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一昨日のセミナー,よくよく考えたら(第一部はもちろん)第二部も全部アウトかも知れない.講師である副社長が感じた「出来る社長」の特徴とは,(1)働いている時間が少ない.つまり,ビジネスモデルを考えることだけを仕事にしている.従って,異業種や成功している他の経営者との交流,それにじっと考えることだけに時間を使っている.(2)金使いが荒い.つまり,決断が早く決済力がある.(3)態度がデカい.つまり現場から離れていて自分で営業していないので,気を遣う必要がないということ.これって,まさしく彼らが相手にしている中小企業の社長が憧れる,一見成功している二流社長には当てはまるのかも知れない(失礼).でも本当の一流の社長って,上記の(1)(2)(3)には全然当てはまらないんじゃないかと思う.一流の経営者は,今も昔も(1)社員と共に働く時間が長くて(率先垂範),(2)経費管理に優れていて(経費を最小に),(3)いつも謙虚で反省する社長でなければならないと思う.そうでなければ一時は良くても,長期的に会社を成長させることは出来ないと思う.率先垂範して現場感覚に優れた人が,そこから出てくる顧客ニーズを愚直に捉えて,工夫を重ねてローコストで提供し,多少成功しても謙虚に慎重に物事を判断していかないと,一時は良かっても長期的な成長は望めないのではないか.しかも単にお金が儲けることが目的でなくて,同時に何らかの社会的ニーズ(=大義名分)がないとやってても面白くもなんともないんじゃないかとも思う.上記のセミナー内容と言ってることが見事に反対だから,反面教師としてはとても良かったのかも知れない.それにしても色々な考え方があるもんだなあ.全く反対の考え方が共にそれなりに一定の経営者の支持を集めているのだから,面白い.経営者って永遠に迷える存在であるってことかなあ.
Jun 29, 2006
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昨日は日本に帰国後早速,東京にセミナーを聞きに行った.第一部は住宅関連の研修で,住宅ローン専門コンサルタントの話だったのだけど,始まった瞬間にこれは駄目だと思い,5分後には会場を出たくなってしまった.多分理由は明白で,僕の職業倫理からして相当合わなかったからだと思う.セミナーの目的は,如何に分かっていない一般消費者に,住宅と言う超高額商品を「今」買う決断をさせるかというテクニックを説明するもので,何のてらいもなく,「こうすれば大衆は納得してくれます」,つまり「大金をローンで払ってくれます」とかいうもの.目的が契約のクロージングだから,それがための心理学とか数字とかが並べられる.確かに「他の条件が何も変わらなければ」,そしてどうせ家を建てるならば,金利が安い今,固定金利でお金を借りたほうが良いに決まっている.1%違えば,30年間のローンで数百万支払いが違ってくるのもそれは「計算上」そうである.でも人生ってそういう計算ずくの数字では説明できないよなと僕は思う.一生かけて建てる家は,勿論家自体いいものであるべきで,「金利が安いから」建てるものではない.ましてや「一生の一番大きな買い物は住宅ローン」ではなくて,やはり「家そのもの」だと思う.人生設計を色々考え,家族構成やその将来をじっくり考えて,後悔のない家作りをまずはすべきだと思う.その時点で金利が高すぎたりすれば,しばらくは仮住まいでもいいとは思う.ある程度不動産バブルがあるならば,しばらく待ってみるのもいいとは思う.家はけっして「金利動向」で建てるべきではないし,ましてや住宅ローンのついでに建てるものでもない.多分もっと違和感を感じたのは,金融のプロが,素人の一生の決断をそんなに言い切って決めさせてはいけないという職業倫理だと思う.プロが「私は年に何千組家を建てる決断をさせた」と自慢するとき,僕はなんか違和感を感じてしまう.何が起こるかわからない人生,万が一でもその決断によって不幸になる人がいたら,それはどうやって責任を取るのかと思う.プロはあくまでプロの仕事をして,決断するのはやはり素人である消費者本人,それを自分の得になるからと言ってあまり説得しすぎてはいけないと思う.惻隠の情じゃないけど,やはりプロのたしなみってのも必要なのだ.まあ,第二部の講義はその会社が成長する過程で直面した問題を赤裸々に語るという意味で面白かった.別に同じコースを歩もうとは全然思わないけど,同じ経営者としての悩みや達成感は共感が持てるものだったと思う.同じセミナーでこうも第一部と第二部が好対照なものも珍しい.ちょっと大げさに言うと「悪魔のささやき」と「仕事人の苦労話」くらいの違いがあった.これもセミナーの醍醐味かなあ.それにしても騙される人がいるのもとっても不思議.
