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ちょっと大げさに言うと,社会がIT技術などで効率化していくと,ますます「個人の力」が大事になっていく.一昔前は,なんとなくみんなで御輿を担いで,そこにはぶら下がる人も頑張る人もまあそれ程目立たずに,「みんな力を合わせて」一仕事することができた.御輿が目指す方向も,また勝負の勝ち負けも結構明らかで,小さい御輿は大きいものに見劣りするし,それなりに働く人もそれなりに評価されたものだ.これが今では全く状況が異なってきたと言える.基本的に情報はコストゼロで流通し,優れた人が100人分の付加価値を(コンピューターの力を借りて)生み出すことができる.アウトソーシング先が充実してきたから,「それなりに働く人」は社内には不要で,「それなりの仕事」はより安い場所を求めて,それこそ世界中に外注することができてしまう.会社の競争力も,単なる売上の大きさや人数の大きさではなくなってきている.競争力の源泉はその会社にしかできないことで,他の会社が真似できるようなことだと一瞬にして価格競争に巻き込まれることになる.付加価値を生み出せる人だけが,会社にとって大事な人材となってきているのだ.つまり,「個人の力」がこれまでになく重要だということだ.「個人の力」とは,「自分で考えれる力」,「人を説得する力」,「新しいものを生み出す力」,「競争に勝つ力」などのことだろう.そしてこういう「個人の力」プラス「人と交じり合う性格の良さ」プラス「会社の文化」が会社の本当の力になるんだと思う.当社のような中小企業にとって,「個人の力」が重要な時代って良いことだと思う.見方によれば厳しいかもしれないけど,すくなくとも大企業と戦う前から負けが確定していた昔と違って,今はもしかしたら勝てるかも知れないものなあ.こう思えるだけ,今の時代は幸せということだ.さてさて,当社の「個人の力」を信じて,飛躍のために全力を尽くそう.
Nov 28, 2006
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当社は12月決算で,いつもこの時期になると社員一人一人と,個人面談を行っている.なんやかんやで人数が増えてきたので,今年は30人近い人と話をしないといけない.いつも顔を会わせて分かっているから....なんて思いがちだけど,いやそんなことは全然ないのだ.人間と言うのは,聞きたいことしか聞こえないし,見たいことしか見ていないものだ.「客観的に観察して...」なんて不可能で,僕なんかいつも自分に都合の良いことや,自分が今考えていることしか気がつかないものだ.勿論,自分が勝手に何を思っていようと,やはり他人の意見や他人の感じていることを改めて知ることは本当に大事だ.当社の個人面談は,個人の業績の評価のためというより,僕が気付いていない各人の貢献や,会社における改善点を気付かしてくれるためのある.だから書いてもらっている個人評価シートには,目一杯自分の功績をアピールして欲しいし,逆に会社の足りない点や,小さいことでも改善点を言って欲しいと思う.そう,「個人評価シート」なんて呼んでいるけど,実は「個人から見た会社の姿と,自分の自己アピール」シートなのだと思っている.もう一方で,一年と言う期が終了する前の時点で,自分の仕事の「たな卸し」をすることも重要だ.大体の人は,目の前の仕事に流されて,一年が経ってみると「今年はいったいなんだったんだろう?」と疑問に思うことが多い.年に一回くらい,自分の仕事を「たな卸し」してみて,本当にしなければいけないことが出来たか,それに目標達成のための努力が実行できたか,出来れば自分を褒めてやり,出来ていなければどうしてかを改めて考えることは重要なことだ.と言うわけで,今週はひたすら面談です.がんばっていこうと思います.
