に負担増と増税を押し付けた公明党がこれでは,国民が納得いくはずもありません。政治家・政党としてきちんと説明責任を果たすことを期待します。
2007年02月27日
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ノルウェーのオスロで開かれていたクラスター爆弾禁止条約づくりをめざす国際会議が,2008年末までに条約を締結することをもりこんだ宣言を採択し,閉幕しました。クラスター爆弾の使用禁止のための努力を強めるドイツやベルギーなど25ヶ国と関心をもつ諸国合わせて49ヶ国,国際人道諸団体が参加しました。オスロ宣言をはずみにして,クラスター爆弾の全面禁止につなげていくことが求められます。 クラスター爆弾は,親爆弾から放出されるたくさんの子爆弾が広い範囲に飛び散って爆発し,滑走路を穴だらけにして使用を不能にしたり,建物や車両を破壊したりする兵器です。不発弾になる率も高く,地雷化した子爆弾をにぎりしめたり,ひもを引けば爆発するようになっています。投下後地上に残存した子爆弾が罪のない民間人,とくに多くの子どもの命を奪い,後遺症で苦しめています。 アメリカ軍は,コソボに続きイラクやアフガニスタンなどでも多用しています。イスラエル軍もレバノンで使用しています。自国内ではなく,他国を侵略するなかで使用しているのが実態です。軍事的効率を優先して,罪のない民間人を殺傷するのは国際人道法にも違反するものです。到底許されることではありません。 多くの国際人道団体や国連機関からクラスター爆弾の使用に批判が強まっているのは当然です。このため,特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)の締約国(2月現在102ヶ国)会議も,クラスター爆弾をどうするか議論をするようになってきました。しかし,使用禁止を議論の論点にしていません。戦争で多用するアメリカなどが温存を押し付けているからです。 今回,ノルウェー政府がオスロ国際会議を呼びかけたのも,CCW締約国会議に任せておいてはいつまでもクラスター爆弾を禁止できないからです。 参加49ヶ国のうち46ヶ国が賛成して,来年末までに禁止条約をつくることに合意したことは極めて重要です。 同じ非人道的兵器の対人地雷の禁止では,アメリカなどが渋ったものの1997年の約100ヶ国と国際人道団体が集まったオスロ国際会議が条約草案をつくったことがはずみになって対人地雷禁止条約づくりを促進,発効させた経験があります。 各国が宣言にそって外交努力を強めるとともに,会議不参加のアメリカなどを含めCCW締約国会議がオスロ宣言を積極的に受け止め全面禁止に向けた議論を本格化させることが重要です。 日本は会議に参加しながらポーランド,ルーマニアとともにオスロ宣言に反対しました。当初日本は招待国に含まれていなかったため,希望をだして参加に至った経緯があります。にもかかわらず,クラスター爆弾に固執する態度をとったことは重大です。 坂場外務報道官は「安全保障上必要」,「人道上だけを優先して賛成だとストレートに行きにくい」(2月22日)とまで述べています。 憲法九条をもつ国として,非人道的兵器禁止の先頭に立つことこそ日本の国際的責務です。政府は,全面禁止を目指すとともに,その第一歩として自衛隊が持つクラスター爆弾の使用をすべて禁止すべきです。【参考】クラスター爆弾 地上到達前に親爆弾が分裂して数百発の子爆弾を周辺にまき散らす爆弾。40%程度が不発のまま残るといいます。不発弾は地雷と同じ効果をもち,戦闘終了後も触れると爆発して中の金属片が飛び出します。このため犠牲者が後を絶ちません。
2007年02月27日
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国民的な原水爆禁止運動の契機となった「3・1ビキニデー」が近づきました。1954年3月1日,マーシャル諸島ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験による第五福竜丸の被災と,同年秋の久保山愛吉さんの死は,広島・長崎の惨禍についで,国民に核兵器の脅威を衝撃的に伝えました。 日本から世界へ,大きくひろがった反核の世論と運動は,核破局の危険を押さえ込み,核兵器全面禁止・廃絶を世界の声にしてきました。しかし,この実現には,なお大きな努力が求められています。 核超大国アメリカは,いまも人類を何度も絶滅させるほどの核兵器を持ち,さらに近代化や通常兵器との一体化戦略をすすめ,核兵器使用の新たな危険をつくりだしています。核拡散の懸念もひろがっています。 新たな核保有国の出現を許さないこと,拡散問題の平和的解決を,世界は一致して求めています。大量破壊兵器疑惑をでっち上げてイラク戦争を強行し,いま泥沼状況に陥っているブッシュ政権も,この流れに従わざるをえません。北朝鮮問題をめぐる6ヶ国協議は,朝鮮半島非核化へ,具体的な一歩を踏みだしました。すべての関係国による,合意の完全な実行が求められています。 同時に注目すべきことは,拡散への懸念が強まるなかで,いまこそ核兵器の廃絶を,という声がひろがっていることです。 昨年12月の国連総会では,核保有国も同意した核兵器廃絶の「明確な約束」の実行を求める決議が,157ヶ国の賛成で採択されました。一方,アメリカは,たとえ一国だけでも核軍縮決議にことごとく反対し,世界の流れからの孤立と逆行をますます際立たせています。 自らの危険な核政策をよそに,力によって拡散問題に対処するやり方は,批判にさらされています。 かつて国連のイラク大量破壊兵器査察の責任者を務めたブリクス氏は,昨年,世界の有識者とともにまとめた,核保有国に核兵器廃絶への具体的行動を求める報告書を手に,精力的に世界を歩いています。 アメリカ国内でも,キッシンジャー元国務長官など核戦略推進の中心にいた人びとが「核兵器のない世界」のための提言をおこない注目されました。核兵器廃絶への「本格的な取り組みがアメリカによって開始されるべきである」と主張するとともに,それは拡散問題解決の取り組みに力を添えると述べています。このような時,孤立するブッシュ政権に対する異様な支持をあらわにしているのが日本政府です。安倍政権は北朝鮮問題を口実に「核の傘」の必要を強調しても,被爆国としてアメリカに核兵器廃絶を迫ることは全くありません。アメリカ軍のイラク増派を多くの同盟国が批判するなか増派を即座に支持し自衛隊の派遣も継続するとしています。在日米軍基地再編強化や「ミサイル防衛」態勢など,日本をアメリカの先制攻撃戦略に一層深く組み込み,憲法改悪をあくまでも進める構えです。 各地で,北朝鮮問題への関心から強い共感が寄せられている「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名をはじめ,日本の反核平和運動の前進が世界からも期待されています。 北東アジアの非核平和が,これまでにもまして切実に求められています。韓国,中国,アメリカの代表などを招いて開催されることしのビキニデー集会は,核兵器のない平和な世界とアジア,日本のための交流と連帯の場となるでしょう。 被爆国の国民として,悲惨な過ちを繰り返さないために,これまで以上に国民として非核を政府に実現するためにも,「ビキニデー」の意義を国民自身が再認識して欲しいと強く願います。
2007年02月26日
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公明新聞2月21日付の「編集メモ」は,「“実績ねつ造”の共産党」などと,東京で子どもの医療費無料化拡充の実現に都民とともに取り組む日本共産党を,事実をねじ曲げて攻撃しています。 「編集メモ」は,日本共産党が2006年9月議会で中学3年生までの医療費無料化の条例を提案したことに対し,「それで福祉が前進するなら,各会派も条例案を出すだけで実績になる」と難癖をつけています。 しかし,公明党が子どもの医療費助成の拡充を本気で望むなら,なぜ自民,民主両党とともに,この条例案に反対し,否決したのでしょうか。 公明党は,2006年11月の都議会厚生委員会で新日本婦人の会都本部が提出した子どもの医療費助成の対象年齢を中学3年生まで拡大することを求める陳情にも,自民党,民主党,生活者ネットとともに反対し,切実な都民要求に背を向けました。 「形ばかりの条例案の提出」などというのは,都民要求に背を向けてきたことをごまかすための悪ばにほかなりません。 「編集メモ」は,日本共産党に対し,都が中学3年生までの医療費助成を検討していることを知っていながら,「実績の“アリバイづくり”」のために条例提案したかのように攻撃しています。 しかし調べてみると,都が「具体的な検討に着手している」と日本共産等,自民党,公明党の各党に答弁したのは,2006年9月26日の都議会本会議です。日本共産党都議団は,それより2週間近く前の9月13日の議会運営委員会に条例案を提出し,記者会見で公表しています。この点でも,事実をねつ造しているのは公明新聞の方です。 「編集メモ」は,都の中学3年生までの医療費助成について,昨年6月に自民党,公明党両党が石原知事に申し入れ,検討が始まったといいますが,このとき,日本共産党も申し入れています。 日本共産党は,中学三年生までの医療費無料化について,2004年9月都議会以来,乳幼児医療費助成の所得制限撤廃とともにくり返し提案。2006年6月議会では,かち佳代子都議が文書質問で「小学生や中学生の医療費無料化,乳幼児医療費助成制度の所得制限撤廃」を要求しましたが,都は「考えていない」との姿勢でした。そこで日本共産党都議団は,議会の力を発揮して都を動かすため,同条例案を行革110番,自治市民,市民の党の三会派と共同提案したのです。 そもそも,東京の子どもの医療費無料化を求める運動は1968年に始まり,政党としては日本共産党が初めて議会で提案。1988年3月以降,1989年まで4回にわたって都議会で条例を提案しましたが,「単なるスタンドプレー」などと非難し,否決し続けたのが公明党でした。 都民運動と世論の広がりのなかで,自民党,公明党両党も反対の態度を変え,1994年1月から3歳未満の乳幼児の医療費無料化が実現したのです。 子どもの医療費無料化を求めて,長年にわたって都民とともに運動してきた日本共産党に対して,「実績のねつ造」などと攻撃するのは,石原慎太郎都知事と一体となって福祉を切り捨て,都民要求に背を向けてきた同党の姿をおおい隠そうとするものでしかありません。 政党が議会で何を発言し何をやっているかは,調べれば分かるものです。それにもかかわらず,国民や支持者に対して自分のやっていることの言い訳を,他党にせいにするのは如何なものかと思います。 逆も然りです。他党や他の人の実績を自分たちの実績かの様に言うことも如何なものかと思います。さんざん反対していたにもかかわらず,世論や情勢が不利になると,賛成する側に回って,自分の実績だと機関紙や選挙でアピールすることがしばしば見受けられます。 特に,公明党は日本共産党を「目の敵」にしているように感じますが,調べてみても特別な理由もないので,不思議に思わずにはいられません。 個人的な意見ですが,公明党が政党として,ポリシーがふらふらして定まっていないので,それを日本共産党に指摘されるので,不快に思っているのではないのでしょうか。 今は情報社会である以上,調べれば何でも調べることができます。そういう意味で,政党や議員が議会でどんな法案を提出しているのか,どんな法案に反対をしているのか,国民は容易に知ることができることを,政治家そして政党は認識すべきです。 誤った情報を発信することは,最終的には自分たちに不利益になるものです。また,政治家や政党が誤った情報を発信することは,党員や支持者,有権者を騙すことでもあります。 それが政治不信になる以上,政治家は真実を伝える責任があることも忘れないで欲しいものです。
2007年02月25日
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2月23日の衆院予算委員会で,野党議員は,財界の要求に従って行われた労働法制の規制緩和をただし,キヤノンなどで続発する偽装請負を是正するよう求め,非正規社員を正社員化する具体策を要求しました。 政府は「景気が回復した」というのに,国民に実感がないのはなぜか。衆議院予算委員会で示されたのは,大企業が空前の利益をあげる一方,労働者の所得が100万円近くも落ち込んでいる現実です(グラフ)。大企業の経常利益は,バブル期よりも10兆円も増加しています。 労働者の減収は,正社員の半分から七割程度といわれている非正規社員の増加によるものだと批判し,安倍晋三首相の認識をただしました。 安倍首相は非正規雇用の増大は「働く側と企業のさまざまなニーズの結果」などと述べ,正面からの答弁を避けました。 しかし,内閣府の「ミニ経済白書」も「企業内で非正規雇用者比率が高まることは平均賃金水準を押し下げることになる」と認めています。 大企業が利益をあげるために,人間をモノ扱いする企業の側に責任があるのは当然。同時にそれを後押しした政府にも大きな責任があります。 衆議院予算委員会では,野党議員が1985年の労働者派遣法の制定から,労働法制を次々緩和して非正規雇用が増大してきた流れを示し,柳沢伯夫厚生労働相に「非正規雇用を増大させてきたことへの反省があるのか」とただしました。 柳沢厚労相は,労働法制によって非正規労働者が「なだらかに増加」したと述べ,増加は認めましたが,非正規労働者が増加したことへの反省の態度は示しませんでした。 『なだらかだ』と言い訳しても,政府の政策で増えてきたことは明らかで,政府に責任があります。 「経済財政白書」(2006年版)でも若年層の「ほとんどが正規雇用に変わりたいと希望している」としていることを示しています。政府の規制緩和によって,若者の正規雇用への道が閉ざされていることへの対策が必要です。 昨年10月,安倍首相は,「ワーキングプアといわれている若い方々が,非正規雇用から正規雇用に移っていく可能性をもっと拡大をしていく環境をつくらなければならない」と国会で答弁しています。 衆議院予算委員会では安部首相は,この答弁どおり,請負や派遣労働者が正規雇用に移れるように,企業や財界にどのような指導をしたのかを問われました。 安倍首相は,「正社員を増やせというようなことを民間企業に指示・命令することはできない」と述べ,政府として,実際にはまともな指導をしていないことが明らかになりました。 日本経団連の会長の御手洗冨士夫氏が会長をつとめるキヤノンでは,「請負や派遣労働者を正社員化する方針」と報道されたにもかかわらず,実際には,「請負から派遣,そして請負,そしてまた派遣契約にと,ころころと契約形態を変えられ」,正社員の中途採用試験をキヤノンの派遣,請負社員は受けられないと求人広告に明記されていました。(2月22日の公聴会での証言) 「いっていることとやっていることが全然違う」と迫った野党議員に対し,安倍首相は,「個々の企業についていうのは差し控える」などと述べ,御手洗氏が「働き方の改善については理解していると思う」などとかばいました。 野党議員は,「そんなこともできないで,何が『再チャレンジ』か」と批判。総理がかばうことで,御手洗氏が経済財政諮問会議で,偽装請負の合法化や,正社員化の申し入れ義務がある派遣法の改悪,ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の除外制度)の早期成立など,いいたい放題になっていると指摘し,これでは経済財政諮問会議が「財界の指令塔」とよばれても仕方がないと批判しました。 自民党・公明党連立与党そして安部内閣が違法な偽装請負を続ける日本経団連の会長企業,キヤノンをかばい続ける裏には,政治献金をてことした財界による政党の政策買収があることは明らかです。 日本経団連は政党にAからEまでの5段階で「通信簿」をつけ,その「通信簿」でいい点をとった政党に,企業献金を集中するよう呼びかけています。いわば,経団連の言いなりになる政党に献金せよということで,まさに『通信簿方式』による『政策買収』というべきものです。自民党の「通信簿」のA評価が,2004年3個,2005年4個と評価が上がるほど献金が増えている事実がこれを裏付けています。 この仕組み,癒着を断ち切る意思は安部首相にはないようです。 衆議院予算委員会でも,安部首相は「政策を評価しているのは経団連が独自にしていること。国民のためになる政策を考えて,その結果として経団連が評価し,献金をしている」と「通信簿方式」による「政策買収」を合理化する開き直りをしました。 今の自民党・公明党連立与党政権は,御手洗会長に一言も言えない状態で献金をもらい,そして政策そのものも経団連言いなりのものを実行する政治です。 日本の働く人々のためにも,経済,政治のためにも,このような経団連の政治支配を一刻も早く脱却すべき事態にあることを国民は改めて認識する必要があります。 そのためにも,このブログで何度も申し上げているように,国民が必ず選挙に行くこと,そしてマスメディアや報道,選挙演説などに踊らされず,先入観や偏見を持たず,本当の意味で「国民のための政治」を実現する候補者や政党に票を投じることが重要なのです。