Jun 28, 2006
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これはヨルダンの農家たちの写真.この9農家が今回の有機オリーブプロジェクトの参加者である.それにしてもアラブ語(?)オンリーの人たちと協力して,よくここまできたなあと思う.なんでも出来るってことか.日本の女性陣にビックリ.
Jun 27, 2006
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先週のヨルダン出張のメインイベントであるオリーブオイル工場に訪問した.この工場は昨年,日本のNGOであるNICCOの協力で日本の有機JAS認証を取得している.僕の役割は,スムーズに輸入を行い,日本での販売をプロモートすることにある.勿論,当社は食品販売に関しては素人なんだけど,これも何かの縁,最高級の有機オリーブオイルを日本市場に紹介することでヨルダンの農家の人に何か貢献できればと思っている.こうやって農家から工場,ヨルダン初の有機基準を一生懸命に作っている農業省の人たち,それらに関わる日本のNGO,NGOで働く人たち,僕らのような民間企業の人間,日本側で有機食品を啓蒙する人たち,などなど多くの人たちが関係している商品である.そう考えるとちょっと感慨深い.まあ僕の出来ることといえば小さいことかもしれないけど,それはそれ,頑張っていこうと思う.
Jun 27, 2006
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先週火曜日からヨルダンに行ってきたのだけど,先ほど無事関西空港に帰ってきました.今回のメニューは盛りだくさんで,それぞれ本当に面白かった.有機オリーブオイル案件の交渉や,長年の取引先の長男の結婚式,ヨルダン駐在のJICA勤務の知り合いに会ったり,などなど.土産話はまたアップするとしてとりあえずは帰国のご報告.
Jun 26, 2006
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「できる人できない人」という本は,世の中のには「できる人」と「できない人」がそもそも存在するから,どうせなら白紙のできる人(つまり能力のある新卒)を採用した方が,中堅の実績のある(ように見える)人を採用するよりもいいのだということを説く.それはそれで正しいような気もするけど,「できる人」と「できない人」の違いはあんまり分からない.僕は「できる人」と「できない人」の差は,「できると思う」か「できないと思う」かの違いだと思う.「できると思う人」の特徴は,その人の現状の実力からして到底不可能そうなことに対して,「できる」と思ってしまうことだ.これを僕は「根拠のない自信」と呼んでいる.実際その困難な課題に取り組んでみて,勿論最初は失敗したりえらい目に会ったりするのだが,「根拠のない自信」は揺らぐこともなく,更に努力を注ぎ込んでしまう.万が一にも失敗するとは思っていないから,当初うまくいかなくても「おかしいなあ,なんかの間違いだろ,甘くないなあ,もっとがんばろう」てなことになっていくのだ.そうこうしている内に,本当に成功する日がやってくる.そうすると「根拠のない自信」が「根拠のある自信」に変わっていくのだ.一度大変な課題に取り組んでクリアーしてしまうと,「根拠のない自信」の持ち主はもっともっと「根拠のない自信」を持つようになる.全然失敗する気がないから,どんな困難そうな課題でも取り組んでいってしまう.世の中の大抵のことは極限まで努力し続ければできてしまうから,そして何回かこうした困難を乗り越えれば,「乗り越えるコツ」みたいなものも分かってくるから,「根拠のない自信家」は,本当に「できる人」に成長してしまう.「できる人」と「できない人」の差は,実は「思えること」にあるのだなあ.「俺は成功するよ」とか「僕は一流どころか0.5流」とか言うのは,そうでないのに自分を大きく見せるために自慢したり自己暗示にかけるとか言うより,実は単に「本当にそう思っている」からだと思う.すごくひねった考えなんだけど,「世間は自分を成功者とは見ていないから何を言っても冗談で済む」+「本当に成功者になると思っている」⇒「嫌味にならないように思っていることをそのまま話す」,という思考パターンである.分かってもらえるかなあ.「できると思う」ことの大切さは自分でも当社でも意識していきたいと思う.当社の強さの源泉は,僕も社員の多くも「当然成功する」と思っていること.「信じている」みたいな悲壮感も,「そうなればいいなあ」という弱い意思でもなくて,「当然そうなるのだ」というちょっとした思い込みだ.「根拠のない自信」を皆で共有できる組織って,強いし面白い.これからもこうした「できると思う組織」作りをしていきたいなあ.
