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政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は5月30日,医療,保育,教育,金融などの分野の規制改革を盛り込んだ第一次答申を決めました。 同会議の再チャレンジワーキンググループが5月21日に,労働時間や派遣労働の全面的な規制撤廃などを柱とする意見書を出しましたが,世論の反対や政府内の異論が噴出したことで,答申には盛り込まれませんでした。 答申では,医療費抑制のために医療業務の効率化を図るとして,レセプト(診療報酬請求明細書)のオンライン化の完全実施を求めています。保育では,保育料引き上げにつながる「応益負担」への転換などを盛り込んでいます。教育では,学校選択制の普及促進や学校を予算で差別する教育バウチャー(利用券)制度の実現を提言しています。 この他,官製談合の舞台となった農林水産省所管の「緑資源機構」の業務の大幅な縮小を打ち出しました。 答申を受け,政府は6月下旬をめどに「規制改革推進新3ヶ年計画」を閣議決定する方針です。 規制改革会議は,国民生活の根幹にかかわる部分の「規制緩和」の司令塔となっていた規制改革・民間開放推進会議の後継組織として今年1月に発足したものです。 「何をどこに入れるか決めていなかった。いろいろな結論を出せる状況でなければ…」。規制改革会議の草刈隆郎議長は,第一次答申をまとめた後の記者会見で,労働時間の規制撤廃などが盛り込まれなかったことについてこう述べました。 同会議のワーキンググループが,「労働時間や派遣労働の規制撤廃」,「最低賃金の引き上げ反対」などを掲げた意見書を5月21日に発表していましたが,第一次答申には盛り込まれませんでした。 “5月21日の記者会見では入れる旨の説明があったはず”と記者団から問われた草刈議長は「もしそうだったら私どものミスです」と答えるのがやっとでした。 意見書に対しては,国民の強い反対の声が上がっていました。また柳沢伯夫厚生労働相が野党議員の質問に,「適正さを欠いている」(5月22日の参議院厚生労働委員会)と答え,林芳正内閣府副大臣も,「(政府の)政策の方向性に反することがないよう草刈議長に指示した」(5月29日)と述べるなど,政府内からも異論が出ていたもの。 世論の批判の強さの前に,答申を盛り込めなかった草刈議長の悔しさがにじむ会見でした。
2007年05月31日
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6月からの住民税額の大幅増を前に,“増税戦犯”公明党への批判が強まっています。たまりかねたように,公明新聞は5月29日付一面トップで,「6月から住民税が増えるの?」,「所得税が減額され 負担額は変わらず」という見出しの企画記事を掲載しました。 「6月から住民税が増えて給料が減ると聞きましたが,どういうことですか」との読者の疑問に答える形式の同企画。所得税から住民税への税源移譲によって,両税の合計負担額が変わらないことを説明しています。 確かに,税源移譲だけの影響では,基本的に所得税・住民税を合わせた負担額が増えることはありません。しかし,自民党・公明党連立政権が決めた定率減税全廃による総額1.7兆円もの増税が,庶民を襲います。 さすがに,同紙も定率減税廃止による増税はごまかしきれません。 「定率減税廃止分だけ増額」という見出しをたて,増税になることを認めています。ところが,示した増税額の試算は「年収500万円(夫婦と子ども2人)で年間5,700円(住民税分)」というもの。 これはあくまでも住民税の増税額だけ。同じ世帯で年額11,900円の増税になる所得税の定率減税全廃の影響を隠し,増税を小さくみせようとしています。 同紙は,定率減税は「景気対策」のために実施したが,最近の日本経済は「回復基調」だから廃止するとしています。 家計の「回復」をどれだけの庶民が実感しているというのでしょうか。 一方,定率減税と同時に「景気対策」として導入された大企業減税(法人税率引き下げ)や大金持ち減税(所得税の最高税率引き下げ)。大企業は史上空前の大儲けを記録しているというのに,大企業減税や大金持ち減税はそのままです。 定率減税全廃と高齢者の年金課税強化の先頭にたってきた公明党。同紙が,庶民増税の火消しに躍起になっても,国民の怒りの火を消すことはできません。
2007年05月31日
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長時間労働の抑制や均等待遇,全国一律最低賃金制など人間らしく働けるルールの確立は,貧困と格差を打開するために不可欠の課題です。安倍内閣が国会に提出している労働関連三法案は,これらの願いに応えていません。 労働基準法改定案は,時間外労働の割増率の引き上げを盛り込んでいますが,長時間労働を是正するために最も肝心な残業時間そのものを法的に規制していません。 最低賃金法改定案も,最低賃金の大幅引き上げにつながる保証はありません。 全国平均で時給673円というあまりにも低すぎる最低賃金を,時給1,000円を目標に抜本的に引き上げ,全国一律の制度として確立することは国民の切実な願いです。しかし,最低賃金法改定案は,「全国一律」を盛り込まず,政府は,最低賃金の大幅引き上げを否定する答弁を繰り返しています。 新たにつくられる労働契約法案は,労働契約の締結や変更について「労働者と使用者が対等な立場で合意する」ことを原則としています。ところが,使用者が一方的に定める就業規則の変更が,労働者にとって不利益であっても,労働者の合意は必要ないとしています。一方で,労働契約をめぐって最も必要な非正規労働者の雇用を安定させる「雇い止め規制」なども盛り込まれていません。 政府が,労働法改定案を提出しながら,貧困と格差を打開する抜本的な方向にならないのは,財界の要求に応えて労働分野での規制をなくし,より一層の働くルールの破壊を狙っているからです。 政府の規制改革会議の労働専門グループが5月21日公表した意見書は,労働者の権利を強めるという考え方を「誤っている」と述べています(「脱格差と活力をもたらす労働市場へ―労働法制の抜本的見直しを」)。 意見書は,最低賃金の引き上げそれ自体を否定しているのをはじめ,不当な解雇であっても金銭を払えば解雇できる制度や,派遣労働における業種の拡大や派遣期間の制限の撤廃なども盛り込んでいます。人間らしく働くルールの確立を願う人々への挑戦状ともいうべきものです。 実際,労働三法案の審議が始まった衆議院本会議で,野党議員が,安倍内閣として意見書の方向を「とらない」よう求めたのに対し,塩崎官房長官は,とらないとはいいませんでした。 もともと,労働三法案の今国会提出をめぐっても,事務・管理・販売などのホワイトカラー労働者の労働時間規制の適用除外(エグゼンプション)が議論になりました。「残業代ゼロ法案」という批判が国民から巻き起こり,政府は今国会提出の法案に盛り込むことを断念しました。 しかし,塩崎官房長官が「今後とも検討していきたい」と答弁したように,安倍内閣がホワイトカラー・エグゼンプションの導入をあきらめたわけではありません。労働三法案にとどまらず,労働者の暮らしと福祉を根こそぎ奪う攻撃を許さない世論と運動を広げることが急務です。 通常国会の会期はあと1ヶ月足らずになりましたが,貧困と格差の問題が争点となる参議院選挙では,労働者・国民を応援する政党がどの党かが鋭く問われます。 人間らしく働くルールの確立を求め,サービス残業の根絶でも実績のある野党か,労働法制の規制緩和を進めてきた自民党,公明党,民主党かの選択です。
2007年05月30日
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政府,自民党・公明党連立与党は,5,000万件にのぼる対象者が分からない年金記録について,該当者がいないか調査を行うとともに,支払い不足が判明した場合は5年間の時効を適用しない法的措置をとることを打ち出しました。 時効の撤廃について連立与党側は当初,秋の臨時国会に法案提出の構えでしたが,安倍晋三首相は5月27日,今国会提出を指示するなど,対策に追われています。 記録漏れは,コンピューター化や基礎年金番号導入に伴う事務処理のなかで起きたものです。長年にわたって保険料を納めてきたのに,もらえるはずの年金がもらえなくなる重大問題です。 ところが,安倍首相は「いたずらに国民の不安を煽ってはいけない」と打ち消しに躍起となり,対策についても「年金記録の確認を幅広く国民に呼びかける」と“加入者任せ”にして,国民の年金受給権に背を向けてきました。それが,世論や野党の追及で新たな対策を打ち出さざるをえなくなったものです。 しかし,5,000万件のうち調べるのは当面,年金がもらえる年齢に達している60歳以上の記録2,880万件。あとは注意を呼びかけて,加入者からの申し出を待つだけです。しかも,調査で関連しそうな記録がある人には社保庁が通知を出しますが,受給者が自分の記録かどうかを証明しなければなりません。 政府は,領収書がなくても状況証拠があれば認めるとしていますが,具体的内容は決まっていません。証明できなければ時効が撤廃されても救済されず,“本人任せ”という点は何も変わっていないのです。 国会では野党が,全加入者に対して政府から通知して,納付記録に誤りがないか確認することなど国の責任で徹底調査と救済対策をとることを求めています。 重大なのは,政府は記録の確認作業は2010年までに終わらないことを認めながら,その2010年に社保庁を解体して,年金事業を分割・民営化しようとしていることです。 政府案は,年金業務をバラバラにし,競争入札で外部委託します。委託業者や従業員が数年ごとに入れ替わるため,確実で安定した年金運営などはできない仕組みです。 個人情報の漏えいや不正利用などプライバシーも深刻な危機にさらされます。 これでは,これからおこなう該当者の調査をきちんとおこなう保障も,同じような記録漏れを再び起こさないという保障もありません。 社保庁を解体して年金事業を脅かす点では民主党も同じです。 民主党は,社会保険庁を解体し,国税庁とあわせて歳入庁をつくる法案を提出しています。年金業務を細分化し,営利企業に丸投げする仕組みになっており,政府案と変わりありません。審議のなかでも「公務員削減や民間委託でスリム化ができる」といって解体・民間委託を競い合いました。 しかも民主党案では,社会保険庁に代わる組織もなくなり,徴収体制だけが強化されることになり,社会保障としての年金の性格を大きく変質させる恐れさえあります。 参考人質疑では,政府案・民主案ともに「運営管理を国が包括的一元的に行うのが世界の流れ。世界の恥になる」と批判する声が上がりました。 社会保険庁は1997年,公的年金の加入者全員に基礎年金番号を割り当てる制度を導入しました。それまでは,年金ごとに別の年金番号で記録を管理していたため,転職や結婚などのたびに,別の年金番号がつけられていました。 社会保険庁は,本人の申請にもとづいて,複数の番号を持つ人の記録の統合をすすめていますが,50,951,103件(2006年6月1日現在)が未統合のままとなっています。これが「宙に浮いた年金記録」です。 社会保険庁は「既に死亡した加入者の記録がある」などと説明していますが,生年月日が特定できない記録が約30万件も存在するなど,記録ミスも多数含まれていることが予想されます。 膨大な作業にふさわしい体制をとっていたのかどうか,検証が必要です。 年金記録の統合ができないと,年金加入期間(25年間)不足の扱いとされて,受給資格を失ったり,保険料を払っていても「未納期間」扱いとされて,もらえるはずの年金額を減額される不利益を受けることになります。 未統合記録約5,000万件のうち,すでに年金受給資格のある年齢に達している記録は約2,800万件にのぼっています。また,保険料を払い続ければ,受給資格を得られる35歳未満の加入記録も約160万件も存在しています。これらが放置されると,保険料を払った多くの国民が資格があるにもかかわらず不利益をこうむることになります。国民年金の場合,1ヶ月未納だと年間1,650円(1年未納は年間19,800円)の年金が減額されます。 しかし社会保険庁は,あくまでも「申請主義」の立場をとっているため,現状では,加入者の方から社会保険事務所に年金記録の確認を求めることが必要とされています。国の責任で解決することが急務です。
2007年05月29日
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「ナントカ還元水」,巨額事務所費問題,そして「緑資源機構」官製談合疑惑。「政治とカネ」をめぐるさまざまな疑惑が指摘されてきた松岡利勝農水相が5月28日,真相を語ることのないまま,みずから命を絶ちました。松岡氏にかけられた疑惑とは,どういうものだったのか。ナントカ還元水・事務所費-報告書の虚偽記載 昨年9月26日に安倍内閣が発足,農水相として初入閣した松岡氏。「東のムネオ(鈴木宗男衆議院議員),西のマツオカ」と以前から,疑惑まみれの政治家と指摘されてきましたが,入閣の当日に,福岡県警に出資法違反容疑で捜索された資産運用会社の関連団体WBEFから,パーティー券代として100万円を受け取りながら,政治資金収支報告書に記載していないことが発覚しました。 全国紙各紙も報道した松岡氏らの「事務所費問題」は,一気に政治問題化しました。 この問題の核心は,家賃のかからない議員会館に事務所を置きながら,「事務所費」が数千万円になるのはおかしい,ということです。自民党の関係者からは「オレの1年分の政治活動費だ」という驚きの声すら聞かれたほどです。 松岡氏の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」は3,359万円(2005年)もの「事務所費」を計上していました。 この問題が取り上げられると,他の政治家は,「領収書のとれないもの」(伊吹文明文部科学相),「秘書が夜遅くまで仕事をしたとか,やむにやまれず事務所活動だ」(中川昭一自民党政調会長)などと,中身はともあれ,一応答えたりしたものですが,松岡氏は,「法にのっとって適切に報告している」を23回も繰り返すだけでした。 同じく,議員会館は水道代,電気・ガス代は無料なのに,松岡氏の資金管理団体は「光熱水費」を507万円(2005年)も計上。指摘されると,「ナントカ還元水とかいうものを付けている」とか,“いまどき水道水を飲んでいる人はいない”などと発言,ひんしゅくを買いました。 「事務所費」も「光熱水費」も虚偽記載の疑いが濃厚です。政治資金規正法は,両費目はじめ「経常経費」について,詳細な公開は求めていないものの,領収書や帳簿の保存を義務付けており,「適正」というのなら国民の前に公開すればすむ話です。