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昔、よく父が「うちはムサイなあ」と言っていました。このムサイは、むさくるしいの略です。関東大震災にも第二次大戦でも焼けなかった、当時の古い家は、家そのものがむさかったのですが、中身も、人間もむさいのでした。部屋はすべて畳敷きで、ふだん家族が過ごすの茶の間はちゃぶ台の周囲にピアノ、たんす、机、果てはリスの檻まで、あらゆるものがつめこまれていたので、すっきりなどとは遠いものでした。living posted by (C)solar08母も働いていましたし、同じ敷地の隣家に住む祖父母の世話もしなければならず、おまけに、もともと片付けとか掃除は好きではなかったようです。わたしたち子どもももちろん、両親に似てむさくるしかったので、茶の間はおよそ人様に見せられるような代物ではなく(今回恥をしのんで見せましたが)、お客は必ず、二階の唯一家具がない、床の間だけの「お座敷」にお通ししていました。だから、むさくない家に住みたい。畳の部屋は飽きた。シンプルシックに整えたい。というのが夢でした。あ、それと薪でなくて、ガスで炊くお風呂もね。それから、暖房がある家というのも夢でした(実家は火鉢だけでしたから)。けれども、結婚してから、畳のない、暖かい、新しい家に住んでも、住んでいるうちに、生活感、つまりがむさくるしさが、苔のようにそここにしみついてくるんですよね。両親もそうで、祖父母の没後に新築したコンクリート製の家も、時とともにリビングもダイニングもごちゃごちゃと生活感にあふれ、お客を通せるのは唯一つだけある畳の部屋、という昔どおりのパターンに戻っていました。フライブルクの私の住まいもそう。ここも築後百年以上の家ですが、それだけにヨーロッパのクラシックな建物です。でも、わたしが住み着いたとたんに、どういうわけか生活感いっぱいになってしまい、むささがじわじわとしみつきました。とくにキッチンは、郵便物や書類が重なり、オーブンも洗濯機もラジオもさまざまな機械も空き瓶もフランス語の教則本もCDも、、、というように何もかもがむさくるしく集まっています。生まれついたサガでしょうかね。すっきりといかないんです。ところが、娘は幼い頃、まだ自分の部屋がもてずに、フライブルクで一部屋を私と共有していた頃から、自分のコーナーはしっかりと整頓して、可愛く飾っていました。さらに、結婚相手がマメな青年で、彼はこういうことでは娘よりもっと細かく、さらにアンティーク好きですから、彼女たちが住んでいるベルリンの住まいはいかにも趣味が良いといった感じ。リビング posted by (C)solar08上の写真は居間。右のピアノは娘夫が実家からもってきた古いご先祖自動ピアノ。曲ごとにある、。巻紙をはめこみ、足でペダルを踏みつづけると、交響曲とかピアノ曲をピアノが自分でひいてくれます。自分でひくことももちろんできます。カーテンはシルクの生地で娘が縫ったもの。天井のアンチーク照明は、娘夫の姉が粗大ゴミで拾ったのをプレゼントしてくれたもの。とてもきれいで、この姉の夫は「こういうものを軽々しく贈るんじゃないよ」とちょっとむくれたとか。前菜 posted by (C)solar08この晩は娘夫が例のように腕をふるってご馳走をつくってくれました。娘はもっぱらは助手役。野菜を切ったり、片付けたり。ちなみに、デザートはバラのシャーベットでしたよ。凝っています。ナイフ、フォークは娘夫のご先祖から伝わる銀(銀メッキではなくて)。食器は彼が子ども時代から集めたウエッジウッド。誕生日のたびに順々にプレゼントしてもらって集めたのだそうです。ワイングラスは、わたしのみたいにイケアの安売りじゃなくて、グラス工房で職人が吹いてつくったものだとか。ワインもやけにおいしい。それもそのはず。私が買うようなのとは値段がちがう。あ、誤解のないように書きますが、彼らは金持ちではありません。結婚後も娘に私が仕送りしていたくらいですから。娘は夫に養われるのは絶対にいやなのに、親から仕送りを受けるのは平気という、片手落ちな人。今は服飾メーカーで安給料で、さんざん働かされています。カウチ posted by (C)solar08このソファーも、娘夫が実家からもってきたもの。