2007年02月24日
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公明新聞2月23日付は,「『増税戦犯』は共産党が意図的につくり出した笑止千万のデマ」などという「編集メモ」を掲載しました。 「増税戦犯」という指摘は,一般紙が言い出した言葉です。東京新聞(2004年12月16日付)は,2005年度予算での税制協議で「協議をぶちこわしたと自民党から宣伝される」ことより,「増税の戦犯となる」ことを選んだてん末を紹介しました。その記事でも,「うちが言いだしっぺだから」(公明党メンバー)と発言しているように,自ら自覚していた「増税戦犯」を,いまさら「デマ宣伝」といっても選挙目当ての言い訳にすぎません。 公明党は2003年総選挙での「マニフェスト」(政権公約)で「基礎年金の国庫負担割合の段階的引き上げ」を「理由」に,「所得税の定率減税及び年金課税の見直し」を掲げ,定率減税の廃止という増税と年金増税を提案したのです。総選挙後,自民党も公明党に同調して,与党の「税制改正大綱」に盛り込まれ,翌年の国会には増税法案提出に至りました。 2004年の国会では年金生活者への課税を緩和する「公的年金等控除」縮小,「老年者控除」の廃止が決められ,年金は1円も増えないのに税金だけが増えることになりました。 2005年には「住民税の高齢者の非課税措置」(所得が125万円以下)を廃止。また,所得税・住民税の定率減税を半減。2006年には全廃しました。 昨年6月,多くの高齢者が納税通知書をみて驚いたのは,2004年のふたつの年金課税が実施されたからです。しかも,住民税額と連動して決められる国民健康保険料や介護保険料もこれらの増税によって連動して増額。「雪だるま増税」という事態を引き起こし,庶民の悲鳴につながったのです。 公明党は,こうした大増税路線を政党として一番初めに言いだしたのですから,「増税戦犯」といわれるのは当然です。 「編集メモ」は,こうした「増税戦犯」ぶりを反省するどころか,「定率減税をただ廃止するのではなく国民に還元する道筋をつけた」と居直っています。 しかし,増税の方はすべて実施されたのに,「国民への還元」と主張する基礎年金の国庫負担は2007年度予算案を含めてもまだ5,000億円しか増えていません。「不足」は消費税増税でという議論さえ強まりを見せています。 「編集メモ」は,庶民増税に一貫して反対してきた日本共産党に対し,「最後まで定率減税法案に大反対した」などと「難クセ」をつけています。しかし,定率減税は定額方式という特別減税に代わるものとして導入されましたが,定額方式に比べると,中低所得者では逆に増税になる仕組みでした。 しかも,所得税の最高税率引き下げという金持ち減税と大企業優遇の法人税減税と抱き合わせでした。これが,日本共産党が反対した理由のようです。 逆に,定率減税の方は廃止しておきながら,自民党と一緒になって,企業減税・金持ち減税はそのまま温存する今の公明党の姿勢こそ大問題です。 真実を伝えるべき政党の機関紙が,党員や支持者に対して,自らの過ちを正すどころか,責任逃れすることに疑問を感じます。党員や支持者も実際の暮らしのなかで,自分たちの暮らしがいっこうに良くならないことに疑問を感じないのでしょうか。 事実を捻じ曲げても,いつかは明らかになることで,公明党も連立与党の政党として,他人に責任を押し付けるのではなく,自らの行動に責任ある政治をやってもらいたいものです。
2007年02月24日
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日銀が2月21日,追加利上げに踏み切りました。 量的緩和やゼロ金利という歴史に類例のない金融政策は解除されましたが,1990年代半ば以降の異常な超低金利は解消されていません。 その是正は必要です。しかし,利上げをめぐる政府・与党と日銀の議論は,暮らしを脇に追いやった自分勝手な主張に終始しています。 日銀の福井総裁は記者会見で,個人消費の「着実な増加を想定しているのが日銀の標準的なシナリオ」であり,それを「突き崩すものはなかった」と述べています。 日銀の「標準的なシナリオ」とは,企業収益が高水準を続ければ,いずれ家計に波及するという議論です。 この議論は,1990年代後半には「ダム論」と呼ばれました。日銀が企業収益をダムの水位に例えて,水位が上がれば下流(家計)に流れ出すと主張したからです。実際には,大企業はリストラ・人減らしで家計の所得から吸い上げて収益を増やしていました。家計は潤うどころか低迷し続け,政府の「ミニ経済白書」(2000年)さえダム論を否定せざるを得ませんでした。 小泉,安倍両内閣の「構造改革」のもとで,事態はさらに悪化しています。1人当たりの賃金が減り,いくら働いても貧困から抜け出せないワーキングプアが広がり誰にも起こりうるほど深刻になっています。多数の国民の貧困を糧に大企業が空前の利益を上げているのが実態です。 破たん済みのシナリオにしがみつく日銀の議論からは,暮らしの痛みへの認識が完全に欠落しています。 政府・与党の側は,政策金利の引き上げに対して大田弘子経済財政相が個人消費の弱さを改めて強調し,2月21日の日銀の金融政策決定会合に出席した内閣府の代表は「利上げを急ぐ局面ではない」と発言しました。 前回の金融政策決定会合に際し,自民党の中川秀直幹事長は「与党は政策変更が必要だと言えるほど景気が良くなったとは考えていない」と日銀をけん制しています。 他方で定率減税の廃止について,安倍首相は「経済状況の改善を踏まえて半減・廃止した」と開会中の国会で説明しています。 大企業・大銀行や株式市場を応援する超低金利を続けさせるためには「景気は良くない」と言い,庶民増税を強行するためには「景気は良くなった」と言う「ご都合主義」です。 政府・日銀,とりわけ安倍内閣と自民党・公明党連立与党の認識には,命を削って働く母子家庭の母親と子ども,障害者や若者,負担増にあえぐ高齢者らの痛みは存在しないも同然です。 金利の上げ下げだけではなく,こうした安倍内閣の経済政策の歪みそのものを,大もとから転換する必要があります。 長期にわたった金利低下の間に,大銀行は定期預金の金利を1/200に下げる一方で,住宅ローンの固定金利は1/3強にしか下げませんでした。ところが大銀行は,昨年3月の量的緩和の解除以降,住宅ローン(2年固定)の金利は0.7%程度引き上げたのに,定期金利は0.2%程度しか上げていません。 大銀行はゼロ金利のとき,中小企業には貸しはがしと貸出金利の引き上げで「金融引き締め」を押し付け,利上げの局面ではさらに貸出金利の引き上げをすすめています。 利上げに伴う大銀行の身勝手な行動には厳しい監視が必要です。
2007年02月23日
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ブレア英首相は2月21日,下院議会で声明を出し,イラク南部に駐留する英軍部隊を数カ月以内に1,600人削減すると発表しました。 この削減は第一次で,現在7,100人の英軍部隊を夏以降に5,000人以下まで削減する方針です。 アメリカ軍に次ぐ規模の部隊をイラクに駐留させていたイギリス軍部隊が段階的に撤退することで,部隊増強までしたアメリカのブッシュ政権の孤立ぶりが浮きぼりになりました。 そんな中,安倍晋三首相は2月21日夜,首相官邸で来日中のアメリカのチェイニー副大統領と会談しました。首相は副大統領に対し「イラク復興と安定化に向けたアメリカの努力を支持する」と述べ,ブッシュ米政権のイラク政策への支持を改めて表明。「航空自衛隊の活動や政府開発援助(ODA)を通じてイラクを支える」として,空自の派兵継続の考えを伝えました。 安部首相は「日米同盟は揺るぎない関係だ」と指摘するとともに,「在日米軍再編の着実な実施や弾道ミサイル防衛協力の加速化が必要だ」と強調。副大統領は「アメリカは日本の安全保障に揺るぎない決意を持っており,その決意を改めて表明する」と応じ,「イラク,アフガニスタン,広くテロとのたたかいをめぐる日本の貢献に感謝したい」と述べました。 北朝鮮問題では,両氏は「6ヶ国協議は正しい方向に向けて一歩を踏み出した。日米間の連携が極めて重要だ」との認識で一致。首相が「拉致問題の解決は日本として重要だ」と述べたのに対し,副大統領は「拉致された人々の悲劇の解決が(日米)共通の課題だ」と答えました。 この日,副大統領は塩崎恭久官房長官,麻生太郎外相とも会談。しかし,イラク戦争開戦の判断を「間違っていた」と批判した久間章生防衛相とは会わず,「イラクなどでの日本の貢献のお礼に来たのなら,防衛相と会うのが自然だった」(防衛省幹部)との声も上がりました。 イラクでの航空自衛隊の実態がなかなか見えてきません。政府は,輸送回数とトン数のみ公表していますが,問題はその中身です。人間なのか,車両なのか,物資なのか明らかにすべきです。国民の税金を使って,自衛隊をイラクへ送っているのである以上,国民に詳細を公表すべきで,輸送回数とトン数だけ公表しても何の意味がありません。 世界ではイラクから次々と撤退している中で,日本政府が改めて航空自衛隊の派兵継続を表明したことは,世界から見れば異常なことです。こんな異常なことを続けるのであれば,国民にきちんと説明をすべきなのに,詳細も公表せず,国民の税金だけを使うことは決して許されません。
2007年02月22日
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内閣府政府広報室が行っている政府広報の公益法人との契約がほとんど随意契約で,比較のための複数の見積もりをまったく取っていなかったことが,2月21日の衆院内閣委員会で明らかになりました。野党議員の質問に,内閣府政府広報室の高井康行室長が1件もないことを認めたものです。 国の契約などを規定する予算決算及び会計令(予決令)は随意契約の場合,「なるべく複数者から見積もりを集めなければならない」と定めています。野党議員は「他から見積もりを取っていないなら金額が妥当かどうか判断できない」と批判しました。 広報室は政府広報を民間企業や公益法人と契約しています。「やらせ」で問題になったタウンミーティングもこの中のひとつ。 広報室の資料によると,公益法人との契約は2004年,2005年の2年間で72件で,受注していたのは7法人でした。ほとんどが随意契約で,一般競争入札で発注が行われたのは11件にとどまっています。この11件でも,入札参加者は落札者だけか2者だけとなっています。 野党議員は,政府広報を受注していたすべての公益法人に,高級官僚が天下りしていると指摘。一般競争の形はとりながら随意契約とかわらないのは「所管官庁と癒着しているからだ」と批判,改善を求めました。 塩崎恭久官房長官は現状について「決して適切とは思わない。来年度からは一般競争入札を原則とし,中身も含めて精査しなければならない」と,改める考えを示しました。 政府広報予算は,民間企業発注分も合わせ,2006年度約97億1,000万円。2007年度予算案は,約91億6,000万円となっています。 変な話です。「決して適切だと思わない」と思っているのであれば,なぜ随意契約をするのか。100億円近いお金を言われるがまま払ってきた政府の金銭感覚に疑問を感じます。 国民には「国家財政が厳しい」と言わんばかりに,負担増や増税を押し付け,医療や福祉・教育の予算は軒並み削る政府が,随意契約で税金を無駄に使っていること自体,国民の理解を得られるものではありません。 「政治とカネ」の問題でもそうですが,国民の税金を使って私利私欲を肥やす政党・政治家を国民は決して許してはいけません。 税金は国民の意思に関係なく取られるのに,政党や政治家は国民の税金を恣意的に使うのではなく,国民の暮らしのために役立てることを最優先に考えて欲しいものです・
2007年02月21日
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家賃がただの国会の議員会館に政治団体の「主たる事務所」を置きながら,巨額の「事務所費」を政治資金収支報告に計上していた問題が,マスコミ各紙の報道をきっかけに大きな問題になって2ヶ月近くになります。巨額の「事務所費」は何に使われたのか,虚偽報告ではないのかと疑惑を抱かれているのに,解明はすすんでいません。 とりわけ見過ごせないのは,伊吹文明文部科学相や松岡利勝農林水産相が,現職閣僚であるにもかかわらず,国会で追及されても「違法なことはやってない」と,疑惑解明に背を向け続けていることです。 国民から選ばれた政治家である以上,自らにかけられた疑惑は,自ら解明するのが当然の責務です。とりわけ現職閣僚という権力の座にある政治家が,自らにかけられた疑惑を解明するどころか,“違法でなければなにをやってもいい”といわんばかりの態度をとり続けるのは,法律をタテにした居直り・開き直り以外のなにものでもありません。 2005年の1年間だけ見ても,伊吹文科相は4,146万円,松岡農水相は3,359万円もの事務所費を計上しています。政治資金収支報告書で,事務所費は「家賃,火災保険金,電話代,切手代,その他事務所の維持に通常必要なもの」とされ,その細目の報告や領収書の添付は必要でないとされているため,内訳は不明です。疑惑をかけられた現職閣僚は,2人だけです。 法が定める通り,使途が限定された事務所費ならば,1,000万円を超えるような巨額になること自体,不自然極まりないことです。しかも伊吹,松岡両氏に解明が求められている疑惑は,金額がずば抜けて大きいというだけでなく,これまでの2人の説明では何に使われたのかという疑惑が一層深まるものです。 伊吹文科相が1月初めマスコミ各紙などで報道されたあと大慌てでおこなった記者会見では,本来事務所費に計上することがふさわしくない会食費なども計上したと本人が明かしました。松岡農水相も,直前に事務所費の不正流用で辞任した佐田前行革担当相を意識してか「架空のものや付け替えはない」と釈明しましたが,今日に至るまでその根拠は全く示されていません。 「違法なことはやっていない」と逃げおおせるものではありません。 伊吹,松岡両氏は,事務所費への経費の計上について,「いちいち総務省と相談したうえでやった」といいますが,これもまやかしです。政治資金収支報告書を受理する総務省政治資金課は,「実質的な審査といいますか,内容にかかわる調査なり判断なりを行うまでの権限はない」(1月15日,松田隆利事務次官)というように,政治団体が提出した報告書を受理し,公表するだけの権限しかもっていません。国のお墨付きを得たようにいう両大臣の弁明は,全く根拠を欠いています。 伊吹,松岡両氏は,「違法なことはやっていない」と,法律をタテに逃げ込まず,現行規正法でも記帳と保存が義務付けられている帳簿などの会計資料を公表して,まず国民への説明責任を果たすべきです。 現職閣僚が疑惑解明に背を向けていては,「事務所費」問題で国民の納得を得ることなど出来るはずがありません。現職閣僚が居直りを続ければ,任命権者としての責任を放棄し,手をこまねく安倍首相への批判が一層高まるだけです。 自民党・公明党両党も,政権与党として国民の疑惑を受けている以上,政党としても疑惑の解明のため,現行法を改正するなどの行動をすべきですが,あまりに自分たちに不利益になるのか,現実問題として何もやっていないのが現状です。 国民の税金が使われる以上,政治家はその詳細を明らかにする必要があるのは当然のことで,秘密裏にしなければいけない理由などありません。国民も自分たちの税金が不当に使われていることに対して,政治家や政党を許してはいけないのです。 これを曖昧にすることが,自分たちの暮らしや生活を苦しくしているのも事実です。また政治家や政党が国民軽視してしまう原因にもなっています。疑惑を受けている政治家や政党に対しては,国民は「強い意思表示」をしなければ,この問題もやがて『迷宮入り』してしまうのをは時間の問題です。 政治家や政党は,自身が作った法律である以上,その趣旨を尊重する責任があるはずです。政治規正法の趣旨に則り,国民から疑惑を受けた以上疑惑を晴らすために,法改正なり疑惑の解明をすすめることが政治家や政党の責任です。 その責任が果たせない以上,国民もその政治家や政党をこれ以上支持すべきではないのでしょうか?