安倍首相と二人三脚で隠しとおしたことは,年間数千万円単位の表にできない不適切なカネの流れがあったことをうかがわせるものでした。緑資源談合-巨額献金で税金還流 林野庁OBの松岡氏は,農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」の官製談合事件とのかかわりも重大です。 昨年10月末,独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで,公正取引委員会が緑資源機構などを立ち入り検査したとき,立ち入り検査を受けた公益法人や民間コンサルタントが,松岡氏に多額の献金をしていたことが明らかに成りました(昨年11月)。 5月8日の参議院農水委員会で,野党議員が農水省所管の公益法人と一体の9つの政治団体から1996年からの10年間で計1億3,000万円もの献金を受け取っていたことを明らかにしました。 公正取引委員会の告発を受け,東京地検特捜部は5月24日,緑資源機構の森林業務担当理事や受注側の公益法人や民間企業の担当者らを逮捕,刑事事件に発展しました。そのなかには,松岡氏に献金していた公益法人や民間企業が含まれています。 同機構の官製談合事件で業務を受注していた業者も参加する業界団体「特定森林地域協議会」(特森協,解散)の政治団体,「特森懇話会」(解散)から520万円,特森協宮崎地区協議会から200万円の献金も明らかになっています。 同特捜部は5月25日,熊本県と島根県で同機構が進めている「特定中山間保全整備事業」でも官製談合の疑いがあるとして,同機構の出先機関の九州整備局(福岡市)や松江(松江市),宮崎(宮崎市)の両地方建設部のほか,松岡氏の選挙区内にある阿蘇小国郷建設事務所(熊本県小国町)などを家宅捜索。 5月26日には,特森協の解散当時の副会長宅や,特森協宮崎地区協議会の元代表者が経営する会社も家宅捜索しました。 地元・熊本での特定中山間保全整備事業などの工事発注をめぐって,地元関係者は「松岡大臣の影響があった」と証言していますが,捜査の対象が松岡氏周辺に迫っていたとみるべきでしょう。 緑資源機構から発注される仕事は大半が国の補助金でまかなわれています。国民の税金が,献金という形で還流していたにもかかわらず,松岡氏は監督官庁のトップとして,「責任を痛感している」とするだけで,公共事業とのかかわりについては,何も明らかにしませんでした。
2007年05月29日
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ペルーのリマで開かれていたクラスター爆弾の全面禁止をめざす国際会議が終わりました。2月のオスロ会議の49ヶ国を大幅に上回る68ヶ国が参加しました。 今回の会議は,オスロに始まり来年のアイルランド・ダブリンへと続く一連の国際会議でクラスター爆弾禁止条約を2008年までに作成する「オスロ・プロセス」を前進させるものです。議長国のペルー政府はクラスター爆弾禁止条約案を提示しました。条約づくりの議論はこれからが正念場を迎えます。 クラスター爆弾は広い範囲の軍事目標を破壊するのに使われます。しかし爆発せずそのまま残る不発弾が対人地雷化します。不発弾はおもちゃの形をしているため子どもたちが興味を示し,取り上げると爆発するしかけです。助かっても失明し手足を失うなどの被害者があとをたちません。軍事目的のために民間人を殺傷するのは許されないことです。 戦闘から住民を保護するのは国際法の一般原則です。日本も締結している陸戦の法規慣例に関する条約(1910年)は「不必要ノ苦痛ヲ与フヘキ兵器」の禁止を明記しています。「人を殺し障害が残るように設計」(英国「ハンディキャップ・インターナショナル」報告)された残虐兵器は一刻も早く全面的に禁止しなければなりません。 クラスター爆弾の禁止を,国連の特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)が扱うのは当然です。しかし,イラク,アフガニスタンで多用しているアメリカなどは技術的改良に焦点をあてるだけで,禁止の議論を妨げてきました。このため禁止を求めるノルウェーなど25ヶ国が,昨年11月のCCW締約国会議で禁止のための行動をおこすことを宣言し,「オスロ・プロセス」につなげているのです。CCWの現在の枠内では禁止に道は開けません。国際社会の有志国連合がクラスター爆弾の全面禁止条約をつくり,CCWがそれを認めざるを得ないという状況をつくりだすことが大切です。 オスロ会議以降,オーストリアのように使用停止を決める国がでてくる一方で,ドイツのように不発弾の割合が1%以上のクラスター爆弾は禁止するが1%未満は容認するなどの議論がでています。イスラエルが昨年レバノンで使った不発弾率が1%未満の「改良型」でも多くの犠牲者がでています。1%未満を認めることは民間人の被害発生を認め続けるということです。こうした容認論を認めるわけにはいきません。 国際社会には,対人地雷のように全面禁止を求める国々が運動をおこして禁止条約を実現した経験があります。クラスター爆弾禁止のために「オスロ・プロセス」を前進させることがつよく求められます。 日本政府はこの問題で人道的観点と安全保障上の観点のバランスが大事だと主張しています。久間章生防衛相は「海岸線が長いため広範囲にわたって敵の上陸を撃破」(3月12日参院予算委員会)するためクラスター爆弾が必要だといいます。「防衛計画の大綱」ですら「本格的な侵略事態生起の可能性は低下している」といっているのに大規模侵略に備えるかのようにいうこと自体矛盾しています。アメリカ軍と共同作戦する上で必要というのは許されません。 政府は国際社会の全面禁止条約づくりのとりくみに合流するとともに,自衛隊が持つクラスター爆弾の使用禁止に踏み出すべきです。
2007年05月28日
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農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」の官製談合事件で,東京地検特捜部が独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で同機構理事らを逮捕しましたが,同機構から工事を受注する業者らでつくる任意団体「特定森林地域協議会」(特森協)の政治団体「特森懇話会」が松岡利勝農水相だけでなく,自民党や民主党の林野族議員などに幅広く献金していたことが5月27日,わかりました。 松岡農水相は,2000年から2005年までの6年間に特森懇話会から計520万円,特森協宮崎地区協議会から2005年に200万円の資金提供を受けていたことがすでに判明しています。 特森懇話会の政治資金収支報告書(2003年-2005年)によると,パーティー券購入や寄付金の形で資金提供していたのは,自民党の旧橋本派などの派閥のほか,自民党議員を中心に21人,総額1,052万円にのぼります。 このうち,100万円以上は,松岡農水相の120万円のほか,父親が特森協の会長だった自民党の中谷元・元防衛庁長官の150万円,自民党で旧小渕派会長を務めた国民新党代表の綿貫民輔前衆院議長の140万円,青木幹雄自民党参院議員会長の128万円。 橋本龍太郎元首相(故人)90万円,竹下亘衆院議員70万円,山本有二金融担当相60万円などと続きます。 閣僚では,麻生太郎外相14万円,若林正俊環境相12万円,柳沢伯夫厚生労働相6万円。農水省OBでは,福島啓史郎自民党参院議員10万円など。 民主党は,福島県知事になった佐藤雄平参院議員(当時)が50万円,羽田孜元首相16万円,渡部恒三元衆院副議長10万円。 特森協は,受注実績に応じて「会費」を集めており,特森懇話会からの献金は税金の還流であり,その資金提供を受けた松岡農水相ら政治家の道義的責任が問われています。
2007年05月28日
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自民党と公明党の連立与党が5月25日の衆議院厚生労働委員会で,社会保険庁を解体し民営化する法案の審議を一方的に打ち切り,採決を強行しました。 法案の問題点が明らかになり,5,000万件にのぼる年金記録ミスも発覚するなかで,採決を強行した連立与党の責任は重大です。不当な採決は断じて認めることはできません。 今国会の運営は異常の極みです。新年度の予算に始まり,改憲手続き法,少年法改悪,社会保険庁解体法案などと,焦点となる法案が次から次へと,連立与党によって強行採決されています。 「数の力」で横暴を繰り返す自民・公明両党に,民主主義を口にする資格さえありません。 連立与党が「数の力」で審議を一方的に打ち切り,採決を強行する強行採決が,「言論の府」である議会の民主主義のルールに反していることは論を待ちません。 しかも今国会で連立与党が繰り返している強行採決は,法案の問題点が明らかになりとても成立させられないことが明らかになるなかで連立与党が一方的に審議を打ち切り,採決を強行しているものです。文字通り“数の横暴”そのものです。 18年ぶりの暴挙となった,衆議院予算委員会での予算案の採決がまずそうでした。 通常国会の一番の課題は新年度の予算案を審議し決めることです。特に今国会は安倍晋三内閣が発足して最初の通常国会であり,「貧困と格差」,「政治とカネ」,「閣僚の資質」など審議すべき課題が山積していました。 にもかかわらず連立与党は,必要とされる集中審議や参考人招致もおこなわず,採決を強行したのです。国民の声を無視し,政府・与党に不利な議論は封じ込める卑劣極まりないやり方です。 首相の任期中に改憲を実現するとの安倍首相の狙いに沿って,今国会の焦点となった,改憲手続き法もそうです。 手続き法の制定が「中立・公正」なルールづくりどころか改憲に直結していることが明らかになり,最低投票率の規定がないなど法案そのものの非民主的な問題が明らかになるなかで,与党は衆議院憲法特別委での採決を強行しました。まさに憲法そのものを破壊する暴挙です。 しかもそのぼろぼろの法案を,連立与党は参議院では満足な審議もおこなわず,採決に持ち込み成立を強行しました。参議院の過密審議に抵抗せず採決日程に同意した民主党も,責任追及を免れることはできません。 社会保険庁解体法案もまったく同じです。国が責任を負うべき年金業務を民間任せにする問題と並んで,審議で大きな問題として浮上したのは,年金加入者に大きな不安を与えている年金の記録ミスの問題です。 首相は「救済する特別立法について実現に努力していきたい」というだけで,具体的な対策を明らかにしていません。そうしたなかで採決を強行したのは,文字通り問題を「不問」にするに等しいものであり,絶対に許されることではありません。 国会は衆議院も参議院も,自民党・公明党の連立与党が多数の議席を持ちます。しかしだからといって国民が白紙委任したわけではありません。徹底審議で国民の意思を反映させることこそ,国会の責務です。国民が望んでもいない法案を強行採決で成立させる権利は,誰にもありません。 強行採決を繰り返す自民党・公明党連立与党の態度は,国民の声に耳を貸さず,まさに問答無用で国民を従わせようというものです。この連立与党にも,与党と対決を貫けない民主党にも,参院選挙で国民の厳しい審判が不可欠です。
2007年05月27日
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5,000万件にのぼる年金記録ミスが大問題になるなか,政府と自民党・公明党連立与党が,年金の安定運営を脅かす社会保険庁の解体・民営化法案を衆院厚生労働委員会で強行採決したことは,公的年金に対する国の責任を投げ捨てるものです。 公的年金は,憲法二五条に基づく国民の生存権を保障する制度であり,何十年にもわたる加入記録や保険料の確実な管理が不可欠です。そのため国が直接責任を持って運営し,専門性や公平・中立性を担保するため公務員が業務を担っています。 年金記録ミスは,それを営利企業に丸投げするという政府案の根幹が問われる問題でした。 ところが政府案は,年金業務をバラバラにし,競争入札で外部委託。委託業者や従業員が数年ごとに入れ替わるため,確実で安定した年金運営などできません。個人情報の漏えいや不正利用などプライバシーも深刻な危機にさらされます。 これは将来の問題ではなく,すでに多くの業務が委託され,記録ミスなど様々な問題が起きている現実問題です。 質疑のなかで政府は,「あってはならない」,「チェックする」などとしか答えられず,参考人からも分割・民間委託について「運営管理を国が包括的一元的に行うのが世界の流れ。世界の恥になる」と厳しく指摘する声が上がりました。 年金記録ミスについて政府は「申し出があれば調査する」といっていましたが,5月25日,世論に押されて自ら調査を行う考えを表明しました。しかし,詳細は何も明らかになっていません。 年金未納者に国民健康保険で制裁を科す問題,給付に使うべき保険料を事務費に流用する問題,分割・委託が新たな天下りや利権の温床となる問題など,いずれも審議は尽くされていません。 分割・民営化の問題では民主党の姿勢も問われます。民主党は,社会保険庁を解体し,国税庁とあわせて歳入庁をつくる法案を提出しました。年金業務を細分化し,民間委託する点では政府案と変わりないもので,「公務員削減や民間委託でスリム化ができる」といって社保庁の解体・民間委託を競い合いました。 政府・連立与党は2004年,「百年安心」とうそぶいて年金制度の改悪を強行しました。貧困と格差が広がるなか,年金運営でも国民が願う安全・安心を脅かす姿勢は,批判を免れません。
2007年05月26日