娘が義母さんからいただいた化粧台もアンティーク。化粧台 posted by (C)solar08といった具合にどこもかしこもきれいなのよね。浴室のバスタオルまでが、紺色のタオルとクリーム色のが交互に重ねられていたりして。娘が持参したタオルは「これは合わないから、雑巾にしたら」と夫に言われたそうです。シャツのたたみ方も注意されたと聞くと、ちょっと心がおだやかではいられないけれど。まあ彼は根はいい人だから。このように、娘夫婦の家の調度品のほとんどは、娘夫の「婿入り道具」なのです。娘が学生時代に使っていた白木の家具は、「アンチークには合わない」ということで、処分したのだそうです。だから、娘は冗談めかしてですが、よくこう言います「ぼくチャンが離婚したら、ぼくちゃんの元に残るのは、お義母さんからもらった化粧台だけだよー」って。とっても仲がよくて、大事にされているのに、今から離婚のことを想像する娘は(かれらは高校生の頃から付き合っていて、結婚して二年たちます)、現実的なのか、悲観主知なのか・・・。ま、三分の一ぐらいが離婚する国ですから、こういう言葉もほろりと出るんでしょうね。よその家に行って、そこの家のインテリアとか整頓の仕方とかを見て、刺激を受けて、家に戻ってがぜん整頓したくなることってありませんか?わたしは一瞬だけそうなります。帰ってきて、自らの家を見回して、がっかりしました。生活感あふれすぎです。でもね、わが家のキッチンのあれこれを、これ以上は減らせないし、片付ける場所もないことを悟り、すぐにギブアップしました。これを書いている仕事部屋も、パン用の粉の倉庫になってます。背後は、もう必要なさそうなのに、捨てるのが恐いのと、面倒なのとでそのままになっている資料。わが家もかつての実家と同じく、唯一お客を通せるのが、「お座敷」ならぬ「リビング」。ふだん使わないからです。ということはliving してないから、正確に言えば、これはliving roomではないです。今晩、娘夫婦が南フランスへのバカンス行きの途中で立ち寄り、一泊していきます。それで、あわてていま掃除をしたところ。でも、付け焼刃の掃除ぐらいじゃあ、彼らの家のようにはなりませんでした。だから、キッチンではなくて、「リビング」で手巻き寿司の「ダイニング」をすることにします。
2009/06/27
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一昨日まで10日間ほど、ベルリン、ゲーリッツ(一年前の日記「ゲーリッツのヴェラ」で詳しく書いた、ポーランドと国境を接する美しい町)、エルツゲビルゲ(ドレスデンの南にある山脈)にある、小さな村ビーネンミューレに出かけていました。これまでパン用の色々な粉は、インターネットで見つけたベルリンの粉屋さん、Mehlstuebchenから取り寄せていました。わたしが見つけた限り、唯一、フランス製のバゲット用の粉を売っているからです。この店は有機栽培のさまざまな粉も売っているので、ライ麦、スペルト小麦、小麦、パン用のスパイスなどもついでに取り寄せていました。値段は、市販の二倍以上になるのですが、安心でおいしいのと、粉を買って運ぶ手間がないのとで、毎回、まとめて買っていたのです。それでも、難は運賃!運賃だけで、数キロの粉が買えてしまうことを考えると、くやしくて(根がケチなので・・・)。ところが、この粉屋さん、偶然にも娘夫婦が住んでいる家のすぐ近くだということが一年ぐらい前に判明しました。場所は、Schoenebergという西側の地区のLeberstrasse。それで、今回やっと店を訪ねてみました。Berlin, Mehlstuebchen posted by (C)solar08ここは小さくて、気さくで、店員の笑いが絶えない、可愛いお店。この日は、ふだんは警官だという男性も、どういうわけか店員のようなふりをして、客とおしゃべりばかりしていました。粉のほか、自家製のパンも売っていて、店内でコーヒーを飲みながら、焼きたてのパンをいただくこともできます。この店がパン焼き教室を開いていると聞いたので、店の人に、「誰が教えるのですか?」と聞いてみました。「私よ」と答えたのは、若い女性。