青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2018.05.03
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母の日に何か有意義な事をしたい、と考えて
散歩がてら美術館に行こうと調べたところ
横山大観展をやっていました。

母は絵を見るのが好きで、横山大観は好きな画家の一人でした。
奇しくも場所は、母が女学校時代を過ごした思い出の地です。

こういうのは思い立ったらさっと行動しないと
億劫になってしまいますから、すぐ行く事にしました。

歩きやすい靴を履いて、多少のおしゃれはして
でも鏡で見たら、なんとなくぽっちゃり系のシルエット…。


その間に太ってる…?
それとも服のせい?
服じゃない気がするけど、服のせいにして
気にしないでとりあえず外出。

沢山歩こう、と思いながら。

本題です。
横山大観展。

横山大観といえば、墨絵、富士山、仙人のイメージで
その達観したような世界は
私にはちょっと興味がありませんでした。

以前見たときは、中学生か高校生の頃だと思います。


今回見て、朦朧体の背景に惹かれました。
特に菊の背景がとてもきれいでした。
お供えで毎日のように見ているので
特別な意味を感じたかもしれません。

人物像は幼子もキリストも表情が古代中国の思想家のようで

老人でも指が細く長く、少女漫画のように書かれているので
これは横山大観の指と同じなのかと思ったら、
写真を見るとそうみたいです。

岩絵の具を使った作品は画期的で大好評だったそうですが
ちょっとくどいような感じでどうも好きになれませんでした。

そんな感じで見ていったのですが、一番後に展示されていたのが
生々流転でした。

巻物に墨と白絵具で描かれています。

霧の中に木々が見え、山野に野生の動物が遊んでいます。
緑深い山里に質素な民家がちらほら見え、
魚を取ったり、農作をする老若男女がいます。

景色は移り、瀟洒な家も見える静かな水辺が続きます。

しばらくすると急に湿気が立ち込めたような
霧につつまれた、重い空気を感じました。
よく見ると薄墨の濃淡がずっと続いています。
壁の説明書きを読むと、豪雨がやってきたとあります。

雨は立派な橋のある、大きな街並みの家々に降り注いでいます。
木々は葉を落としていますが、家々の窓には人影が映り
静かで暖かな雰囲気です。

雨が上がる中、町はずれの水辺には沢山の人が集まり
賑やかに小舟を見送っています。

小舟が1艘、人々を載せて霧の中を進んでいます。

霧が立ち込めていきます。

そこに竜が現れて、巻物は終わりますが、壁の解説には
それで終わりではない、水蒸気は水滴となりまた最初に戻るのである
と書かれています。

この画を見て、母が亡くなる前の日、快晴の中
突然雨風が吹き荒れ、閃光が駆け巡り、稲妻がとどろき
大嵐になったことを思い出しました。

10年に一度あるかないかのような嵐でしたが、3時間ほどすると
嘘のように静かな穏やかな夕べになっていました。

あの時、竜が来たのかもしれない、と思いました。
母が亡くなって1年、まだまだつらい気持ちの私に
母が教えてくれたのかもしれません。






美術館で流れていた横山大観のドキュメンタリーフィルムに
まるで広告でもしているかのように映っていた
お気に入りのお酒だそうです。
あんなに映すということは
よっぽど大観にとって大事なお酒なのでしょう。

詳細は画像をクリックしてください。楽天店舗に移ります。





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Last updated  2022.11.03 10:29:19
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