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私:昨夜のBS フジテレビのプライムニュースを見たよ。 ゲストは元日本原子力学会会長で2007年から2009年まで原子力委員会の委員長代理をした田中俊一氏と九州大学副学長の吉田斉氏の2人。 それに解説はフジテレビの解説員の小林泰一郎氏。A氏:俺も見たが、やはり、「想定外」問題が出たね。 「原子力村」の「原子力安全神話」が問題になったね。 そしてそれに対する原発反対派との断絶だね。 政治の55年体制の自民党と反対しているだけの社会党との対立に似ているね。私:いや、俺は違うと思うね。 自民党は結構、社会党に問題を指摘されるとそれを意識していたね。 しかし、原発推進派は反対派の意見をまったく無視だね。 率直な対話がなかったようだね。 A氏:福島第1原発事故が起きてからの動きは確かに遅く、情報公開も遅い。 例のレベル7も最初はレベル4だったのが、変更が何度もあり、ついにレベル7になった。私:緊急事態対応の組織もバタバタ。 水素爆発は構造の専門家なら容易に予測できたのに爆発させている。A氏:最後の提言として、田中氏は「率直な意見」としているね。 田中氏は当座、原発に匹敵する代替えエネルギーがない限り、日本経済のためには原子力の使用は欠かせないだろうと言っているね。私:吉田氏は、「軟着陸」として新規の原発は作らないが、現状稼動している原発は再度安全をチェックして動かすべきだという。 原子力発電は、今まで「安定供給」、「クリーン」、「低コスト」がメリットだということだったが、今度の福島第1原発事故で、東京がこれから2、3年電力不足におちいるように、「供給不安定」で、「クリーンでなく」、数十兆円になるという今度の放射能損害保障による「高コスト」だね。A氏:最後にフジテレビの解説員の小林泰一郎氏が、コメントしていたが、世界は、日本は今度の大災害で、国中が一致協力して対応していると高く評価しているが、福島第1原発事故の対応で今日のゲストの話を聞くと、逆に日本はバラバラではないかと言っていたね。 民主党もバラバラだしね。私:原発は「想定外」を「想定」して対応していなかったので、虚を突かれたからだね。 「想定外」を「想定」して、シミュレーションをして対応してないとこうなるね。 昔から「備えあれば憂いなし」だと言っているがね。 「絶対大丈夫」はあり得ないのにね。
2011.04.30
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私:日本では原発が54基あるが、定期検査で停止しているのが計12基。 その中で、中部電力は定期検査を終える浜岡原発の3号機を7月に再稼働する計画を発表したという。 浜岡原発には5基あり、1号機、2号機の2基は廃炉予定。A氏:7月再稼働は夏場に向けての対応だね。私:中電の全体の発電に占める原子力発電の割合が約2割弱と電力会社9社の中で最低だという。 しかし、夏場の電力需要は読めない。 気温が1度上昇すると約80万キロワットの電力が必要になる。 浜岡3号機の発電能力は110万キロワットだという。A氏:浜岡原発の耐震対策・津波対策は問題ないのかね。私:3号機は定期点検が4月に終り、再稼働の予定だったのが、3月11日の福島第1原発事故のため、一旦先送りしている。 それなのに再稼働を決めたのは、耐震性や対津波に自信があるからだという。A氏:東海地方は、早くから東海地震が近々にくるだろうということで、地域を巻き込んで地震対策が盛んだったね。私:当然、想定震源地域の上にある浜岡原発の地震や津波対策は他社以上に力を入れてきている。 福島第1原発の想定津波水位は5.7メートルに対し、浜岡原発の津波想定水位は8.3メートル。 新聞では揺れ想定強度の比較がないが、福島第1原発は、500ガルに満たないと考えられるのに対して、浜岡原発の想定の「揺れ」は800ガルで、1千万ガルにも耐え得るとしたという。A氏:しかし、自然の動きには「絶対」はないから、再稼働には地元住民はおだやかでないだろうね。私:浜岡原発の運転差し止めを求める訴訟が起きており、争点は「想定を超す地震が起きるかどうか」だという。 07年の1審判決では「耐震安全性は確保されており、原告らの生命、身体が侵害される具体的危険は認められない」として原告は全面敗訴している。 審理は東京高裁に移り、09年夏に起きた駿河湾を震源にして起きた震度6弱の影響調査のため延期され、再開のめどもたっていないという。A氏:川勝平太静岡県知事は7月再稼働反対だね。私:2003年に中央防災会が発表した東海、東南海、南海の3つの地震が連動したことを想定した場合、震度は6強で津波高さは4~7メートルだという。 しかし、東日本大震災では震源域が一気に複数連動したとみられる。 したがって、東海地震も3つの地震の連動に追加して、南海トラフト(海底の溝)が連動する4連動を考える必要があるという。A氏:このブログでとりあげた「MEGAQUAKE・巨大地震」でも南海トラフトの危険性を強調していたね。 自然に抵抗して戦って勝ち目があるのかね。私:北海道、関西、中部の3電力会社は定期検査中の原発の再稼働を来年3月期の業績予想に織り込んでいるという。 ただし、具体的な再稼働の時期を明確にしたのは中電だけだという。 日本がエネルギー政策としてやってきた原発推進は、ここで待ったなしの大問題を突きつけられたね。 電力という産業でも重要なエネルギー源だけに、急激な「脱原発」は日本経済の問題に直接関係する。A氏:今朝の朝日新聞のオピニオン欄では、「敗北を抱きしめて」で有名な米国のジョン・ダワー氏のロングインタビューが掲載されているが、氏は「ふつうの人々も『原発』議論を重ね、世界引っ張る力に」と期待しているね。 しかし、それには「ふつうの人々」も自分たちの電力浪費の生活習慣をやめ、経済の停滞による生活水準の低下を覚悟すべきかもね。私:もっともいかなる生活でも命があってのことだね。 敗戦を小学校高学年で迎えたわれわれの実感だね。
2011.04.29
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私:昨夜のテレビ朝日の報道ステーションで、ガソリンの値上げをとりあげていたね。A氏:俺も見たよ。 ゴールデンウィークに車で観光地や遊園地に出かける人は、ちょっと控えるようになるのではと報じているね。私:このところ、原油が値上りしているのが原因とのことで、そのさらに原因として、福島第1原発の事故が影響しているという。 要するに、脱原発で石油の需要が増加するというわけだね。A氏:それにアメリカの金融緩和でカネがだぶついているので、石油投資が増加することも影響しているようだ。私:一方、ガソリンの暫定税率はあまり値上がりすると軽減することになっているが、この法案が修正された。 東日本大震災の復興でカネがいるため、税収入を減らしくたくないからだ。 法人減税もやめた。A氏:福島第1原発事故がガソリンの値上げにつながっているとはね。私:東電管内は節電で大変なのに、今度はガソリンの値上げだ。 泣き面にハチだね。 庶民の生活を締め付けることばかりだね。A氏:納豆やヨーグルトは品不足だけでなく、価格も上がっているね。 小麦粉の値上げでパンの値段も上がるという。私:昨日の新聞によると輸出は4月上旬に2割くらい減少で、輸入は同じだから貿易収支は赤字だ。 輸出の中心である自動車や部品の生産が落ちているためで、回復にはまだ時間がかかりそうだ。 出るカネは同じでも入ってくるカネは減る。 日本は世界最大の対外純資産国だと言うが、貿易収支が赤字になるとこれも崩れる恐れがあるね。A氏:大局的に見て、東日本の復興には、かなりの資金投入が必要だね。 今朝の朝日新聞では、震災対応で「20から50兆円」かかるという。 このため、日本国債の格付けが下がると報じているね。 新聞記事では国際格付け引き下げ見通しに関連して、日本財政の危機を問題にしているね。私:今まで、世界1の対外純資残高、1500兆円の個人金融資産が国債の受け皿になっていたので、財政危機が迫ってきても楽観してきた。 世界最速スピードで膨らむ社会保障費用の負担を自民党政権時代から先送りしてきた。 しかし、数十兆円という膨大な復興資金は政府の出費で賄うものが多いから、なんらかの国民負担となるね。 消費税が嫌だと言っても、何らかの大きな国民負担は避けられない。 「2010年財政破綻」というが、震災によって2011年で一挙に危機到来だね。 財務省も今度の震災は「想定外」だったろうね。 「自粛をやめて、東北のために大いに消費しよう」と他人事のようにいう人がいるが、今度の震災が突きつけた日本経済や財政が置かれている危機的立場が分かっていない人が言うことだね。
2011.04.28
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私:福島第1原発事故による来年3月11日までの放射能の年間推定積算値による汚染マップが文科省より公表され、これが新聞に載っているね。A氏:今、避難区域の設定が、原発からの円形で決められているが、これを見ると、きれいに北西方向に楕円で伸びているね。私:それに飛び地のように、30キロ以上離れた伊達市、福島市、二本松市、郡山市のそれぞれの一部に40ミリシーベルトのところもあるね。A氏:逆に、同じ20キロ圏内でも汚染が推定されないところがある。 30キロ圏内だとさらに汚染が推定されない地域が増えているね。 風向きとか地形によって、放射性物質の飛ぶ方向が違うのだろうね。私:チェルノブイリ事故のときの汚染マップも同心円ではないね。 飛び地もあるね。 今後、月に2回更新して、避難区域の設定などに活用していくそうだが、同じ20キロ圏内、30キロ圏内でも原発の南、南西方向にある地域は、避難区域解除とり帰れるのかね。 もっとも、肝心の事故を起こしている福島第1原発の収束が「工程表」では年内はかかりそうだから、即断は危険かもしれないがね。
2011.04.27
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久しぶりに今日は、午後3時頃から、近くの自然公園にいつもの1万歩ウオーキングをした。 最近、雑用が多く、天気が快晴でもなかなか実行できなかった。 もう、温度も上がり、風も冷たくない。 上に長袖で厚手のシャッツ、下着は厚手の長袖といういでたちで歩いたが、少し汗をかくくらいだ。 暖かくなったことを実感する。 いつも聞こえる、ウグイスの声が今日は聞けなかった。 木は新芽がふきだしている。 新緑の時期は近い。 自然は、このように元気を出してきているが、人は元気がないようだ。 昨日、区役所に行ったが、廊下の電灯は消灯。 皆、何か薄暗い中で仕事をしている。 節電だ。 自動販売機も照明を消しているものが多い。 夏はどうなるか。 節電で逃げ切れるか、計画停電になるか。 自然の流れと同じように、夏は刻々、近づいていいる。
2011.04.26