それで、いつもの悩み、バゲットのクープとか気泡のことを打ち明け、店頭に出ているバゲットを指さして、「こういうクープ、どうやって開けるの?、どうやって成形しているの?」と矢継ぎ早に質問しました。ところが彼女曰く「ああ、これはオーブンがやってくれるのよ。特定の場所に熱を当てるみたいよ。成形っていっても、ただグルグル巻くだけよ。気泡?クープ?私だって、家のオーブンでは気泡なんて出ないわよ」というタメになるお答え。がっかりしましたね、正直言って。まあね、この店は形にこだわらないものとみえ、バゲットのクープはぽっかり開きすぎて、となりとつながっているものもありました。カンパーニュも写真を見てのとおり、日本人のみなさんがお焼きになる完ぺきな外観とはくらべようもないです。Mehlstuebchenのパン posted by (C)solar08でも、さすがプロ。コーヒーといっしょに食べたクロワッサンは形も味も完ぺきでした。今回は連れの車で来ていたので、運賃節約のために、粉の買いだめをしました。気がついたら、二十キロ近くの粉を買っていました(それでも四千円余りですから日本よりは安いでしょうね)。でも、無計画に買ったので、やたらバゲット用のタイプ65(バゲット用はこれしか手に入らないのです、ドイツでもフランスでも)が多いことに気がついたのは、フライブルクに戻ってからです。ああ、これからバゲットばかり焼くことになりそう。フォカッチャ用のミックスも試しに買って、焼いてみました。これはバゲットとちがって、気泡もたっぷり、簡単に焼けるのでびっくり。フォカッチャ posted by (C)solar08でも、このパンは柔らかいので、ドイツ人向きではないようです。「チャバッタの方が固くておいしい」と言われてしまいました。そうですね。歯にはやさしいけれど、フワフワパンは何だか歯ごたえがなくて、噛みしめて味わうには、もの足りないのは確かです。というわけで、非常食用に冷凍庫行き。今はまた、ライ麦とスペルト麦とクルミで、ライ麦サワー天然酵母パンを焼いています。代わり映えがしませんが、結局、ここに戻ってしまうのです。やっぱり課題はバゲットですね。あああ。
2009/06/24
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ベランダのズッキーニ posted by (C)solar08近頃はズッキーニが日本でもよく見られるようになったようですね。ズッキーニにはじめて出あったのは、二十五年前、ドイツに来る前にまず、オーストリアのウイーン大学が毎年開催するドイツ語夏期講座を受けるために、ウイーンに一ヶ月滞在したときのことです。この夏期講座は世界の70カ国以上から、何千人もの生徒、学生、おとなが受講する、まさにマンモス講座でした。今から考えると、オーストリア弁を習ってしまう危険もあったわけですが、私が受けたクラスの先生は、大学生だったようで、あまり激しい方言はありませんでした。講座参加者で目立ったのは、イタリア人の17,18歳ぐらいの生徒たち。卒業試験にドイツ語を選択課目にしている生徒たちが、ドイツ語能力を上げるために来ていたようです。かれらは、学校でもどこでもしょっちゅう抱き合ったり、「アモーレ、アモーレ」をくりかえして、その熱いこと、夏なので参りましたよ、暑くて。おかげでイタリア語の片言も覚えられたけれど、アモーレだけじゃね、いくらなんでも、役に立ちませんが。わたしのクラスには、レナーテというミラノ出身の、まるで少女漫画の主人公のような可愛い十七歳の女の子がいました。髪が漆黒、黒い眼は完ぺきな大きさと形、長いまつげをパチパチさせて、お化粧もしていないのに、それはそれは美少女。気が良くて、美貌(可愛いだけだから、ヨーロッパでもてるかどうかはわかりませんが)を意識する風もなく、まだあどけない少女といった感じ。彼女には、ドイツ語を上達させる以外にも、ウイーンに来た理由がありました。イギリスだかでウイーン出身の医学生と恋に落ちたのです。レナーテは恋人とそのご両親が住む家に泊って、講座に通ってきていました。あるときレナーテが、同じクラスのポルトガル人とスペイン人の若い女性とともに私も、この彼氏の家に夕食にご招待してくれました。