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原石だけでなく、天然石のアクセサリーも買います。その中で一番数が少ないのは、指輪。石好きが買うアクセサリーですから、やはり石が大きめ。……となると、けっこう邪魔(←本末転倒)。それに、指が太いのでたいていサイズが合いません。ミネラルショーでやってくる海外ショップだと、けっこうサイズがあったりします。しかし、海外ものはデザインが大胆というか……ごつくて邪魔。ペンダントなどは、大ぶりなものが好きなんですけどね~。でも、買ってしまうときがあります。そんな一つが今回の写真。ものは、デンドリチック・アゲート。ルース(のようなもの)はいくつかもっているんですが、これは、ルースとして見かけるものよりも「黒っぽい」ところがポイント。身につけると言うより、観賞用かも。メルリナイトという(商品名の)石があります。正体不明だったのですが、これが、石英とサイロメレーン(硬マンガン鉱)からなる石であることがわかりました。デンドライト(デンドリチック・アゲートの黒い樹枝模様の部分)は、二酸化マンガンです。つまり、石英+マンガンというところではよく似ています。(サイロメレーンも二酸化マンガン鉱物……らしい)実際、デンドリチックアゲートとそっくりなタンブルが「メルリナイト」として売られているのを見たことがあります。海外サイトでは、「デンドリチックオパールのことである」と書いてあるサイトもあります。※デンドリチック・オパールとアゲートは混ざっていて、ある部分がオパール、ある部分がアゲートになっているようです)一方で、「似ているけれど違う」としているところもあります。さらに調べていたら、Heven & Earth社の説明で、最高の標本は、アメリカ・ニューメキシコ州で見つかる、ドルージー状に結晶したものだとされていました。デンドリチック・アゲート(オパール)は、インド産のようなので、産地は大きく違います。(ネットではメキシコ産もあり)……が、メルリナイトは、「ニューメキシコ州で見つける白い石英とサイロメレーンの組み合わせの石のことである」というように、産地が規定されていないのですが、この場合は、アメリカとインドという産地の違いをどう見るべきか。産地が違う似た石が一つの名前(商品名)で呼ばれている例はたくさんあります。鉱物名ならば、産地が違っても同じ鉱物であれば当たり前ですが、商品名の場合は、産地が関わってくる場合が多いのです。たとえば、「ヒマラヤ水晶」は世界各地に水晶は多くてもヒマラヤ山脈の範囲内で採れた水晶のみを指します。いくらそっくりでもブラジル産をヒマラヤ水晶と呼んだら、それは変です。レムリアンシードにも産地の条件がありますし、インド産が堂々と売られているスーパーセブンも、個人的には「ブラジルのエスピリト・サントでのみ採れる」という条件は有効だと思っています。(※ただし、ミナスジェライス産のも本家に渡ってスーパーセブンとして売られている(いた?)そうなので、状況的にミナスジェライス産も含むと思います)ヒマラヤ水晶はそのまま「地名」ですが、レムリアンシードやスーパーセブンは名付け親であるヒーラーの説明が元になります。……が、メルリナイトの名付け親って誰でしょう?メルリナイト、いや、マーリナイトと発音すべき、魔法使いマーリンの名を意味するこの石は、ヒーリング系のネーミングであるように思われます。となれば、ヒーラーが関わっていて、名付け親直々の説明を見つけることができれば、もっとはっきりすると思うのですが。とりあえず、調べた範囲ではマーリナイト(メルリナイト)には産地の条件はないようです。だったら、今回の写真の石もマーリナイトの資格あり?個人的には、黒と白のバランスを見て、言うに言われぬ迫力がある石こそ、「マーリナイト」と呼びたいところです。
2008/04/30
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2008/04/29
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見覚えありませんか、この石。そうです、「石好きさんLINK」のバナーに使っているのがこの石。中国産で、大きさは1センチちょっとのDT(両錐)。一時期、「ハーキマー」の名前で売られていたことがある、おそらくは四川省産の水晶です。小粒で、DT(両錐)で……と、ここまでは似ているのですが、比較的柱面が短い本家ハーキマーに比べて、四川省産はちょっと長めで、表面の照りも、本家には及びません。こちらが本家ハーキマーこちらが四川省産このように、ちょっと見慣れれば、どっちがどっちだと迷うこともないですが、ハーキマーがアメリカ・ニューヨーク州のハーキマーを指すのだという基本情報がしっかり頭にたたき込まれていない初心者時代には、ハーキマーと言われるだけで、そうかこれかと思いこみます。実は、「ハーキマーだよ」といわれて、しばらくそうだと思いこんでいましたね~。幸いなことに、お値段は中国産相場でしたけど。たくさんあった中から選んだ決め手は、小さな水晶の、さらに小さな錐面に見えた「何か」。肉眼では小さすぎて「何かがある」「くっついてる?」くらいしかわかりません。