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A氏:前に、このブログで「有効性effectiveness」の意味にふれていたね。 これは俺の理解では、簡単に言うと「計画達成度」だね。私:それでいいと思うよ。A氏:だから、「effectively」を「効果的に」と訳すと誤解しやすいと言っていたね。 ところで似た言葉に「効率」というのがあるが、どう違うのかね。私:フランス語では、「有効性」と「効率」は同じ単語だそうで、混乱しやすいというね。 英語は、その点、違うね。 これはISO9001の用語定義集に「効率」がある。 用語定義の「3.2.15 効率」に次のように定義されている。 「達成された結果と使用された資源との関係」A氏:なんだかピンとこないね。 達成された結果というのは分かるが、使用された資源とは何かね。私:物作りを例にとると、例えば、「達成された結果」というのは、製品を100個作ったということだね。 これに対して、「使用された資源」というのは、100個作るために投入された人の労力(工数)、材料、機械運転などの費用などだね。 「使用された資源」をカネの単位で示したのがコストだね。A氏:要するに、製品100個をどのくらいのコストで作ったかということか。 100万円のコストで作ったとすると、割り算すると1個1万円だね。 これが「関係」だね。私:同じ製品100個を50万円の低コストを作れば、1個5000円だね。 このほうが「効率」がよいことになる。 ところで、ISO9001の基本用語に「プロセス」があり、この前後に「インプット」と「アウトプット」がある。 この3つの関係はわかるかい?A氏:「インプット」を「プロセス」で変換して「アウトプット」ができるという関係だね。私:その通りだ。 用語定義では、「3.4.1 プロセス」の定義は次のようになっている。 「インプットをアウトプットに変換する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動」 そして、「3.4.2 製品」の定義は次のようになっている。 「プロセスの結果」A氏:プロセスの結果というのは「アウトプット」だから、「製品」は「アウトプット」だね。私:ところで、「効率」の話にもどるが、コストは「インプット」か「アウトプット」のどちらかね?A氏:結果としてコスト計算するので、「アウトプット」ではないの?私:違うね。 専門家でもよく間違えるがね。 コストは「アウトプット」ではない。 コストは、「アウトプット」を得るために消費した資源の合計だね。 すなわち、「インプット」と「プロセス」で使った資源(費用)の合計だ。 コスト投入が先にあって、「アウトプット」、すなわち「製品」ができる。A氏:コストはなんでカネで表すのかね?私:投入資源は多くの種類があり測定単位が違う。 例えば、材料を考えると鉄板の単位は重量だ。 液体材料は容積だ。 労働力は時間単位だ。 これらが「アウトプット」を得るために投入されるが、単位が違うと合計できない。 そこで鉄板はトン当たりの単価を設定してカネに変える。 液体はリットル当たりの単価を設定してカネに変える。 人の労働力は、時間あたりの賃金(賃率)を設定してカネに変える。 こうして、使用した資源をカネという共通単位で合計できる。 「効率」を出すには、コストがわからないと把握できないし、コストを計算するに、消費した各資源の物量をカネに換算する単位価格がないとできない。 市場経済を放棄して、物量管理だけの計画経済だった旧ソ連経済は、そのために最初、コスト計算ができず「効率」を測定できないことを見出した。 社会主義経済でも「効率」測定は重要だ。 市場経済の機能が「効率」測定のために必要だと分かって、旧ソ連では見失った市場経済のいい点を知り、ゆれ戻しがあったね。
2011.04.25
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私:週刊・日経ビジネスは、「原発交付金は『麻薬』」として、原発が7基ある東電の柏崎刈羽原発の例をあげている。A氏:いくら国が後押ししても、地元自治体の受け入れがなければ、原発設置は先に進まないね。 そのため、原発立地地域へは巨大な資金投入が行われるね。私:柏崎刈羽原発は1号機を着工した1978年から2009年までに累計1133億円が投下された。 柏崎市の一般会計の2年分にあたるという。 それに加えて、原発の固定資産税、東電の法人住民税、使用済み核燃料税という安定税収がある。 これらは1995年度には市の歳入総額の3割を超えたという。A氏:市の財政の「原発収入」への依存体質だね。私:ところが、原発着工から運転開始後5年で交付金はなくなる。 資産税も償却されるので、次第に減る。 したがって、次第に原発関連収入は年々減り、2009年度は15%にとどまっているという。A氏:半減だね。私:しかし、交付金ではじめた事業が交付金なしでは存続が不可能な状況になっているという。 A氏:「麻薬」だね。 一度、味をしめたら、やめられない。私:そこで原発推進派の市議たちは、「地元活性化のため『2基増設を』」というのを、昨年来、東電に求めてきたという。A氏:そこへ福島第1原発の事故が発生したが、影響はどうだね。私:東日本大震災後の4月10日に統一地方選挙が行なわれた。 柏崎市がある県議選では、福島原発事故で有権者の不安が高まったので「原発はもういらない」という候補者が登場した。 しかし、結果は第3位の得票で落選。 結局、推進派の固い地盤は崩せなかった。A氏:東電と政官、そして地元を巻き込んだ原発共同体は強固だね。私:それに学者も原発共同体を支える。 日経ビジネスは原発推進を目指す強固な共同体は、再度巻き返しの機会を狙っているとして、この記事をしめているね。
2011.04.25
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私:日経ビジネスでは、東電が福島第1原発の事故以降、「想定外」を連発しているのに対して、過去の東電の歩みを検証すると、「想定内」なのに、あえてそれから目を背ける姿が浮かび上がるとして厳しく指摘しているね。 「想定外のウソ」として3つあげている。 「第1のウソ」は、「想定外の津波はウソ」で大津波を予測していた学者がいたと指摘しているね。A氏:これは君のブログですでに扱っているね。 地震・津波大国の日本で安全第1の原発なのに、どうしてこういう警告を無視するのかね。 その心理が分からないね。 いくら「安全神話」にとりつかれていたにせよ、不安でないのかね。 東電経営上層部は、そういう情報には本来、敏感であるはずだがね。 今朝の朝日新聞では「東電、06年に大津波試算」として、津波が10メートルを超える確率が約1%弱あったという。 柳田氏でないが言うよう「起こり得る可能性があるものは、必ず起こる。それが事故の掟だ」だね。 天災は確率ではないね。 100%必ずやってくる。私:津波だけでなく、「想定外」の地震は何度も発生しているが、学者の指摘にも耳をかさない。 コストがかかるというだけで、耳をかさない。 地震に弱いと巨大な損害コストが発生することに想像力がないのかね。 想像力がない人には、天は実態で示したね。 それこそ被害者には酷だけれど、都知事がいうように「天罰」だね。 安全を無視すると東電の会社の運命をつぶすほどのコストとなることを事実で示した。 「第2のウソ」は「電源は大丈夫のウソ」だね。 地震と津波が来たとき、福島第1原発の最後の砦の「ECCS(緊急炉心冷却装置)」が稼動したものの8時間後にバッテリーが空になって停止。 大急ぎで電源車を持ってくるがつながらない。 電圧が違う。 配線ケーブルが届かない。A氏:非常時にあってはならない初歩的なミスだね。 「想定外」でも「割り切り」でもないね。 「想定内」だったのに「想定外」として、簡単な準備すらきちんとしていなかったことになるね。私:すでに、昨年10月に原子力安全基盤機構が「3時間半の電源喪失で炉心溶融の危険性がある」と報告しているのに、東電は、この報告書を踏まえた対応をとっていなかったことを認めているという。 「第3のウソ」は「マニュアルは完璧のウソ」だね。 マニュアルという書類主義は、現場力を低下させ、歯止めがかからなくなったという。 マニュアル主義は、マニュアルは詳細になるが、作業をやる現場の人の判断力を低下させ、現場の士気が低下し、故障が多発する原因となる。 すでに、アメリカでは、マニュアル主義で、故障が多発したので、90年代にマニュアル管理から現場力に委ねる運転へと舵を切っているという。 この問題は日本の原発関係者も一様に認識していたが、最後の事態となる前に手が打てなかった。 原発の作業現場は「原発の発電コストは1キロワット時5円」というのが合言葉。 だから、定期点検が長引くと発電時間が減り、電力売上が減るから、「定期点検の延長イコール悪」との公式をすり込んだという。 「安全第1」でなく「コスト第1」だね。 俗に言う「安かろう悪かろう」だね。A氏:点検は原発の安全性が非常に重要だという観点から、十分に時間をかけるべきなのにね。私:これ以外に、日経ビジネスでは「原発のもう1つの『ウソ』」として「『高コスト』も隠された」と指摘しているね。A氏:原発の電力コストは火力発電や水力発電より安いという計算があるがね。私:しかし、核燃料最終処理に19兆円弱のコストがかるという。 高レベル放射性廃棄物の最終処理まで含めれば、50兆円かかるという見方もあるという。 この際、「隠さない」で、正直に、原発コストの再計算をすべきだね。 「安全で安い原発神話」は崩壊だね。 明日は、政府、電力会社と地方自治体と原発推進での深いつながりについてふれよう。
2011.04.24
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私:今朝の朝日新聞の「私の視点」欄で、前衆議院議員で元島根県出雲市長の岩国哲人氏が「節電の切り札・夏時間導入と自動販売機撤去で」として寄稿しているね。A氏:夏時間というのはかってのサマータイムだね。 日本でも敗戦後の米軍占領時代にサマータイムをやったね。 俺たちの学生時代の頃だね。 たしか、節電のためでなく、仕事を終わってからも陽が高いので、屋外で余暇を楽しむ時間が長くなるというような、生活を健康にするためのような印象が残っているね。私:岩国氏は、日本生産性本部の試算として、サマータイムで節約できる電力は100万キロワットで原発1基分に相当するという。 サマータイムは世界約70ヶ国が実施しており、OECD加盟国でサマータイムを導入していないのは日本と韓国とアイスランドだけだという。 もっとも白夜のアイスランドはサマータイムはに必要がない。 それと岩国氏が提案するもう一つの節電策は、自販機撤去だね。 日本には520万台の自販機があり、米国に次ぐ世界第2位。 国民一人当たりの台数では、世界で断トツ1位。 この全自販機の電力も原発1基分に相当するという。 08年1月の朝日新聞の世論調査では84%の人が「自販機がなくてもガマンできる」と回答しているから、今の節電ブームではもっと賛成が高くなるのではという。A氏:自販機撤去は、同時に雇用を失うね。私:大体、節電は雇用にマイナス影響をあたえるのではないかね。 しかし、岩国氏の提案でも減る原発は2基だね。 日本にある原発は54基だから、福島第1を失っても、まだ、沢山あるね。 原発依存脱却は容易でないね。A氏:これと関係するが、この新聞記事の隣の頁に「記者有論」欄がある。 今朝は、ここで有馬史記記者が「知事は国策抜け出す施策を」として記事を書いているね。 ここで国策とは原発推進策のことだね。私:今度の統一地方選で原発を抱える北海道、福井、島根、佐賀の4道県の知事選があり、現職が圧倒的な勝利だった。 選挙で信任を得た知事たちは国に安全対策の強化を求めつつ、運転継続を容認する。A氏:原発は地方自治体のお金になるからね。 国から交付金が来る。 地方税の税源にもなる。 そう、簡単に止めるわけにいかないという訳か。私:有馬記者はそもそも原発が過疎地にあるのは、事故が「想定内」だったからではないかという。 それに東京湾岸の自治体は「おカネがあるからいらないよ」だが、過疎地は地域振興の起爆剤になればと思うから手をあげる。 雇用も促進されると思うからね。 長年、国の施策として「安全神話」で進めてきた原発政策は、根が深いね。