ウイーンというのは、観光客や外国人(当時はトルコ人、イラン人などの学生が多かった)ばかり目だって、本物のウイーン人にはなかなか知り合えません。やっとウイーンの家庭が見られると喜んだ私は、招待をお受けしました。レナーテの彼氏は豊かなお家の出のようで、お家も広く、豪華。レナーテは、まだ十七というのに、もう結婚を考えているようで、トロンとした夢見る目つきで、彼氏のノロケ話ばっかり。こちらはお腹が空いているのに。やっと食堂に案内され、出てきたものは。ズッキーニをラザーニア代りにしたような料理。これは後に、フライブルクの家庭でもよくお目にかかりました。ズッキーニをたてにスライスして、ラザーニアのように並べ、その上に生トマトと牛のひき肉でつくったソース(生トマトをたっぷり使うとおいしい)を塗り、またズッキーニを並べ、ソースを塗り、というのをくりかえし、最後におろしたパルメジャーノ(ドイツではパルメザンと言っています)でおおって、オーブンで焼いたもの。これはこれでとてもおいしかったです。でもね、夕食、これだけだったんですよーん。その後、ドイツで暮らすようになって、この程度で(それでも主菜食のほかに前菜としてサラダとかがある場合は多いですが)みんな楽しくお話しながら夕食をする、という気軽なお呼ばれがふつうにあることを知りましたが、なにしろそのときはまだこちらに来たばかりなので、ちょっと驚きましたね。裕福そうな家庭だっただけに。しかも量も少なくて・・・、遠慮しつつおいしくいただき、キャセロールに最後の一区画が残って(遠慮のかたまり)、レナーテの彼氏のお母さんがお客を見回しました。積極的なスペイン女性が「それ、いただきます」と率直に申し出たので、彼女の手(口)に遠慮のかたまりは消えることに。すると、レナーテは涙を浮かんばかりにして彼氏の肩に手をかけ、「ミ・アモーレ、あなたが食べられなくて可哀想」と言うではないですか!彼氏は一応、お客を呼ぶ側の人なんだから、遠慮するのは当たりまえ、そんなことにも気がつかないほど、レナーテは恋に盲目になっていたのかも。彼氏もレナーテの子どもっぽさには気がついているようで、よく先生が生徒を諭すように、話していたっけ。レナーテがその後どうなったかは知る由もありません。もうずいぶんとおばさんになっているかも。話はズッキーニに戻りますが、ズッキーニとトマトソースはとても相性がよいと思います。そのほかにズッキーニで好きなのは、薄く切ってディルをかけてバターで焼いて、同じくバター焼きした牛肉の薄切り肉とあわせること。これは、フライブルクに来てから、当時学生だった女性が作ったのを食べて、おかわりしたいくらいおいしいと思いました。ディルというのが秘訣みたいです。ナスもそうですが、粉チーズを振ってオーブンで焼くのもいいし、天ぷらもいいですね。もう一つ、ズッキーニを短い千切りのようにしたサラダもおいしいですね、キュウリよりも味があるからでしょうか。夏にはズッキーニを裏ごしして、生クリームといっしょにしてつくった冷やしスープ。これはレストランの前菜などに出てくることがありますが、まだ自分では作ったことがありません。おもしろいのはね。十年以上前、東京の阿佐ヶ谷の路上で珍しくもズッキーニを見かけたのですが、売っていたおじさんが「漬物にして食べるとうまいよー」と言っていたこと。まだ実験していませんが、意外とおいしいかもしれませんね。私のベランダの鉢に、一株だけズッキーニが植わっています。ベビーズッキーニを毎日ながめて、「早く育っておくれ」と念じています。花はひとつだけ食べてしまいました。念が通じてくれるとよいのですが。
2009/06/09
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どうせうまく焼けないから、もう焼くのはやめようと思っていたバゲット。仕事から気をそらせたいという「意識下の願望」が働いて、ついにまた挑んでしまったのが運のつき。今の願いはクープよりも、気泡。いつもそうなってしまう、クラムがムチムチで目のつまったバゲットは飽きた。クープがだめなら、せめて気泡だけでも、ぽっかり開いたバゲットになってほしい。それなら、みなさんがおっしゃるように、水分を増やしてみよう。