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読みは「くわやまじんじゃ」。奈良時代以前より創建されたと伝わる古社で、紅葉の名所としても知られる神社。「矢田宮」「矢田社」「鍬山大明神」とも呼ばれている。御祭神は鍬山宮に大己貴命(オオナムチノミコト、大国主命)、八幡宮に誉田別尊(ホンダワケノミコト、応神天皇)をそれぞれ祀る。大己貴命は農業・産業、商売繁盛、縁結び、学業、医療の神として、誉田別尊は武運長久、勝運の神として信仰されている。社伝によると亀岡盆地がまだ湖だった頃に、盆地の南端にある黒柄山に大己貴神をはじめとする出雲の神々が降臨され、一艘の樫船に乗って浮田の峡(現保津峡)を鍬で切り開いて開拓し、水を山城国へと流し人々が住める耕地を造ったという。その神徳を称えて出雲の神々を祀ったのが始まりとされている。大己貴神が開拓に使った鍬が山積みになったことからこの名前が付いた。奈良時代以前の709年(和銅2年)の創建と伝えられ、当初は面降山の裏手に鎮座していた。1165年(永万元年)に八幡宮を勧請。1609年(慶長14年)に亀山城主の岡部長盛が現在地に新しい社殿を造営して遷座。1681年(延宝9年)に杉原守親が廃されていた祭礼が再興。同年に神輿が寄進され、以来例大祭(秋季大祭)は亀岡祭(当初は亀山祭)として大いに賑わった。1873年(明治6年)の近代社格制度により郷社に列し、1928年(昭和3年)に府社に昇格し現在に至る。京都の紅葉名所としても知られ、見頃の時期を迎えると赤く染まったモミジと神社の建造物が織りなす景色が素晴らしい。期間限定でライトアップもされている。11月の紅葉が見頃の時期のみ拝観料が必要で、拝観料は大人300円、小学生以下は無料。毎月1日に月次祭、1月1日に歳旦祭、2月3日に節分祭、4月15日に花祭り、5月8日に八ヶ日祭、7月2日に水無月祭、10月20日~25日に秋季大祭、11月に七五三詣と紅葉祭り、12月3日に御火焚祭が行われている。10月に行われる秋季大祭は「亀岡祭」とも呼ばれ、その中の山鉾行事は府登録無形民俗文化財に登録されている。祭りの内容は豪華な装飾で飾られた11基の山鉾が城下町を巡行するもので、その様子から「丹波の祇園祭」とも呼ばれている。石造鳥居。バス停近くにある一の鳥居。1936年(昭和11年)に造営されたもの。参道入り口。真っ赤に染まったモミジがお出迎え。拝観料はここで支払う。見事に赤く染まった参道の紅葉。朱塗りの鳥居。鳥居の朱色と周辺の紅葉が見事に調和していて美しい。手洗の池(手水鉢)。石橋と周辺の紅葉。燃ゆるように鮮やかに色づいたモミジと古社の境内の織り成す景色が綺麗。拝殿。鍬山宮、八幡宮の二宮共用の拝殿。鍬山宮。本殿は府登録有形文化財に登録されている。大己貴命(大国主命)を祀る。本殿は檜皮葺の権現造で、大己貴命の使いであるうさぎの彫刻や装飾が見られる。現在の社殿は1814年(文化11年)に造られたもの。1462年(寛正3年)以来の棟札が現存している。八幡宮。本殿は府登録有形文化財に登録されている。誉田別尊(応神天皇)を祀る。本殿は鍬山宮と同じく檜皮葺の権現造で、1814年(文化11年)に造られたもの。本殿が横並びになっている鍬山宮と八幡宮。正面から見て左にあるのが鍬山宮で、右にあるのが八幡宮。ちなみに両宮の間には小さな池が設けられている。鍬山宮と八幡宮が不仲であるという伝承に基づき、争いが起こらないようにと設けられているんだそう。拝殿と本殿。社務所・授与所。厄除開運、病気平癒、安産祈願、学業成就の各種御守り、御札、鏑矢、神矢などの授与品がある。御朱印もここで。絵馬掛堂。休憩所として利用されている。神輿庫。亀岡祭で使われる山鉾がここに置かれてるんだろうか?池周辺の紅葉。厳島神社(弁財天社)。御祭神は市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)。庭園の池の真ん中に鎮座しており、参拝は池畔にある遥拝所で行う。愛宕神社、天満宮。愛宕神社の御祭神は火産霊神(ホムスビノカミ)、雷神(イカヅチノカミ)、天満宮の御祭神は菅原大神。天満宮は1710年(正徳元年)の勧請により建立。金山神社、樫船神社、高樹神社、日吉神社、熊野神社。稲荷神社。御祭神は倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)。安産石。天岡山トンネルが貫通したときに取れた岩だそうで、道が開ける=産道が開けるという例えから触ると安産のご利益があると伝えられている。百太夫社。御祭神は豊磐間戸命(トヨイワマトノミコト)、櫛磐間戸命(クシイワマトノミコト)、猿田彦命(サルタヒコノミコト)。境内の入り口に鎮座しており、道案内の神、神社の門前での鍬山の大神への取次を行う役目を持っている。↓ランキング参加中。この記事が良いと思った方はクリックしてねにほんブログ村