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安倍内閣は6月から,定率減税の廃止による住民税の増税を強行しようとしています。 会社員の場合,すでに大半の自治体から新たな住民税額の通知が事業所に届いているはずです。ぜひ経理担当者に頼んで見せてもらってください。自営業者や年金生活者には6月初旬に役所から通知が届きます。 住民税は,税源移譲の影響もあって,多くの人が約2倍にはね上がります。さらに高齢者には年金課税の強化も加わるため,住民税が4倍近くになる場合もあります。 6月の住民税値上げの総額は3.4兆円で,その半分の1.7兆円は定率減税廃止の増税分の表れです。住民税が大幅に増える主な原因は定率減税の廃止にほかなりません。 大企業は4期連続で過去最高益を更新しています。しかし,勤労者の賃金は増えていません。 国税庁の調査によると民間企業の1人当たり給与は1998年から8年連続で減少し,1997年と比べると年収は30万円減りました。この間に給与総額も15兆円のマイナスとなっています。厚労省の調査で最近の動きを見ても,所定内給与が11ヶ月連続で減っています。 いま住民税の大増税を実施すれば,くらしと経済を直撃します。大きな社会問題になっているワーキングプア,貧困の拡大がいっそう深刻になることは明らかです。 増税の「道筋」を開いたのは公明党です。みずから最近の公明新聞に「公明党は所得税の定率減税の廃止や年金課税の見直しなどによる財源案を示し,(基礎年金国庫負担の) 2分の1への引き上げの道筋を示しました」と書いています。 しかも,ここには重大なごまかしがあります。 公明党は2003年総選挙の「マニフェスト」で,年金国庫負担を2分の1に引き上げる「主たる財源は,所得税の定率減税及び年金課税の見直しにより確保します」と公約しました。これを自民党・公明党の「与党税制改正大綱」にも盛り込んで,定率減税の廃止を進めました。 ところが,財務省によると,定率減税の全廃で生まれる財源3.3兆円のうち,曲がりなりにも予算書で国庫負担引き上げに使うと明示した金額は2,200億円にすぎません。 今年度予算で見ると,減価償却制度の見直し,証券優遇税制の延長で1.7兆円の減税を盛り込んでいます。今回の増税の1.7兆円は,この大企業・大資産家向けの減税にそっくり吸い込まれる計算です。 その結果,年金国庫負担を2分の1へ引き上げるための財源は,いまだに必要額の20%弱しか手当てできていません。尾身幸次財務相は,残り80%の2.5兆円分の財源として「消費税を含む税体系の抜本的改革」が必要だと主張しています。 庶民増税の行き先には消費税の増税が控えています。 一方で安倍内閣は財界が求める法人実効税率の引き下げを狙っています。消費税増税も財界の利権に化ける仕掛けであり,徹底的に国民を欺き,踏みつけにするやり方です。
2007年05月25日
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在日米軍再編促進法が5月23日,成立しました。国会審議の中では,基地周辺の住民・自治体の意思よりも,アメリカ政府との合意を優先し,そのためには巨額の税金をつぎ込むことも当然視する安倍政権の異常な対米追従姿勢があらわになりました。 同法の柱のひとつは,在沖縄海兵隊のグアム「移転」に伴う基地増強費を日本側で負担するための仕組みづくりです。 グアムの基地増強は,太平洋地域を重視した米軍事戦略の一環です。政府は「沖縄の負担軽減のため」と繰り返しますが,『銃剣とブルドーザー』で住民から土地を強奪して基地を建設したアメリカ軍の「移転」費まで負担しなければならない道理は全くありません。政府のやり方は,まさに“盗人に追い銭”です。 衆議院での審議でも政府は,外国領での外国軍の増強費を負担した国際的な前例をひとつも挙げることができませんでした。日本側負担の法的根拠についても,安保条約も地位協定も「適用対象ではない」(麻生太郎外相)と述べ,まともな説明はできませんでした。 さらに参院での審議では,こうした法的根拠のない無原則な税金投入が,今後も膨らんでいく危険まで浮かび上がりました。 日米合意は,グアム「移転」費総額約1兆2,000億円のうち,約7,300億円を日本側負担としています。 国会では,アメリカの国防総省の報告書を示し,米海兵隊が,日米合意の約1兆2,000億円以外に輸送費など年間約550億円がさらに必要になるとし,その予算の手当てがついていないことを指摘されました。こうした追加経費まで日本側負担になることがありうるのかと追及がありました。 「基本的にない」とした防衛省の大古和雄防衛政策局長の答弁について,久間章生防衛相は「『基本的にない』とは,例外があったときの予防線」と“解説”し,追加負担の可能性を認めました。 毎年二千数百億円もの「思いやり予算」に加え,アメリカ戦略を支えるためには,前例がなくても,根拠がなくても,際限なくとにかく税金投入する。首相が掲げる「かけがえのない日米同盟」路線の異常な姿があらわれています。 同法のもうひとつの柱は,再編計画の対象になっている自治体に,計画の受け入れ度合いに応じて再編交付金を交付するというものです。再編交付金は,計画反対の自治体には,負担がどんなに増えても,交付しない仕組みです。 受け入れた場合も,交付の上限額は決まってしまいます。野党議員の追及に,大古局長は「上限額を上回る額の交付は考えられない」としつつ,「(受け入れ時に自治体が想定していた以上に)負担が増えることはあり得ないわけではない」と答弁。交付額はそのままで,基地負担だけ増える可能性を認めました。 こんな仕組みになるのも,同法の目的が「(再編計画の)円滑な実施に資する」(第一条)などとして,反対自治体を屈服させるところにあるからです。 しかし,これには各地で反発が相次いでいます。 「基地の安定的な運用にも協力してきた」という山口県の井原勝介岩国市長は,「再編交付金はアメとムチのような手法」,「交付金で地方の意思を左右しようというのは適切なやり方ではない」(衆院安全保障委員会)と批判しました。 アメリカとの合意であれば,問答無用で押しつける安倍政権の姿勢は,基地に対する立場を超えた国民的な怒りを広げざるをえません。
2007年05月24日
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教育への国家統制を強める改悪教育基本法を具体化する教育三法(学校教育法,教員免許法,地方教育行政法)改定案の参議院での本格的な審議が,文教科学委員会で始まりました。 安倍内閣は,教育三法改定案で教育に対する国の関与と統制を強化する一方で,世界からみてもあまりにも貧弱な日本の教育予算の現状を改善しようとはしていません。 衆議院の審議でも,参考人から相次いで出されたのが,教職員の多忙化解消のための教育予算の大幅な増額です。「もっと子どもたちと向き合える時間がほしい。子どもたちのために授業準備がしたい」という教職員の努力と国民の願いに,政治がどう応えるかが問われています。 日本は,世界の主な資本主義国30ヶ国が集まっているOECD(経済協力開発機構)のなかで,経済力(GDP,国内総生産)に対する教育予算の割合がもっとも低い国です。 野党議員が,「世界水準に引き上げるべきだ」と迫ったのにたいし,安倍晋三首相は,GDP比で少ないと認めたものの「単純には比較できない」といって,引き上げを否定しました。 保護者も教育関係者も圧倒的に支持している少人数学級を国の制度として実現する点についても,安倍首相は「全国一律ではなく」,「画一的ではなく」などといって否定しました。 自治体独自の少人数学級は,東京を除く46道府県に広がっています。国民の要求が高く,教育効果も試されずみです。2年前(2005年)までは,文部科学省の中央教育審議会も文部科学相も少人数学級の必要性を認めていました。 この少人数学級実現の道を断ったのが,首相直轄の経済財政諮問会議であり,昨年の行革推進法です。5年間で10,000人もの教職員の削減をしようというのです。 首相が英断すれば,国の制度として少人数学級の実現への道が開けるのに背を向けています。世界一の教育をめざすといいながら,貧弱な教育予算の水準は引き上げない安倍首相の「教育再生」は,国民の願いと離反しています。 衆議院の審議で浮かび上がったのは,改悪教育基本法をうけて国家統制の強化をはかり,これまで以上に教育現場を委縮させ,さらなる困難を押し付けることです。 教員組織を大きく変え,これまでの校長,教頭,教諭という組織から,校長,副校長,主幹教諭,指導教諭,それに教諭という,職階による上意下達の体制をつくるのも,そのひとつです。 免許更新制による官製研修の押し付けも,教員の資質向上につながらないばかりか,教員自身の自主研修を困難にします。 「我が国と郷土を愛する態度」など,多くの徳目を義務教育の目標として掲げ,その達成を義務づけるのは,国が特定の価値観を子どもたちに強制するもので,憲法に保障された内心の自由を侵害するものとして許されません。 そればかりか,日本が過去にやった植民地支配や侵略戦争を「正しかった」と美化する「靖国史観」を学校現場に持ち込む動きもあります。「愛国心」の強制がこうした危険な動きに拍車をかけているとすれば重大です。 国民も教育関係者も強く望み,教育効果も高い世界でも当たり前となっている少人数学級に背を向けて,子どもや学校に命令だけを強めるような「教育再生」では,教育はよくなりません。教育三法改定案は廃案にすることが何より求められます。
2007年05月23日
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それは,九条改定による「海外で戦争をする国」づくりだけでなく,国民の心や市民生活まで「靖国」派の価値観で支配しようとするものです。この「靖国」派の野望を端的に示しているのが,「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)が中心になってつくった「新憲法大綱案」です。そのめざす国家像は? 「大綱案」は,日本会議議連のもとに設置された「新憲法制定促進委員会準備会」が作成したもの。安倍晋三首相の盟友・古屋圭司衆院議員を座長に,自民党,民主党の「靖国」派議員で構成されています(下記名簿別項)。 同準備会が「新憲法の制定に向けて具体的な行動を開始することを決意し,その第一歩」としてまとめたものが「大綱案」で,「行動の指針および今後の議論の叩き台」と位置づけています。 「大綱案」は,「前文」で「日本国の歴史や,日本国民が大切に守り伝えてきた伝統的な価値観など,日本国の特性すなわち国柄を明らかにする」ことを重視。「国柄」の中身として,天皇中心の国家像を押し出しています。 具体的には「日本国民が…時代を超えて国民統合の象徴であり続けてきた天皇を中心として,幾多の試練を乗り越え,国を発展させてきた」と歴史を描き,天皇絶対の国家体制を規定した「大日本帝国憲法」(明治憲法)の「歴史的意義」を明記するよう求めています。 「国柄」とは,戦前,「国体」と呼ばれた天皇中心の国家体制を言い換えた言葉。終戦時には,国民の生命・財産は顧みられず,「国体護持」が支配層の唯一の目標とされました。これでは,主権在民の原則は空洞化してしまいます。 天皇の地位も,「象徴にふさわしい地位および権能を,憲法上,明らかにしなければならない」としています。「わが国の『元首』である」と明記し,外交文書や大使・公使の信任状を「発する」ことや,恩赦などを具体的な「権能」として付与することを求めています。 日本国憲法は,天皇に統治権を一手に集中させていた戦前の反省から,「国政に関する権能を有しない」と規定。国政から天皇を切り離しました。これを否定する考えです。 しかも,「大綱案」は,「日本国という歴史的共同体の始まりから連綿として続く世界に比類なき皇統を誇り」などとの表現で,戦前の「万世一系」の神話を引き継ぐ姿勢までみせています。 また,昨年小泉内閣で話題になった女性天皇議論を牽制し,「皇位が皇統に属する男系の男子によって継承されるべきことを,憲法上,明記する」ことも盛り込んでいます。 九条改定についても,「大綱案」は,全面改定を主張。九条一項の「戦争放棄」については,海外での武力行使を可能にする「集団的自衛権の行使」が「明確になるような表現に改める」として骨抜きを図ろうとします。 また,「戦力の不保持」や「交戦権の否認」を定めた九条二項は,「全面的に削除する」とし,「防衛軍の保持」を明記。また,「防衛軍」が「国際社会の平和と安定」を口実に海外派兵ができる仕組みにしています。そのほか,「防衛軍」は「テロや大規模災害」「立憲的秩序維持」に対応するとし,治安行動を合憲とし,首相の「非常措置権」まで規定しています。 海外派兵や海外での武力行使の歯止めになってきた九条二項を削除し,一項まで骨抜きにすることで,「海外で戦争をする国」づくりをめざすものです。 一方,国民には「国家非常事態に際して…『国防の責務』を規定する」と明記。将来の徴兵制や強制的な徴用に道を開いています。 また,「軍事裁判所の設置」を規定。国防機密をたてに国民を抑圧するシステムが狙われています。 「大綱案」のもうひとつの特徴は,人権を抑圧し,戦前の「家制度」を復活させようとしていることです。 具体的には「わが国の歴史,伝統,文化に基づく固有の権利・義務観念をふまえた人権条項を再構築」するとして,「人権制約原理の明確化」を掲げています。 そこでは,「公共の福祉」に代えて,「国または公共の安全」,「公の秩序」,「他者の権利および自由の保護」などを列挙,国家の都合で国民の人権を制約しやすい仕組みにしています。 一方で,「祖先を敬い,夫婦・親子・兄弟が助け合って幸福な家庭をつくり,これを子孫に継承していくという,わが国古来の美風としての家族の価値」を「国家による保護・支援の対象とすべきこと」としています。 戦前,家長の許可がなければ婚姻もできなかったことに示されるように,個人の人権・人格を抑圧する仕組みだった家制度の復活を狙っているのです。 さらに「大綱案」は,「次代を担う人材の育成が日本の将来を左右する重大問題であることに鑑み,公教育の目標設定をはじめ,公教育に対する国家の責務を明記する」として,国家による教育への介入を合憲化。 また,「政教分離原則の緩和」を規定。「国家的・社会的儀礼や習俗的・文化的行事等の範囲内で国や地方公共団体が宗教的行事に参画することを可能にする」として,首相らの靖国参拝の合憲化を策しています。 「靖国」派は,日本の侵略戦争を「正しい戦争だった」と正当化するだけでなく,戦争当時の国のありようを「美しいもの」と思い込み,憧れています。こうした特異な価値観を日本社会に持ち込み,押し付けようとしているのは重大です。 そのために,ひとつは「教育再生」の名で子どもへの教育を通じて持ち込もうとし,最終的には憲法を改悪し,そこに盛り込むことで法的に確定させようとしているのです。 現日本国憲法ではなく,明治憲法改定の話をしているのかと思うくらい,戦前の日本を復活させたいようです。でもこれが,今の自民党そして民主党の主流派の考え方で,国民はこれを知っておく必要があります。 今の教育基本法改定や憲法改定の流れの裏には,こうした思想を持つ議員が中心になって自民党そして民主党を動かし,実権をもっていることを国民は知らないと,彼らの思惑通りの国がつくられてしまいます。 国民は夏の参議院選挙で,このような国をめざす自民党そして民主党に対して明確な意思表示をすることが求められます。【参考】「新憲法制定促進委員会準備会」の自民党議員,民主党議員は次の通りです。 ・座長 古屋圭司(自民党・衆院議員) ・事務局長 萩生田光一(自民党・衆院議員) ・衆議院メンバー 【自民党】赤池誠章,稲田朋美,今津寛,奥野信亮,加藤勝信, 木原稔,高鳥修一,戸井田徹,西川京子,古川禎久, 松本洋平 【民主党】松原仁,笠浩史,鷲尾英一郎 【無所属】平沼赳夫 ・参議院メンバー 【自民党】秋元司,有村治子,鴻池祥肇,中川義雄,福島啓史郎 【民主党】大江康弘,芝博一 【国民新党】亀井郁夫
2007年05月22日