そういう甘い考えで、300gの粉(フランスのT65しか手に入りません、ドイツでは)に対して水分70パーセント、つまり210gを入れました。いやいやべたつくこと。前に一度、ドイツの550で焼いたときはこれほどまでべたつきませんでした。65は粉自体の水分が多いのかもしれません。どうにかこうにか成形して、今回はバゲット型には入れず(これが失敗の原因)、分厚い布で畝をつくって、粉をはたいて、並べました。ここまではOK.。しっかり膨らんできました。20度ぐらいで一時間余り。オーブンが250度(バゲットを焼くときは、例のスチームコンビオーブンは熱風が強くて焦げるので使わず、19年前からあるビルトインの古典的な大型オーブンを使っています)になったところで、いよいよクープ。新しいかみそりで、入れようとしましたが、引きつるもなにも、生地がやわらかすぎて、切れない。顔と手を引きつらせながら、生地を引きつらせ。クープとは言えない「筋」をやっと入れました。ここまでは、まだオーケー。園芸用の大きなスプレー器で水をオーブンにスプレーし(これは強力、蒸気入れが簡単)、いよいよ細長いスパチェラで生地をオーブン内で予熱した天板に移そうとしました。でも、でも、生地の畝を広げたとたんに、生地がデレーっと横に広がったのです。とっても品の悪いたとえですが、コルセットで無理やり押さえていたお腹のたるみが、コルセットをとったとたんにデレッと広がるのに似ていなくもなくて・・・。おまけに、パンの生地が布の生地にくっついている部分があり、スパチェラにうまく乗ってくれません。もうだめ!かといって手で移すことも、クッキングペーパーに乗せることも無理。クープを入れたことで、生地が一挙に伸びたのです。これは水の入れすぎ?それとも過発酵(一時間だけですが)?どなたか教えてくださいませんか??あきらめかけたけれど、せっかくエネルギー使って熱くしたオーブンがもったいなくて、気をとりなおして、無理やりスパチェラに手でのせて、オーブンにまさに放り込みました。一本目はグニャっと曲がって、L字型に!二本目は、オーブンの端に斜めにすべりこんでいきました。まあ、形はなんにしろ、焼けたことは確か。230度、210度、合わせて25分。できあがったのは、バゲットというよりはチャバッタですな。あまりに恥ずかしいので、さすがに全体像は撮りませんでした。まあ、自分の不器用さはすでに白状しましたから、気取ってもしょうがないけれどね、最低限の慎みはまだあるので。半分に切った状態は下の写真。バゲットがチャバッタになった posted by (C)solar08でも、「怪我の功名」(っていう格言ありましたよね?)今回、はじめて気泡ができたのでーす。でも、この気泡のために払った代償は大きかった!こういう気泡ははじめて posted by (C)solar08味も焼きたてのときは、これまでのバゲットでは最高でしたよ。ということは、水分70%のデレデレ生地は正解なのでしょうか?これだけ水分を入れないと、気泡は開いてくれないっていうこと?いずれにしろ、まさに「焼け食い」で、一本の半分をたいらげてしまいました。バターだけでもおいしくて。そうそう、ネットでおもしろい記事(英語ですが、書いた人、ハンドル名theinversecookさんはドイツ人らしい)に出会いました。http://theinversecook.wordpress.com/2007/08/20/the-salt-yeast-method-and-demi-baguettes/彼女が、ドイツのネットで見つけた方法。イーストと塩を塩の十倍の水と混ぜて、23度以下で4時間から48時間置いてから、粉と混ぜるんだそうです。これを紹介した元のドイツ人(パンが趣味の男性らしい。einervonuns というハンドル名でwww.chefkoch.deでいろいろなパンを紹介しています)は、ドイツの粉で水分72%でつくって、気泡だらけのバゲットをつくったそうです(上の記事の断面の写真はそれの転載)。さらに、別のドイツ人はこれをフランスのT65でつくったら、クラムがキラキラ輝き、やはり気泡が入ったと紹介しています。今度はこの方法に挑戦しようかしら。今回のようなピンチを経験したあとでは、もう何も恐くないわよ。なんでもやっちゃろうじゃないか!