2007年02月20日
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豪華海外出張に税金飲食,四男重用など都政私物化…。石原慎太郎・東京都知事の乱脈・暴走に都民の批判が高まっています。都知事選(3月22日告示)を前に,その石原知事との対決姿勢を,民主党がにわかに強調し始めました。 しかし,石原知事の暴走を都議会で支えてきたのは,民主党を含む自民党・公明党・民主党の「オール与党」です。石原与党は暴走をいかに支え激励してきたのか,またチェック機能を放棄して,一体となって推進してきたのか,を見ました。1.「オール与党」で知事応援 東京都議会は,日本共産党を除く自民党,民主党,公明党などによる「オール与党」で石原都政を支えています。 一昨年夏の都議選後,知事が提出した489件の議案への賛否率を見ると,自民党,民主党,公明党は100%賛成(表)。民主党の前原誠司・前代表もテレビ番組で「東京で100%賛成でオール与党になっている」と認めています。 この石原知事と一体となった「オール与党」体制の8年間に,福祉・保健関係費を450億円も減らし(1999年-2005年度決算),中小企業予算を30%も削減する一方,再開発や大型幹線道路など大型開発をひたすら促進してきました。いま,オリンピック招致をテコに,この大型開発を加速し,8兆円規模で進めようとしています。 自民党は,都の「財政再建推進プラン」にもとづく福祉など都民施策の切り捨てについて,「時には都民の皆様に痛みを分かち合っていただく」(2003年10月6日の本会議)と後押し。 公明党も,石原都政の「福祉改革」の名による福祉切り捨てを「わが党の提案を都は全面的に受け入れて作成した。知事と関係局の英断を高く評価する」(2001年2月27日の本会議)と絶賛しました。 大型開発中心の「都市再生」に対しても,自民党は「必要なのは,均衡ある国土の発展ではなく,首都圏のポテンシャルを高めること」(2003年9月26日の本会議)と煽り,公明党も大型開発推進のための環境影響評価制度の改悪を「スピーディーな都市再生を図るため,アセス手続きの一部を合理化したことも理解する」(2002年6月18日の本会議)と評価しました。 一方,石原知事の豪華海外出張や四男重用の都政私物化を追及する日本共産党戸疑団に対し,両党は昨年12月15日の本会議で「火のない所に無理やり火を起こす」(自民党),「いたずらに疑義をあおるかのような質問は,あまりにも姑息」(公明党)と攻撃し,知事を弁護する始末です。 チェック機能を失った「オール与党」の姿勢が,実際,石原知事の“暴走”を助長しているのです。2.みんなが認める「民主は与党」 石原都知事は「推薦結構ですね。できたら共産党以外,公明党も,民主党にも,推薦してもらう。みなさん政策にずっと賛成してこられたんだから,その成果も出ている。そうしていただくとありがたい」と答えています。(1月19日の記者会見で,自民党が都知事選での石原氏推薦を決めたことについて問われて) 「東京で100%賛成でオール与党になっているが,それは知事が根回しした結果」(前原誠司・民主党前代表,2月11日,テレビ朝日系「サンデープロジェクト」) 「今春の知事選に独自候補の擁立を表明している民主党も,これまで石原知事が提出した予算案に反対したことはない。知事の3期目公約の軸になる五輪招致にも賛成の立場だ」(「朝日」2月9日付)3.「対決」いいだしたが,アクセル踏み続けてきた民主党 2005年の都議選で民主党は,「都議会の役割は知事をきちんとチェックすることだ。いいときはアクセルを踏み,悪いときはブレーキを踏む」(岡田克也代表=当時)と公約しました。 ところが,都議選後,民主党は石原慎太郎知事が提出したすべての議案に賛成してきました。同党の前原誠司前代表は「知事が根回しした結果」などと言い訳していますが,実際はどうなのか。 この8年間,石原知事は「何が贅沢かと言えば,まず福祉」といって福祉を切り捨て,大型開発をすすめてきました。民主党は,この逆立ち政治に積極的に加担し,アクセルを踏みつづけてきたのです。 福祉では,寝たきり高齢者の老人福祉手当の廃止,老人医療費助成(マル福)の廃止(今年6月末),シルバーパス全面有料化,障害者医療費助成や重度障害者手当の削減,母子保健院の廃止などに,民主党はすべて賛成してきました。情け容赦ない福祉削減の一方で,石原都政は,「都市再生」の名による超高層ビル林立の再開発や三環状道路の建設などの投資型経費に毎年1兆円規模の財政を投入してきました。民主党はこの大型開発に,“借金してでも投資を増やせ”とハッパをかけてきたのです。 昨年9月,東京地裁で違憲判決がでた教育現場での「日の丸・君が代」の強制の問題でも,民主党は,「君が代」斉唱で起立しなかった生徒が相次いだことを教員の責任だといい,教員の処分まで求めました。 まさに,石原知事の悪政の数々を,自民,公明両党などと一体で推進してきたのが民主党です。4.政調費透明化反対・海外豪遊-自公と足並みピタリ 「公私の境目を見失い,周囲にたいこ持ちを置く裸の王様」と2月14日の都議会本会議で民主党の田中良都議は,海外出張,交際費,四男重用問題を取り上げ,石原知事をこうこき下ろしました。果たして,都議会民主党にそんな批判をする資格があるのでしょうか。 民主党は,豪華海外出張や政調費の使途の透明化問題でも自民,公明両党と足並みをそろえてきました。 民主党は2001年,都民の批判を受けて中止していた海外視察を自公両党とともに再開し,毎年3人,4年間で12人の視察団を派遣。2004年には都議の海外視察で最高額の1人あたり218万円もかけました。 なかでも2002年10月にはカジノ調査の名目で米ラスベガスに2泊。その報告書も,識者から「現地に行かなくても書けるようなリポートだ」と評される始末でした。 2005年の都議選では,豪華海外視察に対する都民の批判が高まり,「毎日」(同年7月14日付)のアンケートでは,都議当選者全体の55%が「見直しが必要」「(視察は)必要ない」と答えました。 しかし,都議選後の昨年10月,民主党の4都議が観光地として有名なブラジルのイグアスの滝などを視察し,都民からは「知事がガラパゴスなら,民主党はイグアスか」と批判の声があがりました。 民主党は昨年12月都議会で,知事の豪華海外出張について「都民を大きく失望させる」(馬場裕子都議の代表質問)と批判しましたが,この言葉は民主党自身にそっくり返ってきます。 都議会の会派に支給される政務調査費(1人あたり月額60万円)の使途の透明化は,都民の多数が求めています。 2005年の都議選では,政調費の領収書添付について,民主党当選者全員の35人が「賛成」と答えていました。(「朝日」同年9月26日付) ところが,都議選後の2005年9月都議会で,日本共産党都議団が都民への公約を実践する立場から,政調費の領収書添付を義務化する条例改正案を提案すると,民主党は自公両党と非公式の「協議」を行うことを口実に,条例改正案に反対。昨年の都議会でも日本共産党などが提案した条例改正案に反対しました。 選挙では石原都政に「対決」ポーズを取り,選挙が終われば,元の「オール与党」に。これが民主党の“実像”です。【参考】 都議会での民主党議員の発言福祉手当は寝たきりを助長「老人福祉手当という現金給付制度は,寝たきりを助長する」(2003年3月7日,本会議)「(障害者医療費助成の切り捨てに反対する意見は)時代に即した福祉改革の足を引っ張る」(2002年9月30日,本会議)借金追加し公共事業を増やせ「都債の追加発行による投資的経費の増額も考慮すべき」(2003年3月5日,予算特別委)「(大規模開発中心の)都市再生に大きく期待し,その推進を強く望む」(2002年6月19日,本会議)起立しなかったら、教員を処分しろ 「(『君が代』で)多くの生徒が起立しなかった…これにかかわった教員は処分すべき」(2004年3月16日,予算特別委)「ババァ」発言にも… 「(石原知事のババァ発言について)女性ファンは大変ショックを受け,減ってしまったようですが,はっとするほど知事は生き生きとされていらっしゃいます」(2002年2月27日,本会議)5.民主党と石原都知事の異常な関係-「やらせ質問」 都議会民主党の石原都政との癒着ぶりを示す象徴的な事件があります。都施設の運営をめぐり,民主党都議が2005年3月14日の都議会予算特別委員会で,知事側近の浜渦武生副知事(当時)の依頼を受けて「やらせ質問」を行った問題です。 この問題で,都議会に35年ぶりに調査権限のある百条委員会が設置されました。同委の報告書によると,質問に先立ち,民主党と浜渦副知事が6回にわたり接触し,「質問の打ち合わせ」を一緒にしていました。 石原知事は同年6月の記者会見で,質問の依頼について,「『自民党にでもやってもらったらどうか』といったが,どうも自民党も動きそうもない。で,民主党になった」と,「やらせ質問」に自身が関与していたことを認めました。 行政をチェックすべき議会の質問を,石原知事側に依頼されて行うなどは,前代未聞の癒着といえます。6.都政転換へ吉田万三さんが乱脈・石原都政と対決 「他の追随を許さないのが日本共産党都議団の調査だ」(日刊スポーツ2006年12月11日付)。石原都知事の乱脈,私物化の実態を明らかにし,石原タブーに風穴をあけるきっかけをつくったのが,日本共産党都議団の調査,告発でした。 昨年11月15日に,総額2億4,000万円にのぼる豪華海外出張の実態を告発したのをはじめ,都事業に四男を重用していた都政私物化問題,都民の税金を使った飲食問題など,石原知事の乱脈ぶりを次々と明らかにしたのです。 メディアも党都議団の石原追及に注目,テレビが「石原慎太郎都知事VS日本共産党都議団」(フジテレビ系)と報じれば,新聞も「存在感を強める」(「東京」)と書きました。こうして,石原都政の乱脈,私物化問題は,日本共産党都議団の連続告発とも相まって,都政を大きく揺るがすにいたっています。 日本共産党都議団が「他の追随を許さない」活躍ができるのは,自公民「オール与党」議会のなかで,都民の立場にたって,石原都知事の暴政と正面から対決してきた政党だからです。 春の都知事選挙では,革新無所属で出馬する吉田万三氏はその日本共産党の推薦も受けています。吉田万三氏が,石原都政の転換をめざしてたたかいます。 吉田万三氏は2月14日に「都政改革プラン」を発表,「憲法を都政に活かし,税金のムダづかいをやめて,暮らし・福祉最優先の東京をめざします」と,石原都政の転換を訴えました。 「オール与党」議会のなかで石原都政との対決を貫いた日本共産党が無党派の人々と共同し,推薦する吉田万三さんでこそ,都政の転換は可能だと私自身は考えます。
2007年02月19日
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栃木県の複数の自民党県議が,豪華県庁舎やダム建設の推進を求める発言をおこなう一方,これらの公共事業の受注企業に県議自身が社員や株主として名前を連ねていることが明らかになりました。 問題の企業のひとつは自民党県連副幹事長である神谷幸伸県議(鹿沼市選挙区)が社員になっている神谷建設(本社鹿沼市)。神谷議員は1997年まで同社で社長をつとめ,株式7,855株を所有。社員としての報酬も得ています。 同社は,国土交通省発注で,県も約100億円の負担金を負っている湯西川ダム建設の関連工事「湯西川下地区盛土工事」を,約3,500万円で2006年7月に落札しています。 さらに神谷建設は,県発注の大芦川通常砂防工事も1億3,500万円で2005年11月に落札しています。この砂防工事は県が2001年に建設を中止した東大芦川ダムの代替事業です。 栃木県では,2001年に福田昭夫前知事が財政上の理由から東大芦川ダム建設の中止と,県庁舎建設の計画を凍結。これに反発して県議会では「推進決議」(2001年3月議会)をあげ,ムダな公共事業だと批判する日本共産党をのぞく全会派が賛成しました。 神谷議員は,2005年3月3日の定例会で「(東大芦川ダム中止について)私は個人的にはいささかまだ不満」,「代替案についてどのように進めていこうとしているのか」と述べ,代替案の実行を促していました。 550億円をかけ“豪華庁舎”の批判がある県庁舎建設では,自民党の板橋一好県議(小山市選挙区)が大株主(13%超保有)の板橋組(本社小山市)が受注しています。県庁の行政庁舎低層棟の新築工事で板橋組が入る4社の共同企業体が2004年8月に32億4,500万円で落札し,98.7%と高い落札率となっています。このうち板橋組は6億1,550万円分を受注しています。 板橋議員は2001年3月2日の定例会で「後世に汚名を残さないように,中途半端なものではなく,きちんとしたものをつくっていっていただきたい」と県庁舎建設を迫りました。 問い合わせに対し神谷議員は「ダムの質問をして,会社に利益を出そうというわけでなく,たまたま受注したということで理解していただきたい」と回答しました。板橋議員からは,2月16日までに回答がありませんでした。 自民党を中心とする栃木県議会が「ダム建設や豪華庁舎建設計画を見直して欲しい」という県民の声を排除してまで推進する理由の一端を見る思いがし,非常に憤りを感じます。県の事業が議員自らの利益に直結するという,あってはならない構図を断ち切るためにも,今度の県議選で栃木県民の良識ある判断に期待したいと思います。 この問題は栃木県だけ起きている問題ではなく,全国の自治体でも同様のことが多々起きています。問題は,議員が株主になっている企業に公共工事を受注して,国民・住民の税金で私腹を肥やしていることです。議員として,国民や住民のためではなく,自分自身のために議員をやっているのでしょうか。 政治家になった以上,国民や住民から誤解を招く可能性がある以上,政治家自身あるいはその親族が株主になっている企業が公共工事の受注には細心の注意を払う必要があると考えます。
2007年02月18日
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公明党広島市議団(8人)は2月16日,110件,3,579,477円の,条例に反する政務調査費(2005年度)の支出があったとして市監査委員から指摘を受けました。支出は政調費の中の「事務所費」からのもの。 条例上,各会派が出す政調費の収支報告書には1件50,000円以上の領収書の写しを添付する義務があります。しかし事務所費は人件費とともに免除されています。 監査委は秋葉忠利市長を通じ返還勧告を出し,3月末までに措置を講ずるよう求めています。市民団体「政務調査費を透明にさせる会」(秦明美代表)の請求に応えたものです。ほかに「市民・民主フォーラム」が13件の272,849円,「地域デザイン21」1件,5,000円が指摘されました。 公明党が指摘を受けた品目には被服クリーニング代,被服代,会食費,自動車購入費,自動車整備費などがずらりと並び,議員バッジ代,眼鏡修理代,町内会費,政治資金パーティー代までありました。使途不明も33件。 公明党の平木典道議員(県本部幹事長)は記者の質問に「基準がはっきりせず,問題があったか,判断が難しい。項目を見る限り『どうなのかな』とみられても仕方がない」と答えざるを得ませんでした。 自民党と一緒に国民・住民に負担増や増税を押し付けておきながら,被服クリーニング代,被服代,会食費,自動車購入費,自動車整備費,議員バッジ代,眼鏡修理代,町内会費,政治資金パーティー代と呆れるばかりの税金の使い方です。 「判断が難しい」というが,政務調査費は本来何に使われるべき経費なのか理解もできないのものか,そして領収書のいらない「事務所費」に含めて誤魔化すやり方自体,『確信犯』だと言わざるを得ません。 東京に続き,地方にも同様の問題が起きている以上,公明党は政党として公費の使い方を徹底すると共に,問題が再発しないためにも,政務調査費に関わらず,全ての公費を領収書付きで公開するよう,国会でも地方議会でも進めることこそ,政党としての責任の取り方だと考えます。