2011.04.23
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私:節電については、東電管内の今夏のピーク時の最大使用電力を昨夏並みの6000万キロワットを仮定しているね。 A氏:これに対して、当初、供給能力は5000万キロワットだったのが、今朝の新聞では東電は火力発電所の復旧やガスタービン発電機の増強で5380万キロワット確保できるめどが立ったという。私:6000万キロワット-5380万キロワット=620万キロワット まだ、これだけ不足することになるね。 6000万キロワットを節電で10%減らすと予想使用電力5400万キロワット。 供給能力5380万キロワット。すれすれだが、バランスするね。 しかし、政府は今夏の最大使用電力削減を家庭、企業とも一律、昨年比15%とする目標とする方針を決めたという。A氏:15%だと900万キロワットだから、需要見込は 6000万キロワット-900万キロワット=5100万キロワット 単純計算では、最大供給能力は5380万キロワットだから、15%の節電で280万キロワットの余裕ができる。私:政府はギリギリのラインでなく、余震による火力発電所の復旧の遅れや老朽化した火力発電所のトラブル発生に対応して、余裕をもたせて削減目標を厳しくしたね。A氏:「想定内」のトラブルに対する対応だね。私:目標を厳しくしたもう一つの理由は、国民や企業の節電意識が薄れ、再び計画節電を行なわざるを得なくなる恐れがあるからだという。 今、すでにスーパーの照明節電、デパートの休日開始、エレベーターの節電、駅のエスカレーターの節電、公立図書館の開館時間短縮などで異常な事態となっているが、これよりもっと節電が必要だろうね。A氏:製造業は自動車組立ラインは東日本大震災の影響で部品供給に問題を起こしていて、正常通り動いていないが、これは復活すると電力を使うね。私:原発をやられたため、関東電力管内の住民も東日本大震災の被害者だね。 東京、横浜は「誘発地震」の恐れもあるしね。 よく東京、横浜の住民は「自粛」をやめて、もっと元気を出して消費して東北を応援せよという意見があるが、「自粛禁止」という意見の背景には「俺たちは被害者ではない」という見下した意識があるようだね。A氏:家庭の15%節電は、これだけ日常生活が電気に頼っているので厳しいね。私:しかも今夏は例年より暑いだろうという予測だ。 家庭の節電については、具体的な節電方法をテレビでもやっているが、政府で専門家の意見をまとめて「家庭の15%節電の統一したガイドライン」を出してほしいね。
2011.04.22
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【送料無料】MegaquakeA氏:今朝の朝日新聞のオピニオン欄の耕論では「3.11 想定外」として、3人の人のオピニオンを聞いているね。 「想定外」問題は、まだ、続いているね。私:しかし、この記事を読んでも、今度の福島第1原発問題は「想定外」を論ずるほど、高度のものではないと思うね。 例えば、2001年のアメリカの9.11同時多発テロで、貿易センタービルが倒壊し、多くの死者を出した。 これは「想定外」だっただろうか。 ところが、南棟のモルガン・スタンレーの社員2700人は、最初の航空機の直撃から、すぐに避難を開始し、2機目がこの南棟を直撃するまでの15分の間に、ほぼ全員がビルから退避したという。 貿易センタービル内で、このような緊急事態に備え、定期的な避難訓練を社員に義務づけていたのは同社だけであったという。 これは、同社のスコット社長の強いリーダーシップによるものであり、しかも、緊急事態に備え、予備のオフィスを3つ確保していたという。 9.11までは、スコット社長のこのような緊急事態への対応策は異常なものと思われていたが、9月12日以降は、天才的な対応策であると評価されたという。A氏:スコット社長には、9.11のような航空機の突入は「想定内」であり、他の経営者には「想定外」だったんだね。私:ところで、巨大地震のNHKスペシャルをまとめた「MEGAQUAKE・巨大地震」も「想定外」からのリンクだね。 4月16日土曜日の朝日新聞のbe紙で、「再読」というコーナーがあり、書店の人が「東日本大地震は『想定外』だったのか」ということで、昨年出たこの本の再読をすすめていたね。 1年以上前のほんだから、図書館で待たずに借りられたね。 東日本沖のプレート境界で起きる巨大地震がマグニチュード9クラスになる可能性も指摘し、千年に1度の大津波がいつ起きてもおかしくないと予見しているね。A氏:1年後にその通りになったね。 「想定内」だね。私:しかし、この本では、特に「南海トラフ」の危険性を主に指摘しているね。A氏:「南海トラフ」というのはフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下にもぐりこんでいるものだね。 東海・東南海・南海地震となるね。私:このプレート境界では、最後に地震が起きたのは1946年だから、今世紀前半にも次の巨大地震が起きる可能性が高いという。 東京、横浜、名古屋、大阪、神戸という大都市が連なる太平洋ベルト地帯がやられる。 その被害は今回の東日本大震災の比ではないね。 そうなったら日本経済は壊滅状態が予想される。 それにしても、このNHKスペシャルのCGを写真で見ると、日本というのは地震国だということをイヤとうほど見せつけられるね。 こないだ、福島第1原発を設計した人が、チェルノブイリ事故を見てから、その悲惨さから、原発は日本のような地震国に作るべきではないという原発反対論に変わったという気持ちがわかるような気がするね。 その人は、震源地の上にある浜岡原発は直ちに停止すべきであると言っているね。 もう一度、原点から考えるべきかもね。
2011.04.21
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人はひとりで死ぬ 「無縁社会」を生きるた (NHK出版新書) (新書) / 島田裕巳/著 私:「無縁社会」という言葉は2010年1月末にNHKスペシャルとして放送された「無縁社会・『無縁死』3万2千人の衝撃!」という番組で生まれたという。A氏:朝日新聞では「孤族」と言っているね。私:著者は、「無縁」ということはそんなに問題とすることなのかという問題提起をしているね。 そして、まず、「有縁社会」だった歴史にもどって議論を進めている。 代表的な「有縁社会」は「村社会」だね。 冠婚葬祭のシステムが支えている。 農業をベースとして成り立っている「有縁社会」における「家」は生活の場であり、経済的な共同体だね。A氏:その分、個人は「家」に縛られるね。 長男は跡を継がないといけない。 個人の自由が奪われやすい。私:高度成長時代になると、村から若者が都市に押し寄せる。 彼らは「村社会」という「有縁社会」から脱出する。 「自由で豊かな」都会の魅力にひかれる。 「無縁」になることで、自由が実現され、人生の可能性が拡大した。 しかし、完全な「無縁」ではなかった。A氏:高度成長時には日本の家族主義的な「企業」経営が「村共同体」的な「村社会」の役割を果たすね。 「企業一家」だね。 その他、いろいろな団体が都会にはあるね。私:「都市化=無縁化」ではなかった。 著者は、もう一つの新しい「縁」として「新宗教」をあげていて、特に高度成長とともに巨大な宗教集団となった創価学会の活動を説明している。 ところで、「企業」による「村落共同体」は、「村社会」と違い、子どもは親と同じ職業をするわけではない。 「村社会」のように、田畑を親から受け継ぐわけではないし、親の働く姿を見て育つわけではない。 高度成長時代に「村社会」から出てきてサラリーマンとなった親は、その「縁」を「企業」に持ち込んだ。 しかし、彼らの子どもたちは、「村社会」を知らないから、「企業」に共同体的なものを求めない。 「企業」は次第に共同体的な性格を失うようになり、有縁化の仕組みが機能しなくなる。A氏:「新人類」の登場かね。 それに、不況になると、「企業」はコストがかかる「共同体的」な会社組織を見直すようになるね。 非正社員の増加だね。私:サラリーマン社会は、その内部に無縁化していく契機、危険性を含みこんでいる。 そして「おひとりさま」現象が生まれる。 結婚しない男女の独身者だね。 「おひとりさま」は若いときには自由を楽しむことができるだろうが、加齢とともに、「無縁」予備軍となる。 こうして「無縁死」の増加につながる。 「無縁死」は、戦後の社会のうねりが「無縁化」を促進し、単身者世帯を増加させた結果だね。A氏:日本は歴史上はじまって以来の「下り坂社会」に突入しつつあり、その「移行的な現象」だろうね。 「デフレの正体」でも、高齢者人口の増大を絶対数の急激な増加で示していたね。私:「葬式」も「墓」などの「無縁死」の死後の問題もあるね。 誰が「葬式」をするのか、「墓」は後、誰が守るのか。 著者には「葬式は、いらない」という本があるように、「無縁死」は、人間本来の姿だという。 死によって、人は自由になり、解放される。 現世との縁が切れ、「無縁」になることで救われる。 あらゆる死が本質的に「無縁死」である。 そういう視点で、「無縁社会」を見直すべきかもね。
2011.04.20
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私:昨夜のBS8チャンネルのプライムニュースをちょっと見たが、東日本大震災の復興問題をやっていた。 ゲストは片山善博総務大臣と浪江町長。 浪江町は、福島原発の事故と地震・津波の両方の被害で、町役場も移転して仮役場になっているという。A氏:町長は原発推進派かね。私:そうだね。 司会者が、原発事故の避難マニュアルがあったのか、避難訓練はあったのかと聞いたが、マニュアルは一般的な防災訓練マニュアルのようで、実際にはマニュアルは役に立たなかったという。 おれが、興味を持ったのは、町長が「『想定外』の『想定』をする必要があった」ということだね。A氏:想定外の想定?私:要するに、今回、「想定外」と言っていたことは、今から考えると「想定」できたことだ。 だから、その「想定外」として除いたことに対する対策もきちんとすべきだったということだね。A氏:柳田氏が「想定外か?」で指摘しているように 「『想定値』で線引き(割り切り)する発想から抜け出す。 『予防できること』と『予防できないこと』を明示する。 『予防できないこと』は『ではどうするか』という議論の展開を導入する」 のと同じ考えだということか。私:「予防できないこと」の対応を重視することが「想定外の想定」の意味だね。 原発事故の最大の被害地の町長の発言だけに重いね。A氏:ところで昨日の新聞では、東電が「原発収束まで6~9ヶ月」ということで「工程表」が示したね。私:無計画でいきあたりばったりより計画があったほうがいいが、問題は計画の中身だね。 朝日新聞の解説は、「あくまで計画」と題していたが、これでは困るね。 ペーパープランでは意味が無いね。 一案にしないで、中間案、最短案、最長案の3案を出したらどうかね。 3案を考えると、最短案では、「想定しない問題」が最長案で想定できるからね。 東電の6~9ヶ月というのは中間案なのかね。 それとも最短案なのかね。A氏:ここにも「想定外」の「想定」があるね。 原発収束計画にも「想定外」があり得るね。私:計画通りにいかなくなってから、今度は「遅れは『想定外』の問題が発生したからだ」という言い訳を言わないことだね。 原発のように。