Nov 26, 2006
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言ってみれば,身もふたもないかも知れないけど,経営のコツって,「分からないもの」には投資せず,愚直に「分かっていること」で稼ぐことかも知れない.なんとはなしに,こうあるべきだという技術や商品に投資しても,果たしてマーケットが本当に存在しているかは分からない.というより,投資している本人に具体的な市場(=ニーズ)が見えていないなら,多分市場は存在していないのだろう.机上の思い込みは,あまり当たらないってことだ.具体的なニーズがビビッドに頭の中に描けて,目の前にそんなの欲しいなあという人が現れるまでは,愚直にいまさら面白くもない現事業で,こつこつと稼げってことだ.格好も良くないし,現事業なんて飽きが来るから,なんか「新しいことやりたい」という気持ちを抑えないといけない.とは言っても,愚直に稼ぎ続けるだけなのも良くないのも確かだ.僕はいつも思うんだけど,稼ぐよりも使う方が難しい.愚直に現在の事業を磨いていって,ひたすら経費削減に努めれば,多少稼ぐことはできるかも知れない.ふと頭を上げて,稼いだものを使う(=投資する)ことが一番難しい.つまり愚直に稼ぐのは経営のコツだけど,それを今度投資に転じていくのは大変難しく,でもそれをしないことには長期的な成長もできない.やはり,経営は難しい.コツコツも大変だし,ぱっと投資するのも大変,留まるのも進むのも才覚と努力が要るらしい.精進,精進.
Nov 20, 2006
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考えてみると,これまでの数年間は,顧客の要望や,顧客と直接接する営業担当者の言っていることを,「素直に」実行に移してきただけの様な気もする.「そんなこと言われたって分からないから教えてくれ」と言われてセミナーを始めたり,営業担当者に営業も技術もサポートしろと言っても無理だから,技術職の採用を始めたり,情報提供してくれと言われて,メルマガや情報誌をはじめたり,カタログが充実してないと営業しにくいと言われて総合カタログを必死の思いで作ったり.なんだか泥縄式である.もちろん,言われていることをそのまま聞くのではなくて,いったん咀嚼して「もっと良い方法」がないか自分の頭で考えることが大切だ.目の前のニーズは確かにあるんだけど,場当たり的でなく,理論的で系統立っていて,しかも優先順位を踏まえた対応にしないといけない.そうすると,大事なのは,経営方針・理念のようなもので,言われていることにどの様に対応するかはこの理念に照らして行わなければならない.つまり「経営理念」+「言われていることの実行」ってことですね.そしてこれをきちんと行うには,素直な心が必要ってことになる.逆に言うと,生まれつき優れた経営者じゃなくても,正しく素直な心があれば,経営はかなりの程度できるってことかも知れない.僕はまだたった7年弱しか経営者をやっていないけど,10年20年と経ってもこういう「素直な心」で経営していきたいなあと思う.言われたことを素直に自分の理念に照らして実行していく経営を.
Nov 17, 2006
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雑誌で,「東大生家庭の教育方針」なんかを特集しているのを見ることがある.つまりどんな家庭で育った子供が有名大学に進学できているかを記事にしてものだ.いわく,「知的興味を持たせるように,小さい時から会話を重視した」,「テレビをだらだらとつけないようにしていた」,「本に囲まれた環境であった」などなど.親が強制したりすると駄目で,如何に子供の自主性を伸ばしてやれるかがポイントらしい.別に僕は子供が有名大学にいかなくても全然OKだけど,どうすれば当社の社員が有名企業の社員に負けないレベルになっていくかはとても興味がある.そこで前述の「東大へ入る子供の教育方法」が参考になる.僕は基本的には,「潜在能力が高い人を採用して,会社が邪魔せず活躍できる環境を整える」ことだと思っている.これは元々頭の良い子供が親に邪魔されず,自由に努力して実力を発揮するのに似ている.但し,受験みたいな特殊な(異常な)システムに向いている能力はかなり特殊で生まれながらのものが大きいと思うけれど,経済活動という複雑なものを相手にしている場合には,いろいろな能力が使えるから,いわば結構誰でもある種の才能は持っているものだとは思う.そこで重要になるのは,「会社が邪魔しない」ことだと思う.僕は当社の業界でも素人に近いけれど,社員の言う通り,顧客の望む通りにやってそれなりに成長してきた.もちろん「言いなり」ではなくて,かなりの程度,「こういうことをやりたい,望んでいるはずでしょ?」ということは提案してきたけれど.まあこの先,どう成長していくかはわからないが,邪魔せず人材を育成していきたいと思う.これが最高の教育方法,人材育成だと思うんだけどなあ.