Jun 24, 2006
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事業の成長の限界って,自分で決めてしまうものだろうと思う.この市場ではこれくらいまでしか伸びないと言ってしまえばその通りになるし,こういう姿でしょうがないと言えば,成長は止まる.当社は防虫業界で結構新しい試みをしてきたと思う.買ってくれるかも分からない見込み客を集めて費用を多大にかけて研修会を開いたり,売上を持たない技術サポートスタッフを何人も抱えたり,展示会や研修会を積極的に開いたり.時にはその効果に懐疑的になりながらも,いつかは投資は返ってくるものだと思ってやってきて,概ねその通りになっているとは思う.さて「防虫業界での専門商社」という位置づけでどこまで伸びていけるかは分からない.ここ5年くらいは毎年15%程度成長しているのだが,後2年くらいで頭打ちかなとも感じることがある.でも実はそうではなくて,もしかしたらまだまだ2倍くらいはいけるかもしれないとも思う.各地に営業拠点をきちんと設けて,技術サポートスタッフを配置して,研修会を開いて,訪問頻度を上げていけば,まだまだ伸びる余地はある.限界を自分の中に設けてはいけない.結果的にどうなるかは分からないけど,大体は心の中の限界が現実の限界を作ってしまうものだ.また挑戦だ,がんばっていこう.
Jun 23, 2006
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今週は,オリーブオイルの案件で動いている.オリーブオイルの品質を決めるのは,「手摘み+即絞り+低温圧搾」の三点セットで,これを農場や工場に守らせるのが結構難しい.でも酸度の低いオリーブオイルの味は格別で,フルーティーでちょっとスパイスの効いた味のある出来栄えになる.最近ではオリーブオイル専門店なんかもあるみたいので,こだわりのオリーブオイルも市場価値はあるかなと思う.9月には商品が入ってくるので,請う,ご期待.お歳暮お中元に採用してくださる方は,早めにご連絡ください.量が非常に限られているので. 当社がこんな案件に取り組んでいるのは社会貢献活動の一環だが,結局ビジネスとこういう貢献活動は表裏一体であるとの認識から.生き生きとした人材を確保し,社会にためになっている実感はビジネスであってもNGOであっても同じこと.人間がやる活動だから,社会貢献活動みたいなものも顧客第一主義のビジネスも,同じ感覚で一生懸命誠実に行いたいと思う.さらに社会貢献活動であっても,継続的な貢献のためには経済的にも回っていかねばならない.勿論逆にビジネスであっても,社会貢献的な大義名分がなければ,これも社会に認知された「活動」としては回っていかない.当社のように,特殊な業界にいる場合には,どちらの要素も意識しながら,意味のある活動をしていきたいと思う.さて,今週はオリーブで終始しそうだが,また来週はビジネスだ.これもあれも楽しいんだけど,この勢いで目の前に山積する課題を乗り切っていきたい.がんばりましょう.
Jun 22, 2006
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結構頻繁に海外に出かけていると,「世界の中の自分の役割」みたいな大げさなものを意識する.多分国際的に見て,自分の競争力とは「日本人として日本の市場にアクセスできること」が一番なんじゃないかなといつも思う.「日本人であること」なんて日本人にとっては当たり前のことなんだけど,国際的に見ればこれが凄いアドバンテージになっている.何しろ日本は所得水準が高い上に,市場経済の透明性が高い.所得が高いということは,付加価値やブランドに対してより多くお金を払える層が多いことを意味するし,透明性が高いから賄賂やなんかよく分からない接待みたいなことからも比較的離れていられる.良い商品を作って,教育水準の高い人たちを雇って,基本的には善意の消費者に「世界で一番高い値段」をつけて売ることが出来る.滅多に犯罪に巻き込まれたりしないし,蚊に刺されてマラリアやデング熱になったりすることもない.日本人だから日本人社会のことが分かる.だからと言って国際標準を知ることは妨げられていないから,世界で一番良いデザイン(例えばイタリア)を採用して世界で一番安い国(例えば中国)で調達し,世界で一番高く売れる国(すなわち日本)で販売することも可能である.たまたまこんな社会にいて成功しない方がおかしいくらいである.こう考えると,当社が伸ばしていかねばならないのは,「日本の市場を良く知ること」に尽きると思う.その業界において誰がキープレイヤーか,顧客はどんなことを考えているのか,顧客企業が成長していくために何が障害になっているのか,例えば海外の有力企業が聞いてきたときに自社が出来ることを明確にしておかねばならない.つまり足元をしっかり固めるということだ.こうやってたまに振り返ると,まだまだ当社は「市場を知り尽くしている」レベルには至っていない.僕も全国行脚して色々な人たちと話し合っていかねば.