2007年02月18日
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安倍首相は衆院予算委員会で,「景気を拡大することで,『果実』を家計にも広げる」と「成長」戦略を力説しています。 「成長しなければ果実は生まれない」と首相は言います。もっともらしく聞こえますが,政府の判断によると,景気拡大はすでに戦後最長を更新しています。 それにもかかわらず,いまだに庶民の家計には「果実」が実っていません。 昨年10月-12月期の国内総生産(GDP)は,前期と比べて実質で1.2%増加しました。四半期で見ると8期連続のプラスです。 10月-12月期の家計消費は1.1%増と,高めの数字になりました。しかし,これは7月-9月期の減少分(マイナス1.1%)を穴埋めしたにすぎない水準です。 大田弘子経済財政相でさえ,「消費は横ばいで,依然として弱さが見られる」と述べています。 まさに「依然として」です。 大田氏の2代前の経財相をしていた竹中平蔵氏も,企業収益,設備投資の改善が「消費にしっかり結びついていくか見極めたい」と語っていました(2003年9月)。 それから3年以上たち,企業が生み出した価値がどれだけ働く人に回ったかを示す労働分配率は下がり続けました。三井住友系の日本総研によると日本の労働分配率はアメリカを下回る水準まで落ち込んでいます。1人当たり賃金は2003年度から連続で減少しました(法人企業統計)。「戦後初の所得増につながらない景気回復」(三菱UFJ証券の水野和夫チーフエコノミスト)です。 一方で,大企業は過去最高益を更新し続けています。日本経団連の幹部企業のトヨタ自動車は,2006年度の売り上げが23兆円,営業利益は2兆円を超える見通しを明らかにしています。資本金10億円以上の大企業の1人当たりの役員報酬は,2001年度の1,400万円から2005年度には2,800万円に倍加しました。同じ時期に株式配当は約3倍に膨らんでいます。 労働者の賃金を抑えて大企業が収益を増やし,増えた利益を役員と株主が分け取りする構造です。 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は企業の生産性を引き上げることが最優先だと主張し,安倍内閣も同調しています。 全く身勝手な議論です。大企業は正社員を非正規雇用に置き換え,「ワーキングプア」を広げることで人件費を抑えて「生産性」を上げてきました。財界と安倍内閣が導入に執念を燃やすホワイトカラー・エグゼンプションは,成果主義の徹底とあいまって正社員を長時間過密労働に駆り立てる制度です。残業代ゼロで“死ぬほど”働かせて,「生産性」を上げることが狙いです。 大企業の当面の業績は上がるかもしれませんが,国民にはワーキングプアと過労死の再生産を押し付けるやり方です。 内閣府が1月に発表した「国民生活に関する世論調査」によると,生活不安を抱える人は67.6%で,過去最悪になりました。 今回の「景気拡大」の間も傾向的に増え続け,15年前の46.8%から20%も増加しています。 「景気拡大」が多くの国民にもたらした「果実」は貧困と不安でしかありません。大企業中心の異常な経済のあり方,逆立ちした税制・財政をただすことが求められています。 今の国民を犠牲にした政治を改める必要があることを確信させます。大企業優遇の逆立ち行政を進める自民党・公明党連立与党そして一緒に推進した民主党の後退なくして,国民の暮らしは決して良くならないのです。
2007年02月17日
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東京都知事選(3月22日告示,4月8日投票)を前に,民主党はにわかに石原知事批判を強めています。2月14日の都議会本会議では民主党の田中良都議が,石原慎太郎知事の海外出張や知事交際費,四男の都事業への重用などをあげ,「石原知事の都政運営がいかに都政を傷つけているのかをひとつひとつ明らかにし,都知事をかえることの重要性を訴える」などと力を込めました。そして石原知事を「公私の境目を見失い,周囲にたいこ持ちを置く裸の王様」とまで酷評したのです。 これに対して石原知事からは「選挙も近いせいか,たいそう派手な質問演説だ。(田中都議の)都政に対する評価は30点だそうだが,ならば今までなぜ,都の提案に民主党はすべて賛成してこられたのでしょうか」と皮肉まじりの答弁が返ってきました。 確かに民主党は自民党,公明党両党とともに,2005年の都議選後,予算をはじめ知事提案の489件すべてに賛成するまぎれもない与党です。前原前代表も「(民主党は)100%賛成でオール与党」と認めるほどです。 しかも民主党は,石原知事と一体で悪政を推進してきました。たとえば「老人福祉手当という現金給付制度は,寝たきりを助長する」(2003年3月)といって福祉を切り捨て,「(『君が代』で)多くの生徒が起立しなかった。これにかかわった教員は処分すべき」(2004年3月)と,「日の丸・君が代」を強制する都政を後押ししてきたのです。 田中氏は,石原知事の豪華海外出張を批判しましたが,民主党は2001年から4年間,毎年海外視察を繰り返し,昨年は1人191万円かけて,南米最大の観光地のひとつ,イグアスの滝を視察しています。 民主党がいくら野党ポーズをとっても,石原与党としての数々の“実績”を消すことはできません。 これが民主党の本質かも知れません。自民党と同じ思考・政策でありながら,選挙のときだけ有権者を騙し,自民党と対決姿勢を見せる劇場型の政党なのです。 国政でも同じです。選挙に近づくと自民党との対決姿勢を見せるが,実際は本質的にも政策的にも同じであることを国民は知るべきです。自民党・公明党連立政権では,自分たちの暮らしがよくならないから,民主党政権に期待することは誤りです。断言できます「絶対に変わらない」と。 それでも,日本は民主国家です。選挙によって政治家が決まり,その政治家の所属する政党の思想・政策によって日本の方向性が決まるのは国民の選択の結果である以上,国民は選挙の重要性を再認識し,どの候補者に投票するかは慎重に考える必要があると思います。
2007年02月16日
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北京で行われていた中国,北朝鮮,日本,韓国,ロシア,アメリカによる6ヶ国協議は,2005年9月の共同声明が明記した朝鮮半島の非核化の実施にむけた「初期段階の措置」についての合意文書を採択して閉会しました。 核兵器の廃絶と朝鮮半島の非核化のため努力をつくすよう強く求めてきた結果として,非核化の第一歩として新しい合意を歓迎し,誠実な履行を求めたいと思います。 朝鮮半島から核兵器の脅威を取り除き,非核化することは,アジアの平和と安全にとって重大問題です。 朝鮮半島に隣接し,核兵器の廃絶を願う唯一の原爆被爆国日本の国民にとって,朝鮮半島の非核化は決定的に重要な意味を持っています。 北朝鮮は2005年9月の6ヶ国協議で「朝鮮半島の検証可能な非核化」を基本目標にした共同声明に賛成し,自ら「すべての核兵器および既存の核計画を放棄する」と約束しました。寧辺(ニョンビョン)にある核施設の活動停止と封印,国際査察,エネルギー支援など今回の合意文書に盛り込まれた一連の措置は,北朝鮮に核兵器とその開発計画を放棄させる最初の具体的な一歩です。「初期段階の措置」を誠実に実行し,朝鮮半島の非核化につないでいくことが重要です。 北朝鮮は2005年の共同声明で核開発の「放棄」を約束しておきながら,その後,弾道ミサイルの発射や核実験を強行してきました。こうした合意違反があってはなりません。 昨年10月,北朝鮮が核実験を強行した際,国連安全保障理事会が全会一致で採択した決議は,北朝鮮の核実験に抗議するとともに,軍事的措置で対抗するのではなく,外交的措置での解決を求めました。特に6ヶ国協議の当事国に対して,「共同声明の迅速な実施のため,外交努力の強化」を求めています。 今回の合意に到達したのは,北朝鮮が核開発に対する国際社会の抗議と批判の強さを無視できなかったことと,6ヶ国協議関係国が国際社会の総意にもとづいて忍耐強く平和的・外交的交渉をおこなってきたことが背景にあります。あくまでも問題を平和的・外交的に解決することが国際社会の行動の指針です。 合意文書が一連の初期的措置を確認するとともに,共同声明を完全に実施するため,朝鮮半島の非核化など5つの作業部会を設置したことは重要です。 作業部会での協議では,寧辺の核施設の「活動停止・封印」にとどまらず,全ての核兵器と核開発の放棄に結びつくよう,実効ある措置を具体化していくことが求められます。北朝鮮と関係国は,国際社会の総意に沿ってそのための努力を尽くすべきです。 合意文書は,日朝関係についても,「平壌宣言に従って,不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として,国交を正常化するための措置をとる」ことを明記しました。それは日朝間の問題解決が,改めて6ヶ国が取り組んでいる全体の課題に位置づけられたことを意味します。 日朝間には,拉致や過去の清算などの懸案があります。日本政府はそれらを解決し,国交を正常化するための真剣な努力を尽くすべきです。同時にそうした2国間の協議を,朝鮮半島の非核化の実現に向け日本に課せられた役割への取り組みと結びつけることが求められます。
2007年02月15日
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北朝鮮の核問題をめぐる6ヶ国協議が採択した共同文書は,2005年9月の共同声明の「実施のための初期段階の措置」と位置づけられています。核問題の平和的・外交的解決をめざす6ヶ国協議は,朝鮮半島の非核化と北東アジアの恒久平和をめざす共同声明の実現に向けた重要な一歩を踏み出しました。 6ヶ国協議は,第4回協議(2005年9月)で,「朝鮮半島の非核化」の原則と道筋を確認した共同声明を採択しながらも曲折をたどりました。 北朝鮮は,共同声明の採択を前後してアメリカが発動した「金融制裁」に反発し,「制裁を続ける限り6ヶ国協議に参加しない」と協議への参加を拒み続けてきました。そればかりか,国際法や自ら署名した共同声明をも踏みにじり,ミサイル発射(2006年7月5日),核実験(同年10月9日)を強行するに至りました。 これに対し国連安全保障理事会は,北朝鮮の核実験を「国際の平和と安全への明白な脅威」と認め,加盟国に制裁措置を求める決議を全会一致で採択(同年10月14日)。北朝鮮に,即時無条件での協議への復帰,核兵器・核計画の廃棄を求めるとともに,外交的解決に向けた努力を加盟国に呼びかけました。 決議を受けて各国は北朝鮮への制裁措置を実施。議長国・中国や非同盟諸国などをはじめ,北朝鮮に協議への復帰を求める説得が続きました。 国際的な圧力の広がりと世論の包囲のもと,中国の仲介が実を結び,10月末には米中朝首席代表が協議再開で合意。今年1月のベルリンでの米朝首席代表協議では,「一定の合意」(北朝鮮外務省)が成立し,今回の協議での共同文書採択につながる転機となりました。 共同文書は,北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階措置」として,再処理施設を含めた寧辺の核施設の60日以内の停止や封印を明記。さらに次の段階として北朝鮮が他のすべての核施設の無能力化に進んだ場合,他の5ヶ国が経済・エネルギー支援を実施するという枠組みを示しました。 「初期段階」の計画とはいえ,北朝鮮の核実験という事態の中で,この問題の外交的解決をめざす6ヶ国協議の枠組みが再び力を発揮し,合意を実現したことは,大きな意義を持ちます。 共同文書は,日朝,米朝関係正常化,北東アジアの安全保障などについて協議する作業部会の設置も明記しました。核問題解決を入り口に,北東アジア地域に恒久平和を構築するという共同声明が示したビジョンの実現に向けた協議の仕組みがつくられることになります。 「初期段階」の合意を実際に履行し,共同声明の実現にさらに一歩,足を踏み出せるかどうかは,今後の各国の行動にかかっています。
2007年02月14日
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いまや貧困は国民の一部の問題ではなく,病気や失業,高齢化など,身近なきっかけによって,国民だれにも起こりうるようになっています。同時に,いったん貧困に落ち込んだら,身を削るほどの努力をしてもなかなかはい上がれないのが今日の日本の現実です。 2月13日の予算委員会でもこの問題を取り上げられ,とりわけ「子どもの貧困」について政府の認識をただしていました。 OECD(経済協力開発機構)は,その国の平均的な所得の半分を貧困ラインとして加盟各国による調査結果を分析し,昨年の対日審査報告書に掲載しています。それによると,日本の「子どもの貧困率」(子育て世帯の中で,貧困ライン以下の所得しかない家庭の割合)がじりじりと悪化し,OECDの平均を大きく上回っています。 日本の子どもの貧困率が悪化した原因としてOECDが重視しているのは,母子家庭・ひとり親家庭の貧困拡大です。働く母子家庭・ひとり親家庭の貧困率はOECD平均21%の3倍近い57.9%に上ります。 日本の母子家庭の母親は仕事を掛け持ちして健康を犠牲にする例も珍しくないほど,先進諸国の中でも突出して働いているのが実態です。それでも貧困が広がっているのは異常としかいいようがありません。 こんな社会がまともな社会といえるのかと迫った野党議員に,安倍首相は「貧困が再生産される日本にしてはいけない」と答弁しました。しかし野党議員が引用したように,OECDは「貧困が次の世代に引き継がれていく危険」を指摘しています。 安倍首相や柳沢厚労相はOECDの「数値やデータに根拠が不明なものもある」(安倍首相)などと,「そんな実態はない」といわんばかりの答弁です。OECD報告の大もとは日本政府が提供したデータです。 首相らには子育て家庭,母子家庭の実態,暮らしの痛みへの認識が全くないことを示す答弁です。 日本の子育て世帯や母子家庭が置かれた厳しい現実を認めようともしないのは,一国の首相や大臣の姿勢として,冷酷すぎるとともに度量が狭すぎます。 世界でも異常な子どもの貧困,母子家庭の貧困に正面から向き合うことは政治の当然の責任です。これは低所得の子育て家庭は公的負担が重く給付が貧しいという「逆立ちした財政」の転換と,最低賃金の抜本引き上げは避けて通れない課題であることを示しています。 OECDのデータによると,税と社会保障による所得再分配の後には,子どもの貧困率はアメリカでもイギリスでも下がっていますが日本だけは反対に増えています。欧州諸国の最低賃金は労働者の平均賃金の4割台から5割台,アメリカも大幅に引き上げる方針ですが,日本は平均賃金の3割台です。 それにもかかわらず,安部首相や厚労相の答弁は児童扶養手当の削減を中止するとはいわず,生活保護の母子加算廃止でも“正当化”に終始しました。最低賃金では,全国一律の抜本引き上げを拒んでいます。これも世界の中の日本政治の異常です。 子どもと母子家庭の貧困を打開するには政治がこの問題に正面から向き合い,少なくとも国際水準に追い付く姿勢が欠かせないことが改めて浮き彫りになりました。今の日本政治,自民党・公明党連立与党政治の異常をただす取り組みを大きく広げることが必要だと感じます。【参考】児童扶養手当 所得の低い母子家庭を対象に,「児童の心身の健やかな成長に寄与」することを目的に支給されているもので,額は子ども1人に対して親の所得に応じて最大月額41,720円から9,850円となっています。第2子は5,000円,第3子以降は3,000円を加算。生活保護の母子加算 片親がいないことにより子どもを育てる費用が余分に必要になるとして加算される制度で、都市部で1人あたり月額23,260円支給されています。