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「おおー。そうそうたる顔ぶれだな」 こういいながら,中川昭一自民党政調会長が入ってくると拍手が起こりました。5月17日,衆院第二議員会館の会議室。安倍外交を応援する自民党の「価値観外交を推進する議員の会」の発足集会に,「靖国」派の中心部隊である「日本会議国会議員懇談会」(「日本会議」議連)の中心メンバーがずらりと顔をそろえたのです。 中川氏は同懇談会の会長代行。遅れて駆けつけた下村博文官房副長官は前事務局長でした。今度の「価値観外交」議連の会長には,古屋圭司衆院議員(「日本会議」議連副会長),事務局長には萩生田光一衆院議員(同事務局長)が座りました。古屋-萩生田のコンビは,「日本会議」のもと,自民・民主議員でつくる「新憲法制定促進委員会準備会」の座長-事務局長コンビでもあります。 なんのための新議連立ち上げか。古屋氏は発足集会でいいました。「外交は切り口だ。もうひとつの趣旨はこれらの『価値』の根底に相通ずる真の保守主義にある」。皇室典範問題,靖国参拝,改憲手続き法,民法七七二条の300日規定…。古屋氏はこれらの課題をあげ,「理念,政治信条で直結する問題で同じ価値観をもつ同志を糾合し,速やかに行動する」と述べました。 実際,今年に入っての古屋氏らの活動をみるとこれらの課題での行動が目立ちます。3月13日 改憲手続き法で改憲団体「民間憲法臨調」事務局長を招き勉強会。「このままでは改憲阻止法になる」として,公務員の政治的行為を制限する公務員法適用を執行部に働きかけ,「修正」案に盛り込ませる。3月25日 下村官房副長官がラジオ番組で「『従軍慰安婦』というのはなかった」と発言。4月3日 自民党法務部会に古屋氏が乗り込み,再婚禁止期間短縮に待ったをかける。4月6日 「日本会議」議連メンバーの長勢甚遠法相が「貞操義務,性道徳の問題も考えなければ」と発言し,民法改正提案見送りに。 古屋氏は安倍政権について「教育基本法改正,改憲国民投票法案など,しっかり実績もあがっている。自分の理念に基づいて行動しているという実感だ。我々の使命は,議会サイドからしっかりサポートすることだ」と語りました。 「日本会議」議連メンバーの策動が活発になった背景のひとつに,昨年11月の「郵政造反」議員の復党があります。古屋氏はじめ「価値観外交」議連メンバーのうち6人(古屋,今村雅弘,江藤拓,武田良太,古川禎久,森山裕の各氏)が「復党組」です。安倍内閣と党の中枢に「日本会議」議連の中心メンバーが入ったために弱まっていた議連活動を,「復党組」が盛り上げているのです。 今年になって復党した衛藤晟一前衆院議員(「日本会議」議連前事務局長)は,日本会議の機関誌『日本の息吹』3月号でこう述べています。 「日本会議の同志の皆様…のご支援をいただき,復党することができました」,「志を同じくする安倍さんが首相となり,『美しい国日本』構想を示されました。…私も微力ながらその国づくりの一翼を担いたい」。 古屋氏らの「価値観外交を推進する議員の会」の照準は歴史問題です。 安倍晋三首相は施政方針演説で「自由,民主主義,基本的人権,法の支配といった基本的価値を共有する国々との連携の強化」を外交方針の第一に掲げ,その国々としてインドやオーストラリアをあげました。「靖国」派では,「(この)価値観こそ,中国に欠落したもので中国に対しては極めて有効な攻めの力となる」(桜井よしこ氏,「産経」1月11日付)というように,歴史問題で中国に対抗するカードとして位置づけられています。 新議連発足の趣意書でも「一部の国は対外的に覇権拡張の危険な道を進めつつあるという憂慮すべき現実も否定できません」と中国をけん制。古屋氏は挨拶で中国に対し「共通の価値観を持つ国ではない。ほほ笑み外交の裏に隠された一面を直視する必要がある」と語りました。 改憲手続き法で国民の投票運動抑圧の仕組みづくりの先頭に立ったのも「靖国」派でした。 民主党との修正協議の中で,公務員法の政治活動禁止の「適用除外」の方向が合意されると,「日本会議」議連のメンバーは,「自治労,日教組の活動を許していいのか」などといって「適用除外」の「削除」を強硬に主張。与党修正案提出前日,3月26日に自民党本部で開かれた特命委員会に,「日本会議」議連メンバーが押しかけました。その結果,急転直下,公務員法の政治活動禁止が「適用」の方向で復活したのです。 5月3日の改憲派集会では,「一時は迷走を続け,憲法改正のための手続き法が,逆に憲法改正を阻止するための法律となりかねないこともあった。しかし,本会会員の努力によって,そのような事態がかろうじて回避された」(新憲法制定促進委員会準備会の「声明」)と自賛しました。 古屋氏が座長の同準備会はこの日,「新憲法大綱案」を発表。伝統的な価値観,国柄を強調して,九条二項削除・自衛軍の保持や「公の秩序」に基づく人権制約を盛り込んだ「靖国」派の「改憲案」を示し,その“普及”に動きだしています。 「靖国」派が最も敵意を燃やすもののひとつに女性の地位向上があります。 4月には,「日本会議」系の地方議員らによる「家族の絆(きずな)を守る会」を旗揚げしました。顧問に古屋圭司,稲田朋美,西川京子,萩生田光一各衆院議員ら「靖国」派国会議員が名を連ねました。 この会のもっぱらの関心は,戦前の家族制度の名残を多く引き継ぐ現行民法の改正を,いかに阻止するかです。会発足時の挨拶で,古屋氏は「(民法見直しには)家族の絆や一夫一婦制を解体するグループが介在している」と述べ,「会発足は五週遅れだ」と危機感を煽りました。稲田氏も「(民法改正に賛成する)党内左派との闘いも必要だ」と気勢をあげました。 今国会では,「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と見なす」という民法七七二条の見直しの動きが,与党内にも起こりました。夫の暴力から逃れて長期に身を隠している間に新しいパートナーとの間に子が生まれたが,前夫の子としてしか出生届が出せないなどの不合理を解決するためです。 しかし,結局与党の動きは,保守派の抵抗で頓挫。長勢甚遠法相は,「離婚前に懐胎された人すべてが許され,救済されるべきだとは思っていない」(4月26日)と言い放ち,“結婚した女性は貞操を守るべきだ”との考えをあらわにしました。【参考】「日本会議」議連 「日本会議国会議員懇談会」が正式名称。1997年5月,自民党,新進党(当時),太陽党(当時)の国会議員200人余で設立された議員連盟。 同議連設立の翌日に結成された右翼改憲団体「日本会議」と連携して,「21世紀を展望する国づくり運動を推進する」ことを掲げ,憲法改悪,教育基本法改悪,皇室典範改正反対などの運動を展開してきました。 会長は初代・島村宜伸元農水相,二代目・麻生太郎外相,三代目・平沼赳夫元経産相(現)。中川昭一自民党政調会長が会長代行。安倍晋三首相も2年前まで副幹事長。加盟議員は2005年6月時点で自民209人,民主25人,無所属1人。
2007年05月21日
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防衛施設庁は5月18日,沖縄県名護市辺野古沖で,アメリカ軍新基地建設のための環境現況調査の着手を強行しましたが,こともあろうに,海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」まで動員し,乗船の潜水員が調査に参加するという異常事態となりました。 海自出動について防衛省は,「施設庁からの要請」をあげています。しかし,施設庁は防衛省の外局で,現在,国会で審議中の防衛省設置法改定案では,両者は統合される計画なのですから,自作自演もいいところ。防衛省の新基地建設反対派住民に対する弾圧の意図は明白です。 沖縄の米軍基地は,占領下に“銃剣とブルドーザー”によって県民から土地をとりあげ,建設された歴史を持っています。それから数十年後,ふたたび銃剣をつきつけるかのような行動に,県民は怒り心頭です。 地元紙の琉球新報5月18日付社説が,「(沖縄戦から)62年,国民を守るはずの自衛隊は,米軍の新基地建設に反対する国民を威圧するために『軍艦』を沖縄に派遣するのか」と厳しく批判したのも当然です。 新基地建設に原則合意している仲井真弘多知事でさえ,「(掃海母艦出動は)銃剣を突きつけているような連想をさせ,強烈な誤解を生む」と批判しています。 許しがたいのは,米軍再編をめぐる国民向けの説明と,実際におこなっていることが全く違うということです。 久間章生防衛相は5月17日,参院外交防衛委員会で,野党議員の質問に,地元合意を得るために「誠心誠意努力するという気持ちは変わらない」などと答弁していました。 その舌の根も乾かないうちに,今回の実力行使に出る異常さ。 そこには,『「沖縄の負担軽減」を口実にした米軍再編の本質』,『米軍と自衛隊が一体に地球規模で展開する拠点づくり』が如実に表れています。 辺野古での米軍新基地建設は,米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の代替として狙われているものですが,琉球新報5月8日付の世論調査では,「辺野古への移設を進めるべきだ」はわずか16.9%の一方,「無条件撤去すべき」,「国外移設」など“辺野古移設”反対は75.9%に達します。 米軍再編に向けた政府の問答無用の姿勢が,沖縄をはじめ全国で新たな矛盾と住民の怒りを広げることは必至です。 まさにこれが,安部首相と自民党・公明党連立与党がめざす『美しい国』を見た気がします。 国民が望んでやまない自民党・公明党連立与党の『美しい国』の政治が“軍艦派遣”とは恐れ入りました。 国民は他人事のように考えているようですが,これが日本の近い将来に現実的に自分たちの身の回りに起きることを覚悟すべきです。自民党の新憲法草案が意味するものが何かをそろそろ真剣に考えるべきです。 好き嫌いの問題ではなく,国民が夏の参議院選挙で,自民党・公明党連立与党そして一緒になって改憲をすすめる民主党に票を投じることは,安部首相いうの『美しい国』の政治に信任投票をすることになります。
2007年05月20日
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多くの方が当ブログにご訪問そしてコメントや掲示板への書き込みに対して感謝しております。私自身書き込み頂いたコメント・掲示板はすべて読まさせて頂いております。こんな意見もあるのか,という意見も多くあり,毎日私自身勉強をさせて頂いております。 また,多くの方の訪問や書き込みによって励まされ,今日まで504日毎日ブログを続けてこられたと考えます。 このブログを始めた趣旨が「多くの人が,政治・経済に関心を持ってもらえるように情報発信すること」でした。そのため,みなさまに書き込み頂いたコメントには私の返信は書いておりませんでした。 私自身の希望ではありますが,ブログ記事に対して多くの方が意見表明して,議論をして頂けることを望んでおります。しかし「味気がない」とのご意見も頂いておりますが,みなさまはどのように考えますか? みなさまの率直なご意見をお願いします。
2007年05月20日
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公明党は公明新聞5月15日付で,改憲手続き法の成立に関し「『国民主権』行使を具体化」,「法的不備埋める画期的立法」,「中立・公正なベストの制度」などとして自画自賛しています。 しかし,法案は「『国民主権』行使の具体化」どころか改憲案を通しやすくする,不公正かつ非民主的なもので「国民主権」を踏みにじる内容です。500万人を超える公務員・教員の国民投票運動を「地位利用」を口実に制限したり,公務員法の政治活動禁止の適用を決めるなど広範な主権者の自由な運動を抑圧しようとしています。 国民の総意を反映させる最低投票率制度はあくまで拒否し,極めて少ない賛成で改憲を可能とするなど,それ自体が違憲立法の疑いもあります。 審議すればするほどこうした問題点が明らかになり,公明党の赤松正雄衆院議員を含む与党案提出者は,何度も答弁不能に陥りました。拙速審議とスピード採決は,まさしく国民の目をごまかすために議論を封殺するものでした。 参議院の採決では18項目もの付帯決議がつけられ「不備だらけ」ぶりがあらわでした。 しかも,安倍首相が法案推進の前面に出ることで,その狙いが「国民主権の具体化」などではなく九条改憲の条件づくりにあることも明白になりました。首相は「時代にそぐわない条文は九条」と敵視し,九条二項を削除し自衛軍を保持するとする「自民党新憲法草案」を「参院選で訴える」としています。そのために,「まず手続き法を」と早期成立を号令したのです。 「国民主権の具体化」などという議論は,法案の狙いと本質を覆い隠す議論に他なりません。大体,「今国会で手続き法を」と求める国民の声は少数でした。ましてや安倍首相が狙う九条改憲は国民の多数が反対しています。 ところが公明党は,手続き法の問題点を反省するどころか,「ベスト」などと強弁したうえ,護憲派の社民党や日本共産党などの野党に対し,「憲法擁護を叫びながら九六条の規定を具体化する国民投票法の制定には反対するというのでは,筋が通らない。“ご都合主義”」などと筋違いの攻撃まで加えています。 しかし,九六条が立脚する国民主権原理を踏みにじる手続き法案に,野党が厳しく反対したのは当然のことです。また,安倍首相の言明にみられるように,手続き法の狙いが九条改憲の条件づくりである以上,九条改憲反対の立場から反対したのも当然です。 公明党は自民党と共同して拙速審議を進めてきました。自民党内の「靖国」派が公務員法の政治活動禁止規定の復活へ圧力をかけたとき,公明党執行部はすぐに与党案の修正に同意。衆院で与党単独採決の流れが強まったときには「一斉地方選前半戦が終われば採決」という方針で強行採決に同意しました。 参議院でも,前回の質疑の議事録すら読めないという異常な連日審議を進めたのも自民党・公明党の共同作戦でした。 安倍流改憲路線の加速に手を貸し,憲法に直結する法案で国民の声を無視し「主権」を踏みにじった。どんなにごまかしても公明党の責任は厳しく問われざるをえません。
2007年05月19日