Jun 21, 2006
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ビジネスにかかわるものとして,「社会を見る目」,「市場を見る目」というのは大切だ.社会は今どのように動いているのか,それが市場に与える環境は?自社の強みをどのように伸ばしていけば対応できるか?具体的に社員の行動に反映させるにはどのような会社の仕組みを築いていかねばならないのか,などなど大きな枠組みから日々の活動へ落とし込みが必要だ. 一人一人の「行動の指針」みたいなもの(=マニュアル)は,それ自体非常に有効だけど,その前に「なぜその仕事をするのか」,「誰と仕事をするのか」,「市場は何を求めているのか,求めていないのか」,「社会はどのように変わっていくのか」を考えて,決めていかねばならない.そう,これは「決めの問題」で,正解ではないかもしれない.その意味で仮説に過ぎないのだけど,信念(や思い込み)のレベルに達した「仮説」をもたないと集中力は生まれない.現在当社は,白蟻防除市場の変化を前提に新規事業などを立ち上げようとしている.そこでの仮説は,「白蟻防除市場はかなり縮小する,代わって住宅メンテナンス市場が工務店とのタイアップで大きくなる」というもので,そこでの強みは「施主の相談相手になるコミュニケーション能力・接客能力と,住宅維持管理のための総合メニューである」ということになる.工務店とタイアップするには,工務店がして欲しいと思っていること(面倒くさいアフターフォローなど)を代行し,やりたいと思っていること(口コミ紹介やリフォーム)などをフィードバックすれば良い.施主の相談相手になるには,前提として顧客データを蓄積していかねばならないし(専用ソフトが必要),定期的に訪問するきっかけも必要だ.実は白蟻業界の最大の弱みは,「儲かりすぎること」にある.人の半分働いて倍稼ぐビジネスモデル(キリギリス型ビジネス)だったから,面倒くさいことを代行するような「蟻型ビジネス」は向かないのかもしれない.どこの世界にも,在庫も持たず粗利6割以上じゃないと嫌だなんてのはないのに,毎日一生懸命こつこつと収益を上げていく普通の(というか優良な)ビジネスに転換していくことが困難になっているのだ.それはさておき,僕達は仮説を信じて,それに沿って事業展開をしていこうと思う.まあやってみて違っていたら変えればいいし.
Jun 20, 2006
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成長していこうとするとビジネスのやり方はどんどん進化すべきものである.どのように進化していくかに加えて,集客の仕方・提案手法・提案の内容・営業トーク,それに顧客サポートのあり方など,営業活動の総てが同時に進歩していく必要がある.勿論やるのは人間だから,具体的には顧客に直接的に接する営業担当者や技術コンサルタント達が,進化の背景や顧客ニーズなんかを把握することが第一条件だ.とにかくなんか買ってくださいとか言う,いつまでも古い時代の営業手法で対応してはならない.多分営業のやり方って結構まともで,いたずらに顧客におもねるのではなくて,「時代はこう,市場環境はこう,だから御社もこういうレベルアップが必要ですよね.その場合,例えばこういう商品・サービスがその方向性に合致するのではないですか?」位の提案が必要になる.多分重要なのは前段で,「市場環境に関して共通認識を持つこと」が出来れば,「話が盛り上がった」ってことになるのだろう.話が盛り上がらずして,具体的な商品提案をされたって「うざい」だけだ.大げさに言えば,時代の共通認識に関して目一杯盛り上がって,その「盛り上がりのついでに営業する」位の提案能力がないと営業担当者は務まらない.これも日頃から,社内で「顧客の考えていること」・「顧客が考えるべきこと」・「時代のトレンド」・「市場のトレンド」なんかを話題にして,「当社のスタンス」をはっきりさせておかねばならない.勿論そこから「営業マニュアル」的なものがあればいいかも知れないのだが,やっぱり当社の社員はそれ位の市場認識をもって営業なりサポート業務を行って欲しいものだ.結局これって,顧客経営者と対等に渡り合える「人間的成長」が不可欠だなあと思う.単なる営業会議だけでなく,こうした「市場認識に対する見方」なんかもこれから話していきたいなあ.
Jun 19, 2006
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前にも書いたかもしれないが,僕には不思議な特技があって,絶妙のタイミングで人を紹介してもらったり,その時会いたいなと思った人と移動中にばったり会ったりする. 考えてみれば,現在進行中のエイムさんとのプロジェクトも,昨年や一昨年に始めようとしても出来なかったが,今年経営者の方々とまさに「遅からず早からず」親しくなったことで,絶妙のタイミングでスタートすることが出来た.今日も住宅関連の弁護士を紹介してもらいたいなと考えていたら,大学時代の弁護士が新幹線の後ろの席に座ってたりした.まさにそのタイミングは絶妙,遅すぎも早すぎもないのである.ちょっと不思議なんだけど,こういうのってやはり運なのか必然なのかは分からない.そう言えば,たまたま夏休みに予約した石垣島の民宿が,これから親しくなるかも知れない会社の社員の親戚であることが判明したり,ほんと奇遇なものである.運も実力の内,これを信じてこれからも不思議な能力を発揮していきたいと思う.