2007年02月13日
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まじめに働いても生活保護水準の収入さえ得られないワーキングプア(働く貧困層)が広がるなか,主要国で最低水準となっている「最低賃金」の引き上げが焦点になっています。略して“サイチン”と呼ばれるこの制度,どんな仕組みなのか。 労働者は働いて得た賃金で生活しています。 衣・食・住はもちろん映画や夏休みの旅行はじめ,暮らしのすべてが賃金で成り立っています。 暮らしが成り立つ賃金を保障するため,“使用者はこれ以下の賃金で働かせてはいけない”という最低賃金を法律で定めて経営者に義務づけているのが,最低賃金制度です。 違反すれば罰金が科せられ,労働者は2年間遡って賃金の是正を求めることができます。 最低賃金には,都道府県ごとの「地域別最低賃金」と,いくつかの産業ごとに決める「産業別最低賃金」があります。 1959年に制定された最低賃金法は,当初は労働者不在の「業者間協定」のようなものでしたが,労働運動が高まるなかで1968年,労・使・公益三者同数の審議会の答申を経て労働局長が決定する方式になりました。1976年からは地域別最低賃金が全都道府県に設定され,中央の審議会が「目安額」を示し,地方ごとに改定する仕組みになりました。 地域別最低賃金の時間額は現在,全国平均で673円。週40時間,月22日働いても,118,448円にしかならない低水準です。これは,すべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した憲法25条(生存権)にてらしても余りに低い水準であり,まともな生活ができる賃金とはいえません。年収200万円を得るには年間3,000時間,“過労死ライン”をはるかに上回る働き方をしなければなりません。 地域格差も大きく,最高の東京719円に対し,最も低い青森など4県が610円。月にすると約20,000円もの差があります。(表参照) 最賃法では,「労働者の生計費」,「類似する労働者の賃金」,「企業の賃金支払い能力」という3つの基準を考慮することが明記されています。しかし実態は,生計費が全く考慮されていない決め方になっています。 このため本来,賃金が不当に低い労働者をなくす制度であるのに,パートなどの時給が最低賃金に引っ張られて下へと押し下げられ,労働者全体の賃金を低く抑える「低賃金釘付け」に利用されています。連合も全労連も今春闘で,「時給1,000円以上」を要求に掲げていますが,最低生活を保障する合理的な要求です。 47都道府県,産業ごとにばらばらに決める現行制度では,格差は広がるばかりです。これ以上に格差と貧困を広げないためにも,全国どこでも,誰が働いても,生計費を基準にした最低賃金が保障される「全国一律最低賃金制度」でなければなりません。世界の多数がこの制度です。 生計費は最低どれぐらい必要なのか。京都総評と仏教大学の金澤誠一教授がおこなった京都市内在住者のモデル試算があります。最低生活の基準ではなく,「人間に値する生活」を保障する最低限度の基準です。20代の単身世帯(賃貸アパート・1K)→ 197,779円中学3年男子と小学3年女子の子どもを育てる40代夫婦(賃貸マンション・3DK)→ 482,227円というものです。(表参照) 京都府の地域別最低賃金(682,2005年度)は,この最低生計費(時間額にすると1,112円)の6割にすぎません。 ヨーロッパ諸国の最低賃金は,購買力平価で換算すると,月額170,000円台から200,000円台。労働者の平均賃金の46%から50%に相当します(OECD=経済協力開発機構調べ,データは2004年)。さらに,これを60%まで引き上げることを決めています。日本の最低賃金は,平均賃金の32%(図参照)。日本と肩を並べていたアメリカも連邦最賃を40%も引き上げようとしており,日本だけが後れをとっています。 全国一律最低賃金制を法律で定めているのは,101ヶ国中,59ヶ国にのぼります(ILO=国際労働機関調べ)。都道府県や産業でばらばらの日本は,国際的に見ても極めて特異です。 昨年,京都の青年が最低賃金額で実際に暮らしてみました。 家賃などを引くと1日あたりの生活費は1,084円。毎日のようにカップ麺で過ごし,飲み会など友人との付き合いもできない…友人の結婚式に出たため,わずか3日で破たんする人も。 「朝起きて腹減ったなあ…このまま起きてたらもっと腹減るからまた寝て…どっか行ったりしたら金掛かるし,また寝て…」(体験者の手記から)。笑うに笑えない深刻な実態です。 最低賃金の抜本的引き上げについて,安倍晋三首相は「中小企業を中心として,労働コスト増により事業経営が圧迫される結果,かえって雇用が失われる面もあり,非現実的」( 1月31日,衆院本会議)と拒んでいます。 毎年,一般歳出の1%にも満たない中小企業予算(2007年度予算案で0.35%)しかつけないのに,最賃の問題になると急に中小企業のことを思いやるかのようです。 中小企業で働く労働者は全労働者の70%以上です。厚生労働省の毎月勤労統計調査でも,小規模事業所で賃金が下がったことが全体の実質賃金を押し下げています。この人たちが生活できる賃金をもらえるかどうかが,貧困と格差解消の決め手になり,経済の主役である個人消費の向上にもつながります。 中小企業のことを心配するのであれば,最低賃金を引き上げて,それを基準にした下請け単価の適正化,中小企業への官公需の発注,大規模小売店の出店規制や中小企業の経営支援策を行うべきです。 それを怠ってきた自民党政治の責任が問われます。
2007年02月12日
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開会中の通常国会の大きな焦点のひとつが「政治とカネ」の問題です。 とりわけ「事務所費」問題は,政治家が庶民には想像もつかない巨額な資金を不明朗に扱っている実態の一端を示しました。 政治の腐敗と堕落の温床になっているのは,野放図に増え続ける企業団体献金とともに,自民党,民主党,公明党,社民党など各党が年間319億円もの巨額の税金を分け取りしている政党助成金制度です。 「日本国民は1人年間125円を自民党に寄付しなければならない」という法律を国会が決めたらどうなるでしょうか。間違いなく怒りの世論が沸騰するでしょう。しかし,いま日本では,結果的にそれと同じことが現実に行われています。 いまから12年前に導入された政党助成法は,国民1人当たり250円,総人口をこれにかけた金額を政党交付金として,選挙での得票率と議席率に応じて政党に分配する仕組みです。 たとえば自民党が昨年受けた政党助成金は171億円で,250円で割ると国民6,840万人分。自民党が直近の総選挙で得たのは2,600万票弱ですから,子どもや投票しなかった人を計算にいれても,同党が得た金は圧倒的に自民党を支持しない人たちの負担です。 政党助成金は憲法第19条が保障する国民の「思想及び良心の自由」を侵す違憲の制度です。これを受け取るのは,国家から独立した自主的組織としての政党にとって自殺行為に等しいことです。政党助成金を受け取っていないのは日本共産党だけで,導入以来一貫してその受け取りを拒否し,制度の廃止を要求しています。 しかも,なんの苦労もなしに巨額の資金が流れ込む仕組みができたことで,政党が国民と向き合い,国民の声を政治に反映する機能が弱まりました。政党本部の収入に占める助成金の割合は自民60%,民主84%,社民50%です。一方,個人献金が収入に占める割合は自民1%,民主は0%です。根無し草のような「官営政党」が国民そっちのけの悪政を競い合う財政的な根拠がこれです。 「悪銭身につかず」というように腐敗にも直結します。1998年には助成金をマンションの維持費や選挙買収資金に流用した自民党衆院議員の事件,2003年には助成金を原資に買収をした自民党衆院議員の選挙違反事件が摘発されました。使途の報告を求めてはいるものの,50,000円以下の支出は記帳も必要なし,「人件費」などは領収書も不要という大ざっぱさです。政党本部から支部,政治家の後援会へと金が流れるにしたがい,国民の税金がどう使われたのか全くわからなくなる仕掛けです。 1995年の導入時には政党助成金の支給は企業団体献金の廃止と引き換えの約束でした。これは完全に空証文にされました。税金も,企業献金もという二重取りで,政治腐敗はただされるどころか続発の一途です。 政党助成金の導入によって,国民から募金を集める地道な努力を放棄し,巨額の税金に依存していることが,『政治とカネ』をめぐる感覚マヒにつながっているのです。企業団体献金と合わせて政党助成金制度の撤廃すべきです。 安倍首相は,政党助成金は「民主主義のコスト」という手あかにまみれた言い訳で,政党助成金にしがみつく態度をとっています。 国民のための政治を実現するためには,有権者と地域で密接にかかわり個人献金をあつめることから始まります。個人献金を受け取るとなれば,政治家も地域住民の意見にも耳を傾けるものです。そして,政治は国民のためにあるという見地で言えば,企業のための政治の原因である企業団体献金を廃止するべきです。 今の企業団体献金と政党助成金頼みでは政治は堕落するだけです。「国民のための政治」を実現するためにも,国民が「カネまみれ」の政治をやめさせる声と運動を大きく広げるときです。
2007年02月11日
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「弱者に冷たい姿勢は税制にもあらわれている」予算と言わざるを得ません。 2月8日の衆院予算委員会で,“庶民には増税,大企業には減税”という安倍内閣の「逆立ち」税制が浮き彫りになっています。 2006年に自民党・公明党両党が決めた定率減税の全廃で,所得税と住民税の負担額は2007年からさらに増えます。 ところが,国税庁はパンフレットで「税源移譲によって所得税と住民税とを合わせた全体の税負担が変わることは基本的にはありません」と税金が変わらないかのように説明しています。 増えるのか,増えないのか。一例として夫婦と子ども2人で年収700万円の世帯の場合にどれだけの負担額になるのか予算委員会で示していました。 財務省の石井道遠主税局長は,所得税と住民税の合計が,2006年の418,000円から2007年には459,000円になり,41,000円の増税になることを認めました。 庶民には増税・負担増ばかりです。 所得税と住民税の負担を小泉内閣が発足した2001年と2007年で比べると年収400万円の給与所得者で87,000円の増税。年金所得者でも,年収400万円で164,000円の増税になります。(グラフ参照) 配偶者特別控除の廃止や公的年金等控除の縮小などが次つぎと強行され,2004年から2007年までの4年間で所得税・住民税の負担増は,合計4兆5,600億円にものぼります。(表A参照) 一番弱いところに負担が積み重なっているのが実態です。こんなやり方をいつまでも続けている自民党・公明党連立与党の「国民に冷たい政治」を国民は納得しているのでしょうか。 一方,バブル期よりも大きな利益をあげる大企業に対してはどうか。 予算委員会の中でも野党が,「2007年度の税制改正で大手企業に対する減税策が次つぎ出されている。誰のための税制なのかが問われている」と,数々の大企業むけ減税についての認識をただしました。 2007年度の税制改正案に含まれている減価償却制度の拡充は,設備の額によって法人税減税の範囲を拡大するものです。 法人税の減税額は,国税だけで5,110億円,地方税をあわせると約7,000億円です。この恩恵を受ける対象の6割を占めるのが,企業数でわずか0.36%にすぎない資本金10億円以上の大企業なのです。 さらに,企業グループを持つことができる大企業への減税となる「連結納税制度」(2002年導入)でどれだけの減税となるかとただしたのに対し,石井主税局長は,3年間で1兆円規模となることを認めました。 株の売却や配当にかかる税金を20%から10%に軽減する証券優遇税制は,1年延長する予定です。これは,わずか3.8%の5,000万円以上の所得をもつ人たちに,減税額の6割以上が集中するものです。(表B) 国家財政が大変だと言うのならば,儲かっている大企業や大資産家に応分の負担を求めるべきなのに,大企業や大資本家に対しては減税して,庶民から税金を取る「逆立ち税制」を正すのが道理です。 ところが,尾身幸次財務相は,定率減税を「臨時,異例の措置」と強弁し,廃止を合理化。「恒久的減税」として導入された経緯をごまかしました。 さらに,年金所得者への増税について,「高齢者は税が低すぎる」と庶民増税を当然視しました。 減価償却制度の拡充についても,中小企業にも適用されるので「大企業優遇」はあたらないなどと答弁。中小企業の多くが,法人税のかからない赤字企業で,減税となる設備投資も小さいため,恩恵がほとんどない実態を隠しました。 このように予算委員会の中で大企業優遇税制を延々と解説した尾身財務相ですが,自民党・公明党連立与党の基本姿勢が「利益のあがる大企業に減税し,消費の低迷する家計に負担を負わせることが基本的な姿勢」であることを改めて示しています。 「大企業や大金持ちに減税しながら,庶民には増税するという,この内閣の国民に対する非常に冷たい姿勢」が浮かび上がった予算委員会だったと思います。 国民はいつまでも,こんな「国民に冷たい」税制そして政治をする自民党・公明党連立与党政治を続けさせるのでしょうか。自分たちの暮らしが良くならないのは,自分たちの選択が間違っていることを意味しているのです。 暮らしを良くしたいのであれば,国民がきちんと政治家を選挙で選ぶことが全てなのです。
2007年02月10日
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アメリカ国務省が2月7日,アメリカのイラク占領政策を「非常に幼稚」とした麻生太郎外相の発言に関して,表向き非難したり問題視したりすることはないとの姿勢を示したことに,日本政府は胸をなでおろしています。 麻生発言とは,京都市内の講演(2月3日)で「ラムズフェルド(前国防長官)がぱっと(開戦を)やったけど,占領した後のオペレーション(作戦)としては全く非常に幼稚であって,これがなかなかうまくいかなかったから,今もめている」と述べたもの。イラク戦争を支持してきた小泉・安倍政権の姿勢と食い違うことから,政府は「(外相は)武力行使が誤りだったとは言っていない」(塩崎官房長官,2月5日)などとアメリカ政府への弁明に必死でした。 麻生発言の前には,久間章生防衛相がイラク開戦について「(アメリカ大統領の)判断が間違っていた」(1月24日)と発言し,その後「政府としてはアメリカなどによる対イラク武力行使を支持しており,防衛相としてこの立場を踏襲している」(1月29日)と撤回した経緯もあります。 今月2月20日には,イラク戦争を主導した1人であるチェイニー副大統領が来日することになっており,政府は日米軍事・外交閣僚会議(2プラス2)の構成閣僚である外相,防衛相から相次いだ発言に神経を尖らせてきました。 ただ,麻生氏はイラク戦争を積極的に支持してきただけでなく,日本が武力行使を含めた支援を可能にするため集団的自衛権の行使まで求めてきました。久間氏も「7月には参院選があるので,その前に法律をつくる場合はやんわりと通さなければならない」(1月27日)と,自衛隊派兵の根拠法であるイラク特措法延長を通しやすくするためという説明です。 アメリカ国内でもブッシュ政権のイラク派兵政策への批判が噴出し,国際的にも孤立化するなか,安倍政権のイラク戦争支持の姿勢は突出しています。アメリカ側が矛をおさめた形にしたのも,「われわれは日本を対テロ戦における強力かつ密接なパートナーと考えている」(アメリカ国務省コメント)と位置付けているからです。逆に久間,麻生発言で“借り”をつくった格好の安倍政権は一層のイラク戦争支援を押し付けられる危険もあります。 柳沢厚労相の発言もさることながら,最近の安部内閣の閣僚たちの失言が多すぎます。これは担当大臣としての認識が低く,大臣自身のポリシーもなく,思いつきで言葉を発しているように思われます。 評論家たちのなかで,未だに安部内閣を支持しているひとがおりますが,やはり安部内閣は根本的問題があると言わざるを得ません。安部首相は再組閣するしかない事態になっているような気がしますが,通常国会中に再組閣もできないのでこのまま参議院選挙までこの閣僚でやっていくしかないのでしょうか。 そうであれば,国民不在の政治があと半年も続くと思うとゾッとしますが,全国一斉地方選挙と参議院選挙で自民党・公明党連立与党(そして悪政を一緒に推進している民主党)が大敗してくれれば,日本もまだまだ希望が持てます。