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内閣府が発表した1月-3月の実質GDP(国内総生産)は前期比で0.6%増,年率に換算すると2.4%のプラスとなりました。 国内需要と国外需要に分けてGDPの増加要因を見ると,70%弱が国外需要の効果です。年率13.9%の大幅増となった輸出が経済成長の最大の要因です。 輸出頼みを一層強めている日本経済の姿が鮮明になっています。 今回の景気「回復」の推進力は,アメリカ,ヨーロッパの好景気や中国の高成長に支えられた,大企業の輸出と設備投資です。 ところが,設備投資は年率3.7%のマイナスに転じました。住宅バブルがしぼんだアメリカ経済の先行きへの不安や,自動車の国内販売の不振などが響いています。 アメリカでは100兆円規模の貿易赤字に産業界の不満が高まっています。ゼネラル・モーターズは,円安で日本車の輸入が急増して自動車産業に壊滅的な打撃を与えていると主張し,「国際的に協調して円の対ドル相場を90円の水準まで押し上げる」ようアメリカ政府に求めています。 サマーズ元米財務長官は,アメリカがアジアの輸出市場としての役割を果たす時期は「おそらく今が最後になる」と警鐘を鳴らしています。 欧州連合(EU)も,円安・ユーロ高への批判を強めています。輸出頼みの矛盾が噴出しつつあることは明らかです。 家計消費は増加しました。春物衣料やレジャー関連の好調など記録的な暖冬の影響です。一方で全体の雇用者所得は減少しており,1人当たり賃金のマイナスも続いています。所得が増えなければ家計消費も低迷から抜け出すことはできません。 成長率はプラスですが,GDP統計は極めて不安定な日本経済の実態を浮き彫りにしています。 今年3月期の決算で,大企業は全体として5期連続の増収増益となる見通しです。過去最高益を4期連続で更新することになります。トヨタ自動車に代表される大企業の好業績は,下請けへの単価切り下げ,派遣や「偽装請負」など不安定雇用の蔓延と表裏一体です。 財界はさらにコスト削減を強めながら「残業代ゼロ」法案の実現を求め,法人課税や社会保障負担を抑えて低所得者ほど負担が重い消費税に転嫁するよう迫っています。 今回の景気「回復」は不安定雇用と貧困の拡大を推進力に組み込み,やればやるほど国内需要を掘り崩す自滅的な「回復」です。 決算によると,大企業の株主への配当は3年前から倍加し,6兆円に上っています。株式の保有が多いのは外資,大企業・銀行,高額所得者です。しかも,安倍内閣と自民党,公明党は証券優遇税制を継続しました。これでは所得格差がますます広がらざるを得ません。 1990年代の激しい円高のとき野村総研は,円高にコスト削減で対応する大企業のやり方が,輸出増加でさらに円高を招く「悪魔のサイクル」に陥っていると指摘しました。 今回の景気「回復」は,「貧困と格差拡大のサイクル」となって深刻な社会問題を生んでいます。しかも,安倍内閣は6月に住民税の大増税を強行しようとしています。 こんな経済では国民の暮らしはよくなりません。税制や社会保障の所得再分配機能を再建し,人間らしい労働のルールを確立して,貧困と格差拡大のサイクルを『国民の暮らし応援のサイクル」に反転させることが必要です。
2007年05月18日
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保険料は年金から「天引き」して厳しく取り立てる一方で,公的保険で受けられる医療は高齢者だからと格差をつけられる。こんな「後期高齢者医療制度」が,来年4月から導入される予定で準備が進んでいます。自民党,公明党の連立与党が昨年6月,強行成立させた「医療制度改革関連法」のひとつです。 「後期高齢者」とは75歳以上が対象です。制度が始まれば,現在加入している国保や健保を脱退させられ,高齢者だけの独立保険に組み入れられます。現行制度との大きな違いは,家族に扶養されている人を含め,すべての後期高齢者が保険料の負担を求められ,大多数が年金から「天引き」されることです。保険料は今後都道府県ごとに決められますが,厚生労働省の試算では平均月6,200円です。介護保険料(平均月4,090円)とあわせると月10,000円を大きく超えます。 2年ごとに改定される保険料は,後期高齢者が増えるのに応じて,自動的に保険料が上がる仕組みになっています。3年ごとに引き上げられている介護保険料の場合は,6年で平均月1,000円以上も上がりました。 保険料の年金からの「天引き」は,65歳-74歳の前期高齢者の国保にも適用されます。野党議員が国会でとりあげていたように,大阪市の一人暮らしの高齢者で年金額が15,000円の場合で試算すると,介護保険料と国保料の合計は月4,413円にもなります。年金額の約30%近くが強制的に奪われる悲惨な事態です。 柳沢伯夫厚生労働相の「天引き額が年金額の1/2を超えないように配慮する」との答弁は,「配慮」はみせかけだけで“1/2まではむしりとる”との冷酷な宣言に他なりません。 支払えない場合の無慈悲な仕打ちも,「後期高齢者医療制度」には盛り込まれています。 従来,75歳以上の高齢者は,障害者や被爆者などと同じく,“保険料を滞納しても保険証をとりあげてはならない”とされてきました。後期高齢者医療制度は,これを覆し,保険料を滞納すれば高齢者でも容赦なしに保険証をとりあげ,短期保険証・資格証明書を発行するようにしたのです。 国保では,高すぎる保険料が払えず保険証がとりあげられ必要な医療が受けられないために死亡する事態をやめさせることが緊急に求められています。逆に,保険証のとりあげを高齢者医療に拡大するなど,絶対に許されません。 政府は,病院・診療所に支払われる診療報酬を「後期高齢者」については“心身の特性にふさわしい”などという口実で別建てにして,格差をつけようとしています。 高齢者は粗悪医療や病院追い出しを迫られる,医療難民を生み出すことにもなりかねません。 後期高齢者医療制度の導入は,75歳以上の医療を他の医療保険から切り離すことで,保険料値上げか医療水準の引き下げかという,どちらをとっても痛みしかない選択を,高齢者自身に迫るものです。 しかも,後期高齢者医療制度の導入に並行して,70歳-74歳の人の窓口負担の原則1割から2割への引き上げをはじめ医療改悪がおしすすめられます。 保険証一枚でだれでもどこでも,どんな病気でも安心して受けられる医療にしていくため,無慈悲な制度の抜本的な見直しを求めます。
2007年05月17日
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5月15日の衆院本会議で,野党議員が政府の国家公務員法改正案の質問にたち,財界の要求に応えて全体の奉仕者であるべき公務員制度を歪めるものだと批判していました。 政府案は,現行の離職後2年間の天下り規制さえ廃止し,各省庁が行ってきた天下り先の斡旋を,内閣に設ける「官民人材交流センター」で一元的に行う というものです。 天下り原則禁止の趣旨から言えば,本来であれば,規制期間を2年から5年に延長し,規制対象を公益法人や特殊法人にも拡大するなど抜本的な規制強化こそ必要になります。 しかし,政府案について天下りを原則禁止から原則自由に180度変えるもので,『野放しの天下り推進センター』以外何ものでもありません。 天下りを野放しにするのは,「官民交流」を求める財界の要求に応えるもので,「利潤追求と効率のみを優先する意識と制度が持ち込まれれば,国民全体の奉仕者という性格が弱まり,公務が歪められることになります。 「能力・実績主義の導入」も採算や効率だけではかれない公務を歪めるものであり,民間企業のノルマ主義が導入されたもとで起きた社会保険庁の保険料不正免除事件でも,その誤りは明らかになっています。 憲法で保障された権利であり,ILO(国際労働機関)からも再三求められている公務員の労働基本権の回復に未だに言及していません。天下りをきっぱり禁止し,特権的キャリア優遇制度廃止,労働基本権の確立など公務員が国民全体の奉仕者として働ける民主的な改革こそ行うべき公務員改革なのです。 安倍晋三首相は,天下り規制廃止について「官民の闊達な人的交流を妨げる」と正当化。「官と民が互いの知識を生かすため官民交流を抜本的に拡大することが必要だ」と述べ,公務員を財界・大企業の奉仕者に変質させる狙いを示していました。
2007年05月16日
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5月14日の参院本会議で可決・成立した改憲手続き法(国民投票法)は,憲法九六条に定められた憲法改正の手続きを整備するという建前ですが,憲法の基本原則を逸脱した重大な問題点を残しています。 また,国民投票施行までの3年間で整備・検討する事項も多く,今後,憲法改悪反対の一点での多数派づくり,国会発議を許さない闘いと一体に,主権者である国民の自由な意思表明と運動を縛らせない取り組みが大切になります。 憲法九六条は改憲案の承認について「特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において,その過半数の賛成を必要とする」としています。 手続き法は,この「過半数」を有効投票の過半数としたうえ,一定の投票率を超えないと投票自体を無効とする最低投票率の制度も導入されていません。このため,少数の有権者の賛成で承認されかねない,投票率が極端に下がれば最高法規としての信頼性が得られないなどの意見が,法案の賛否を超えて出され,圧倒的な世論になりました。 このため,「付帯決議」で,「憲法審査会において本法施行までに最低投票率制度の意義・是非について検討を加えること」とされました。すでに野党議員の追及で,同制度を設けない憲法上の根拠がないことも明確になっており,同制度導入は不可欠です。 改憲手続き法によれば,改憲の発議は「関連する事項ごとに区分して行う」とされていますが,何が関連するのかは明確にされていません。また,投票権者は本則で「満18歳以上」とされていますが,付則では公選法や民法などの関連法で必要な措置が講じられるまでは「20歳以上」とされるなど,今後措置が必要な事項が山積しています。 なかでも,公務員法上の「政治的行為の制限」にかんする措置は「憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう必要な法制上の措置を講ずる」とされ,3年間「検討」されます。 審議では,この「検討」の中身について野党議員の追及で「国民投票運動が,国家公務員法・地方公務員法上許される,自由だということをきちっと整理する」(法案提出者の保岡興治衆院議員)と答弁させました。しかし,“靖国派”議員を中心に,「労働組合の活動を野放しにしたら改憲阻止法になる」という意見もあり,3年間の「検討」で公務員の手足を縛る規制を課してくる危険もあります。これを許さず,運動の自由を確保することが重要です。 公務員・教育者の「地位利用」に関しても,『大学の授業における意見表明』,『市民団体の集会での意見表明』,『パレードへの参加』などは該当しないことを明確にさせていますが,さらに規制そのものを許さない取り組みが重要です。 テレビ,新聞の有料広告は,投票日2週間前までは自由となりました。しかし,国民の判断にとって,重大な影響を及ぼすだけに,マスメディアにとっては,賛否の扱いが平等になるような自主的ルールづくりが不可欠となります。 国会に設置される広報協議会では,野党議員の追及で賛否の無料広告は平等に扱うことになりましたが,協議会自体が行う解説の残余部分とされています。同協議会が賛否を公平に扱うかどうかの監視も必要となります。 なにより,国会の発議を許さない取り組みが重要です。同時に憲法改悪を許さない声を国民のなかでゆるぎない多数派にしていく運動が求められています。 そのためにも,国民が現憲法について正しく学び,自民党が考えている新憲法草案の問題点を多くの知人・友人に知らせることが重要になってくると考えます。そのためにも,改憲派のひとも護憲派のひとも,各地域で結成されている『九条の会 』の講演会や勉強会に参加することをお勧めします。 残された時間は限られており,国民が正しく判断するにはギリギリであることを改めて知る必要があります。
2007年05月15日
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改憲手続き法(国民投票法)が参議院本会議で自民党・公明党の連立与党の賛成で可決,成立しました。多数の国民が今国会で成立させることに反対しており,法案の審議では国民投票に最低投票率の規定さえなく,公務員や教員の活動を制限する危険があるなど問題点がつぎつぎ明らかになってきたのに,採決を強行した連立与党の責任は重大です。 憲法九条など改憲と地続きになった手続き法の制定を認め,参議院の委員会では国民の声を無視した自民党・公明党連立与党の採決日程に同意した,民主党の責任も問われます。 憲法施行60年の節目の年に改憲手続き法の成立を強行した自民党・公明党連立与党の暴挙は,自民党など改憲推進勢力の,改憲実現への並々ならない執念を示すものです。安倍首相は先週末の委員会で,「新しい憲法のあり方について議論していく時代になってきた」と述べ,「(自民党の新憲法)草案をもとに憲法改正を考えていく。国民に対し選挙で述べていく」と,参議院選挙で改憲を争点にしていく考えをあらためて鮮明にしました。 もちろん改憲手続き法が成立したからといって,憲法の改定が決まったわけではありません。改憲推進勢力との対決はこれからが本番です。『九条の会』をはじめ草の根の運動の広がりが世論の変化を生んでいます。「九条守れ」の世論を大きく広げ,改憲を許さない声を国民の多数派にしていくことが必要です。 改憲手続き法は,成立してから3年後に施行されるまでは,改憲案を国会に提出したり審議したりすることはできないとしています。しかし自民党・公明党連立与党はその期間でも国会に憲法審査会を設け,骨子や要綱の作成など準備を急ぐ構えです。自らの任期中の改憲をめざす安倍首相のスケジュールに沿ったものですが,連立与党がしゃにむに改憲を急ぐこと自体,安部首相の進める改憲が国民との矛盾を広げていることの表れです。 例えば,改憲を支持する「読売」や「日経」の世論調査でも,最近,改憲支持が減少する傾向が顕著です。「朝日」の調査では,改憲支持は58%でも,安倍政権のもとでの改憲には「賛成」が40%,「反対」のほうが42%と多くなっています(5月2日付)。 自民党の新憲法草案は九条二項を書き改め「自衛軍」を明記し,「海外で戦争をする国」になることが最大の狙いですが,どの世論調査でも,改憲には賛成でも,憲法九条は変えるべきでないという人が大半です。 とりわけ,もともと戦前の侵略戦争を肯定する「靖国」派であり,政権も「靖国」派で固めた安倍首相の改憲は,侵略戦争への反省を出発点にした戦後の日本の足取りを根こそぎ覆すと,国民の警戒を呼んでいます。 首相を支持する右翼団体の「日本会議」など「靖国」派が相次いで発表した改憲案は,天皇の「元首」としての地位強化や国民への「国防の責務」押し付けなど,戦前の暗黒政治を丸ごと復活させる狙いを露骨にしています。こうした企てを国民が許すはずはないし,アジアや世界の国々とも矛盾を広げることにしかならないのは明白です。 「靖国」派の安倍首相が狙う改憲の危険な狙いと中身が国民に知られれば,「憲法を守る」が国民の多数派になるのは間違いありません。 憲法を決めるのは,主権者としての国民の権利です。だからこそ国会が決議し,発議するだけでなく,国民過半数の同意が必要なのです。いまこそその権利を踏まえ,国民が一丸となって改憲阻止に力をつくす必要があります。
