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えー、昨日はデジタルデータのバックアップについて、「簡単で安全に保存するメディアは存在しない」という話をいたしました。それではいったいどのようにしたらよいのか、実践編です。
フィルムという形が存在するメディアと違い、デジタル写真はよくわからない「データ」という信号列によって形成されているため、そのバックアップは実に困難を極めます。もちろん「プリントを残す」というのはひとつの方法ですが、そのプリントはアーカイバル性が高いかどうかが最初の問題であり、複製を作ろうとした時には、結局データが必要になるというジレンマがあります。やはりデータはきちんとした形で残すべきでしょう。
銀治の場合、デジタルデータを大きく2つに意味付けしています。ひとつは「アクティブ」として、現在進行形で利用する、あるいは、自分なりの期限を決めて常に使うコンピュータへ残しておく、というもの。もうひとつは「アーカイブ」としてそのデータの使用が一旦終わった時点で「アクティブ」コンピュータから取り除き、別の方法で保存を行う、というものです。
結論から先に言うとデータのバックアップ方法は、 「異なるメディアを利用して保存し、かつ複数箇所とする」
ということが大事だと考えています。
それでは、実際のワークフローを発表します。ただし、自分で言うのもなんですが、この方法が完璧ではありませんし、もう少しリスクを取り去る方法を取った方がいいとは思っています。
1.デジタルカメラでの撮影が終了する
2.静電気除去をしつつ、コンパクトフラッシュ(その他メディア)をカメラから取り出し、サーバ扱いのアーカイブコンピュータ(Windows)のHDD(Fドライブ)へデータを移す
3.現像アプリケーション(DPPやPhotoshopやLightRoom)でHDDのデータをサムネイル表示させて、無作為にいくつかを開いてみる
4.できるだけ現像処理や画像処理が終わるまで、CFカードの消去は行わない
5.現像処理が終わったら、アクティブコンピュータ(Mac)のHDDへ処理するべきデータを転送コピーし(イーサネット)、それを使って画像処理をする。
6.アーカイブコンピュータの別のHDD(Gドライブ)へ画像処理が終わったデータを再度転送コピーし、プリント処理をする
7.保存期限が来た段階で、DVD焼き用HDDへアーカイブコンピュータのFとGドライブからデータを転送コピーする(IEEEケーブル)
8.DVD焼き用HDDをDVD焼き用コンピュータでファイル別に焼く(Macノートと外付けDVD)
9.焼き上がったDVDをアーカイブコンピュータのDVDドライブへ入れて、無作為にデータを開いて再度問題が無いか確認する(DVDバックアップその1)
10.この時点で未処理あるいは処理済みデータは、全く別のHDDとコンピュータとDVDの4箇所となる。しかしこのままだと処理済みデータがHDDの容量を圧迫するので、再度別の期限の時にデータの移動ならび消去をしなければならない
11.リムーバルタイプの外付けHDDへアーカイブコンピュータから、あるいは、DVD焼き用HDDの中にあるデータを更に転送コピーする(これ以上動かさないバックアップHDDデータとする)
12.これまでのデータとは、画像処理したデータはもちろん使わなかったボツRAWデータも一緒のフォルダで管理しながら移動している
13.アーカイブコンピュータのGドライブにある画像処理した最も必要な画像データが4.3GB程度になったら、それをまとめてさらにDVDへ焼く(DVDバックアップその2)
14.その2DVDもチェックした段階で、いよいよ最終決断として、アクティブとアーカイブの中にあるデータを消去する(めちゃめちゃドキドキする)
15.現時点ではまだ期限が来ないのでほとんどやっていないが、5年たったらバックアップDVDその1を別のメディアへコピーする予定(過去はCD-RをまとめてDVD-Rへ焼き直した経験あり。恐らく次回はブルーレイディスクなどになることであろう)
という感じでバックアップをしています。