2011.04.19
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A氏:ISO9001をちょっと読んだけれど、「検証」という言葉が出てくるね。 例えば「7.4.3 購買製品の検証」の規格文を読むと「必要な『検査』又はその他の活動」とある。 「検証」と「検査」はどう違うのかね。私:用語定義集のISO9000(ISO9001ではなく、最後の1は0である)では「3.8.2 検査」のところに、「必要に応じて測定、試験又はゲージ合わせを伴う、観察及び判定による適合性評価」とあるね。 それから、「検証」は、「3.8.4 検証」で「客観的証拠を提示することによって、規定要求事項が満たされていることを確認すること」とある。A氏:ということは、「検査」は現物を扱う現場作業的な内容になっているのに対して、「検証」は事務的な仕事内容を感ずるね。私:その通りで、「検証」は必要だが、「検査つきの検証」と「検査なしの検証」が考えられるね。 ISO9001の94年版では「購入検査・試験」という項目があって、 「購入検査の量及び内容を決めるにあたっては、下請負契約者先(2000年版から『供給者』に変更)での管理の程度及び提供された適合の証拠を示す記録を考慮すること」 とあった。 これが外注から納入品に添付される「検査記録」で、これにより、その書類添付の確認で合格として、「検査」を省略できたね。 一時、ISO9001の拡大とともに、外注の「検査記録」が流行したね。A氏:94年版ではなにか、「検査」という言葉が多いような気がするね。私:2000年版の大改訂で、「検査」という言葉が基本的になくなり、「監視及び測定」に置き換わった。 それはISO9001をサービス業にも使いやすいようにということで、サービス業であまり使われない「検査」という言葉をなくしたんだね。A氏:しかし、逆に「検査」という言葉になれている製造業では「監視及び測定」という日常使っていない用語になって、かえって分かりにくいね。私:しかも、「監視及び測定」の用語は定義集にないしね。 94年版では「検査」という言葉は40個くらいあったのが、2000年版では2個になった。 君が「7.4.3 購買製品の検証」で見た「検査」は、その2個中の1個だね。A氏:何故、残ったのかね。私:10年もたってそのままだが、修正漏れだろうね。 ところで、「検査」という用語は、日本のJISでは、「品物をなんらかの方法で試験した結果を、品質判定基準と比較して、個々の品物の良品・不良品の判定を下し、又はロット判定基準と比較して、ロットの合格・不合格の判定を下すこと」とあり、「検証」という言葉がないね。 日本語では「検査」は「検証」を含んでいるようだね。 明確に分離していない。A氏:何故だろう。私:「検証」と「検査」という言葉の分離から、「検証者」と「検査員」を分離できるね。 これは日本の「検査員」は合否判定までしているが、欧米の「検査員」は測定データだけの提供で、合否の最終判定は「検証者」が行うという分業となっているようだね。 「検査員」はブルーカラー、「検証者」はホワイトカラーと考えると分かりやすい。 日本ではその区別は明らかでないがね。 言葉というのはその文化的な背景を無視できないね。
2011.04.18
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A氏:昨日の朝日新聞朝刊の1面の左側に「原発大半、安全策に難点」として、福島第1原発の事故に伴い、各原発の海水ポンプの防水対策と非常用電源の設置場所を本社で調査したデータをかかげているね。 17箇所にある原発のうち、両方共対策済なのは、福島第2、柏崎刈羽、東海第2、滋賀の4つだけだね。私:この1面の続きが3面に「原発 想定すべて破られた」と題してあるね。 題名からして、新聞社もまだ、「想定外」が分かっていないことがわかるね、。A氏:北海道電力の佐藤佳孝社長は、 「福島第1原発を襲った津波が高さ14メートルなら、15メートルにすればいいのか、16メートルがいいのか、収まりがつかない」 と語ったという。私:まだ、ことの本質を分かっていないね。 16メートルにして、また「安全神話」改訂版を作ろうというのかね。 北海道の泊原発の津波想定値は、こないだの読売新聞の調査によると9.8mだ。 問題は、この値そのものでなく、「この値(設計基準値)を超えたときの非常時の対応準備」をきちんと予想してとっているか、なのにね。 泊原発は非常用電源が頑丈な原子炉建屋に全部入っていない。 一部しか入っていない。 それが「設計基準値を超えたときの対応」をよく考えていないことを証明している。A氏:柳田氏が指摘している「『想定値」で線引き(割り切り)する発想から抜け出し、『予防できること』と『予防できないこと』を明示し、『予防できないこと』は『ではどうするか』という議論の展開を導入することだ』というのをまだ理解していないね。 四国電力の30代の中堅社員は 「伊万原発の近くにも大きな活断層があり、『想定外』の地震や津波を乗り切れるのか不安だ。 ここまでやれば安心という方策があるなら教えてほしい」 ともらしたという。私:これも分かっていなね。 伊万原発の津波想定値は3.49~4.24mだ。 これを超える津波が「想定」されるから、それに備えて海水ポンプや非常用電源が確保されないといけない。 それなのに、伊万原発は、海水ポンプの防水準備していないし、非常用電源が原子炉の外にあるという。 「予防できない場合」の準備対応は最悪だね。 足元をみていない。 足元の努力をしないで、すぐに問題を抽象的に大げさにする。 本当にやる気がない。 新聞記者も「安全神話」発想に陥っているから、そこを追求しない。A氏:東日本の電力会社の幹部は 「すべての対策にはコストがかかる。 電力料金に転嫁しなくてはならない」という。私:また、抽象的なグチだね。 グチだから、電力料金をいくらあげるかの数字が言えない。 現行料金の5割アップなのか、2倍なのか、すぐに出ない。A氏:元東電社員の原子力技術者は「基本設計の見直しは多額の費用がかかる」と同じようなことを言っているね。私:一体、何億かかるのか大雑把でいいから、具体的な数字がすぐに出てこないのが問題だね。 新聞記者もそれを追求しない。 福島第1原発の事故による被害補償は、兆円の単位になるだろうというのにね。 まだ、日本は新聞社も含め、発想が「安全神話教」の呪縛から本当に脱していないね。
2011.04.17
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私:藻谷浩介氏は、50万部を超えた新書ベストセラー「デフレの正体」の著者。 A氏:俺も読んだので、著者に興味をもって、このフロントランナーも読んだね。私:しかし、学者でも評論家でもなく、日本政策投資銀行参事役の46歳の銀行員。 「行動派」で平成大合併前の約3200市町村を2村を除いて複数回、ほとんど仕事以外で足を運んでいるという。 子供時代からの「地理好き」で小学校4年で日本全市の名前と人口を覚え、大学では自転車で日本中を回ったという。 03年の時点で、全国の鉄軌道(JR・民鉄・公営交通)全線を完乗。A氏:「デフレの正体」には持論や主張はなく公表されたデータに基づく事実だけ。私:「デフレの正体」には「少子高齢化」という言葉がないが、藻谷氏は、子どもが減少する「少子化」と、高齢者が激増する「高齢化」は別現象で分けて論ずるべきだという。 だから、「高齢化」よりも「加齢」というべきだという。 「高齢化」の問題は「高齢者の絶対数が激増する」という点に尽きるという。 「高齢化率」でなく、「高齢者の絶対数」だね。A氏:首都圏1都3県で05年から15年の間に75歳以上が154万人増える。 その1割が収容施設に入ると定員が15万人増える。私:絶対数で見ると、すでに病院や介護施設が不足しているのに、大変な事態が迫っているね。 都知事選で3位で敗れた渡邊美樹氏は、この問題を取り上げていたようだがね。A氏:インタビュー者が、氏の「常識を疑い、先入観は排す」という信条に対して「失礼ながら生来のへそ曲がりなのでしょうか」とズバリ聞いているね。私:氏は「正しいか、正しくないかが大事で、多数派か、そうでないかは重要でない」と答えている。A氏:そして、最後に「行った中で一番好きな町はどこか」という問いに、 「答えられない。 どんな町にも歴史も地理もあり、なんとかしようと奮闘する人が必ずいる。 人の活動が在るところは、なにがしか愛おしさを感じてしまう」 と答えている。私:氏が破壊された東北の新たな復興会議のメンバーになるそうだが、現場を歩いてよく知る人として適任だろうね。
2011.04.16
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【送料無料】文藝春秋 2011年 05月号 [雑誌] 私:文藝春秋5月号は、「総力特集」として「東日本大震災 日本人の再出発」をかかげている。 柳田氏の「『想定外か?』もその一つだね。 それ以外に「われらは何をなすべきか」というタイトルで「叡智結集41人」として、41人のそれぞれ短い寄稿がある。 これをずっと見て、41人中、原発問題に真正面に取り組んでいた人は、真山仁氏一人だったね。A氏:真山氏は、小説家であって、原発の専門家ではないのにね。私:真山氏は、3年前に「ベイジン」という小説を発行している。 これがたまたま原発事故を扱ったものだね。 だから、この小説のために、2007年から多くの専門家に取材して書いたんだね。A氏:氏が特に興味をもったのは、不測の事態が起きると原子炉は自動停止し、同時に緊急炉心冷却システム(ECCS)が作動し、冷却が進むことだ。私:氏は、小説のアイデアとして、この冷却プロセスで、全交流電源喪失(ステーションブラックアウト・SBO)し、メルトダウンを起こすというものを考えた。 氏が、当時、その視点で原発の安全対策を見たが、原子炉が緊急停止してもすぐに停電しない。 万が一停電しても各炉に2機の非常用自家発電があり、これが起動する。 これらは定期検査で起動検査もしている。 しかし、この非常用電源がすべて動かなくなったとき、SBOとなる。A氏:当時、真山氏は多数の専門家から「日本ではSBO なんて絶対に起こり得ない!」と声を大にして反論されたというね。私:そこで氏は、SBOの舞台を中国の原発で起きたという小説にしたのだという。A氏:その「日本ではあり得ない」SBOが日本の福島第1で起きたことになるね。 小説家のほうが「想像力」が高いね。私:すべての電源を喪失したSBOとなった以上、手動で冷やすしかない。 真山氏は、海水を使うのが一番、手っ取り早いが、これが遅れたね。 東電は廃炉になるのを嫌がったのではと氏は推測するね。A氏:「絶対、SBOはあり得ない」と思っているから、虚を突かれ、SBOが起きたときの態勢が遅れるね。 バタバタした動きとなるね。 今も、手動だね。 SBO で自動冷却という手段を失った恐ろしさを現実に思い知ったね。 それにしても「日本ではSBOなんて絶対にあり得ない」と言った専門家は、専門家ではないね。 人生で挫折感を味わったことのない頭でっかちの秀才専門バカたちだね。 これらの人が「原発の安全神話教」を創り上げた。A氏:この前のブログで、30年前にアメリカ原子力規制委員会(NRC)が、福島第1原発と同じ型の原発について、「全電源喪失・SBO」というシミュレーションをしていたことを扱っているね。私:アメリカでできて、なんで日本の専門家にはできなかったのかね。 やはり、柳田氏の言うように、これは日本人の「安全神話」と「想定外」という体質からきているのかね。 今朝の新聞では、「『安全』判決に改めて疑義」として、住民の「原発は耐震性が問題だ」という訴訟で、裁判所が「安全だ」という判決をしている例をあげているね。 唯一、2006年に金沢地裁の井戸謙一裁判長(今年3月退官)が耐震性が不十分だということで稼働中の原発運転差し止めの判決をしているという。