Nov 17, 2006
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僕は二代目の経営者だから,会社を創業したことはない.前職は留学生でアカデミックだから,ビジネスとは関係がないし,その前は大企業銀行員だから,経営の実務も知らなかった.したがって,ゼロから物事を立ち上げたことがないし,その意味では半人前だ.しかしこの数年,経営者業をやって分かったことがある.それは企業というものは,「やったことがないことをやらないと,決して成長しない」ということだ.新規事業や新しい取り組みに手探りで挑戦して,もちろん失敗することの方が多いけれど,それでもめげずに次に取り掛かる.10回やって9回失敗しても,最後の1回成功すれば,トータルでは勝ちというのが企業経営だと思うのだ.もちろん,「負け」は「負け」」でも致命的な負けはよくない.負けっぷりをコントロールして,勝つ時に思いっきり勝つというのが,望ましい姿ではないか?そうすると,経営者の素質とは,「やったこともないことを,緻密に計画しながら,自信たっぷりに実行しながら,負けてもただでは起きない」ということかも知れない.やったことがないことをやらずに済ましている会社は決して成長しないし,どうせ失敗する確率が高いなら,数多く(小さく)失敗して,早く大勝した方がよい.当社もたくさんの「やったことないこと」に取り組んでいる.もちろん全部成功すると固く信じているが,まあだめでもめげることなく再挑戦していこうと思っている.そうやっていつか大勝する時が,僕が本当の経営者になる時なのかもしれない.
Nov 15, 2006
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もう11月で,当社は12月決算なので,そろそろ僕の関心も来年へと向かっている.ちょっと早いが来年はどんな年になるだろうと考えてみると,なかなか興味深いものがある.正確には今年既に「潮目」が変わっていて,来年はそれがもっとはっきりした形になっていくに違いない.当社にとっても,また業界においても,また業界の枠をはみ出して新しい展開がなされていく.もちろんそれは好ましい展開であって,だからちょっと今から楽しみでもある.まあ具体的になってきたら,また書くことにしよう.どうせなら「新しい展開」は,仕掛けられるより仕掛ける方がいいし,また社会に貢献するものであればなおさら嬉しい.目の前の得とか損とかなしで,公平に見て消費者から,また社会から望まれているものを積極果敢に提供していくべきだろうと思っている.という訳で,今期は今までで一番良い決算になりそうである(今年は僕の本厄年).とは言ってもジワジワって感じだからたいしたことはなくて,当社もやっと中小企業としての「普通の成績」が残せるようになっただけなんだけど.来年は見ててください,飛躍の年にしてみます.
Nov 14, 2006
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最先端で起こっていることって,気をつけてアンテナを張っていないと分からないけど,気が付いたときには恐ろしい状況になっていることが多い.たとえば当社の属している害虫駆除業界でも,実は技術進歩の波が押し寄せている.人々の気がつかないところで,数年来最先端の技術を集めて新らしいビジネスモデルを構築しようとしている動きは確実にあるだろうってことだ.そう,気がつかないうちにライバル業者,または異業種から突然に新しいモデルで参入され,既存のビジネスモデルは粉々になってしまう.これって,レコード針業界やカメラ業界の例を持ち出すまでもなく,資本主義社会における経済発展には通常のことなのかも知れない.それではこうした「気がつかない最先端技術」にどうして対抗すべきか?多分,それは自分たちのビジネスを常にゼロベースで考えることだ.自分たちが成り立っている根本的な理由(=存在価値)を考え,それがどういう状況の下で崩れていくのかを知らないといけない.御用聞き営業はインターネット販売に駆逐され,それでも「顔の見える提案営業」は残っていく.御用聞きと提案営業の差が,そのビジネスの変わらぬ存在価値となる訳だが,油断していると「最先端技術」とやらにしてやられてしまう.今は比較的調子の良い企業でも,勝って兜の緒を,である.ひたひたっと迫る近い未来の敵に対抗するために,今から準備しておかないと.当社も他人のことは言ってられない.がんばろうっと.