2025.12.04
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京都府亀岡市 『出雲大神宮①』の続き。楽殿。鎮守の杜入り口。春日社。御祭神は建御霊之男神(タケミカヅチノカミ)、天児屋根命(アマノコヤネノミコト)。社殿や祠でなく磐座が祀られている。いずれも春日大社の御分霊で、これはかつて藤原家一族の一条家が出雲大神宮の領家職で、藤原家の氏神を祀ったことに由来する。古墳。車塚古墳で横穴式石室を持つ。5~6世紀前に造られたものだと言われている。稲荷社。御祭神は宇伽之御魂神(ウカノミタマノカミ)。多くの神社に摂末社として鎮座するお稲荷さん。五穀豊穣、商売繁昌、家内安全の御神徳がある。御蔭の滝。竜神乃神を祀る。稲荷社のすぐ隣を流れ落ちている。上の社。御祭神は素戔嗚尊(スサノオノミコト)、櫛稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)。素戔嗚尊は大国主神の祖先にあたる。厄災解除、夫婦和合、国家安泰の御神徳がある。社殿は1813年(文化10年)の建立で、一間社流造で前室を持つ珍しい構造となっている。御蔭山入り口。御蔭山には国常立尊が祀られていると古来から伝えられていて、山も禁足地となっているがここから磐座があるところまでは行けるようになっている。ただし神域とされている為、参拝には社務所で受付を行い、たすきを掛けて入山しなければならない。写真撮影も禁止されている。笑殿社。御祭神は事代主命(コトシロヌシノミコト)、少那毘古名命(スクナヒコナノミコト)。事代主命は大国主神の御子神にあたり、少那毘古名命は大国主神と共に国造りを行い薬、酒、温泉を作り病気の治療法を伝えた神として知られる。商売繁昌、知恵発達、漁業守護、病気平癒の御神徳がある。崇神天皇社。御祭神は崇神天皇。第十代天皇崇神天皇は御真木入日子印恵命(ミマキイリヒコイニエノミコト)とも呼ばれ、国家と神社の制度を整え、大和朝廷の基盤を確立されたと伝わる。また、出雲大神宮は崇神天皇により再興されたという社伝が伝わっている。国家安泰、産業守護の御神徳がある。弁財天社。御祭神は市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)。神池に鎮座している。芸能守護、女性守護、美容守護、財運守護の御神徳がある。参集殿。結婚式や地域の行事などに使われている。西の鳥居。朱塗りの大鳥居。地蔵社。荒神の社。祖霊社。出雲大神宮の歴代神職、役員、総代氏子、特別崇敬者の物故者を顕彰し祀っている。境内外に鎮座。3月と9月に祖霊社祭が行われている。黒太夫社。御祭神は大山祇神(オオヤマヅミノカミ)、猿田毘古命(サルタヒコノミコト)。出雲大神宮氏子地域の氏神を祀り、本殿へ参る前に、この黒太夫社に参拝するのが正しい参拝の順番とされているそう。家内安全、交通安全、農林業守護の御神徳がある。本殿右手に見えるイチョウの巨樹。枝いっぱいに付いた葉は綺麗に黄葉しており、陽が当たり黄金に輝いて見えた。参集殿周辺の燃ゆるように色づいたモミジ。↓ランキング参加中。この記事が良いと思った方はクリックしてねにほんブログ村
2025.12.03