2007年05月14日
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自民党・公明党両党は週明けに衆議院イラク特別委員会で,野党の反対を押し切って,イラク特別措置法を 2年延長する「改正」案の採決を強行しようとしています。 イラク戦争はブッシュ政権がウソの情報をもとにはじめた侵略戦争です。不正義の戦争を正面から批判し,イラクからアメリカ軍・外国軍の撤退を求める声はもはや押しとどめることのできない世界の流れです。 国際社会がアメリカのイラク政策を批判しているときに,自衛隊のイラク派兵を延長し,アメリカ軍支援を継続するのでは,国際的理解も信頼も得られるはずがありません。 アメリカと一緒にイラク侵略を進めてきたイギリスのブレア首相が世界の批判を前に正式に辞任を表明しました。アメリカ議会は上下両院とも,遅くとも今年10月1日に撤退を開始し,来年3月末までに撤退を完了する条項をもりこんだ2007年度補正予算を成立させました(大統領は拒否権を発動)。 アメリカ国民も,ギャロップなどが実施した世論調査(4月)によれば,60%が期限つきアメリカ軍撤退を支持しています。イラク問題の焦点はアメリカ軍の撤退をいつ開始し,いつまでに撤退するかです。アメリカ軍を増派し,イラク軍事占領に固執するブッシュ政権の政策はアメリカ国民の願いにも反しています。 イラク国内でもアメリカ軍・多国籍軍の撤退を求める声は大きくなっています。英米独のテレビ局が実施した世論調査ではイラク国民の80%近くが撤退を求めています。イラク議会では,議員総数275人のうち半数を超す144人が外国軍の撤退期限の設定を求める請願書に署名し,採決すれば成立するといわれます。 シーア派のサドル師派はマリキ首相がアメリカ軍撤退の期限を示さないため政府から閣僚6人を引き揚げました。 マリキ首相が「今年中にも日本の部隊は必要なくなる」(5月4日)と述べたのは,こうした動きを見てのことです。イラク周辺国拡大閣僚会議では,アラブ連盟のムーサ事務局長が「外国軍のイラク駐留の終結はイラク人の要求」と強調しました。 安倍首相は4月の日米首脳会談で,イラク戦争を「理解・支援する」,「日本も同じ目的のため努力を続ける」と述べて,自衛隊派兵の継続を約束しました。アメリカでもイラクでもイラクからの外国軍撤退が国際社会の大きな流れになっているというのに,アメリカ軍の居座りを支持し,自衛隊を派兵し続ける安倍政権は世界の異常という他ありません。 イラク戦争とその後の軍事占領は国連憲章の平和のルールに反しているからこそ,国際社会が批判しています。自衛隊のイラク派兵を続けるなら,日本は,国連憲章よりも軍事覇権主義を押し通すアメリカを優先する国だと見られるだけです。 ブッシュ大統領は大量破壊兵器があるとの「情報は誤りだった」(2005年12月)と述べました。ならばイラク戦争も直ちにやめるべきです。イラク戦争が成り立たないなら特措法も成り立ちません。航空自衛隊はバグダッドへアメリカ軍兵士と軍事物資を運び,戦闘作戦を支援しています。政府が憲法違反という「武力行使と一体化」した活動です。「非戦闘地域」に限った特措法の規定にも反しています。「人道支援」どころかイラク人の殺戮くの助長です。 これ以上安部内閣,自民党・公明党連立与党が,アメリカ軍によるイラク人殺戮の手助けをするために国民の税金を使うことを許してはいけません。いま日本に必要なのは間違った戦争の軍事支援ではなく,国連や国際機関と協力した人道復興支援に全力をあげることです。
2007年05月13日
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自民党の松岡利勝農水相らが政治資金収支報告書に領収書添付の義務がない事務所費や光熱水費を巨額計上し,資金の使途を隠す不正な処理をしていた疑惑がもたれている問題で,自民党,公明党両党は「再発防止」の名で政治資金規正法を改定することに合意しました。 過去,幾多の金権腐敗事件で,自民党は,真相解明を拒否し,無意味な法制度いじりに問題をすりかえ,疑惑に幕を引いてきました。安倍政権もまた,この手法を繰り返そうとしています。 自民党・公明党の合意は,一政治家に一つ認められている「資金管理団体」に限って,50,000円以上の経常経費支出について領収書添付を義務付けるというものです。国民の目から隠したい支出は,資金管理団体以外の政治団体の支出として処理できます。支出を50,000円未満に小口分散するということも可能です。 資金の透明化にはなんの役にもたたない,まったくの「ザル法」です。 安倍首相は自民党・公明党連立与党の合意について「国民の強い声もあり,私が指示した」と胸をそらしました。首相が,世論を意識して直接乗り出しながら,こんなものしかまとめられなかったというのではかえって深刻です。 実際,この程度の制度いじりにさえ,自民党は頑強に抵抗しました。「事務量が膨大になる」,「自由な政治活動ができなくなる」という自民党の言い分は,政治資金の透明化にまったく背を向けるものです。 いまの制度でも,政治団体は経常経費の支出について帳簿を備え,領収書類を保管することになっているのです。これを公表するかしないかの違いで,事務量はかわりません。 経常経費の領収書添付が義務付けられていないのは,家賃や水道料金など限定された費目で,決まった額が出て行くだけだからです。それが公表されることが,どうして政治活動の自由にかかわるのか。国民の目から隠したい不明朗な支出をここに紛れ込ませて処理していると,みずから認めるようなものです。 公明党は,夏の参院選も意識して,さかんに積極ポーズをとり,連立与党合意は「公明案を受け入れさせた」と売り込みに躍起です。しかし,規制対象を「資金管理団体に限る」としたのは,自民党との妥協の落としどころとして,公明党の側から言い出したものです。疑惑を解明するどころか,隠ぺいに手を貸す態度です。 政治資金をめぐる疑惑では,野党第一党である民主党も角田義一前参院副議長,中井洽元法相ら幹部議員の不正が自民党と相前後して次々発覚しました。民主党はこれらについて,国民に十分な説明も,まともな処置もしていません。自浄力を欠くのでは,政権与党の腐敗をただす野党の役割を担うことはできません。 塩崎官房長官は,この法改定は過去に遡るものではなく,松岡農水相が新たな説明を求められることはないと表明しました。結局,「なんとか還元水」の大臣をかばい続けるための目くらましにすぎないことは明らかです。 松岡氏らの問題は,現行の政治資金規正法にも違反する虚偽報告が行われたという疑惑です。疑惑の解明は現行法のもとで厳格に行われるべきです。法制度を改めるというなら,すべての抜け穴をふさいだ実効あるものにしなければなりません。曖昧決着を許さず,真相を国民の前に明らかにするために国民は夏の参議院選挙で自民党と公明党に何らかの審判を下すことが必要になったといえます。
2007年05月12日
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自民党,公明党の連立与党は5月10日,参院憲法調査特別委員会で改憲手続き法案の採決を5月11日に強行することで民主の合意をとりつけました。4月16日の参院での審議入りから1ヶ月にもなりません。法案は,改憲発議と国民投票の手続きを定めるという憲法にもっとも密接にかかわる法案です。その審議のあり方からも内容・問題点からも採決が許される状況にはありません。 「法案が国民主権の原理に適合しているかを精査すべきだ」。5月7日の福岡地方公聴会で公述人の石村善治福岡大学名誉教授はこう述べました。 ところが,自民党,公明党の連立与党はこうした要請を無視し,審議内容も精査できない連日審議を強行したうえ,中央公聴会を開催しないまま採決を強行しようとしています。 国会法51条は「総予算及び重要な歳入法案」について公聴会(中央公聴会)の開催を義務付けています。その趣旨から,予算に関連しない法案でも,国民の生活に重大な影響を及ぼす重要法案については,公聴会を開催し直接国民の声を聞くのが当然です。 最近でも,昨年末の教育基本法改定,2003年のイラク特措法,2001年のテロ特措法などで中央公聴会が開かれてきました。今回の改憲手続き法案でも衆院の中央公聴会ではわずかな応募期間にもかかわらず,124人が応募。与党案,民主党案ともに反対の人が108人,与党修正案賛成という人はわずか1人という結果でした。 改憲案の承認にかかわる国民投票は,国民主権行使そのものであり,法案について,参院で国民の声を聞かずに済ませることは許されるわけがありません。 与党内では,衆院での採決前から「5月中旬から下旬に成立」などといわれ,採決日程先にありきでした。 与党は衆院採決時には,法案の国会提出前の「調査」時間も計算に入れて「十分審議を尽くした」などとアピールしてきました。ところが,参院に送付されると一転,「目標審議時間は衆院での法案審査時間を基準とすれば足りる」とする“二枚舌”。「40時間」を「目標」にして,その「消化」をはかることを第一に,連日審議を強行してきました。 公聴会について与党は「地方公聴会を6ヶ所で開いた」と強調しますが,公述人からは「出席が決まったのが3日前,事務局の資料を手にできたのは当日の朝」などという声があがり,あまりの拙速ぶりに批判続出。 1日に2ヶ所同時開催で,1回わずか2時間という慌ただしさです。しかも公述人に自民党県議や地方幹部を動員する“アリバイづくり”に,傍聴者からも厳しい批判が相次ぎました。 5月10日の参考人質疑では,とうとう与党推薦の参考人は空席という異常事態です。 「最低投票率制度の導入を否定する論拠は正当性を見いだしがたい」 5月10日の参考人質疑で,東京慈恵会医科大の小沢隆一教授が指摘したように,審議をすればするほど最低投票率制度を導入しない与党の議論に道理がないことは明らかになっています。 “憲法九六条に書いていない要件を課すことは憲法上疑義がある”。この与党の議論は,野党議員の追及で破たんしました。法案には,憲法九六条に書いていない「両院協議会」を盛り込みながら,最低投票率のときだけ「憲法九六条に書いていない」という理屈を持ち出すことが成り立たなくなりました。 地方公聴会でも,与党推薦人からも「せめて(最低投票率)40%-50%の定めが必要」(名古屋会場・網中政機名城大教授),「最低投票率を定めても憲法違反とはいえない」(札幌会場・越前谷民雄弁護士)などの意見が出されるほど。 “有権者のわずか10%,20%台で100年,200年の国のありようを決める憲法改定がおこなわれていいのか”,“主権者の意思はどこへ”との疑問は増すばかりです。 公務員や教員の国民投票運動を制限する根拠もなければ規制の範囲も不明,法案の欠陥ぶりが浮き彫りになりました。 ひとつは,「地位利用」を口実にした公務員・教員への運動制限です。与党の法案提案者は,公務や教育の「中立性」を持ち出したものの,「憲法について語ることがどうして職務の公正や中立性を害するのか」と反論され,答弁不能に陥りました。 もうひとつは,公務員法上の「政治的行為の禁止」を口実にした制限。現行公務員法では,規制される「政治的行為」は法律や規則に列挙され,「特定の政治目的」が明らかなものに限られます。 ところが法案は今後「3年間で検討」するとしてどのような行為が該当するのか列挙していません。与党議員からさえ,「公務員,教育者の運動規制についての考え方が法案の中で定まっていない」(自民・中川雅治参院議員)との声が出るほど。 「現行法では自由な行為が国民投票では縛られるなどという検討があるのか」という野党議員の追及に,法案提出者もついに「国民投票運動が,国家公務員法・地方公務員法上許される,自由だということをきちっと整理する」(自民・保岡興治衆院議員)と述べざるを得ませんでした。 「財力の多寡による不平等が生じる恐れがある」(自民・葉梨康弘衆院議員)と法案提出者も認める有料CMの問題はどうか。法案では,投票日前2週間は禁止されるものの,それ以外は野放しです。 日本民間放送連盟などは「放送局側の自主・自律の精神に任せて欲しい」としてきました。では,資金量の差で不平等にならないような自主的ルールを検討しているのか,参院の参考人質疑で,民放連の代表はルールづくりが各放送局任せのうえ「民間放送局は,現時点で詰めて議論はしていない」(渡辺興二郎・報道小委員長)ことを明らかにしました。 地方公聴会でも「改憲を声高にいう財界からどんどん資金が流れたら,一般市民が太刀打ちできない」(仙台会場・佐々木健次弁護士)と危惧の声が消えません。 改憲案を国民に周知するための広報協議会。法案は,改憲を発議し,国民の審判を仰ぐ立場にある国会に設置するとしています。もともと中立性に問題があるうえ,協議会は,各会派の所属議員数に比例して構成されるため,改憲賛成派が多数を占めます。改憲派が広報を牛耳り,国民に改憲論を押し付けかねない構造です。 また,国民投票公報の配布は投票期日前10日までにおこなうとされる一方で,期日前投票は期日前14日からできることとされています。 5月10日の参考人質疑で小沢慈恵医大教授は「公報を見ないで期日前投票できるのは妥当な制度設計か」と批判しました。与党はダンマリでした。 国家・国民生活のすべての基本となる憲法を改正するための改憲手続き法案ですが,議論すればするほど矛盾と欠陥ばかりが浮き彫りになってきます。そんな重要法案を,自民党・公明党連立与党そして民主党は成立させようとしている事実に,国民は何の疑問も持たないのでしょうか。 マスメディアの取り上げ方も弱く,マスメディア自体もその規制下で影響を受けるのに,国民のその重大さを十分に伝えているとは思えません。
2007年05月11日