2007年02月09日
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アメリカ政府は,イラクへの20,000人以上の増派を加速しながら,首都バグダッドでアメリカ軍とイラク政府軍と合同で,占領支配に反対する勢力を一掃する大規模な軍事作戦に踏み出そうとしています。アメリカ軍・イラク軍あわせて90,000人の作戦は過去最大です。 軍事対決を強化することは,混迷の度を深めているイラク情勢をさらに悪化させるものです。国際社会で軍事対決の泥沼化を懸念する声がいよいよ強まっています。 イラクには130,000人をこすアメリカ軍が駐留し,そのうち20,000人あまりがバグダッドとその周辺で軍事活動をしています。アメリカ政府は増派部隊21,500人の8割をバグダッドにふりむけ,攻撃を集中し,抵抗勢力を一掃するといっています。 すでにクウェートから空挺旅団が移動し,さらに数ヶ月をかけてアメリカ本国から陸軍4個旅団と海兵隊2個旅団が投入されます。さらに,戦闘部隊の保護にあたる支援部隊も最大28,000人投入されるというアメリカ議会予算局の試算もあります。 イラク戦費も異常にふくれあがっています。社会福祉予算を大幅に削減して,2007年度補正予算で約1,000億ドル(約11兆円),2008年度約1,500億ドル(約17兆円)を追加投入します。2001年以来のイラク,アフガニスタンの戦費の累計は7,300億ドルとなり,ベトナム戦争(1964年-1973年)の戦費を大幅に上回ることになります。 これだけの膨大な兵力と予算を投入しても事態を変える見通しなどありません。イラクを管轄するアメリカ中央軍司令官に指名されたファロン太平洋軍司令官も「好転させる保証はない」と述べています(1月30日 アメリカ上院軍事委員会)。 武力を使えば思い通りになるとみるのがそもそも間違いです。それはイラク戦争でアメリカがイヤというほど経験してきたはずです。 イラクの事態が悪化しているのは,ブッシュ政権が大義もなしに一方的に侵略をしたうえ,非人道的な無差別攻撃を繰り返し100,000人もの民間人の命を奪ってきた結果です。 先月,アメリカ軍・イラク軍がナジャフでおこなった武力攻撃では女性や子どもなど2,500人が虐殺されたとの情報もあります。こうした占領アメリカ軍の軍事作戦にイラク国民が憎悪を強めているのは当然です。 アメリカ軍がイラク人同士をたたかわせながら,武力攻撃を強めれば強めるほど,テロリストに新たな蛮行の口実を与え,宗派間,政治勢力間の対立を激化させることは明白です。 カーター政権時代の大統領補佐官だったブレジンスキー氏は,「植民地時代はもう終わったのに,植民地戦争を続けるのは,自滅の道である」と批判しています。アメリカの横暴を許すわけにはいきません。 アメリカ軍撤退を求める声はアメリカ国内外で広がっています。アメリカ軍駐留に固執するブッシュ大統領の支持率は激減しています。「長くとどまるほど状況は好ましくなる」(ハリルザド駐イラク米国大使)というのは撤退を求める国際世論に背を向けるものです。 イラク派兵国も撤退が相次ぎ,兵力を削減せずに派兵を継続する国は38から17に激減しています。ドストブラジ仏外相は,イラクの事態は「外国軍撤退の展望が定まる場合にのみおさまる」と述べています。 破局化をふせぐためには政治的・外交的解決を強める道しかありません。そのためにもすみやかなアメリカ軍撤退が不可欠となっています。
2007年02月09日
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柳沢伯夫厚生労働相の,女性は「産む機械」という発言をめぐり不正常な状態が続いていた国会は,衆院予算委で補正予算審議の補充的質問を行うことで正常化しました。 発端となった柳沢氏の発言と柳沢氏をかばい続けた安倍首相の責任は今後の審議を通じて追及されるべきものです。国会の正常化は,補正予算案の単独審議・採決という自民党・公明党連立与党の暴走や,柳沢氏がやめないからといって審議を拒否した民主党などの態度が,議会制民主主義の原則に照らして通用しないものだったことを改めて浮き彫りにしました。 女性は「産む機械」という柳沢厚労相の暴言は,女性の人格と人権をいちじるしく傷つけ,福祉や労働を担当する厚生労働大臣として,絶対に許されないものです。柳沢氏がやめないなら,罷免する責任が,任命権者の首相にあります。野党が衆参の代表質問で辞任や罷免を求め,予算審議前に罷免を決断するよう政府に申し入れたのをはじめ,党派を問わず広く辞任を求める声が上がったのは当然です。 共同通信社が2月3日,2月4日の両日実施した世論調査では,58.7%が柳沢氏の辞任を求めました。ところが政府,自民党・公明党連立与党はこうした国民世論を押し切り,柳沢氏の留任を決めるとともに,衆院でも参院でも補正予算案を単独で審議し,単独で採決したのです。補正予算案を与党単独で成立させるのは,1966年以来40年なかったことです。まったく言語道断の極みであり,混乱の大きな責任が自民党・公明党連立与党にあったことは明白です。 今回の件で野党の行動を見てみると,民主・社民・国民新の3党は,柳沢氏の辞任要求を補正予算案審議に絡め,審議拒否の態度をとってきました。 しかし,国会はあくまでも審議の場であり,問題があれば審議のなかで明らかにすべきで,「審議拒否がセットになった要求」ではなく,野党は一致団結して予算委の理事会,委員会に出席し,自民党・公明党連立与党と徹底的に責任追及をして欲しいものです。 国会の不正常な状態が続く中で,自民党・公明党連立与党はこれ以上の暴走をやめ,国会正常化に努力すべきです。 国会は予算委での補充的質問に続き,来年度予算案の審議が始まります。予算審議は安倍内閣の政治の中身を全面的に明らかにする絶好の機会です。野党は徹底した審議を通じ,「産む機械」発言での柳沢氏と安倍首相の責任の追及をはじめ,安倍政治に真っ向から立ち向かっていくことを期待します。
2007年02月08日
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コバルトブルーの海がきらめく高知県の東の玄関口,東洋町(人口3,446人)。この町の田嶋裕起町長が独断で原子力発電環境整備機構の高レベル放射性廃棄物最終処分施設候補地の公募に応募したことに町民や町議たちの多くは怒っています。2月6日午後,同町の有権者有志は,同町への放射性廃棄物の持ち込みを禁止する条例を制定する直接請求書を山岡七三十四(ヤマオカ ナミトシ)同町選挙管理委員長に提出しました。 同町の生見(いくみ)海岸は年間90,000人の若者たちでにぎわう全国屈指のサーフポイントです。 2月6日午後,海岸近くの同町役場の前に,約40人の町民が集まり,「応募撤回を」,「核のゴミを埋めないで!」などのプラスターを掲げました。 町民有志代表(69)が持った直接請求書の署名簿には,1,452人分の署名が連ねられています。44人の町民が集めたものです。 直接請求に必要な有権者(3,007人)の1/50(60人)以上の有効署名を大幅に上回り,有権者の半数に迫っています。署名運動が始まったのは1月30日夕ですから,急速な広がりでした。 署名は,町に同施設などの持ち込みを禁止する条例をつくるためのものです。条例制定の理由として「我々東洋町民は,この自然豊かな東洋町を守り,安全な生活を未来に継承するためにも,全ての放射性廃棄物の持ち込みを禁止する必要がある」をあげています。 同町長は,1月25日,町民の合意が得られたとして候補地への応募書を提出しました。合意の理由として,「この問題の「勉強会」を一定やってきた」,「10人の町議のうち4人が応募に賛成」しているを挙げました。 しかし,実際には昨年秋から町民の中から「ポンカンとサーフィンの町を守れ」と応募反対の声が起こり,1月15日,町民有志が2,193人分の署名をつけて応募反対の陳情書を町議会に提出しています。1月25日には,応募反対の請願書も町議会に提出されました。 同町長の応募は,2つの請願書が町議会で審査される前でした。 同町長は,昨年3月にも「応募書」を出し,同機構から町議会,町民の合意を得てからでも遅くないと返却されていた「前歴」もあります。 直接請求書を提出した町民たちは,同日午後,同町長と会見。参加した女性たちから「今のやり方は民主的ではありません。議会にもかけずに勝手に出すというのはおかしい」,「四国の宝物を捨てないでください」などの声が飛びました。 首都圏では,横須賀で住民の直接請求運動によって,アメリカ原子力空母配備を問う住民投票条例案が早速2月5日,横須賀市臨時市議会ではじまりました。原子力空母配備を容認する蒲谷亮一横須賀市長は本会議で,「本件条例の制定は必要ない」と従来の態度を示しました。 しかし,原子力空母の配備反対の公約を掲げて当選した蒲谷亮一市長は,意見を聞く会を2回開いただけで,約3,000万人が生活する人口密集地・東京湾沿岸の入り口,横須賀を原子力空母配備容認を表明したことは,高知県の東洋町長と同様に,蒲谷亮一横須賀市長の暴挙であり許されることではありません。 原子力空母母港化の是非を問う横須賀市での住民投票条例を求める直接請求署名が,必要数の5倍を超える約38,000人だったとし,母港化撤回とアメリカへの通告をすべきです。また政府は,横須賀での自衛隊とアメリカ軍との作戦一体化取りやめるべきです。 また,外務省側が北朝鮮の脅威をあげ,アメリカ軍の抑止力で平和と安全が守られ,原子力空母も「安全性は100パーセントアメリカを信頼している」と述べていますが,アメリカの資料を鵜呑みし,独自で調査することすらしない外務省の説明に説得力がありません。 原子炉の危険性とともに,イラク攻撃や核開発へのアメリカ国民をはじめ世界の批判の高まりが,「核抑止力の立場や原子力空母の配備は,世界平和と日本国民の安全への逆行」するものであることを証明しています。 平和憲法をもつ日本が、世界とアジアの平和のために果たすべき役割は,先制攻撃を戦略とするアメリカ軍の配備増強を許すことではなく,国是としての「非核三原則と憲法九条を生かす」ことです。 今回の東洋町と横須賀市の直接請求運動から,首長の暴挙も国民の利益に反することであれば,住民が一致団結し改めさせる大きな力になることを示しています。国政でも同様に,政府の暴挙は,選挙を通して暴挙を改めさせることができます。 自民党・公明党連立与党,そしてこれらを一緒に推進している民主党は,ホワイトカラー・エグゼンプション,米軍再編,消費税増税,憲法改悪(憲法九条改悪)など,国民の不利益な暴挙を考えています。 これを改めさせることは,国民自身の「正しい判断」に委ねられています。それは「批判票を投じる」ことであり,それが自民党・公明党連立与党そして民主党にとって大きな脅威になるのです。【参考】高レベル放射性廃棄物 原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出した後に残る,極めて放射能の強い廃棄物。放射能が問題ないレベルまで低下するのに数万年かかるとされています。国はガラス固化体にして地下300メートルより深い所に埋める計画です。 その埋設場所が最終処分施設です。原子力発電環境整備機構が,同施設の候補地を公募しています。 現在,応募しているのは高知県東洋町だけです。
2007年02月07日
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違法な軍事クーデターに加担したテレビ局の放送免許更新をめぐって中南米ベネズエラで論争が起きています。放送関連法に違反したメディアへの免許更新はありえないとする政府と賛成派に対し,チャベス政権に反対する野党勢力は「表現の自由の侵害だ」と反発して,両派がデモや集会で訴えています。 チャベス大統領は昨年12月28日,「クーデター策謀者である民間テレビ局RCTVの放送免許は更新されない」と述べました。同局の免許は5月に切れます。 RCTVを含むベネズエラの四大民間テレビ局は,2002年に反チャベス大統領派の軍部や経済界がアメリカを後ろ盾にして起こしたクーデター事件に積極的に加担しました。反チャベス派のデモへの参加を呼びかけたり,チャベス政権がデモ隊に弾圧を加えていると繰り返し報道しました。しかしこれは後に軍部にクーデターの口実を与えるために仕組まれたものであることがわかり,一連の報道は内外の批判を浴びました。 当時のRCTVについては,オーナーのグラニエル最高責任者が,政権側のメッセージは一切放送するなと現場に命令していたことが国会の調査委員会で明らかになっています。 チャベス大統領の発言後,ランヘル前副大統領は,法にもとづく許認可はどこの国でも政府の権限だと指摘。「政治的報復だ」とか「メディアを弾圧」との非難は当たらないと強調しました。 ララ通信情報相は,RCTVが通信組織法とラジオ・テレビ社会責任法に違反していると指摘しています。2000年に発効した通信組織法第108条は,「国家の安全保障に関して重大な状況が生じ,大統領が不適切と判断する」場合,免許は授与されないと規定しています。 2002年のクーデターには民間主要テレビ4局が加担しましたが,2004年8月の国民投票でチャベス大統領罷免が否決されると,一部の局はアメリカの民間団体カーターセンターなどの勧告を受けて放送関連法の順守を約束しました。 ただRCTVのグラニエル氏は政府の方針について,「報道の自由への侵害だ」として法廷で争う構えです。また,RCTV側の働きかけをうけて米州新聞協会「報道の自由委員会」のマロキン委員長は,他のテレビ局への影響に懸念を表明しました。米州機構(OAS)のインスルサ事務総長は声明を出し,違法行為は法廷で告発すべきだとしてチャベス大統領に再考を促しました。 一方,ベネズエラ国内の地域共同放送局などは2月2日,「通信の民主主義化への前進だ」とする政府支持の文書をララ通信情報相に手渡しました。中立系紙ウルティマス・ノティシアスのディアス編集長は,「政府の措置は法に基づいている。RCTVがクーデターや石油ストの際に行動に出ず,メディアとしての批判路線を堅持していたら問題にならなかった」と述べています。 この問題は,日本のマスメディアのあり方を考えさせられます。政権側あるいは反政権側につくとかつかないという話ではありません。マスメディアはあくまでも中立であり,「国民に真実を伝える」役割であるということをマスメディアは忘れてはいけないということです。 日本のマスメディアはどうか。正直「国民に真実を伝える」とい役割は十分に果たせていないと言わざるを得ません。日本では,スポンサーや政府に都合の悪いことは,世論が大きくならないとなかなか報道使用としない傾向があります。 今年は春に全国一斉地方選挙,夏に参議院選挙があります。国民に「二大政党選挙」あるいは「自民党 vs. 民主党 対決」などといった「劇場型」の報道ではなく,マスメディアの「真実を伝える」の報道を期待します。