2011.04.15
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A氏:福島第1原発事故が「レベル7」と認定されたということでマスコミは大騒ぎだね。 チェルノブイリ原発事故と同じレベルの事故だというわけだね。 しかし、保安院は、チェルノブイリ事故の10分の1程度の規模だと弁明しているね。私:「レベル7」というのは、大事故の「レベル6」の数千から数万テラベクレルより1ランク上ということだね。 だから「レベル7」は「数万ベクレル以上」ということになり、大雑把だね。 チェルノブイリ事故は520万テラベクレルというから、「レベル6」の数万ベクレルと間にかなりの幅がある。A氏:仮に「レベル7」で終りにしないで、次のように、ベクレルの桁ごとにレベルを決めたらどうかね。 「レベル7」を「数万から数十万テラベクレル」、 レベル8」を「数十万テラベクレルから数百万テラベクレル」 「レベル9」を「数千万テラベクレル以上」 「レベル10」を「数億テラベクレル」 こうすると、チェルノブイリ事故は「レベル8」、福島第1原発事故は「レベル7」でチェルノブイリ事故より1ランク低いことになるね。私:そうだね。 「レベル5」からテラベクレルが一桁ずつあがっているからね。 論理的には君の言う通りかもしれないが、そんなことを保安院が言ったら、「まだ、隠そうというつもりなのか」とマスコミに袋叩きに合うだろうね。 しかし、怖いのはまだ、福島第1原発の戦いは継続中で、先が読めないことだ。 本当にチェルノブイリ事故と同じレベルになるかもしれない。 チェルノブイリ事故は沈静化するまでに10日間かかったというが、福島第1原発の場合は、すでに1ヶ月たつが進展はみられなくて、長期化傾向だね。 チェルノブイリ事故の520万テラベクレルは、広島に投下された原爆の400倍にあたるという。A氏:しかし、最悪の場合は、チェルノブイリ事故と同じくらいの核燃料があるから、それも「想定」されるね。私:チェルノブイリ事故のときは、600kmのところで、「レベル6」の放射能を浴びている。 福島第1原発から東京まで約200km。 チェルノブイリ事故のときは、200kmの地点で55万テラベクレルを浴びているところがある。 昨日の柳田氏の「想像力」だと首都機能移転も想像しておく必要があるね。A氏:都民もほんとう花見などできないかもしれないね。 しても「ヤケ花見」か「江戸の最後の花見」になるかもね。私:福島第1原発の事故の余波はすでに電力不足で関東地方に大きな影響を起こしているね。 節電ブームだ。 近くの家電の量販店に行ったら、店内が暗い。 蛍光灯を1列間隔で消しているからだ。 電気の量販店が節電では、笑い話しにもならない。 総合病院に行ったら、エレベーターの前で待っている人が多かった。 それは大きなエレベーター2台のうち、1台が節電で停止のためだ。 図書館に行ったら、今まで毎日夜7時までやっていたのが、節電で5時終了。 計画停電でヨーグルトの生産は激減し、スーパーなどのヨーグルトの棚はすぐにカラッポ。 石原都知事が非難していた「ぱちんこ」もネオンなどは節電。 これらの節電で悪評高き計画停電はとりあえず終わったが、夏になったら、こんなレベルの節電では足りない。 家庭でも、20パーセントの節電が必要だという。A氏:そういえば、「デフレの正体」がベストセラーとなったが、著者の藻谷浩介氏は、その地方行政に詳しい経験を生かし、政府の復興検討委員会の委員になるというね。 こないだ氏はテレビインタビューで、被災地以外の地域では、「自粛」しないで経済を活性化すれば、そのお金が被災地にいくからというようなことを言っていたね。私:「自粛」をするなというのは庶民の生活を知らないナンセンスな理屈ですね。 藻谷氏らしくないね。 「自粛」でなく「節電」なんだよ。 それに関東も結構、「余震」「誘発地震」が多いしね。 福島第1原発の電力ゼロの被害者だしね。 元気がないのは「節電」で「自粛」のせいではない。 都市住民は再度、電気の無駄使いをこの際、反省すべきだね。 後、最大の不安要因は、原発の事故拡大が安心出来ないことだ。 関東にも死の灰が降るかも知れない。 「自粛」をやめて、「から騒ぎ」する事態だろうか。
2011.04.14
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【送料無料】文藝春秋 2011年 05月号 [雑誌] 私:柳田氏は、「想定外」の問題解決をする方法として3つあげてる。 第1に「まさか」という「ご都合主義」から訣別することだという。 千年に一度しかもしれないような巨大な大地震、大津波が起こり得るという想像力が必要だという。 第2に、第1と裏腹になるが、「想定値」で線引き(割り切り)する発想から抜け出し、「予防できること」と「予防できないこと」を明示し、「予防できないこと」は「ではどうするか」という議論の展開を導入することだという。A氏:君のいう「設計基準値による対策」と「設計基準値を超えた場合の対策」をセットで考えよというのと同じ意味だね。私:第3に、巨大な地震・津波に耐えられる原発の防護法や市街地の再建の基本的な構想をどうするかだね。 例えば、原発が海岸の低いところにあれば、絶対に壊れてはならない非常用電源や冷却系ポンプやパイプなどは資金を投じて津波に耐え得るシェルター内に配置すべきという。A氏:福島第1原発では、今度の地震とともに、原子炉は自動的に停止した。 普通は、これでフエールセイフ見事に完了だね。 新幹線の自動停止と同じだ。 しかし、原発は、停止と同時に冷却しないと高温になり炉心融解という大事故になる。 だから、自動停止とともに、冷却電源とポンプが動くようにしておかないとフエールセイフにならない。私:非常用電源の問題だね。 福島第2原発は、そこまでのフエールセイフが働き、原子炉が自動停止後、冷却を開始しているね。 ところで、柳田氏は、2005年4月25日に起きたJR西日本宝塚線大事故をとりあげている。 この時、JR西日本は、運転手が時速70キロの制限速度の箇所を116キロという高速で進入したことを「想定外」のことだと考えており、行政も同じだとしているね。A氏:これに対し、当時の航空・鉄道事故調査委員会が2年後にまとめた事故調査報告では、「発生頻度が少なくても、一度発生すれば重大な人的被害を生ずるおそれのあるものについては、対策の推進を図るべきである」と指摘しているという。 柳田氏は、企業と行政が「想定外」という常套句で責任を回避するという日本の伝統的な思考の枠組み(パラダイム)について、事故の再発防止という観点から、はじめて転換を求めた文書だという。A氏:柳田氏は、東日本大震災の惨状を見て、その最大の教訓は「想定外」という発想に象徴される「日本と日本人の防災対策・安全対策における思考のパラダイム」を転換することだという。私:こないだのAERAの養老孟司氏と内田樹氏の対談で、日本人は危機の後が本当に強いが、危機を回避する過程にはすごく弱いと今度の原発事故で強く感じたというね。 危機回避に弱いということは柳田氏と同じことを言っているのだろうね。 「想定外」の思考から脱しないと日本人はまた、どこかで同じ大きな失敗をすることになるね。
2011.04.13
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【送料無料】文藝春秋 2011年 05月号 [雑誌] 私:10日に発売された文藝春秋5月号を買ったよ。 最初、広告を見たら「日本人の再出発」が特集され、「脱原発」については特集を組んでいなかったので、買わないですまそうかと思った。 しかし、事故について詳しいジャーナリストの柳田邦男氏の「『想定外』か?」という記事につられて買ったよ。A氏:俺もお付き合いで文藝春秋を買ったよ。 君の福島第1原発事故についての「想定外」「想定内」の知的街道は、このところ次のように続いているね。 「想定内」の言葉の正確な使い方、マグニチュード9想定却下、「原発依存からかじを切れ」、「大津波 東電甘い想定・『福島』の危険性 90年代から指摘」、「電源喪失 想定できぬ・保安院・安全委 両トップ、過去に」、「震災は自然災害 原発は人災 防水携帯はあるのに電源が水に弱いとは」、「福島第1 人災の影」、「10メートル津波想定なし」、福島第1原発の「揺れ」 、福島第1原発の設計問題私:柳田氏は、災害対策には「起こり得る可能性があるものは、必ず起こる。それが災害・事故の掟である」という考えに対して、真摯に取り組んだかどうかが、問われるべき命題だとしている。 そして、この命題は日本の行政や企業や技術者の世界では、タブーと言ってよいほど、無視されたてきたという。A氏:柳田氏が言うような発想を持ち出したら「お前、馬鹿か。そんな可能性まで考えたら、いくら予算があっても足りないよ」と言われる。私:そこで、起こる可能性のある事態の中で、確率の低いものは除外して、経済的に対応可能なところの上限で線引きをして、それを想定される最大の地震・津波としてしまう。A氏:そして万一、それを上回る地震・津波が発生した時には、「想定外」の一言で弁明する。 これが日本の行政、産業界、大半の技術者の長年にわたる思考の枠組み「パラダイム」だったと柳田氏はいう。 実際、今度の原発事故後、東電の清水政孝社長は見事に「大きな津波は想定外」と言っているね。私:柳田氏は「想定外」をA、B、Cの3つのケースに分けている。 1つ目は、本当に想定できなかったケースA。 2つ目は、想定できたが、確率が低いとして除外したケースB。 3つ目は、発生が予測されたが、それに取り組むと設計が大がかりになり、投資額が巨大になるので、そんなことは当面起こらないだろうと楽観論を掲げて想定の上限を「線引き」してしまうケースC。A氏:ケースCの「線引き」が原子力安全委員長の斑目春樹氏の「割り切り」だね。 事故を防止できなかったのは「割り切りが正しくなかった」という言い訳に通ずるね。 「割り切りが正しくない」という一言のために、今、原発被害はどんどん拡大している。私:柳田氏は、これまでの様々な災害事例を見るとケースAは極めて少なく、BかCかその中間辺りのケースが大半を占めるという。 まぁ、俺はケースBとケースCは同じようなものだと思うがね。 明日は「想定外」の言い訳をどのように解決するかについてふれていこう。