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九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案(国民投票法案)を,自民党,公明党の連立与党が明日5月11日にも参院憲法調査特別委員会で採決する動きが急浮上しています。 「今国会での成立」という安倍晋三首相の改憲スケジュールにそったもので,憲法にかかわる重大法案にもかかわらず,国民の意見を聞く中央公聴会さえ開かないままの採決という,異常な事態になりかねません。 野党議員は,5月9日開かれた与野党国対委員長会談で,「国民主権の行使にかかわる重要な問題を国民から意見を聞く中央公聴会の開催なしに採決することは絶対にあってはならない」と強く申し入れました。 自民党は,同日の民主党との参院国対委員長会談で非公式に5月11日採決を提起。特別委員会の筆頭理事間協議でも,「参院国対から強く枠がはめられている」として5月11日採決を強行する構えを示しました。 今日5月10日には午前に参考人質疑,午後に地方公聴会と異常な過密日程が組まれ,採決への“実績”づくりが狙われています。中央公聴会についても「地方公聴会を積み重ねてきた」と拒否する構えです。本会議の採決は,5月11日ないし5月14日に狙っています。 法案審議では,最低投票率の規定もない問題や,公務員・教員の運動制限では憲法上の根拠も示せないなど,中身はぼろぼろ。地方公聴会では,準備期間もないままの開催に公述人から批判の声があがっています。 衆院では週1回の定例日に審議してきた経過を踏まえ,自民党内からさえ「参院はこんなやり方でいいのか」(衆院憲法調査特関係議員)との声が出ていました。 法案を廃案にと国会前に集まった人たちからは,5月11日採決の動きに,「自分たちに都合のいい法案を押し通そうというのは明らかだ」との批判があがりました。 この件に関してみても,民主党がいくら「野党ポーズ」をとっても,自民党・公明党連立与党と一緒になって憲法を変えてアメリカ・大企業のための政治をしていることが分かります。 国家の根幹にかかわる憲法の問題でこのような対応ですから,他の法案も同様に,国民のための政治ではないことが容易に想像ができます。国民はいつまで戦況期間中のみ「野党ポーズ」の民主党に騙され続けるのだろうか。
2007年05月10日
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安倍晋三首相が靖国神社の春季例大祭(4月21日-23日)に合わせ,「内閣総理大臣 安倍晋三」名で,私費から5万円を出して神前に供える真榊(まさかき)を奉納していたことが5月8日,分かりました。靖国神社と複数の政府関係者が明らかにしました。 政府関係者によると,供物はサカキの鉢植え1基。安倍晋三首相は5月8日夜,「靖国にかかわることが外交問題化している以上,参拝する,しない,供え物を出した,出さないということは申し上げない」と述べ,確認を避けました。 首相は就任以来,靖国参拝の有無について明言しない方針を示しています。 塩崎恭久官房長官は記者会見で「首相の私人としての思想信条にかかわる問題,事柄なのでコメントは差し控えたい。肩書を付けたから公人ということではない」と述べました。 また,自民党の中川秀直幹事長は記者会見で日中,日韓関係への影響に関して,「靖国参拝についての首相の説明に理解は得られている。特段これで影響があることはない」と強調しました。 首相はかつて,自民党幹事長代理だった2005年に「次の首相も私は靖国神社に参拝すべきだと考えている。国民のために戦った人に尊敬の念を表すのはリーダーの責務だ」と述べるなど,もともと根っからの“靖国派”です。官房長官だった昨年4月15日には,春季例大祭直前の靖国神社を参拝しています。 今回は直接の参拝ではないとはいえ,現職首相が靖国神社に特別の地位を与え,先の侵略戦争を肯定する同神社の歴史観にお墨付きを与える行為であることに変わりはありません。 靖国神社によると,現職首相が真榊を奉納したのは,1982年から1987年まで在任した中曽根康弘元首相以来約20年ぶり。 首相として供物をささげたとなれば,靖国神社の政治的思想的な立場を政府として肯定する行為になります。靖国問題の一番の本質は,同神社が過去の日本の侵略戦争を「自存自衛」,「アジア解放の聖戦」とする立場から全面的に美化し,宣伝することを使命としていることにあるのです。 そこに首相が参拝したら,その神社の立場に政府としてのお墨付きを与えることになり,また供物を出す行為も同じ意味を持っています。 そして,今回の首相の行動は,過去の公的言明に照らして,「村山談話」,「河野談話」を継承するとした安倍首相自身の答弁にも矛盾するものです。 歴史問題をめぐる安倍首相と小泉純一郎前首相の違いについて,「小泉氏の場合,5年連続の靖国参拝強行など,その行動は“靖国派”そのものでしたが,彼の歴史観についていえば,“靖国史観”を公然と語ったことはありませんでした。国会質疑でも『靖国神社の立場とは違う』と述べています。 ところが安倍首相は,「内心では“靖国派”そのもの。昨年10月の国会質疑でも,靖国神社の歴史観と自分の歴史観が違うとは言っていません。 安部首相は靖国参拝については語らないという“曖昧戦術”をとりますがが,安部首相の内心が,今度の供物の問題で表れたと言えます。
2007年05月09日
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農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」発注の調査業務をめぐる官製談合事件で,公正取引委員会の強制調査を受けた公益法人などから献金を受け取っていたことが判明,問題になっている松岡利勝農水相(衆院熊本3区)が,新たに調査対象業者も会員になっている別の林道業者団体やその政治団体から計720万円の献金を受けていたことがわかりました。 この林道業者団体は,緑資源機構からの公共工事を受注する全国の森林土木業者やコンサルタント会社で組織する「特定森林地域協議会」(特森協)。公取委の強制調査を受けた林野庁所管の公益法人や民間コンサルも会員になっていました。 政治資金収支報告書によると,特森協の政治団体「特森懇話会」は,1998年9月に設立されてから,2005年まで,年1回,政治資金パーティーを開催,毎年,288万円-920万円の収入があります。2000年には,全国治山林道政治連盟から約160万円の寄付もありました。 こうして集めたカネを特森懇話会は,「渉外費」として,自民党の国会議員を中心におもにパーティー券を購入する形で資金提供しています。 このうち,松岡農水相の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」は2000年に20万円の献金と100万円分のパーティー券,2001年には,「松岡利勝君と語る会」など2回のパーティー220万円分など,2005年までの6年間で計520万円の資金提供がありました。(表参照) また,松岡農水相が支部長の自民党熊本県第三選挙区支部は,2005年に特森協宮崎地区協議会から200万円の献金を受けていました。 東京都港区西新橋のビル七階に事務所があった特森協は,公取委が緑資源機構や業者を立ち入り検査した直後の昨年11月,突然解散したといいます。特森協の事務所に同居していた特森懇話会も,総務省によると,今年1月11日に解散しています。 松岡事務所に対し,献金の趣旨と返金の意思について問い合わせましたが,5月7日までに回答はありませんでした。 捜査の手が伸びると解散してしまうような団体自体,不自然と言わざるを得ません。国民に対して説明できないような団体・資金であったことを暗に示していると自ら示しているようです。 国民はこんな政治家を国会に送り出すことをやめなければいけません,こんな政党・政治家を許してはいけません。国民を馬鹿にするにもほどがあります。
2007年05月08日
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経済財政諮問会議と政府税制調査会が税制「改革」の議論を開始しました。当面は考え方の整理にとどめ,消費税増税など具体論は参院選後に議論するとしています。自民党税調の津島雄二会長も,税制を「参院選の争点にすべきではない」と,争点化を逃れる発言をしています。 争点を隠し,国民の審判を避けて,選挙が終わったら数の力で押し切ろうという政府,自民党・公明党連立与党のもくろみが浮き彫りになっています。 安倍首相が政府税調に諮問した税制「改革」の柱は次の2点です。「国際競争力を強化し,その活性化に資する」こと。「社会保障や少子化などに伴う負担増に対する安定的な財源を確保」すること。 異例の具体的な諮問です。政府・与党の日ごろの議論から考えれば,前者が法人実効税率(法人税,法人事業税・住民税を勘案した企業の理論上の所得税負担率)の引き下げ,後者が消費税の増税を指していることは明らかです。 政府・与党の税制「改革」の大もとは,財界が献金斡旋と引き換えに自民党・公明党連立与党や民主党に実行を求めている財界本位の提案です。 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は,消費税増税を財源にして法人実効税率を10%引き下げるよう要求しています。 経済同友会が4月に発表した税制提言は現在40%弱の法人実効税率を35%に引き下げ,消費税を16%に増税するよう主張しています。法人事業税を廃止して地方消費税に置き換え,公的年金は最低限の基礎年金のみに縮小し,企業負担をなくして全額を消費税で賄えという要求です。 市場に対する支配力が強い大企業は,消費税分をすべて販売価格に転嫁し,仕入れ価格を抑えることで,実質的に消費税を1円も負担せずに済ますことができます。 財界は「改革」の名を冠して税制を提言しています。しかし,その実態は,国民と中小企業が負担する消費税を大幅に増税し,自らの税や社会保障の負担を減らそうという身勝手極まりない要求です。 政府・与党が参院選前に税制「改革」の中身を示さないのは負担増を隠すためだけではありません。財界負担を国民に転嫁する「改革」の本質がくっきり浮かび上がらざるを得ないからです。 庶民にとって,消費税は生計費そのものにかかる過酷な税金です。消費税は,派遣で働く若者や月40,000円,50,000円の年金で細々と暮らす高齢者が,巨額の報酬や配当を得る大企業役員と同じ税率で負担する不公平な税金です。 消費税が低所得者ほど負担が重くなる逆進的な税制であることは政府も認めています。その増税が,青年や母子家庭,高齢者,障害者など各層に広がる深刻な貧困を,一層悪化させることは明白です。 日本企業の公的負担の重さはフランスの1/2,イタリアの2/3にすぎません。証券優遇税制の効果で,5,000万円を超える所得を申告納税した人の国税負担率はわずか20%にとどまっています。 税制で新たな財源と言えば消費税しかないような議論はごまかしです。大儲けしている大企業や大資産家に応分の負担を求めることこそ,今やるべき税制改革です。 争点隠しを許さず,「消費税の増税で大企業に減税する」逆立ちした税制「改革」を断念に追い込むために,参院選に向かって大きく世論を広げていくことが必要です。
2007年05月07日
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企業のリストラ・再編計画などを減税で支援する産業活力再生法の延長・改悪案が4月27日の参院本会議で自民党,公明党,民主党,国民新党の各党の賛成多数で可決・成立しました。 今回の改悪は,臨時の特別措置法として制定された同法を2016年3月まで延長し,サービス業へも対象を拡大することが柱です。重大なのは,特定大企業のための減税措置が,これまでのものとあわせて三重,四重に盛り込まれていることです。 減税効果となる措置のひとつは,「イノベーションをすすめる」などとして,新たに「世界初の事業革新設備」の認定に対する減価償却への30%の特別償却の上乗せです。 減価償却制度では,生産設備などの費用を,損金に繰り入れることで毎年の法人税を安くすることができ,償却期間が短いほど毎年の法人税額も小さくできます。 減価償却制度については,既に,大企業が恩恵をうけるものとして,それまで95%だった償却可能限度額を100%にすること,IT分野の設備への優遇措置として法定耐用年数をフラットパネルディスプレイ製造設備で10年か5五年への短縮,半導体用フォトレジスト製造設備で8年から5年に短縮,フラットパネル用フィルム材料製造設備で10年から5年に短縮しています。初年度の減価償却率は50%になります。 改悪産活法では,これに加えて,「世界初の事業革新設備」導入などに認定されると,30%の特別償却の上乗せができるようになります。 このことで税会計上,製造装置を導入した1年目で設備価格の80%もの償却費を利益から控除できることになり,その分,法人税額を圧縮できます。 これまで産活法で事業革新設備導入計画が,単独で認定されたのは,シャープの2件だけです。 また,兵庫県では設備投資の3%の補助,三重県では設備投資の5%を補助するなど,自治体の優遇策も助長されています。 衆院経済産業委員会で,これらの適用が予想されるのはシャープ,松下などの薄型テレビ製造大企業だけであり,雇用が非正規ばかりの特定大企業の特別扱いは国民の理解を得られないという発言も出ていました。 国民には増税,負担増の一方で特定大企業への三重,四重の優遇措置は許されません。リストラで減税の恩恵をうけてきた大企業へのさらなる支援をする改悪に賛成した各党の態度が問われてます。
2007年05月06日
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安倍晋三首相は,国会議員の事務所費に領収書添付を義務づける政治資金規正法改正に向け,「必要であれば総裁として判断したい」と述べ,ようやく重い腰をあげようとしています。 しかし,肝心の閣僚などの事務所費疑惑の解明は宙に浮いたまま。後半国会の残された課題です。 自民党・公明党連立与党内で浮上している改正案は,50,000円以上の経常経費(人件費を除く)に領収書添付を義務づける内容です。 現行法は,政治活動費には,50,000円以上の支出に領収書の添付を義務付けていますが,経常経費には添付まで求めていません。 しかし,この程度の改正案でも,自民党内の抵抗は根強く,同党の党改革実行本部では「政治活動の自由が阻害される」などと的外れな反対論が出て,調整が難航しました。 世論の厳しい批判に押される形で,安倍首相も法改正に向けた「意欲」を表明せざるをえなくなったものです。 しかし,これで一件落着ではありません。 事の発端は,昨年末の佐田玄一郎・前行革担当相の関連政治団体の事務所費をめぐる不正経理疑惑です。その後,家賃のかからない議員会館を主たる事務所にしながら1,000万円以上もの事務所費を計上していたことが,伊吹文明文部科学相,松岡利勝農水相など閣僚や,中川昭一自民党政調会長などの団体で発覚し,大問題となりました。 さらに,松岡農水相の資金管理団体は,事務所が光熱水費無料の議員会館だけなのに,「光熱水費」に500万円以上も計上していることが判明。松岡氏は「なんとか還元水」に使ったと述べるだけで,不自然な支出の真相について,国民にも国会にもまったく説明していません。 政治資金規正法違反である報告書の虚偽記載ではないのかとの疑惑は消えていません。若干の法改正で,真相解明をうやむやにすることは許されません。 現行法でも,1件50,000円以上の領収書は3年間保管することになっており,疑惑をかけられた伊吹文科相や松岡農水相は,領収書をすすんで公開すべきです。 安倍首相は「松岡氏は法律の要求にしたがって報告していると答弁している」(3月13日,参院予算委員会)と閣僚をかばうだけで,真相解明に向けた指導力はなんら発揮していません。 衆院予算委員会での集中審議などでの真相解明は,後半国会の急務となっています。 「政治とカネ」をめぐっては,民主党も,多額の寄付を報告書に記載していなかった角田義一前参院副議長の疑惑や,花代やタクシー代を光熱水費に計上していた中井洽元法相の疑惑が未解明のままです。 自民党・公明党ど同様に民主党の自浄能力も問われています。 一斉地方選挙で自民党・公明党連立与党よりも民主党に票を投じた国民が多くおりましたが,自分たちの税金が無駄に使われていることに対して,政党に審判を下せないままでは,6月からの増税・負担増も甘んじて受け入れ他ありません。 国民の選んだ政治家によって,国会が運営される以上,その結果に責任を負うのは当然です。決めたのは国民自身であるということです。