2007年02月07日
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NHK受信料の支払いを義務化する放送法改定案が通常国会に提出されます。落ち込んでいるNHKの収入を回復するというのが理由です。 菅義偉総務相は,合わせて受信料の値下げを要請するとしています。 支払い義務化は,お金を払うかどうかというだけではなく,公共放送であるNHKのあり方にかかわる重大な問題をはらんでいます。 放送法が定める受信料制度は,NHKが政府や財界,特定の団体の干渉を受けずに放送を維持していくことが目的です。放送法は国民がNHKと受信契約をすることを求めていますが,受信料支払いについてはふれていません。受信料の支払いが決められているのは,NHKが定めた放送受信規約です。 放送法が受信契約は義務付けながら,受信料の支払いは義務付けていないのは,公共放送は国民との相互の信頼関係にもとづく自由な契約で成り立つという精神からです。もし支払い義務を放送法で定めることになれば国民だけに一方的な義務が課せられることになり,信頼関係が根本から崩れることになります。 もとはといえば受信料の未払いが増えているのは,NHK自身が引き起こした問題です。職員による制作費流用など数々の不祥事,自民党幹部の政治介入を受けての番組改変と続き,視聴者の信頼が揺らぎ未払いが急増しました。NHKはまずこれらの問題を真剣に受け止め,改めるべきです。 肝心のNHKは,支払い義務化そのものには口を閉ざしています。が,昨年来,未払い者に督促状を発行し,一部は裁判に訴えました。受信料制度への理解を求めるより,支払い義務化を先取りするような動きです。 もちろん受信料の未払いが300万件に上り,その3倍にもあたる約1,000万件が送法で義務付けられている受信契約もしていないというのは重大事態です。しかし,だからといって一足飛びに支払いを義務化するというのは飛躍がありすぎます。 かつて1966年と1980年に,支払い義務化を盛り込んだ放送法改定案を政府が国会に提出したことがありますが,国民の批判が高まり,廃案になりました。こうした経過も踏まえれば,現在の制度を維持していくことこそ,国民の意思です。 受信料制度の見直しはこの間,政府や財界主導のNHK「改革」論議の中で叫ばれてきたものです。昨年6月,政府と自民党・公明党連立与党は,受信料支払い義務化とともに,芸能・スポーツ番組制作部門を子会社に移行することを打ち出しました。公共放送の規模を縮小して,その分民間事業の拡大をはかろうという狙いであり,放送法改定がこうした流れのなかで持ち出されてきたことも,見過ごしにはできません。 とりわけ重大なのは,政府がNHKへの関与を強めてきていることです。菅総務相は昨年,NHKに拉致問題での放送を命令しました。それに続く受信料支払いの義務化です。NHKを思うままの放送局に変えようという狙いは明白です。 NHK番組の一方的な改ざんが争われた裁判で東京高裁は1月29日,NHKが自民党幹部の発言を受けいれて改変したのは公共放送としての使命に反すると断罪しました。 こうした判決をも踏まえるなら,NHKは政府の放送法改悪の狙いを受け入れるのではなく,国民の立場に立ち,公共放送として受信料制度を維持した道をすすむべきです。
2007年02月06日
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日米両政府は朝鮮半島有事を想定し,韓国に居住する日米民間人の退避などの軍事対処計画づくりを開始し,秋の合意を目指しています。 麻生外相は詳細な説明を避けながらも,日米ガイドライン(防衛協力指針)に沿って退避計画を「検討しているのは当然」(1月5日)と述べています。スノー米大統領報道官も,すべての選択肢を念頭に置き「計画は常に作成される」と述べ,(同日)計画づくりを事実上認めています。 日米両政府は2002年12月の日米安全保障協議委員会( 2プラス2 外交・軍事担当閣僚協議機関)で,日米ガイドラインにもとづく日米共同の戦争計画を決定し,「更なる充実」を合意しました。 これに基づき,アメリカがアジア太平洋地域のどこかで戦争をはじめるときの自衛隊のアメリカ軍への作戦支援や民間港湾・空港のアメリカ軍提供などを定めた日米共同の作戦計画を見直し,更新する作業を続けています。アメリカが戦争に踏み出す場合にはいつでも,最新情報に基づいて作戦行動ができるようにするためです。朝鮮半島有事を想定した軍事対処計画づくりもその一環です。 重大なのは,北朝鮮の核開発をめぐる中国,アメリカなどの6ヶ国協議がおこなわれており,国際社会が北朝鮮問題を粘り強く平和的・外交的に解決しようとしているそのときに,朝鮮半島有事を想定し,軍事対処を計画していることです。 戦争ではなく話し合いで,朝鮮半島の非核化を目指すことはアジアと世界の願いです。いま必要なのはこの国際社会の取り組みをさらに強めることです。朝鮮半島の有事を想定して軍事対処計画をつくるのは,こうした国際的努力を損なうものでしかありません。 国連安保理事会も昨年9月,6ヶ国協議の当事国に「外交努力を強め緊張を激化させる可能性があるいかなる行動も慎む」ことを求めた決議を全会一致で採択しています。 日米は6ヶ国協議の当事国であり,国連決議にも従う義務があります。安保理決議に反し,国際社会の一致した平和の努力に水をさして,団結を損なうような軍事対処計画づくりが許されるわけがありません。 日米の軍事協力強化にアジア諸国の警戒心は一段と高まっています。軍事対処計画や「周辺事態法」に「注目せざるをえない」(シンガポール華字紙「聯合早報」),「日本はアメリカとのより強力な軍事同盟を模索」(韓国英字紙「コリア・ヘラルド」)といった批判が広がっています。 アメリカは1994年に北朝鮮の核開発疑惑を口実にして軍事制裁を企てましたが,日本の協力が得られず断念した経過があります。日本がアメリカ軍に軍事支援することはアメリカの先制攻撃戦争の危険を大きくするだけです。だからこそアジア諸国がつよく警戒するのです。 軍事一本やりの政策では,国際的問題を解決できないことはアメリカのイラク戦争の失敗をみてもはっきりしています。 軍事同盟で紛争に介入する時代は過去の時代の遺物になりつつあります。アジアをはじめ世界各地域で軍事同盟に代わって力を発揮しているのが平和の共同体です。紛争を戦争ではなく外交的・平和的方法で解決する流れは憲法九条と同じです。 日米軍事強化方針はアジアの平和にとって有害無益です。軍事対処計画づくりはやめるべきです。
2007年02月06日
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1月31日に発表されたアメリカの昨年10月-12月期の国内総生産(GDP)速報で,実質経済成長率が3.5%となりました。先月中旬のFRB(米連邦準備制度理事会)の報告でも,「アメリカ経済は緩やかなペースで拡大している」として,景気後退の判断を退け,金利引き下げを見送りました。 ブッシュ米大統領は一般教書のなかで,「アメリカ経済は順調だ。雇用は41ヶ月連続で拡大し,失業率,インフレ率は低く,賃金は上昇している」と述べています。 確かに統計数値だけ見ると,失業率は4.5と5年ぶりの低い水準で,ニューヨーク株式市場も高値を維持しています。アメリカ経済は2001年12月以来長期にわたって景気上昇が続いていますが,ブッシュ政権のもとでさまざまな矛盾が累積し,先行きには危険な兆候が次第に強まっています。 国内経済では,景気上昇のなかで,貧困と格差が引き続き拡大しています。 ブッシュ政権は,2001年1月の発足以来,「新自由主義成長政策」の立場から大企業減税や個人所得税の減税を繰り返してきました。しかし,貧困ライン以下の人口は2003年の3,590万人から2005年には3,700万人へと大幅に増えています。失業率は統計的には減ったようにみえますが,ワーキングプアが増え,2005年の家計貯蓄率は,戦後初めてマイナス0.4%となっています。 最大の問題は,財政赤字と経常収支の「双子の赤字」が拡大し,ドル急落への危険水域に入りつつあることです。 財政赤字は,2006会計年度(2005年10月-2006年9月)には,前年度比22%減の約2,480億ドルにひとまず改善しましたが,これは景気回復による税収増で歳入が11.8%も急伸したためです。ブッシュ政権は,「今後5年間で財政赤字を解消する」などとしていますが,巨額な規模のイラク戦費の膨張にストップをかけない限り,財政再建の道筋は全く見えません。 経常収支は,2006年7月-9月期(季節調整済み)には,2,255億ドルの赤字となり,GDP比で6.8%と最悪の水準にたっしています。1月-9月期の累計では約6,558億ドルの赤字で,2006年の年間赤字は史上最大規模に膨らむ見通しです。 ブッシュ政権によるイラク戦争の継続・20,000人の増派政策は,アメリカ経済の歪みと「双子の赤字」をとめどなく拡大し,ドル急落への内外の懸念をいちだんと広げています。イラクにアメリカ軍を増派する「新戦略」をやめ,イラク撤兵を直ちに実現することは,アメリカにとって経済政策上も喫緊の課題です。 安倍内閣は,アメリカ国内でさえ強い批判をあびているブッシュ政権のイラク戦争をいまだに支持し,経済政策でも対米追随路線の態度をとりつづけています。 来年度予算案には,アメリカ軍の世界戦略の再編と日米軍事同盟強化のために,米軍基地再編の財政負担を盛り込んでいますが,これは絶対に認められません。 また,アメリカの国際収支赤字をドル高による資本流入で穴埋めするために,日米金利差を維持する日米協調の金融政策をとり続けています。これは,日本経済にとって大きな歪みをもたらすものであり,直ちに転換すべきです。 1月19日のブログで指摘しているように,国民は1990年代よりゼロ金利政策によって300兆円(日銀試算)を吸い上げられています。 日本は既に800兆円近い借金まみれの国です。ご存知の方は多いと思いますが,「借金時計」というサイトも存在し,今現在も借金が増え続けています。先日全国の都道府県の「借金時計」のサイトもできていることを知りました。 日本がこれだけ借金が増えた背景は何か。実は日本の借金はこの10年で正確には,橋本内閣,小渕内閣,森内閣,小泉内閣の10年間で324兆円の借金を作っています。実に40%近い借金をこの10年間で作ったのです。それで国民の生活が良くなったかといえば,むしろ悪くなっているのが現実ではないでしょうか。 すべては,自民党政治の結果であり,バブル期以上の利益をあげている大企業優遇の(減税)政策の結果で,無駄な大型公共工事の結果なのです。 駐日米軍関連予算は増え続けるのに,医療や福祉・教育予算を削り,諸控除をなくし,消費税増税をしようというのだから,国民の暮らしはますます悪くなるのは必至です。 「自民党ではなく,民主党に政権を」という方が居りますが,自民党と民主党の本質はなんら変わりません。 大企業から献金を受け「大企業優遇政策」という点でも,消費税を引き上げるという点でも,無駄な大型公共工事をするという点でも,医療や福祉・教育予算を削っている点でも,アメリカ追随という点でも,教育基本法改悪,憲法改悪の点でも,自民党と一緒になって推進してきたのは他でもなく民主党だからです。 これは国政だけでなく,地方政治でも同様です。 今の状況から脱するためには,政治を変えることしか方法はないのです。選挙で棄権するのはなく,自民党(公明党),民主党ではなく,社民党や日本共産党,国民新党などに選挙で票を投じることが,自民党(公明党),民主党への批判票となり,彼らが気付かせる必要があります。仮に,社民党や日本共産党が議席をとれば,それは自民党(公明党)や民主党に大きな脅威になり,今の政策を見直すようになります。 政治家も選挙で落ちれば「ただのひと」なのです。社民党や日本共産党へ票が流れれば,大企業優遇,アメリカ追随,国民無視の政治はできなくなるのです。 春の全国一斉地方選挙,夏の参議院選挙でどれだけ批判票として社民党や日本共産党へ票が流れるのかが,日本の将来を決定付けるといっても過言ではありません。憲法の問題でも,医療や福祉・教育の問題でも,増税・負担増の問題でも全てが変わってきます。大企業やアメリカのための政治ではなく,国民のための政治を取り戻すために,国民が批判票を投じることを強く期待します。
2007年02月05日
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2月3日付アメリカ各紙の報道によれば,ブッシュ政権は2月5日に議会に提出する2008会計年度(2007年10月-2008年9月)の予算教書で,総額6,260億ドル(75兆7,000億円)という巨額の軍事費を要求します。 また,これまで21,500人とされているイラクへの増派部隊の数が,アメリカ議会予算局が公表したイラク米軍増派費用の試算では最大で48,000人となる可能性があることが分かりました。 ニューヨーク・タイムズ紙によると,6,260億ドルの軍事費は,朝鮮戦争中の1952年の6,450億ドル(現在のドルに換算)に匹敵する記録的な額となります。 このうち,2008会計年度の国防総省予算は4,810億ドル(58兆円)で,2007会計年度と比べ10%も増額されています。 またブッシュ政権は,イラク,アフガニスタンでの追加戦費などのために,2007会計年度追加予算として1,000億ドル(12兆円)を要求。同年度予算では,すでに700億ドル(8兆4,000億円)が追加予算として承認されており,同年度の追加予算は合計1,700億ドルとなります。 それに加えて2008会計年度の追加予算も予定。その額は1,450億ドル(17兆5,000億円)と見積もられています。2008年度の軍事費は,これらの総計です。 一方,議会予算局は2月1日公表したイラク米軍増派計画に関する試算で,1年間の増派で270億ドル(3兆3,000億円)もの費用がかかることを明らかにしました。 国防総省が計画しているとされる21,500人の増派数は戦闘部隊の数字であり,それに伴って動員される支援部隊の規模は明らかにしていません。予算局によると,国防総省はこれまで「4,000人の戦闘部隊に対し5,500人の支援部隊」の割合で派兵しており,「20,000人の戦闘部隊には28,000人の支援部隊が必要」と試算しています。 その上で,増派兵力を最低35,000人から最大48,000人と想定し,それぞれ4ヶ月間,1年間派兵した場合の経費を算出。その結果,35,000人の増派の場合,90億ドル(4ヶ月)から200億ドル(1年間),48,000人の増派の場合,130億ドル(4ヶ月)から270億ドル(1年間)かかるとしています。 ホワイトハウスは増派計画発表の際,追加経費を56億ドル程度と説明しており,予算局の試算とはかなりの開きがあります。 これがアメリカだけの話と思ってはいけません。これだけの軍事費はアメリカ一国で負担することはありません。これだけの軍事費はアメリカ国債を発行せずに調達はできません。その引受け先はほとんどが日本になるのです。アメリカの借金を日本が肩代わりすることになります。性格には日本国民が肩代わりすることになります。 それはゼロ金利政策であり,駐日米軍(思いやり予算)予算であり,増税・負担増という形になります。 憲法を変えて,アメリカと一緒に戦争ができる国へと頑張っている自民党・公明党連立与党と安部内閣,そして民主党ですが,憲法を変えることがアメリカ忠誠であり,大企業の大きなビジネスチャンスであるので,自民党・公明党連立与党そして民主党は頑張るのです。 国民の知らないカラクリで,国民の知らないところで,国民だけがババをひき,一部の政治家や大企業だけが儲けるのが自民党・公明党,民主党の目指す政治に他なりません。 これまでも選挙で騙され続けている国民ですが,そろそろ彼らの本性を知ってもいい頃ではないでしょうか。このまま騙され続ければ,本当に取り返しのつかないことになります。「商売の関係で」,「頼まれたから」などで,日本の将来を託すのではなく,「自分のために」,「将来のために」で選挙を考え,票を投じることが一番大事ではないかと考えます。