Jun 16, 2006
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ちょっと二,三日バタバタしていて,珍しくブログ更新が出来なかった.バタバタはまだ続いているけど,新幹線の移動時間なのでちょっと一息.それにしても日本みたいな先進国においては,モノの良し悪しよりも「どう売るか」という「仕組み」がより大事になっていると思う.商品やサービスが良いのは当たり前なのは,国際標準からして可処分所得を多く持っている「お金持ち」が大量にいる国には,世界中から「良いもの」が集まってくるからだ.そういう国でビジネスを行うには,「良いものそれ自体」よりも「良いものの売る仕組み」がより重要になってくる.車が良い例だが,いまや車を走りのスペックで買う人は余りいないと思う.多分,デザイン・居住性・ステータスなんかが大きい基準になっている.ベンツを性能同等の国産車よりも200万円高く買う人は,勿論スペックではなくてベンツのブランドにお金を払っている.時計も勿論そう,それが10万円なら10万円,100万円なら100万円の「ブランド価値」を評価している訳で,時計の機能を考えているわけではない.そうすると「良いもの自体」ではなくて,「ブランド構築のための仕組み」がビジネスとして重要だ.住宅業界での成功も,勿論このあたりの仕組みづくりが重要である.デザインはイタリアやアメリカ,生産は中国,そして実際に販売する日本の住宅会社は,「顧客に如何に価値を伝えるか」に注力することになる.価値の伝え方は色々あって,コストパフォーマンスを謳ったり,ブランド,営業担当者,モデルルームなんかを工夫することになる.その会社に対するファン作りもブランド構築には欠かせない要素だ.当社のいる防虫業界も,白蟻駆除するのは当たり前で,それをどう顧客に訴えるかが課題になっている.施主は別に白蟻が憎いわけではなくて,家という住宅資産を長期的に守っていきたいだけだ.そうすると建てた工務店と連携して,定期的メンテナンスを提供するホームドクター的な存在を目指すのが経営課題となる.そうすると成功のためのポイントは,如何に工務店とパートナーになれるかという対法人提案能力,総合的なメンテナンスメニュー,実際に家に訪問する個人の接客能力,信頼されるためのブランド構築等々の白蟻防除に至るまでの「ストーリー作り」である.勿論,「売るための仕組み」の裏には「コストパフォーマンスの高い効率組織」(「仕事の仕組み」)というものがあって,先日のセミナーで学んだ事項がそれに当たる.「売る仕組み」と「仕事の仕組み」を作りこむことで,企業は成長していくのだと思う.さて今日は東京だ.あれやこれやで忙しいけど,フル稼働で頑張っていこう.
Jun 15, 2006
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先程までオーストラリア戦を観ていたのだが,予想通りというかやはり負けてしまった.欧州で二軍級の選手が中心の日本と,プレミアリーグのレギュラー中心のオーストラリアでは実力差があったのだろうか.前半の柳沢・高原のキーパータックルの間に入った中村のシュートはラッキーだったが,強いあたりを結構流すこのエジプト人審判のせいで肉体的に消耗したのが最後に悪いほうに出てしまった.基本的に弱いものが強いものに勝とうとすると,ミスがあってはならないし逆にチャンスは確実に決めないといけない.川口の好セーブや審判の判定も日本に有利に作用していたから,最後の10分で訪れた福西のシュートチャンスは最低でも枠には飛ばすべきだった.後は強豪クロアチア,それにブラジルだもんなあ.勝ったオーストラリアでも後の二試合を考えると厳しいのに,負けていては.....会社でもそうだけど,決めるときに決めないと後が苦しい.それにしても,当社営業担当の西尾君,バカ殿姿で国際映像に映るのはやめてください.しっかり水曜日には出社してね,今月目標対比全然いってないし.
Jun 12, 2006
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土日で久しぶりに家族旅行.直前のホテル探しで結構手間取ったが,一室だけ残っていたウェスティン淡路の和室に滑りこみセーフだった.子供が小さいので元々和室がいいなあと思っていたので丁度良かった.ウェスティンの隣の明石海峡公園は,数年前に社員旅行で行ったところ.当時よりも大分と草木も育ち,何より梅雨直前のベストシーズンだったので,大分と印象が良かった.特に温室はすばらしく,アジサイやサボテンなんかがうまく育ててある.おまけに公園では球根堀りのイベントまであって,家族とも大満足だった.それにしても大量に多分10キロ分くらい持って帰った球根,一体誰が植えるのだろう......毎週出張で,さらに家族旅行に行きたいかと言われるとやはり行きたい.なにしろ出張中から次の出張や旅行が待ち遠しくなる性質だから,一箇所に留まっているのはよほど向いてないのだろう.そう言えば,つい10年くらい前までは,3週間おきに日本(仕事)・イギリス(学生)・台湾(仕事と学生)に拠点を変え,さらにその中でうろうろしていたから,今はまだましな方.さて,次の休暇は夏に石垣島だ.W杯で今頃ドイツにいる当社社員もいるくらいだから,僕も休暇旅行くらいしても罰は当たらないかなあ.