2011.04.12
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A氏:俺のいた会社では、20年くらい前にISO9001をとってから、内部監査が始まり、俺も審査を受けたことがあったね。 当時、ISO9001を定着させ、効果を上げるには、内部監査が重要で、かつ、内部監査員の質が問題だと言われていたね。 しかし、たしか年2回の内部監査が行なわれていたが、年2回くらいの審査でシステム定着効果があがるのかね。私:当時、定着効果が少ないとして、年3回に増やした企業もあったね。 年2回というのは、20年くらい前は、審査機関の維持審査が通常、年2回だったことから、維持審査の前に内部監査をして備えようとしたことからきているね。 しかし、次第に維持審査の回数が年1回か、2回かが選択できるようになり、1回を選択する企業が多くなったので、企業によっては、年1回の内部監査にしたところもあるね。A氏:しかし、年1回の内部監査では、ISO9001の規格なんか、忘れてしまうのではないの。私:そうだね。 しかし、品質マニュアルに企業言葉で書いてあるマネジメントシステムが、ISO9001規格を満足していれば、日常、それがそのまま、運用されていれば、別にISO9001規格の条文を覚えていなくても、普段からやっていることを監査で言えばいいのだから、問題ないはずだがね。 問題が起きるのは、おそらく、ISO9001のマネジメントシステムが日常活動に馴染んでないためのことが多いね。A氏:システムが無理をして形式的に作られたためかね。私:ISO9001が要求する内容は、大抵の企業はすでにやっていることが多いから、それに付け加えて、ISO9001のために何か書類が大幅に増えるというのは、無理をしていることが多いね。 そういうシステムの場合、定着していないことが多いので、内部監査を強化するために若手の内部監査員を教育したりして維持審査に備えようということになるね。A氏:そこで内部監査員の質の向上が登場するわけか。 それよりも、マネジメントシステムを見直したほうがいいということかね。私:日常運営されているシステムが、定着していないとして、監査という圧力で抑えつけようというのは、マネジメントシステムの設計が失敗していることの証明だね。 監査という警察力で日常活動を抑えようというのと似た発想だね。A氏:内部監査依存は、警察国家みたいなことかね。私:ルールを守るのは、日常活動をしているマネジメントシステムだから、無理なルールは守れないから、ルールを修正して、日常活動で各部門が自主的、かつ容易に守れるようにすべきだね。 俺の知っているある中小企業では、今まで定着したシステムで無理なくISO9001をとっているせいか、年2回の内部監査は毎年不適合ゼロだね。 審査員が「ごまかしているのではないか」と疑ったくらいだね。A氏:警察がきて不適合にするとおどされてルールに従うというのは、たしかにISO9001マネジメントシステムの設計の失敗を示しているね。私:それと内部監査員の役割として、システム改善を要求する企業があるが、これは内部監査の誤解だね。 内部監査はPDCAでいうと、Cのチェック段階の活動だから、Aの改善段階ではない。 監査は検査と同じで、ルールを守られているかの客観的な公平なチェックだね。 検査員が品質改善を意識して検査したら、正確・公平な検査ができないのと同じだね。 それに無理して内部監査員に改善提案を要求すると、「こういう書類を作ったほうがいい」という提案が多発し、無駄な書類増の原因となることが多いね。 要注意だね。
2011.04.11
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A氏:一昨日の金曜日の夜9時のNHKテレビのニュースウオッチ9で、大阪大学大学院山口彰教授が原子力専門家として登場し、福島第1原発の事故の反省をとりあげていたね。 福島第1原発の非常用電源の甘さを認めていたね。 そして、これからの原発のようなリスクの大きい安全対策には、今までと考え方を変えるべきだとしていた。 すなわち、「2つの安全対策」を提言していたね。 1つは「従来型の安全対策」で、もう1つは、その対策が「不完全なときの対策」だね。 津波の安全対策として、10メートルでダメなら、20メートルにするという発想でなく、安全策を決めたとき、10メートル、20メートルに無関係に、それを超えた津波の襲来時の安全対策も並行して行うということだね。私:従来は、「これで大丈夫」だという「安全神話」につながる第1の対策だけが中心だったね。 そして失敗すると「想定外」と言い訳をするのはやめようというわけだね。A氏:君が「想定内」「想定外」という知的街道で、指摘していたことだね。 「設計基準値による対策」と「設計基準値を超えたときの対策」の2つの対策をセットで行うというのと同じ意味だね。私:「想定外」で逃げるのでなく、「想定内」なんだから、きちんとセットで対策を考えておくことだね。 このNHKテレビでは、他の電力会社の原発の非常用電源の十分な確保が進んでいることを報じていたが、これらは「設計基準値を超えたときの対策」を重視したこと結果だね。A氏:リスクが大きいときは「隕石が落ちた場合」も「想定」できるから、「想定内」だね。私:隕石は落ちてくるのに時間がかかるから、自衛隊の戦闘機で破壊できるかもね。 そうなると普段から自衛隊との連携も考えておくことになるね。 冗談でなくてね。
2011.04.10
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【送料無料】文藝春秋 2011年 04月号 [雑誌] 私:文藝春秋は、毎号、「日本の顔」という8ページの写真で、日本の代表的な現役で活躍している人物を紹介している。 4月号は国際原子力機関(IAEA)事務局長の天野之弥氏(63)。 2009年に事務局長に就任。 ウィーン暮らしだという。 いかにも日本のエリート外交官らしい風貌だね。A氏:この号が発売されたのは、3月10日だから、その日まで日本の原発は国際的にも高く評価されていたんだね。 しかし、3月11日から、一転して百八十度、評価は変るね。 皮肉な「日本の顔」となったね。A氏:天野氏はバイオケミストリーの研究を志して、東大理科に入るが、2年後に法学部に再入学。 卒業後、外務省に入り、外交官となる。 軍縮や科学技術の経歴が長い、異色の外交官で、原子力とも長い付きあいだという。私:この「日本の顔」の記事では、天野氏は「今後は放射線を使った水質資源探査、ガンの『核医学』診断や放射線治療など、核不拡散だけではない21世紀の『原子力の平和利用』を推進していきたい」と言っている。A氏:それが、福島第1原発からの放射能物質の拡散になってしまったね。 天野氏は、今回の福島第1原発の事故で、情報収集や日本政府との意思疎通のため3月18日に来日しているね。私:ウィキペディアによると、3月24日、福島第1原発事故に関する各国の「脱原発」への路線変更に対し、天野氏は「原発が安定したクリーンなエネルギーだという事実は変わらない」と指摘したという。A氏:最近、福島第1原発の放射能汚染水を海へ放水することで、国際的な批判を浴びているね。私:こういうときこそ、天野氏は原子力外交官として、日本の外交をうまく引っ張って欲しかったね。 文藝春秋の毎月10日発売は、やはり、今回、不運だったのかね。 文藝春秋は明日、4月10日発売の5月号では、「脱原発」ムードをどうまとめるかね。 明日の新聞広告が楽しみだね。A氏:発売のタイミングの問題といえば、この4月号の文藝春秋では、「解散した方が日本のためになる」として、「ポスト菅」大本命として、前原誠司氏のロングインタビューがあるね。 外務大臣とあるが、この文藝春秋発売の4日前に、在日韓国人献金問題で、外務大臣を急遽辞任しているね。私:これも発売のタイミングの問題だね。 現実のほうがくるくる変わるね。 月刊誌の弱点かね。
2011.04.09
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【送料無料】二人静私:昨日は、夜12時過ぎに寝たよ。A氏:えらく遅いね。私:この本に引き込まれるように、一気に深夜まで読み続けたためだ。 途中、11時半頃、後20ページくらいを残すところまで来て、かなりの揺れの地震がきたね。 あわててテレビをつけたら宮城地方は震度6だという。 ちょっと、中断したが、その後、一気に読み終えた。 460ページの長編だね。 何かの書評で知って、図書館に予約して借りたよ。 4ヶ月ほど待ったがね。A氏:小説の題名が、変わっているね。 静かに燃える恋を歌った「二人静」という歌があるね。私:「二人」とは誰をさすのか、主人公の二人だね。 男の方、町田周吾はある大手食品会社の幹部サラリーマンで32歳。 女の方、乾(いぬい)あかりは介護保険施設の介護士で同じく32歳。 周吾の姉は結婚して北海道なので、彼は71歳の父と二人暮らしだ。 父は早くから妻を亡くし、定年後はぼんやりとすごしていた。 しかし、次第に認知症気味となる。 周吾が勤めながらの介護は無理なので、介護施設に入居する。A氏:それで周吾とあかりは知り合うようになるわけか。私:著者はリアリズムの名手として評価が高いと言うが、認知症の老人介護施設の介護作業を描くリアリズムはすざまじいね。 俺はこういう老人になるなら、死を選ぶね。 ところで、あかりは離婚経験があり、小学校4年生の女の子・志保がいる。 この子は、家では普通に話ができるが、他人の場に出ると言葉が出ない。 一種の精神障害で、場面緘黙症だという。 周吾は志保と携帯のメールで会話する。 そこで、2人の組み合わせがいくつかできる。 中心となる周吾とあかり。 あかりと志保。 周吾と志保。 周吾と父親。 これらの人間関係が現実とぶつかりながら、安定を求めて必死に動いていく。 小説が、体験せずに別の世界を知ることができるとすると、この本はそれにあたるね。 この前に読んだ北方謙三の「抱擁」とは違ったリアリズムの世界だが、俺の日常とはまた違った世界をのぞくことができたね。 俺の後、この本が展開する世界を待っている図書館の予約待ちの読者が53名いるので明日は図書館に返却するよ。
2011.04.08