2007年02月04日
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今国会序盤の最大の焦点である柳沢伯夫厚生労働相の罷免問題。人権を守る責任者でありながら女性の人格を完全に否定した本人は居座り,罷免すべき首相はかばい続け,自民党・公明党連立与党もそれを支持しています。支持率急落のなか,政権維持を最優先する首相。「美しい国づくり」を掲げながらの醜さ極まる事態です。その異常さを改めてみてみました。【少子化対策に敵対】柳沢厚労相辞任は当然 女性は「子どもを産む機械」などと語った柳沢厚労相の発言は,女性の人格と尊厳を否定する言語道断の発言です。同時に,福祉,健康,労働の分野で国民の人権を守ることを職責とする厚労相の発言としても,二重に許しがたい重大な意味をもっています。 柳沢氏は,発言で「(女性という)産む機械,装置の数はもう決まっている。産む役目の人が一人頭でがんばってもらうしかない」などと述べています。これは子どもを産みたい夫婦が子どもを産み,育てやすい環境をつくるという政府自らの責任を棚に上げ,女性に責任を押し付けようとするものです。こんな認識の人物に厚労相が務まらないのは明らかです。 柳沢氏は「与えられた任務をしっかりやって成果を上げたい」(2月2日)などと開き直っていますが,やろうとしているのは何か。長時間労働を加速する「残業代ゼロ・過労死促進」の「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入など少子化対策に真っ向から反するものです。今国会では,生活保護を受けている母子家庭の世帯に支給される母子加算の廃止など,国民いじめの来年度予算の審議が目前に控えています。責任者が,女性蔑視の考えの持ち主では,まともな議論ができません。「毎日」2月2日付社説は,すでに多くの国民が最初の発言を「柳沢氏の本音」と感じていると指摘。「今後,柳沢氏がどんな少子化対策を口にしても,国民に対する説得力は持たないのではないだろうか」,「自ら辞任して混乱を収拾するのが政治家というものだ」と厳しく指摘しています。【政権への影響懸念】かばう首相の責任 「柳沢氏は深刻に反省している」,「発言は不適切だが本来は見識の高い人」。 安倍首相はこういって,柳沢氏をかばうだけでなく,自ら前面に出て,留任のため自民党・公明党連立与党を説得するという異例の態度をとりました。問題発覚の当初は,柳沢氏に対し,「誤解を生じないように」などと述べ,まるで国民の理解力のほうが問題であるかのような発言までしました。 安部首相がかばい続けるのは,本間正明前政府税調会長,佐田玄一郎前行革担当相の辞任に続き,さらに閣僚が罷免あるいは辞任となれば,政権への決定的な打撃となることを懸念しているからとされます。しかし,この首相の態度は,「美しい国づくり」を声高に唱える自身のモラルがいかに「美しさ」とかけ離れているかを告白したに等しいものです。 柳沢氏は,昨年の自民党総裁選で安倍首相の総合選対本部長を務めました。内閣発足当時,各マスメディアは,柳沢氏の入閣は,「論功行賞」と書き立てました。安部首相が女性の人格,尊厳よりも,自分に対する「貢献」を優先させているとすれば,首相としてこれほど本末転倒な話はありません。 首相がかばい続ければ続けるほど,人権感覚を柳沢氏と同じレベルに引き下げることになり,国民の怒りと国際的な不信を増すことになります。【「しっかり仕事を」?】柳沢厚労相を支える与党の異常 柳沢氏をかばう異常さでは自民等,公明党両党も同じです。 自民党・公明党連立与党が単独で開いた 2月1日の衆院予算委員会では,自民党議員の質問で,「われわれはあなたの味方。しっかり支える」と柳沢氏を励ます発言まで飛び出しました。 自民党の中川秀直幹事長は 2月2日,「柳沢さんは女性蔑視論者ではない。政策の方向も思想も間違っていない」と,全面的に擁護しました。各派閥もほとんどが同様の立場です。 見過ごせないのは,日ごろ,女性分野の「実績」を自慢する公明党の態度です。同党は,ふたつの全国選挙を前に,連日,機関紙などで「少子化対策,児童手当の公明党」のキャンペーンを張り,「女性専用車両の導入」まで自らの「実績」に並べ立てています。それなのに,当初,発言に激怒したとされる浜四津敏子代表代行は,1月31日,「(厚労相発言は)女性に対する侮辱だ」としながらも,「気を引き締め,これまで以上に緊張感を持って行動」するよう求めるだけ。太田昭宏代表も 2月1日,「しっかり仕事をしてもらいたい」と,罷免する意思が全くないことを表明しました。 公明党が本気で女性の人権を守り,出産・子育てのしやすい社会をつくろうと思うなら,今回の柳沢氏の発言とその進退を曖昧にすることなどできないはずです。柳沢氏の罷免も辞任も求めず,「実績」を並べ立てることは,それが単なる選挙目当てにすぎないことを自ら示しているのも同じです。 安倍政権のモラル低下は,すでに「政治とカネ」の問題でも露呈しています。 家賃がただの議員会館を「主たる事務所」にしながら,多額の「事務所費」を報告していた「事務所費」問題。首相は,自分が任命した閣僚,党幹部に疑惑がかけられているのに,「『法にのっとって適切に処理されている』と報告を受けている」とかばうばかりです。国民が疑惑を抱き,怒っているのは,知られたくない支出を隠すため領収書のいらない「事務所費」として処理し,法に反する虚偽記載が行われていたのではないかということです。その重大さ,異常が全く理解できないのです。 この安部首相のもとで,疑惑の閣僚,幹部たちは言いたい放題です。 伊吹文明文科相も松岡利勝農水相も,保存が義務付けられている領収書や帳簿の公開は拒否し,「家賃がただだから疑惑があるという(のは)誤った認識」(伊吹氏,1月31日),「違法では全くない」(松岡氏,同)と開き直っています。中川昭一政調会長は「事務所費の透明化のあり方について,党としても検討を進めている」( 1月29日)と述べ,まるで人ごとです。 このような状況でも,安部首相の「美しい国」内閣を支持している人が国民の4割前後いることに私自身は驚きを隠せません。自民党・公明党連立与党も「のどもと過ぎれば…」と国民を馬鹿にしています。国民も「のどもと過ぎれば…」と騙されてはいけません。これが今の自民党・公明党連立与党の本質なのです。 自民党・公明党連立与党はこの問題を曖昧にするために,マスマスメディアを使ってどんな事件を使って,国民の視線を逸らし騙すのか興味深く見ています。
2007年02月03日
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作家の大江健三郎氏や評論家の加藤周一氏ら著名な9氏でつくる「九条の会」は2月1日,国会内で記者会見し,同会アピールに賛同する地域・分野別の「会」が6,020に達したことを発表しました。また,11月24日に第2回全国交流集会を東京・日本教育会館で開き,3月には同会主催の「憲法セミナー」を2ヶ所で開催する計画も明らかにしました。 会見した事務局長の小森陽一・東京大学教授は,地域・分野別の「会」はこの1年間で約2,000増加し,2004年6月の「九条の会」発足以来,月平均約200の「会」が生まれたことになると指摘しました。 この間の特徴として(1) 小学校区単位など市民生活に最も近いレベルで「会」が結成されている(2) 職場単位の「会」が増えている(3) マスコミ九条の会など分野別の会も地域ごとの会が結成されつつあるの3点を指摘。京都府では小学校区単位の「会」が校区の32%で結成されたこと,大阪では公立高校・養護学校の35%以上の学校で「会」が結成されたことなどを紹介しました。 小森氏は「草の根に根をはった『九条の会』の活動が世論を本格的に根っこから変えていくところにさしかかっている」と述べました。 また,昨年11月に第1回を開催した「憲法セミナー」を3月に静岡・ニッセイ駅前ビル(3月10日)と京都・立命館大学(3月17日)の2ヶ所で開催すると発表。小森氏は,「九条をめぐってどのような理論的問題があるのか,時間をかけてきちんと議論したい」と述べました。 私個人的には,小森氏・加藤氏の講演を聴いたことがありますが,小森氏の講演が分かり易い講演でお薦めします。安部内閣が憲法九条を改悪して戦争ができる国へと企んでいますが,全国で6,000を超える「九条の会」ができていることが大きな励みになります。 「九条の会」では様々な活動をしておりますが,皆さまのご近所にも「九条の会」がありますので,あまり難しく考えず,気軽に覗いてみることをお薦めします。
2007年02月03日
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アジア各地の英字紙は,安倍首相が愛国心を強要する教育基本法改定案や防衛省昇格法案の成立に続き,国民投票法案の可決を急ぐなど「平和憲法」改定に執念を燃やしているのに対し警戒心や強い懸念を示しています。 シンガポール英字紙ストレーツ・タイムズ 1月15日付は,防衛省発足について,「日本を『普通(の国)』にする」と題する社説を掲載。防衛省昇格に,「日本人の多くは,戦前の軍隊がいかに暴れ狂ったかを思い起こし,心配している」,「日本の近隣諸国が強い警戒の目を向けている。中国の新華社通信は,日本の軍事大国への『重要な一歩』と呼んだ」と述べています。 同社説は,こうした懸念や警戒心が出されるのは,「安倍首相と与党(自民党)が平和憲法を改定し,事実上の軍隊である自衛隊に,より全面的な地位を与え,同盟国への軍事支援提供の制限を緩和することに熱狂しているからだ」と指摘しました。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト 1月18日付は一面で,「安倍与党,戦争神社(問題)で挑戦的に」の見出しで自民党大会について報道。「自民党は年次大会で,靖国戦争神社参拝を誓約する方針を採択した。安倍氏は大会で新憲法起草の決意を改めて述べた」と伝えました。 同紙 1月1日付は,安倍首相の政治姿勢について次のように論評しています。 「安倍氏は国粋主義を掲げ,学校の教育課程で愛国主義を強要する新教育基本法を国会で無理やり成立させた。国会は防衛庁に代わり,完全な形の防衛省をつくることに同意した。次のステップは,日本の平和憲法改定を国民投票を通じてやり遂げることだ。この改定は(アジアの)隣人たちを不安にさせるだろう」 アジアでは,ASEAN全体で共同体作りが進んでいます。それは経済を中心とするものから始めて,今は平和での共同体作りにまで及んでいます。そうしたアジアの平和の流れのなかで,日本は逆行する流れを進もうとしているので,アジアでは警戒心が生まれつつあるのです。 アジアばかりでなく,世界の流れは軍事一辺倒ではなく,対話による外交が主流になりつつあります。安部内閣はそうした流れを見ようとせず,アメリカと一緒に戦争をする国作りを進めているのです。 世界の中で孤立するアメリカと日本にならないためにも,政治家は世界の流れを無視してはいけません。国民もそうしたことを視野に入れて,政治家を選ぶことが必要になってきます。
2007年02月02日
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柳沢伯夫厚生労働大臣が,女性を「子どもを産む機械」と発言( 1月27日,島根県松江市で)したことをめぐって,日本中に批判が広がっています。海外のメディアも,「嵐のような抗議を呼び起こした」(英紙スコッツマン二 1月29日付),「世論は追及の手をゆるめず辞職を求めている」(シンガポール紙聨合早報 1月29日付),「(発言への)波紋が日を追うごとに大きくなっている」(韓国紙文化日報 1月30日付)と報じています。 女性の人間としての人格と尊厳を否定する柳沢大臣の発言への国民の怒りが,世界のメディアを通して映し出されています。柳沢厚生労働相の辞任・罷免を求める声は日ごとに大きくなっています。 衆参本会議の代表質問で,日本共産党の志位和夫委員長,市田忠義書記局長が柳沢厚生労働相の罷免を求めたのに対し,安倍首相は,反省と陳謝を繰り返したものの,「職務を全う」して「結果を出す」として,罷免を拒みました。 首相のかばいだてが,柳沢大臣をつけあがらせています。「与えられた仕事を一生懸命にし,成果でもって安倍首相の厚意に報い,国民の皆さんのお役に立ちたい」( 2月1日)とまでいっています。 柳沢発言は,人間として許されないのはもとより,少子化問題を含む福祉,健康,労働の分野で国民の人権を守ることを職責とする厚生労働大臣として,許しがたいものです。少子化の原因を女性にあるかのように述べ,政治の責任を全く免罪している点でも厚生労働大臣としての資格がありません。職務を全うする前提が壊れているのに,“国民のお役にたてる”はずもありません。 かばいだてを続けるなら,安倍首相も同罪です。もし罷免できず,けじめがつけられなければ,「安倍内閣全体の人権へのモラルが,柳沢大臣と同じレベル」になります。 問われているのは首相の人権感覚,憲法感覚です。柳沢発言が「女性の心を痛めた」と首相はいいますが,女性の人格と尊厳を否定する深刻な発言と受け止めるのかどうかが問題です。人格否定に「近い発言と思う」(塩崎官房長官)というなら大臣としての資格はありません。 海外メディアは,「野党から辞任要求を受けているだけでなく,政府与党内の反応も冷淡だ」(韓国紙東亜日報 1月31日付)と伝えています。公明党の浜四津代表代行は,厚労相発言が「女性に対する侮辱だ,不適切だ,という声が私のところにもたくさん届いている」(公明新聞 2月1日付)といいながら,柳沢厚生労働相の続投を容認しています。安倍内閣全体と同じく,人間としての人格と尊厳の問題ととらえるのかどうかが,自民党・公明党連立与党全体に問われます。 政府・自民党公明党連立与党が,柳沢厚生労働相の罷免を拒否する一方で,衆院予算委員会の審議を単独で強行したのは言語道断です。野党が欠席する中,日本共産党だけは一方的な開会,審議に抗議して予算委員会を退席しています。 安倍政権は,昨年9月の発足以来,12月には本間正明政府税調会長や佐田玄一郎行政改革担当相の不祥事が発覚して辞任しています。政権の維持や選挙目当てで,大臣の進退を判断するとなれば,まさに女性の人格と尊厳より党利党略を優先する許しがたい事態です。 国民の声に応えるには,柳沢大臣を罷免する以外にありません。
2007年02月01日
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