Jun 11, 2006
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昨日もスケジュールが目白押しで,充実した一日だった.オーストラリアからメーカーの人が来て打ち合わせ.うまくいけば結構面白いことになると思う.それにしても当社の川端君,いつも眠そうだなあ.会食を済ませ,別件でまた次の会食へ.夜ゆっくり話をすることで,劇的に物事が進むことが多い.昼間の僕はちょっとまとも過ぎに丁寧なので(?),夜お酒が入ってお互いに気を許しあうくらいが丁度良いのかもしれない.ひょうたんから駒みたいな話が出たのだが,案外と筋のいい真っ当な話かもしれない.慎重にかつ前向きに検討することにする.とにかくまあ遅くまで盛り上がって,ホテルに帰還.こうやって毎日誰かと会って話をして,決断していく.調子の良いときは案件もたくさん出てきて,それぞれが見えない糸で「結びついた」ものになっている.「想いはかなうもの」が僕の信条なのだけど,強く想い続けていきたいと思う.名古屋,東京と経て,今日はまた名古屋へ逆戻り.また面白い会食が入っているから,こちらも楽しみ.
Jun 9, 2006
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セミナーの後,新しく出会ったお客さんと品川で会食.後から小川さんも加わって,赤坂へ.結構盛り上がって酔っ払っていたら銀行時代の友人とばったり会ってしまった. それはさておき昨日のセミナー感想の続き.「マニュアル化」のことだけど,マニュアル化の目的は,業務を標準化して単価の安いパートさん,新人社員にやらせるという意味もあるけれど,むしろ工数を管理して「無駄なことはやらせない」,「少しでも単価の安い人がやれるならそちらにやらせる」という徹底した「工程合理化+投入工数管理」にある.まさしくメーカー的な発想だ.面白いのは,メーカーなら「工場哀史」みたいな低賃金労働者からの搾取的な暗い印象があるけれど,そこは企画会社の面白さで,時間給が安ければ安いほど,任された人たちはやる気になるという点である.安い肉体労働なら「哀史」で,安い頭脳労働なら「やりがい」になるという,やはり人間は頭脳労働者なんだなあと思う.大前研一の,「安く出来ることは途上国やコンピューターに任せて生活水準の高い先進国の人間はやるな」という議論にもつながる.「工程・工数の利益率に合った人件費の人に担当させる」という発想は,銀行の預金と貸し出しの関係みたいで面白い.金利の高低,長短に合わせて,お金の調達側と運用側を合わせるALMの考え方だ.これもさておき,ちょっと思いついたんだけど,人は勤めが長くなると段々できることが変化していく.新入社員は「くたくたになることしか出来ない」,中堅社員は「実績を上げることしかできない」,ベテラン社員は「アドバイスすることしか出来ない」ということだ.お互いに他のことはできなから,ベテランが「くたくた」になったり,中堅が「アドバイス」したり,新入社員が「実績」を上げたりすることは自然には不可能で,だからこうした「仕組み」が必要なんだと思う.そして勿論,会社の経営としては,経費の安い新人に「実績」を上げさせたり,次に経費の安い中堅社員に「アドバイス」させる仕組みを作ったりするべきだ.オーパスなんて,一番経費のかかる社長がとっとと「退社」してしまって,究極の経費減らしをしてしまった.何かと示唆に富むセミナーで,言われていることはよく理解できた.当社でもぜひ取り入れて行きたいと思う.