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【送料無料】文藝春秋 2011年 04月号 [雑誌] 私:文藝春秋は毎月10日発売だ。 この4月号も3月10日に発売された。 そして、翌3月11日に、大地震が起きる。 今週の10日(日)に発売される5月号は、この地震の特集になるだろうね。 ところで、4月号は「決定版」と称して「がん特集」がある。 3つの寄稿のうち、近藤誠氏のものは参考になったね。 近藤氏は、これで連続して、文藝春秋にがんについて寄稿している。A氏:最初が「抗がん剤は効かない」というセンセーショナルな記事だったね。 このブログでは立花隆氏との対談をとりあげていたね。私:その後の号の記事は、ちょっと専門的な用語が多かったので読んでいない。 ところが、4月号の近藤氏の記事はわかりやすく、集中して読めたね。 まず、近藤氏によると、がんには2種類あって、ある臓器(局所)だけに増殖するタイプ(近藤氏は『がんもどき』と称している)と、転移するタイプ(近藤氏は『本物のガン』と称している)だという。 「がんもどき」の場合、局所の機能だけ、がんでやられても、治療はいろいろあるので、それによるがんによる「局所死」は減っているという。 だから、がんで死ぬのは圧倒的に転移する「本物のがん」によるものだという。A氏:では、がん検診で、どのタイプか分かるのかね。私:今のがん検査ではわからないという。 近藤氏は、「がんもどき」の場合は放置して、症状が出てから治療すればよく、手術はできるだけ避けるべきだという。 体力を落とし、かえって命を縮めるからだ。 逆に「本物のがん」は検査で発見しても、すでに転移ははじまっているので、手術で早期がんの局所を切除しても、また、転移した別の局所を逐次切除せざるを得ず、結局、手術で体力を著しく落とし、死期が早まるだけだという。 十数年前の逸見政孝さんの例がそうだね。 だから、早期発見はあまり意味が無いと近藤氏はいう。A氏:この前、前立腺がんの予防に血液検査によるPSA値の定期検査がよいという「増加する前立腺ガンの背景」という記事があったね。 この記事で、帝京大学医学部附属病院泌尿器科堀江教授は、日本の前立腺ガン患者数、死亡者数は増加傾向にあり、PSA検査の重要性を強調していたね。 しかし、近藤氏は逆の説明だね。私:近藤氏によると、死亡した高齢者を解剖すると生前知られていなかった(潜在的な)前立腺がんが半数近くに認められるという。 前立腺がんで死亡するのは、男性の1%程度だという。 これからしてPSA検査での発見がんのほとんどが「がんもどき」だということになる。A氏:放置しておき、尿路閉塞などの症状が出たら尿路に管を入れることや放射線などの治療をすればよいことになるのかね。私:PSA発見がん298人を放置した報告があり、8年間で死亡したのは2人で、これは「本物がん」で転移の結果だという。A氏:「がんもどき」は症状が出るまで放置せよ、「本物がん」は手術をせず死を覚悟せよ、となったら、早期発見やそれによる手術などは意味が無いのでないかね。私:近藤氏は「がんは『末期発見』が望ましい」としているね。 手術に苦しまず、楽に死ねる。 むしろ、手術は体力を落とし、死期を早めるだけだという。 近藤氏は、がん検診を含め、健康診断や人間ドックは受けないほうがいいという。 病気発見努力を自ら慎むことが、老後を気楽に安楽に暮らし、天寿をまっとうする秘訣だという。 それに食事療法もあるしね。 もっとも近藤氏は「完全食」は肉を嫌うので、体力を落とすから歓迎していないようだね。 もりもり食って、元気になってがんと戦うべきだという。 抗がん剤もいらない、がん早期発見の検診もいらない、健康診断もいらない、手術もできるだけ避けるということになったら、老人医療費も大分減るのではないかね。 そして、かつ、悠々と天寿をまっとうできる。 どうせ人は死ぬ。 これから、死を間近にした年寄りがダウンシフトして気楽に死を迎えるためのヒントを提供しているようだね。
2011.04.07
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A氏:君が興味をもっている原発の設計問題について、今朝の朝日新聞では大きく福島第1原発の設計問題を福島第2原発と比較して扱っているね。 福島第1原子炉の設計図は1960年頃、東芝がアメリカのGEからまるまる買ったもので、当初は設計通りに作ることが至上命題だったとあるね。私:だから、今回問題になっている非常用発電機の場所や海水ポンプの構造はGEの基本設計の通りだという。 しかし、その後の70年代から90年代にかけて建設された福島第2と柏崎刈羽原発では設計も改良され、非常発電機は頑固な原子炉建屋に格納され、海水ポンプは建屋で覆われた。 だらか、同じ津波にあいながら、福島第2原発のほうは大きなトラブルになっていない。A氏:しかし、後発の原発に盛り込まれた安全設計の進展は福島第1に活用されなかった。 理由は、「大規模工事になりカネがかかる」ということだという。私:こういうような場合、いつも「では、どのくらいのカネがかかるのか、100億円なのか1000億円なのか」という数字が出てこないのが不思議だね。 そういう計算をきちんとしてから、決心すべきなのにね。 ちょっと話しが、とぶが、山本七平氏が、「日本の天皇制を潰すには、400万人の軍隊がいる」と本土決戦の前にマッカーサーが言ったとかで、彼らの発想は数字化されると言っていたね。 日本型は「一生懸命やる」「カネがかかる」など抽象的、精神的だというわけだね。 それで具体的なことを考えないという「思考停止」を起こすんだね。A氏:それに「安全神話」があるね。 「改良する」と言うと「安全だといったのになんで改良が必要なんだ」とやられるからね。私:東電のホームページを見たら、社長が「安全第一」を強調しているね。 これは今度の事故で修正したものだろうね。 「安全第一」とは「安全にカネがかかる」という「思考停止」を起こす抽象論はダメだというとともに、「安全は無限に改良がある」という理解が、市民にも必要だね。A氏:例のJR西日本宝塚線事故と似ているね。 あの事故で急にJR西日本は「安全第一」を言い出すね。私:話はちょっととぶが、戦後、日本の品質管理の育成に貢献したデミングというアメリカ人がいるね。 デミングは、アメリカでは最初、無名だったが、日本で有名になった。 それから、アメリカでも有名になり、自動車のフォードのコンサルタントとなるんだね。 そのとき、設計ミスで事故が多発したことがあった。 フォードの幹部は設計ミス起因の事故の賠償金の予測値と設計ミスを改善するに必要とする費用とを計算して比較して、設計変更をしないことにしていたという。 アメリカ人らしいね。 デミングはそれを知って怒り、「品質が第一」であることを主張し、設計を変更してフォードの品質を向上させたということだ。 「安全第一」というポリシーはコストを超えるね。 しかし、同時に今度の福島第1のトラブルにかかる膨大な費用を考えると、結果的に「安全第一」が逆に、もっともコストが安かったのかも知れないね。 これはJR西日本でも同じことだったね。
2011.04.06
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A氏:君のブログの「『原発依存からかじを切れ』川勝平太静岡県知事」で川勝知事が「『揺れ』は安全上、重要な数値だ。 しかし、今回の福島原発の問題では「揺れ」のデータは、3号機507ガル、6号機431ガルと公表されているが、他の1号機、2号機、4号機、5号機の数値が公表されていないのが不思議だ」と言っているという記事があったね。 そういえば、2日の土曜日の朝日新聞に、東電が2号機で計測された加速度は水平方向で最大550ガルだったことを発表したとあるね。私:想定の438ガルを超えたというね。 2006年に制定された新耐震指針に基づいた想定を超えたのは初めてで、3号機、5号機も想定を超える「揺れ」を観測したとある。 ところが、ではその3号機、5号機の実際のガルはどのくらいかの数値がない。 数値を示したのは、2号機だけだね。A氏:静岡県知事の3号機507ガル、6号機431ガルに今回の発表を追加すると、2号機が550ガルだから、まだ後、1号機、4号機、5号機の3基がどのくらいの「揺れ」を受けたのかまだ不明だね。 静岡県知事のいうように公表値が、きれいに6基とも揃って出ないのが不思議だね。 東電の隠蔽体質と言われそうだね。私:静岡県の浜岡原発の「揺れ」の許容度は800ガルで、実際には1000ガルまで耐えられるという。 これも原発によって、「想定値=設計基準値」が違うね。 静岡県は東海地震に神経質なので、「想定値=設計基準値」が高いのかね。 2006年に制定された新耐震指針よりも高く設計されているのは何故かだね。 何か、情報がすっきりしないね。 こないだの読売新聞がまとめた55基の原発の津波の想定値のように、今ある55基の原発の「揺れ」の想定値を一覧表で知りたいものだね。
2011.04.05
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A氏:俺がいた会社では、50年くらい前にJISマークをとったとき、トレーサビリティが必要だということで、ロット番号の転記が大変だったね。 鉄板を加工して、部品を作ると、その部品製造記録に鉄の材料ロット番号を転記する。 つぎに、いくつかの部品で製品を組み立てると組立記録に、使った部品のロット番号を転記する。 例えば、簡単に説明すると、100個の組立製品Yを組み立てるのに、A、B、C3つの部品を100ずつ必要だとしよう。 そうすると、組立製品Yの記録には、100個の部品Aのロット番号、Bのロット番号、Cのロット番号の3つが必要だ。 ところが、これだけですれですまないんだね。 材料、部品、製品のロットが1対1で対応しないのが普通だね。 例えば、部品Aの100個のうち、30個と70個は別の材料ロット番号で作っていると、これを分けて記録しなくてはならない。 まぁ、これによって、製品のロット番号→部品のロット番号→材料ロット番号と過去にさかのぼってトレースでき、トラブルが起きたときに対応が速いというわけだが、大変な手間だったね。 そのうちに、俺の会社で作っている製品が多様化してJISマークが必要なくなったんで、自然にそういう記録もやめになったね」。 ところが、20年ほどのISO9001ブームが始まった頃、会社がISO9001をとると言い出したとき、JISマークをとった当時のベテランは大反対だったね。 「また、あのトレーサビリティをやるのか」と言ってね。 ISO9001では、本当はどうなっているの?私:当然、トレーサビリティはISO9001にもあるね。 「トレーサビリティが要求事項となっている場合には、組織は、製品について固有の識別を管理し、記録すること」 とあるね。 2008年版も英語はuniqueと同じだが、日本語訳は2000年版のときは「固有」、 2008年版のときは「一意」と変更していて、変えた理由はよく分からないがね。 規格では「トレーサビリティが要求事項となっている場合」とあるので、顧客要求がある場合とか自社でトレーサビリティが必要と決めた場合と解釈できるから、JISマークの頃より、簡素化しているのではないと思うね。 ただ、ロット番号の転記のリンクというのは、たしかに面倒だね。 ISO9001では、製品の識別要求の項目のところにあるので、製品に識別のために刻印したロット番号をイメージできるがね。A氏:車の下にある10桁くらいの車体番号みたいなものかね。 これだと、その車がいつ作られたものかが、すぐ分かるね。 一々、書類の記録を見なくても分かる。 エンジンにも番号が刻印されているそうだね。私:以前、ソ連崩壊後のロシア経済が混乱していた頃、日本の高級車がロシアの中古市場で売られていたことがあった、 日本のTV取材班が、これらの日本車の車体番号を控えて、日本で調査したら、3割が盗難車だと分かったという。 ところで書類だけの記録で過去を追うと、現物と違うことがある。 以前、ある自動車部品がとラブって、書類の記録のつながりでロット番号を追いかけたら、孫請け会社の材料ロット番号までつながり、そのロットが不良であることが分かった。 そこで、その孫請け会社の材料ロット番号を使った部品のロットは回収して選別して不良品は修正した。 ところが、それでも、同じ不良が継続して出た。A氏:何故だろうね。私:理由は簡単で、その孫請け会社はきちんと材料ロット番号で部品メーカーに出荷しているんだが、この中間の部品メーカーで現物の「先入れ先出し」をしていなかったんだね。 だから、ロット番号とその現物が遊離してしまった。 書類上の記録のつながりだけのトレーサビリティの弱点だね。 理想は、現物へのロット識別表示というまさに「固有」の識別だね。 すなわち、トレーサビリティには「書類の記録のつながりによるもの」と「現物への識別によるもの」の2種類があるが、後者が理想的だが、小さい部品などは無理かもね。A氏:以前、牛肉の産地偽装表示の問題があったがこれは「書類の識別」と同じで、ラベルでいくら松阪牛だと貼ってあっても、牛の本体は別だというのが偽装だね。 いくら、肉屋のパソコン管理しても松阪牛だという偽装は可能だね。私:そこでDNAの一致をやりだしたね。 DNAだと車体番号と同じで、牛肉個体そのものにトレースできる「固有・一意」の識別だからごまかせないね。 もっとも車体番号のほうは、盗難するほうが、気がついて、最近は番号をいじっているようだがね。