2007年05月05日
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日米安全保障協議委員会(2プラス2 = 外交・軍事担当閣僚協議)は5月1日,「同盟の変革-日米の安全保障および防衛協力の進展」と題する共同文書を発表しました。 1年前の米軍再編合意の「着実な実施」とともに,新たに,軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))締結への「実質的合意」,日米軍事同盟と北大西洋条約機構(NATO)の協力を盛り込んでいます。 「日米同盟関係にさらに重み,厚みを加える」(麻生外相)ことは,日本と世界の平和をいっそう危険にし,アジア諸国民の警戒心を高めるだけです。 会談後,アメリカのゲーツ国防長官は,「国際的な平和と安全に積極的な貢献をすることに日本が戦略的な重要性を置いている」と述べました。安倍首相はさきに「自衛隊が海外での活動を行うことをためらいません」と公言しました(NATO理事会での演説)。 安倍内閣の異常な対米追随姿勢がアメリカに,日本が世界各地で共に戦うとの期待を加速させているのです。 ライス国務長官は「日米同盟を強化するという目標を追求する」と述べました。共に戦い守り合う米英攻守同盟を目標にしています。共同発表文書がNATOと日米同盟を「補完的」と明記し協力を謳っていることでもこれは明白です。 今回の合意で見過ごせないのは,日米両政府が軍事情報包括保護協定を締結することに「実質的合意」したことです。 GSOMIAはアメリカの軍事秘密主義を条約化したものです。協定はアメリカと「同程度の保護」を義務付けています。アメリカは秘密を漏えいした者も入手した者も,ともに10年以下の懲役から死刑としています。 今回は,国民の反発を恐れて立法措置を先延ばしにしましたが,早晩,アメリカが法的措置を求めてくるのは避けられません。 いまでも日本は軍事情報を何でも秘密にする軍事秘密大国です。イラクで航空自衛隊がどれだけの米兵と武器を運んでいるのかさえも秘密です。 イージス艦の情報が漏れたと大騒ぎをしていますが,憲法違反の自衛隊が国民の知る権利を踏みつけにして,軍事を秘密にすること自体,憲法九条に照らして許されません。 GSOMIAは直接には政府・自衛隊,軍需産業など秘密を知る者の規制を対象にしていますが,いずれメディアや一般国民を法律で規制する危険を伴っています。既に,防衛省は「部外者からの不自然な働きかけへの対応要領」を策定したと伝えられます。 戦前,天皇制政府が軍機保護法を制定して,国民の目と口をふさいで侵略戦争に突き進んだことを忘れるわけにはいきません。 GSOMIAは日本の軍事秘密主義をさらに拡大・強化して,アメリカとともに海外で戦争していく実態を覆い隠す役割を果たします。GSOMIAの締結を認めるわけにはいきません。 日米両政府がいくら米軍再編合意の「着実な実施」を繰り返しても,岩国市や座間市の再編反対の姿勢に変わりはありません。 沖縄では普天間基地の即時閉鎖とアメリカ本国への早期撤去を訴える伊波洋一宜野湾市長が大差で再選されました。沖縄県も日米両政府の新基地建設計画を公然と承認してはいません。巨額の血税を投入することにも反発が強まっています。 日米軍事同盟の侵略的変質と米軍再編計画に反対する運動を広げることがいよいよ重要です。
2007年05月04日
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日本国憲法が施行されて,きょうで60年を迎えました。 憲法が施行された1947年は敗戦の翌々年です。前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」とあるように,憲法は侵略戦争と暗黒政治への反省の中で誕生しました。 以来60年,憲法がよってたつ主権在民,恒久平和,基本的人権の保障,議会制民主主義,地方自治などの原則は国民の手で守り抜かれてきました。改憲タカ派の安倍内閣の下で,九条をはじめ改憲の動きが強まるなか,この憲法の先駆的意義を広げることが,いよいよ重要です。 60年を迎えるにあたり,現憲法が審議された衆院の本会議,委員会,小委員会の会議録を読み直してみました。当時の吉田茂首相が次のように発言しています。 「本改正案の基調とする所は,国民の総意が至高のものであるとの原理に依って諸般の国家機構を定め,基本的人権を尊重して国民の自由の福祉を永久に保障し,もって民主主義政治の基礎を確立すると共に,全世界に率先して戦争を抛棄(ほうき)し,自由と平和を希求する世界人類の理想を国家の憲法条章に顕現するにあるのでありまして…」(原文はカタカナ) 「国民の総意が至高」というだけで「主権在民」とは明言しない政府案の曖昧さは,当時の審議のなかで日本共産党が追及し,他の党も,「主権が国民に存することを宣言」するとの修正を受け入れました。日本共産党が敗戦から3ヶ月後に「主権は人民にある」と明記した「新憲法の骨子」を発表し,国民の間でも民主的な憲法を求める息吹が広がっていました。 注目されるのは,当時戦争を放棄し,戦力は持たないと宣言した憲法九条の論議です。日本共産党は「他国征服戦争に反対する」「他国間の戦争に絶対参加しない」などの明記を求めました。アジアと世界を侵略した誤った歴史は二度と繰り返さないとの反省を込め,世界でも先駆的な憲法の条文を練り上げた制憲議会の意気込みは,会議録でのやりとりを通じても読み取ることができます。 安倍首相はその憲法を,「21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」と非難し,憲法九条を変え,「自衛軍」を公然と持ち,「集団的自衛権」を行使してアメリカと一緒に「海外で戦争のできる国」にしようとしています。 安倍首相は侵略戦争を肯定する改憲タカ派です。侵略戦争を肯定する勢力が九条改憲を推進するのは,日本国憲法の精神を根本から踏みにじり歴史に逆行するものです。 憲法九条は,日本の平和を守る重要な力になってきただけでなく,世界の平和の秩序を作る上でも先駆的な意義を持っています。いまや世界で,戦争ではなく話し合いで国際紛争を解決していこうというのが大勢になっています。九条改憲は,こうした世界の流れにも,真っ向からそむくものとなるのは明白です。 憲法制定以来60年間,改憲を許さず,日本国憲法を守りぬいてきたのは国民の闘いです。近年改憲に反対し,九条守れの世論と運動が広がる中で,改憲を主張してきた「読売」の調査でさえ,改憲に賛成という回答が減り,半数をきりました。「九条守れ」はどの調査でも多数です。 憲法60年を,草の根の力をさらに広げて改憲を阻止し,世界に誇る憲法を守る大事な節目にするために,国民が共同して,力を尽くす必要があります。 憲法が一度改正されると,後戻りすることが難しくなります。
2007年05月03日
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14歳未満の子どもたちに対する警察の調査を認め,少年院に送致する年齢を「おおむね12歳以上」と小学生にまで広げる少年法改悪案の審議が参院の委員会で始まります。 厳罰を科せば少年の凶悪犯罪が防げるという誤った子ども観のうえにつくられた改悪案は,少年の立ち直りを阻害する危険なものです。徹底した審議を通じ廃案にすべきです。 罪を犯した少年に対し,教育的・福祉的な手だてを尽くし,その子の成長を促し,深い反省を求めて,再発防止につなげるというのが少年法の基本理念です。複雑な状況を抱える子どもたちのために,児童相談所や児童自立支援施設などの拡充をすすめることが求められているのに,政府・自民党公明党連立与党はこれを怠り,厳罰化で臨む態度をとってきました。 今回の改悪案のきっかけは,2003年に起きた12歳の中学生による4歳児殺害(長崎市)と2004年の11歳小学生による同級生殺害事件(長崎県佐世保市)でした。 極めて特殊なふたつの事件が続いたことで,少年法見直しの動きが起きました。長崎市の事件の直後には,鴻池祥肇青少年育成推進本部担当大臣(当時)が「(加害少年の)親を市中引き回しの上打ち首に」と発言するなど,少年を保護し矯正する少年法の基本理念を投げ捨てた,冷静さを欠く議論が強まったのです。 政府・与党は少年犯罪の低年齢化,凶悪化が進んだといいますが,それは事実ではありません。14歳未満の少年の補導数は1981年をピークに減少しています。「凶悪化」というのも事件報道からくるイメージの側面が強いものです。 アメリカでは1970年代から極端な厳罰化が進みました。しかし,少年の重大犯罪の減少につながらなかったという実証的な研究がされています。国際的な経験でも,厳罰化は少年犯罪の抑止効果をもちません。 こうした基本的な問題がなおざりにされたまま,子どもたちの未来にかかわる問題が決められようとしているのは重大です。 法案が衆院で自民党,公明党両党の強行採決で可決された際,安倍晋三首相は「被害者の方々の気持ちも踏まえればこれはやむを得ないこと」と述べ容認しました。 「被害者の気持ち」といいますが,少年犯罪被害者の感情は,ただ厳罰化を求めるほど単純なものではありません。佐世保事件の被害者の父は「子どもを被害者にも,加害者にもしないために有用な情報は社会に還元し,少しでも社会の疑問や不安に応えて欲しい」と子どもたちの問題を踏まえた対策を訴えています。 今度の少年法改悪案は,被害者の深い悲しみの中からの痛切な願いにまともに応えるものとはいえません。問題は複雑で,受け止めも多様なのに,長い社会的な営みのなかでつくられてきた理念を軽んじ,結論を急ぐことは厳に慎むべきです。 この法案が非行防止にもっとも有効とされる福祉的ケアを否定し,罰と警察権限による子どもたちの監視を強めるもので容認できるものではありません。全国191の児童相談所のうち,非行相談の組織はわずか9ヶ所にすぎません。施設の充実が必要であるにもかかわらず,柳沢伯夫厚労相は「体制強化の必要は認識している」と答えました。 子どもたちを非行から保護するこうした真剣な努力を怠ったまま,ただ厳罰主義で臨む少年法改悪は,真の少年犯罪対策に逆行していると言わざるを得ません。
2007年05月02日
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参院福島,沖縄両補選の結果を受け安倍晋三首相は,初の本格的国政選挙となる夏の参院選を「憲法改正」など“タカ派”色を前面に出して乗り切ろうとしています。政府・自民党内では,参院「与党過半数割れ」の危機感から,勝敗ラインをめぐって早くも激しい“綱引き”が始まっています。 参院補選について首相周辺は,もともと野党の議席だった2つのうち「沖縄での勝利は大きい」としています。 しかし,こんな声もあります。「沖縄は首相が二度も入るなど総力を挙げたのにあの小差。しかも“保守王国”福島では惨敗だ。道府県議選も97議席減の過去最低で,このままでは参院選は危うい」(大臣経験者)。 参院は,定数242議席のうち半数の121が3年ごとに改選されます。自民党・公明党連立与党の非改選議席は57(自民46,公明11)でしたが沖縄分を足して58議席に。今回与党が過半数(122)を維持するには,仮に公明党が現状維持(改選13)とすると,自民党は51議席必要となります。 ところが,ここ4回の参院選を見ると,自民党が50議席を超えたのは6年前の爆発的“小泉ブーム”のとき(64議席)だけ。しかも今回は,6年前の“小泉ブーム”で大量当選した議員が改選を迎えます。 加えて相次ぐ「政治とカネ」疑惑,郵政「造反組」復党,負担増と大増税,「貧困と格差」の拡大などに国民の批判が集中しています。「改憲,教育問題などで安倍の“地金”を出し,右寄りの支持拡大を狙うが,自民党が増える要素は少なく,守りの選挙」(政治評論家)といわれています。 「(自民党は)比例代表では最低15議席,さらに29ある1人区で20議席(補選も入れて)取らないと,与党で過半数を維持することはできない」。自民党の青木幹雄参院議員会長は3月16日,自民党支持団体との会合で具体的数字を挙げ,「過半数割れ」への危険を力説しました。 これは,選挙の“司令塔”となるべき中川秀直幹事長が4日前,「どこが勝敗ラインで,どこが責任ラインか…そんなこといいません。(参院で)過半数が割れたって,政権選択選挙ではないかもしれない」と発言したことへの反論でもありました。 実は中川発言の直前,小泉純一郎前首相も安倍首相,中川氏らとの懇談(3月7日)で「万が一負けても参院選は政権選択選挙じゃない」(「毎日」)と述べていました。 こうした発言は,参院自民党の“ドン”として「参院選で与党が過半数を割れば,自民党も内閣も死に体になる」と繰り返してきた青木氏にすれば,無責任な発言に聞こえたに違いありません。 青木氏は「(参院で過半数割れすれば)国民が黙っていない。衆院を解散して民意を問えということになる」(昨年11月,徳島市)と強調しています。 青木氏と「青・森コンビ」を組んできた森喜朗元首相も,「(自民が)10議席以上失うとかなり厳しくなる」(昨年4月,都内)と,自公連立の危機を唱えていました。ところが,年が明けると「衆院は圧倒的に(議席が)ある。首相がどうこうなることはない」(1月16日,都内で。「共同」)と,安倍首相の責任を問わない姿勢に。 中川氏が責任逃れとも取れる発言をしだしたのは,その直後からです。 「政権選択選挙ではない」と首相の責任に“煙幕”を張る中川氏。他方“死に体”論を唱え「参院で過半数を持っていて初めて生きる(衆院の)2/3」と危機感を煽る青木氏。 これらの確執はいずれも,自公連立による国民不在の悪政の結果,自民党・公明党連立与党が「参院過半数割れ」の重大危機に直面し,それを何とか回避しようと,必死にもがいていることの表れといえます。 国民が審判を下す参院選本番は目前です。国民の審判が正しく表れることを期待します。
2007年05月01日
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