Nov 13, 2006
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今年は7月末から出張の連続だった.オーストラリア(7月末),上海(8月),シンガポール・タイ(8月),ジュネーブ(9月),アメリカ(10月),韓国(11月)と海外出張に行って,その間に東京などセミナーやらなんやらで国内出張が9回入っていた.そういえば,休暇で石垣島なんかも行ったなあ.まあ要するに毎週どこかに行っていた訳で,我事ながら家族も大変だったろうと思う.もちろん,会社に残って通常業務をきちんとやっていてくれる社員の方々にも感謝である.こうして社長の僕が外に出て行くことって,とても意味があると思っている.良くも悪くも会社の中では特異な立場にいる僕が,自分の得意技を駆使してネットワークを広げていくことが,イコール会社の経営資源が増えていくってことだ.顧客から苦情も含めいろいろな意見を聞き,興味のある近隣異業種の人とプロジェクトを進めることで,視野も市場も広がる.そして海外に出ることで,「日本で何かやるなら環境機器の片山に相談しろ」という評判が構築されることで,ビジネスは海外も巻き込んだものになっていく.まあ会社に居ろったって,やることないものなあ.営業担当者はもちろん外に出ているし,資金繰りなど総務的なことは会長に任せっぱなし.日報も実績もウェブで見るし場所は関係ない.業務資料も全部パソコンか外部サーバーに入っているものなあ.そう言えば営業担当者も大阪の本社よりも,九州や東京の営業所の方が人数も多くなりそうである.会社の発展って,「発散」と「集約」を繰り返して実現されていくのかもしれない.僕が出て行き,セミナーなどで情報の「発散」を繰り返し,それがフィードバックとなって帰ってきたものを「集約」してビジネスに変えていく.発散の時期と集約の時期が繰り返して,らせん状に物事が進歩していく.さて,これから年末にかけては,集約の時期だ.個人面談や今年の反省,それに来年の計画なんかを練っていきたい.まだまだ今年も時間があるし.
Nov 11, 2006
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いつも読ませてもらっているブログの中に,次のような引用があった.「日本人はつつがなく生きようとしている。周囲の人々から浮かないようにつつましく暮らし、大過なく人生を送る、日本の社会が個人に要請するのは基本的にそういうことだ。これが日本の社会の雰囲気を決めている。アメリカの場合は基本テーマは成功への促しだろうか。個人は持って生まれた才能を発揮して高い地位に昇り、才能の成果を社会に返すことが求められる。」まさしく先週のアメリカ出張時に感じていたことは,こういうことだ.持って生まれた才能や成功への飽くなき情熱を発揮して社会の成功者になることが,「アメリカンドリーム」として臆面もなく語られるのがアメリカだ.そして強烈に成功した人が強烈に社会貢献を行っていくことになる.その典型がビルゲイツであり,第二位の富豪であるバフェットでもある.これって企業経営にも当てはまる.企業経営は個人の人生とは違って,「成功へのためらい」が少ないものの,それでも「会社とできものは,大きくなると潰れる」とか言って,「身の丈経営」が良しとされる風潮もある.確かに規模だけでは会社の価値は決まらないと思うけれど,社会貢献に対するビジョンは大きい方がいい.当社も強烈に成功して,強烈に社会貢献していきたいと思っています.
Nov 7, 2006
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会社は「ライバル」の設定の仕方で,成長の可能性が決まるのかも知れない.当社の事業ドメインは,現状のところ「防虫業界における資材商社」であるから,それなりに同業者は存在する.でも表面的に「同じようなこと」をやっている会社が「ライバル」かと問われれば,それもちょっと違うような気がしている.結局,何を目指しているかということになるのかも知れないが,今の売上げの倍くらいを目標にしているのなら,同じような卸企業はライバルかも知れない.また今の顧客に今のアプローチでモノを販売している限りは,やはり彼らはライバルだろう.でも今の売上げの10倍,いや100倍を目指していたり,また現在のビジネスモデルを大幅に変えていこうと考えているなら,現在の同業他社は「ライバル」でもなんでもなくて,「今たまたま同じ様に見えることをやっている存在」でしかない.勿論,日々のオペレーションレベル,現場レベルでは勝った負けたがあるのかも知れないけれど,少なくとも経営者が同じレベルで物事を考えてはいけないと思う.さて,当社のライバルは一体どういう会社だろう.多分,「ビジネスモデルを次から次へと作りながら,少人数で利益を上げている会社」,「中小企業向け経営コンサルティングを行いながら,物流も行っている会社」,「世界数十箇所に拠点を持って,最適ビジネスミックスを構築している会社」,「アカデミックと協力しながら,新規技術を世の中に出そうとしている技術ベンチャー」,考えてみると切りがない.どういう会社をライバルと感じるかで,その会社の将来が決まる.当社はできれば,世の中の超一流企業をライバルと思いたい.
Nov 5, 2006
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