簡単に言うと、DVD2枚とHDD1箇所の都合3カ所へ保存しています。面倒ですが、これが現時点で考えられるかつ自分でできる最良だと思ってやっています。複数台のコンピュータを使っているのも、結局新しいマシンを購入するとお古が出る訳で、その余生をどのように活用しようか考えた末にやっている方法とも言えます。
この手順で穴が空いているリスク箇所をあげます。できればデジカメから直接ケーブルでアーカイブコンピュータへデータを移動したいんですが、それをやるとカメラを使う時間が来た時にコピー中だと話にならないから、やり切れません。本来サーバ役目としたいアーカイブコンピュータですが、現在の使い方として準アクティブコンピュータなので、次回新規Windowsマシンを作ったときには専用サーバ型にするつもりです。もっと言えば、そのアーカイブコンピュータには安全を考えてレイドシステムにするべきなんでしょうが、構築するのにお金がかかるので、アーカイブコンピュータ内の別HDDを疑似レイドシステム代わりにしていることかな。これもいずれはやりたいですね。
さて、このままだと「本職さんは違うね」になってしまって、役立たず情報となりそうなので、応用編おば。
できれば、サーバ的扱いをするコンピュータを用意したほうが良いです。ぶっちゃけ新しいのを購入した後から初めてもよいと思います。
その2台でやるパターン
1.撮影データをサーバのHDDへ保存
2.処理用最新パソコンへネットワークなどを使ってデータを持って来て処理。あるいは、再度CFからコピーして処理
3.プリントなど終わって一息つきそうになったら、CD-RやDVD-Rへ焼く。ただし、サーバと処理用を別々に扱って2枚焼くことがベスト
4.決心固めパソコン内のデータを消す
パソコン1台でやるパターン
1.外付けハードディスクを2台用意する。パソコン→HDD1→HDD2と設定するが、通常HDD2の電源はいれない
2.新しい撮影データは、パソコンのHDDヘ保存し、もう一度直接HDD1へバックアップをする
3.処理するときはパソコン内のデータをいぢる
4.画像処理等が一旦終わったら、HDD1へパソコン内の差分データをコピーする
5.この段階でパソコン内データをDVD-Rへ焼き出すと良い
6.2週間に1度とかの期限を決めて、HDD1からHDD2へごそっとコピーする
7.決心固めパソコン内のデータを消す
以上の具合に2重ないしは3重に、メディアを変更した上でバックアップを取ることをお勧めします。というよりも、このぐらいやらないと安心できないのがデジタルデータだと思っています。
一般的に「デジタルは簡単便利で良い」と言われるケースがありますが、銀治は「自分の分身であるデータをしっかりと残すには莫大なエネルギーが必要で、それを簡単だとは思わない」と考えています。もっと言えば、 「一時的に消費するためのデジタルデータ的写真なんて考えたくない」
と信じています。
大切な写真ですから。
バックアップ方法は、参考になったでしょうか?
追伸:あるふぁさんとエンゾ~さんへ
パンチカードは正直笑いました。
んで、馬鹿正直に計算してみました。
EOS 5Dクラスの画素数があるTFIIデータは、約36MBあります。これはバイト数で書くと、36000000バイトですね。半角英数文字を表現できる1バイトは8ビットの「0と1」です。つまり36MBとは288000000ビット情報になります。
1センチ幅の紙テープを使い、1センチ×1センチの正方形に穴があるないで36MBをパンチングすると、2800キロメートルの紙が必要ですね。んー。日本列島縦断ぐらいかな?(爆)
ちなみに文字数にすると、日本語は2バイト表現なので、36000000を2で割ると、1800万字で表現できます。これは400字詰め原稿用紙4万5千枚にあたります。多くの文学賞の応募規定が400字詰め原稿用紙300枚から1000枚なので、実に全50刊の超長編物語にあたります。
もういっちょ書くと、今日の記事がおよそ半角で7600文字数らしいです。
写真データって凄いですね(笑)
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