Jun 8, 2006
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ちょっと怖いもの見たさで(失礼),岐阜のオーパスが主催の工務店向けセミナーに出席した.まだ前半が終了したばかりだが,結構参考になったと思う.「会社が利益を上げるにはどうすれば良いのか」というのが第一部の内容で,大体は当社も取り組んできたことが多い.違うのは,僕はこう見えて要領が悪いから,まずは自社のビジネスそのものを理解するのにこれまで5年もかかってしまったことだ.今は多分それが分かってきたから,もっとうまく徹底することが出来るとは思う.講演のエッセンスは,二つで,(1)業務工程と担当人件費をマッチングさせること,(2)業界では自社よりブランドが上でしかし経営の下手な(職)人と組むこと,である.(1)は,簡単なことは単価の安いパートさんに,給料の高い営業担当者には秘書をつけてでも生産性の高い業務だけをさせる,その前提として,業務を「マニュアル化+工数管理」をするということになる.(2)は例えば人気の建築事務所やブランドを持っている企業と組むことになる.同社は低価格で家を建てるノウハウと営業工程管理マニュアル,これにデザインと広報を受け持つ建築家を抱えている.自社の強みだけに集中し,足らないものは成功報酬(つまり固定費なし)で他社と組んでいく.評価する人はこれを「経営がうまい」と言うのだろう.元々,同社は建築ノウハウを販売し建材販売で利益を上げている会社で,本業での強みがしっかりしているから,上記の(1)と(2)の運営方針を導入することでますます強くなっている.やはり自社のやってることを良く知っていて,マニュアル化することで経費は下がっていく.面白かったのは,これが常に工程管理をしてコストを削減することが習い性になっているメーカーではなく,基本的には企画・マーケティング会社であり商社である同社が工程管理を徹底していることだ.「営業プロセスの工程管理」の概念は,最近注目されている分野で,だからこそソフトブレーン(東証一部に上場してしまった)などのベンチャー企業が伸びている.結局は,「営業経費」という訳の分からないコスト(見込み投資であり非常にコスト高)をどう管理し,また自社の弱い部分(ブランド・信用)を他社と組んでどう補うかを考えなければならない.さて,これから第二部,第三部である.ちょっと楽しみ.
Jun 7, 2006
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今日,村上ファンドの村上代表が逮捕された.またかって感じだけど,注目される経済人(経済人とも言えないが)がこうやって最後は落ちぶれていく.世の中の人もそれを待っている感もある.経済人の多くは勿論,長年努力して,誰からも注目されることなく結構真面目に人生を送っていると思うのだが,一体何のために働くのかという疑問は残る.村上代表は,何千億円の他人の金を扱って,短期間に運用成績を上げていかねばならないプレッシャーの下に仕事をしていた.投資手法がかなり敵対的だったから相当目立ったけれど,一般の経営者が会社を成長させていかねばならない宿命も,それに似たプレッシャーがある.大体会社は成長するか,衰退するかのどちらかで,「常にまあまあで安定している」ってことは絶対無い.そう,上がるか下がるかなのである.上がるか下がるかだから,経営者は常に勿論上がっていくべき宿命があるのだ. また「何のためにそんなにプレッシャーに耐えるのか」という疑問が出てくる.それに対して僕は単純に,「世の中を良くするため」と考えることにしている.会社を創造的に伸ばしていくことが,世の中のため社員のため自分の家族のため,そして自分のためと,「何かのためにがんばる」ということは大切だと思う.それがないと,「プロの経済人がお金を儲けて何が悪い」と開き直ることになってしまう. こういうことって,いつも考えることですね.「誰かのためにがんばる」って忘れがちだけど,最終的には社会のためにならないと,会社は続かないって本当ですよね.
Jun 5, 2006
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「なぜ,できる人はできる人を育てられないのか?」という本あるらしいけど,そのエッセンスを友人に教えてもらった.要するに,「出来る人」は「出来ない人」の気持ちが分からないからである.「出来る人」というのは,やる前から「出来る気がする人」のことらしい.出来る気がして出来るためのシュミレーションを自信をもって実行するから,本当に出来てしまう.出来てしまうから次も出来るような気がして,また新しいことに挑戦し,やはり出来てしまう.逆に出来ない人は,目標に対して「出来るイメージ」を持てない人のことらしい.やる前から成功イメージが湧かないから,結局は本当に失敗し出来ないイメージが強化されてしまうという悪循環である.ちょっと手前味噌だけど,実は僕は「根拠のない自信家」で,泳げもしないのに異常に厳しい水球部に入ったり,成績が良くないのにいい大学に「当然」入れると思っていたり,英語も出来ないのにイギリスの大学院に行ってしまったりしていた.いつもやる前から「当然出来る」と根拠もなく思ってきたから相当おめでたい人なんだけど,思えばその「おめでたさ」が結局は実際は相当苦労しながらもハードルを越えていった原動力になっていたのだと思う.優れたリーダーは,「当然出来る」と言うイメージを組織のメンバーに持たせられる人のことだと思う.早稲田のラグビー部監督だったの清宮氏も,一人一人は優れているのだけどチームとして勝てない早稲田を常勝軍団に変えていった.それは「勝ち方」を熟知した清宮監督をラグビー部員が徐々に信頼し,「勝てる気になった」ことが大きいと思う.逆にライバル校で一人一人の実力は勝っていた関東学院の部員は,そこまで「勝てる気」を持てずに結局は早稲田に勝つことが出来なかった.潜在能力を持つ人たちに「出来る」気にさせることが出来れば企業は勝手に成長していくのだと思う.当社も上を向いて事業展開をしていきたいと思う.こうやって当社は成功すると思う,だってそうなんだもの.