2009/06/05
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ベルリンに住む娘夫婦が今日まで数日、わが家に泊っていました。娘の婿さんは、とてもマメで、家事や料理や御菓子つくりが好きな人。弁護士ではありますが、家事なども妻と半々にやっていきたいとか、主夫になりたいとよく言っておりました。普段の日は、弁護士事務所で昼食をつくり(他の弁護士さんと交代だそうですが)、休みの日には自宅で、毎回凝った料理をつくります。友だちや親戚などをご馳走に招くときの料理担当も彼、クロワッサンなども焼いてしまいます。娘はもっぱら助手役や皿洗いです。で、今回フライブルクでも、彼の姉が開くパーティーにもっていくクスクスサラダ、彼の実家とわが家用には、イチゴのヴァシュランを作ってくれました。クスクスのサラダ posted by (C)solar08このクスクスサラダはクスクスを前もってゆでたり、電子レンジで加熱したりしないところが特徴です。材料のトマト、キュウリ、パプリカ、玉ねぎ、ミントの葉、コリアンダーはすべて、直径2ミリほどに細かく切ります。フードプロセッサーを使わずに、手で細かく切るのです(この方が均一に細かくなるらしい)。こういうときの切り作業は娘も手伝います(↓の写真は彼と彼の姉)。トマトとキュウリは種の部分を除去します。細かく切るBertold posted by (C)solar08これらをたっぷりのレモン汁、オリーブオイル、塩・胡椒で合えて、最低二時間はおき、クスクスにレモン汁をしみこませて、柔らかくするのです。私はクスクスをふつうは電子レンジで加熱し、チュニジアで食べたときのように、ラム入りのシチューのようなものをかけて食べるのですが、このクスクスサラダは、夏、暑くて食欲がわかないときなどに、ぴったりのさわやかな料理。コリアンダーとミントが決定的なポイントだと思います。食べるときに、もう一度、オリーブ油をたらすとおいしくなります。さて、いよいよイチゴのヴァシュラン。メレンゲ製のケーキ型に入った生クリームとイチゴのケーキです。1.まず卵白を一個分につき50gの砂糖とともに泡立てて、しっかりしたメレンゲをつくります。今回は底の直径が20cmの円形のヴァシュランと四角いそれを作ったので、必要な卵白の量は八個分でした。その内の四個分の卵白を固くあわ立ててから、さらに砂糖200gを加えて泡立てます。2.これでできたメレンゲを絞り袋に入れて、クッキングシートの上に、直径18cmの円盤一つと、10x15cmぐらいの長方形に絞りだし、残りのメレンゲで長さ10cm、幅3cmぐらいの平たい棒(シャルロットケーキ用のビスケットのような形)を絞りだします。3.これを120度に予熱したオーブンで60分あまり焼きます。4.残りの卵白4個分はもっと面倒。砂糖200gを溶かしてシロップにしてから、泡立てた卵白に混ぜるのです。5.4が、3でできたパーツをつなげる接着剤の役割を果たします。3の円盤型メレンゲの縁にそって、4をしぼりだします。その上に、均等な間隔(2cmぐらい)を空けて、3の平たい棒を立てます。棒の間に、4をしぼりだして、ケーキの壁が閉じます。下の写真で、あとから絞りだした卵白の部分が白っぽいのでわかります。Vacherin 丸型 posted by (C)solar08vacherin 型 posted by (C)solar08メレンゲが余ったら、飾りを絞り出し、まだ余ったら、クッキーのように絞りだしてもよい。これだけ見ているだけでも疲れます。6.5をまたも120度のオーブンで最低60分は焼きます。これで型のできあがり。7.丸型用のだけでも、生クリーム500g、イチゴ500gが必要です。8.生クリームは砂糖を入れずに泡立てます(台や側面だけのメレンゲだけで十分甘いので)。9.イチゴは形のよいのをいくつかとりのけ、残りは半分か四分の一に切ります。10.台の底に生クリームを少し絞り出してから、切ったイチゴをどっと入れます。11.その上に生クリームを分厚くしぼりだし、表面に模様などをつけます。12.形のよいイチゴを飾り、ミントの葉も飾ってできあがり。イチゴのヴァシェラン posted by (C)solar08このケーキ、円形の一個だけでも砂糖を200g以上も使っているし、生クリームも500gですから、カロリーが高く、実際、かなりおなかがいっぱいになります。でも、イチゴを楽しむ方法としてはおもしろいし、形が目立つためか、お客に出せば、かならぞアッと言われ、たくさんの誉め言葉をもらうそうです。たしかに印象的な姿です。私は昨晩の夕食のあとと、今日のランチのデザートとして、二回食べたのですが、もう当分は糖分はいやだと思えてきました。テーブルの上には、小さなカリカリメレンゲがまだ山盛りなのですが。イチゴと生クリームと混ぜて食べるのは、明日以降ということにします。娘夫婦は今日の午後、ミュンヘン目指して出発していきました。彼らのために久しぶりにアジア食をつくりました。昨晩はトンカツ+ひじきの煮物+みそ汁、今日の昼食は焼きビーフン+鶏のから揚げ。こういう、日常的なカジュアルご飯はどういうわけか、ご馳走よりもたくさん食べられます。娘婿さんは、マメなだけでなく、食欲もものすごくある人なので、作ったものはすべてなくなりました。ケーキもです。
2009/06/02
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