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亀岡盆地の東部にそびえる御蔭山の山麓に鎮座する、丹波国一宮の神社。別称は「元出雲」「千年宮」。本殿と木造男神坐像2駆が国指定重要文化財に指定されている。主祭神は大国主神(オオクニヌシノカミ)、三穂津姫尊(ミホツヒメノミコト)。配祀神に天津彦根命(アマツヒコネノミコト)、天夷鳥命(アマノヒナトリノミコト)を祀る。三穂津姫尊は大国主神の后神で、二柱の神を合わせて出雲大神と号する。長寿、縁結び、金運の御神徳がある。創建の年代は不明。社伝によると、709年(和銅2年)に社殿が建立されたとある。古事記と日本書紀には国譲りの記述があるが、丹波国は出雲・大和の両勢力に接点があり、国譲りの由縁によって祀られたとされている。また、出雲大社はこの出雲大神宮から勧請がされたとも言われており、「元出雲」の別称もここからきている。古くから御蔭山を御神体として信仰していたという歴史があり、国常立尊(クニノトコタチノミコト)が鎮まる聖地と伝えられ現在も禁足の地となっている。平安時代の歴史書「日本記略」の818年(弘仁8年)の条には"丹波国桑田郡出雲社、名神に預る"という記述があり、この時代で既に有力な神社になっていたことが分かっている。1025年(万寿2年)に日照りが続いて耕地が枯れた際には雨乞いを祈祷し雨を降らせて丹波国を救い、1292年(正応5年)に神階が最高位である正一位まで昇進した。この間に丹波国一宮となっている。鎌倉時代末期もしくは足利尊氏の手により1345年(貞和元年)に現在の社殿が建立された。1871年(明治4年)の近代社格制度で国幣中社に列した。戦後に社名を「出雲大神宮」に改称し現在に至る。毎月1日に月次祭(1月は除く)、15日に大国祭、25日に國祖祭が行われている。1月に歳旦祭と粥占祭、2月に節分祭、紀元祭、祈念祭、3月に春季祖霊社祭、4月に鎮花祭、5月に御田祭、6月に夏越大祓式、8月に秋祭(法会)、9月に秋季祖霊社祭、10月に例大祭、11月に七五三詣と新嘗祭、12月に師走大祓式と除夜祭が行われている。4月に行われる鎮花祭は平安時代より続く、病気平癒と雨乞いを祈念する神事で、府登録無形民俗文化財に登録されている出雲風流花踊が奉納される。千年宮鳥居。石造の正面鳥居。社名石碑。"丹波國一之宮 出雲大神宮"と記されている。さざれ石。神社ではお馴染みの、国歌「君が代」に詠われているさざれ石。社号標石碑。"国幣中社 出雲神社"と記されている。しあわせ、なでうさぎ。因幡の白兎の神話から、うさぎは大国主神の使いとして知られている。飛び跳ねることから運気が上がると言われ、撫でると幸せが訪れると伝えられている。一之鳥居。手水舎。拝殿。入母屋造妻入の檜皮葺。1878年(明治11年)に造営されたもの。舞殿形式となっており、4月の鎮花祭や10月の例大祭ではここで舞が奉納されている。本殿。国指定重要文化財に指定されている。三間社流造の檜皮葺で朱塗り。中門、前室を設けている。社殿の建立は709年(和銅2年)と伝えられる。現在の本殿は鎌倉時代末期もしくは1345年(貞和元年)に足利尊氏によって改修されたもの。丘の上から見ると赤く染まったモミジの葉が屋根にかかるように写り、見事な秋景色となっていた。神饌所。招霊木。この地には2010年(平成22年)まで樹齢1500年以上と推測されるオガタマノキの巨樹があり、2012年(平成24年)にその子孫である苗木が植樹された。オガタマノキは神事にも古くから使われていた神社と関わりの深い樹木で、参拝者に神徳を与える神宿る木として崇められている。社務所・授与所。授与品に三大御神徳守、勝運守りなどの御守りや御朱印帳、御朱印帳入れがある。御祈祷の受付もここで行われる。休憩所が併設している。夫婦岩。授与品の中の縁結びの御守りには赤い糸が付いており、御守りは大事に持ち、赤い糸をこの夫婦岩に結ぶと良縁に結ばれると言われている。大国恵比寿舎。社殿創建千三百五年を記念して祀られた伝統工芸信楽の2像。真名井のいずみ。古来より流れ続けていると伝えられる湧水で、出雲大神の恵みであり御神水として崇められている。マグマの接触変成岩から湧き出ている水で、京都府で湧く水の多くは軟水であるのに対し、ここで湧いている水は硬水だという。健康的で良い水質を持ち、連日多くの人が水汲みに訪れている。うさぎの像。境内の至る所で見られる、可愛らしいうさぎの像。写真の像は真名井のいずみで見つけたもの。社殿創建千二百年記念石碑。神饌田。11月に行われる新嘗祭で奉納される神饌の米を育てている田んぼ。5月に御田祭、9月に抜穂祭がここで行われている。御田祭は長きにわたって休止されていたが、2012年(平成24年)に84年ぶりに復活を果たしている。京都府亀岡市 『出雲大神宮②』へ続く↓ランキング参加中。この記事が良いと思った方はクリックしてねにほんブログ村
2025.12.02
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