Jun 2, 2006
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僕の友人が四谷にあるミクニ本店(オテル・ドゥ・ミクニ)でランチをした.ドアで女性に接客され男性のスタッフに席まで案内され,途中三国氏本人が働く厨房を通っていった.そこには修行中なのかたくさんの若者がひしめき合い,一生懸命に鍋を磨いたり,目のあった顧客に会釈をしたり,とにかく熱意が感じられたという.食事もそしてデザートも申し分なく,とても豪華な気分になったそうだ.これで代金は一人6800円,高いようだけど,考えてみればとっても安い.レストランは30席くらいしかないから,一杯になっても一回転で売上50万円ほどだ.これだけだったらとてもそんなに儲かる商売ではないことは確かである.赤坂辺りのちょっとしたカウンターで飲んでも1万円くらいはするし,しかも誰も一生懸命なんて働いていない.ではどちらが生き残るのかと考えるとやっぱりミクニのタイプの「地味一生懸命企業」なんだなと思う.一生懸命に修行のために働くスタッフと,勝ち方を知っている上司が低価格で誠実で地味なものづくりやサービスを生み出している.儲かりそうもないんだけど,実は儲かっている.反対に一本2000円のウイスキーを30000万円で売るバーは儲かりそうなんだけど,毎年かなりの数が淘汰されていく(そしてまた新しい店がオープンする).哲学の問題かもしれないけど,当社は「ミクニ型」でいきたいと思う.地味で「それだけやったら成功して当たり前」の面白みのない事業展開を誠実にやっていきたいと思う.そりゃそうだよなあ,結局長きに渡って成功している人たちは,オーソドックスにやっている地味人ばりだものなあ.王道に近道なしってことだと思います.
Jun 2, 2006
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昨日は,ヨルダンの有機オリーブプロジェクトの関係者と打ち合わせ,懇親会を行った.僕にとってはある意味非常に刺激的であったのは,そこにいる人たちが日頃ビジネスの世界で会う人々と全く違っていたからだ.大手ビールメーカーを定年後,有機認証団体の専務理事として活躍しておられる方,栃木で有機農業をやっている一見怪しげな自由人,有機農産品の卸・小売業者の専務で有機団体のNPO事務局長でもある人,その妻で有機の洋菓子を作っている女性,つい先日までヨルダンのオリーブプロジェクト責任者として現地に駐在していたアラブ語・英語・スワヒリ語を駆使する女性(求職中),アメリカで社会学を専攻し,前述の有機認証団体で働いている若い女性,在日4年で日本語ペラペラのアメリカ人の兄ちゃん,有機の和菓子を作っている三代目の和菓子職人,そして今回の懇親会のメインゲストで,ヨルダン農務省からオリーブ工場長に転職したばかりのヨルダン人のおじさんというメンバーであった(それに僕).打ち合わせとパーティーは,上記の有機農産物卸の専務自宅で行われた.初夏の気持ちの良い夕方に,感じの良い中庭にテーブルを出しての「青空会議」である.なんだか日本離れしていて,こういう独特のマインドを持ったオーガニックな人々の中では,スーツを着込んでいた僕はちょっと浮いていたかもしれない.日本語と英語の混じる環境で,栃木の農家の方や和菓子職人が普通にヨルダン人と意気投合している.ジャズがかすかに流れ,ろうそくの灯の元で夕食を楽しんだのだが,こう言う人たちって,本当に人生を楽しんでいるような気がする.大きいビジネスとかやっている訳でもないし,それで社会がどうとかはないのかも知れないけど,「小さくとも確実に意義のあること」,「影響は限られているけど確実に自分にとって納得のいくこと」,「大上段に構えずに確実に他人のためになること」をやっているのだ.ビジネスの世界って見栄や虚栄や勝った負けたって話が多くて,ややもすれば「品がない」ことも多かったりするのだけど,昨晩は少し心が洗われたと思う.僕自身は「あちらの世界」には行くつもりはないけれど,ああいう世界もあると知って「こちらの世界」で頑張ることが大事だと思う.僕はビジネスマンだから,事業を成長させて初めてやってる意味が出てくる.謙虚に地味に,そして「確実に意義がある」ように出来れば,それが僕や当社の存在意義なんだとは思う.さて段々とヨルダン出張が近づいてきた.オリーブオイルもお盆の頃には日本に入ってきそうだ.色々な人の想いが詰まった商品だから,大切に売って行きたいと思っている.これも世の中のためだと思う.
Jun 2, 2006
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