2011.04.04
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昨日のブログよりの続き 3.原発への各国国民の世論の変化 米CBSニュースの世論調査では、米国内で新規原発建設を支持する割合は08年に57%だったが、今回の事故で43%に後退。 米ギャラップ社の調査では、70%の米国民が自国でも原発事故が起こり得ると懸念。 オバマ大統領が温暖化対策として最重点政策に掲げる「原発建設推進」への支持は44%にとどまり、不支持(47%)が上回る。 英国の世論調査では4ヵ月前と比較して、原発新設への「賛成」は47%から35%に、「反対」は19%から28%。 ドイツの緊急世論調査では「日本と同様の原発事故がドイツでも起こる可能性があると思うか」との問いに、70%が「イエス」と回答。4.各国の原子力政策への影響 ドイツでは昨年秋、メルケル首相は脱原発政策を見直して原発の稼働年数を平均で12年延長する方針を決めたばかりだった。 だが、今回の事故で、急遽、稼働延長を3カ月間凍結。 1980年以前に運転を開始した原発7基は条件付きで停止するとともに、残りの原発についても安全性を点検するよう要請。 反原発の政治勢力が急速に勢いを増している。 欧州連合(EU)は、EU域内の14カ国で稼働中の原発143基すべてを対象に「安全性テスト」を任意で実施することで合意。 EU以外のトルコやスイス、ロシアなど近隣国にも安全性テストを呼びかけた。 イタリアはチェルノブイリの事故を受けて、国内4カ所の原発は90年までに全廃。 最近は温暖化対策を眼目にした原発復活を計画していたが、今回の事故を受けて1年間、計画凍結。 スイスは原発の改修と新規建設計画を当面凍結する方針を打ち出した。 南米ベネズエラのチャベス大統領は「初期段階にある原子力開発計画を凍結した」と表明。 地震国メキシコも、新たな原発建設計画を保留し、原因究明後にエネルギー政策を再検討する方針を発表した カリフォルニア州ではサンオノフレとディアブロキャニオンの州内2つ原発で、4基の原子炉が認可失効に備えて更新手続きに入っていたが、日本同様、地震が多いカリフォルニア州のエネルギー委員会は、今回の事故を受けて更新の是非をめぐる再検討に入ると発表。 中国は、3月16日、温家宝首相が招集した国務院常務会議で新規の原発建設計画の承認を暫定的に停止することなどを決めた。 インド原子力発電公社は稼働中の20基の原発の再検査を推進。 インド政府計画委員会は、「日本の事故で原発建設はむずかしくなった。 安全性のより高い設計や技術の検討が必要だ。 原発整備計画は10年遅れるだろう」との見方を示した。
2011.04.03
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少し古いかもしれないが、3月29日のこのメールにあったニュースをまとめてみた。1.日本脱出 在日米軍関係では、米政府が発表した家族向け「自主避難」計画に約9000人が申し込み、政府チャーター機で帰国。 ロシアは「最悪の事態を想定して」、大使館や総領事館の館員の家族の引き揚げを命じた。 フランスは、在日フランス人の日本脱出のためにエールフランスの臨時便を出し、子どもなど約280人を優先的に帰国させた。 東京近郊にいるフランス人は5000人から2000人に減った。 イギリス外務省は東京と東京以北に住む自国民に退避を勧告し、仙台から東京まで無料バスを走らせた。 ドイツ大使館はウェブサイトを通して被災地と首都圏在住者に対して国外退避を呼びかけた。 ケニアは大使館を一時閉鎖し、大使館員やその家族らを日本から脱出させた。 外務省によると、27ヶ国が都内にある大使館を一時閉鎖した。2.外国マスコミ 米CNNテレビは、福島原発が世界最大の原発だとして「メルトダウン(炉心溶融)のカウントダウンが進行」を繰り返し報じた。 英BBCは「高水準の原子力技術を誇る日本がはじめて直面した核の緊急事態で数万人が避難している」と第一報を伝えた。 加えて、「放射能がどのくらいどちらの方向に広がっているのかまるでわからない。 日本政府は国民を納得させるには至っていない」と報じた。 米ニューヨーク・タイムズ紙は連日大特集を組み「1960年代に開発され、当初からぜい弱性が問題になっていたこの旧型原子炉を、政府の原子力安全・保安院はさらに今後10年間の運転継続を認めていた」と指摘した。 そして「この運転継続と機器検査のずさんさは、東電と関係当局の不健全な関係によるものだ」とまで決めつけた。 米ワシントン・ポスト紙は「『唯一の被爆国』として世界に核廃絶を訴えてきた日本が、狭い国土に55もの原発を林立させた核大国になっていた」という異常さを指摘した。 「自分たちが落とされた原爆の何千、何万発分にも相当する核物質を原子炉に保有しているのに、危機管理ができていなかった」 「原発の周囲に平気で住民を住まわせている」などと報じた。 政府が情報を隠蔽しつづけてきた結果だとしている。 CNNは「これまで日本は原発事故が起きるたびに隠蔽を繰り返し、55基にも及ぶ原子炉に対する安全管理への不信を増大させてきた」。 水素爆発が連鎖的に起こったとき、CNNは「東電がまたウソをついた」と憤りを隠さなかった。 ニューヨーク・タイムズは「日本の原発事業者は親しい政府当局者とともに、不安を募らせる一般市民の目から原発での出来事を隠してきた」と報じた。 そして「終結にはほど遠い状況」という認識を示した。 ワシントン・ポストは「日本の当局筋は原発周辺の放射線の増加は微量と強調していたが、汚染地域は拡大している」と指摘した。 これまで抑制的な報道に努めてきた保守系米紙、ウォールストリート・ジャーナルも「原子炉格納容器は丈夫で、大量の放射能漏れは防いでいると政府当局者は強調してきたが、今や復旧作業は大きく後退しているではないか」と批判した。 英インディペンデント紙は、「事故への不安が高まっている背景に東電の隠蔽体質がある」と指摘。 英ガーディアン紙は、これまでのトラブル隠しや修理、検査記録の改ざんなどの不祥事も踏まえて、「東電は事実を伝えるという点に関して堕落の歴史を持つ」と報じた。 明日は、各国の世論動向と、原子力政策への反応をまとめる。
2011.04.02
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私:昨日、図書館に寄ったとき、30日の読売新聞を見たら、全国の原発54基の「想定している津波の高さ」と「非常用電源の標高」を読売新聞本社で調べたデータが載っていたね。A氏:君の言う「設計基準値」だね。私:これを簡単に下のように原発の17の立地場所別に一覧表にまとめてみた。 皆、「設計基準値」はバラバラだね。原発名想定津波高さm非常用電源の標高m美浜1.53~1.574敦賀3~72.8滋賀2.15泊9.810東海6.54.7女川2.9~159.1福島第15.4~5.71.9~13.2福島第25.1~5.20東海第25.78柏崎刈羽3.35~12浜岡86~8伊方3.49~4.2510川内3.713玄海2~2.111島原5.71.3~2.8高浜0.74~1.344大阪1.66~1.8610~11.3A氏:バラバラなのは、地理的な関係かね。 「設計基準値」の根拠も調査して欲しかったね。 「設計基準値を超えた場合」の「想定」策もね。私:ところで、すでに25日に朝日新聞でふれていた過去の宮城-福島の大津波の話しが、この30日の読売新聞にも遅れて載っているね。 これは地震研究センターが、869年に宮城-福島沿岸で大地震があり、津波は堆積層の分析からかなり大きな津波であることが分かったというものだね。 これは「貞観(じょうがん)津波」と呼ばれ、さらにこの450年前にも大津波が起きたことが判明し、大津波が450年から800年間隔で起きていた可能性があるという。 これを調査した地震研究センターの岡村行信センター長が、2009年に、福島第1原発の「想定津波」の見直しを迫ったが、東電と原子力安全・保安院は聞き入れなかった。A氏:かれらは、地震や津波の専門でないのだから、専門家の意見は謙虚に聞くべきではないのかね。 しかも、「設計基準値」を超えた津波が来る可能性が高いなら、大変な事故になることは容易に想定できるはずだよ。私:今、まさにそれが現実で起きて、大変なことになっているわけだ。 ところで、この30日の読売新聞の同じページの囲いの記事で、30年前にアメリカ原子力規制委員会(NRC)が、福島第1原発と同じ型の原発について、「全電源喪失」というシミュレーションをしていたと報じているね。A氏:今の福島第1原発が置かれているのと同じ状況だね。私:このNRCの記事が1日遅れで、31日の朝日新聞にさらに詳しく載っている。 NRCは30年前のシミュレーション結果を安全規制に活用した。 しかし、日本は送電線などが早期に復旧するとして「全電源喪失」は想定していなかった。A氏:「設計基準値を超えたときの対応の想定」をする発想が皆無だね。私:愉快なのは、これに対する元原子力安全委員会委員長の松浦洋次郎氏の次のコメントだね。 「(全電源喪失などという)何もかにもダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石の直撃など、なんでもかんでも対応できるかといったらそれは無理です」 「隕石の直撃」は可能性がゼロではないから、そのときはしかたがないというのは、日本はまた、原爆の被害をこうむってもいいという発言と同じだね。A氏:アメリカ映画にあったね。 地球に向かってくる大きな隕石を宇宙船が空で原爆を使って破壊するのをーー。私:そのくらいの想像力がない人は原子力という高度な危険物の安全管理できないだろうね。 それが、今回、証明されたね。 「人災」だね。
2011.04.01
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