デジカメ1号にルーペを密着させて、せいいっぱいのマクロ写真で写したのが、リンクのバナーに使った写真。今回の写真はデジカメ2号に、マクロコンバージョンレンズを付けました。デジカメと別売りレンズの力を借りて、やっとわかった錐面の「何か」は、何かがくっついているのではなくて、何かが……おそらく別の結晶が……はずれた痕でした。クリスタル用語では、これを「キー・クリスタル」と呼ぶようです。結晶が鍵なのではなくて、「鍵穴を備えた水晶」というようなイメージの名前のようです。個人的わがまま規定を加えさせてもらえば、結晶がはずれた痕なら何でもいいのではなくて、ある程度形が整いった「鍵穴」に見えるもの。結晶表面に唐突に穿たれた、秘密の鍵穴……そんな風に見えるもの。キー・クリスタルを説明すれば、単に「結晶表面に他の結晶がはずれた痕である、六角形や三角形のへこみを持つもの」となりますが、「秘められた情報へのアクセスを可能にする」……という、そんな意味を込められた名前ならば、数ある結晶がはずれた痕を持つ水晶の中から、「これならば」と厳密に選ばれた水晶でなければならない、そのように考えてもおかしくないと思います。「カテドラル」「イシス」「ソウルメイト」……水晶の形状や、面の形にはいろいろな名前が付けられ、その名前には思わず心惹かれるイメージが秘められています。しかし、その名前は、元がイメージに根ざすだけにどこか曖昧で、それが災いして、商業ベースでは名前がルーズに用いられ、元のイメージ、その名前が意図する意味とはかけ離れたものになってしまっている場合が多く見受けられます。買う側にとってはありがたくないですが、見方を変えれば、名前の曖昧さは、一人一人が石を見て選ぶ自由度であるのではないでしょうか。売る側がいい加減に名前を付けて、勝手に付加価値をつり上げるのを良しとするわけではありません。しかし、名前を付けたヒーラーが認めたものだけが本物だヒーラーが認めたものだけにその名前を付けろ……という意見にも、賛成しかねます。ロシアンレムリアンのように、ロット番号を示したシールを貼って本物を主張する石よりは、自分で見て、自分の基準で「これならば」と選ぶ自由がある石が欲しい。この方法だと、私にとって「カテドラル」でも、別の人は「これはカテドラルではない」というズレが生じる可能性はあります。でも、それはそれでいいのだと思います。私は、パワーストーン的な意味は重要視しませんが、「カテドラル」が「大聖堂のように見える水晶」で、「叡智を秘めている」というのなら、「カテドラルとラベルが付いているからカテドラルなんだ」と考えるのではなく、石を見て、「これは大聖堂に見える」と感じて、選んでこそ、その叡智は開かれると言えるのではないでしょうか。(理解できるかどうかはわかりませんが)
2008/04/28
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毎度おなじみ(?)「スーパーセブン」です。産地はブラジル・ミナスジェライス。スーパーセブンの説明を読むと、産地は「エスピリト・サント州」ということになってますが、ミナスジェライス州のいくつかの産地のも本家に渡ってスーパーセブンとして売られているそうです。なので、状況的にはこれもスーパーセブンの仲間入り……?……とはいえ、有名な七つの条件は満たしておりません。水晶の色はほとんど透明、わずかにアメジストの色合いが混じっています。内包物は肉眼で見る限り、おそらくゲーサイトのみ。七分の三では、ちょっと少なすぎるかもしれませんが、内包物の「量」はたっぷり。スーパーセブンでも「インクルージョン・クォーツ」でも良いのですが、この……の石は、塊状で産出するか、結晶形でも表面が凸凹していたり、スモーキーがかっていたり、磨りガラス状だったりで内部がきれいに見えないものがほどんどであるため、勢い、カットされたり磨かれたり加工されるものが多くなります。この石も、元は結晶形であったようですが、(写真上縁は結晶面)カットするために割ったひとかけらです。まだ全く磨いていないので、割った破断面から内部が見えます。かなり個性的な水晶なので、このようすを「美しい」と考える人と、「きれいじゃない」と思う人と、多分両方いらっしゃると思います。もちろん、私は「美しい」「おもしろい」と考えるタイプ。一見地味に見えるのに光に透かすと化ける、そのギャップがツボです。黒っぽく見えていたゲーサイトが、光に透かすと深紅に輝き、割っただけの凸凹面越しに揺らめいて見える様は、インクルージョン好きにはたまりません。写真の石は、水晶の結晶を輪切りにして、さらにその一片を半分にした……という感じになります。写真上部が結晶の表面側、下部が結晶の中心側です。そうしてみると、このたっぷり内包されたゲーサイトは、結晶の中心から外側に向かって、放射状に内包されていることがわかります。内包物でも、ルチルの場合は明らかに、ルチルの方が先に結晶して、あとから水晶がルチルを飲み込むように結晶していったのだと思いますが、ゲーサイトの場合は、水晶が結晶すると同時に、水晶の成長と競い合うようにして結晶していったのではないでしょうか。そう考えないと、結晶の中心から放射状に内包されている仕組みが説明できません。また、今回の石は、比較的ゲーサイトがまんべんなく石全体に内包されていますが、こちらのように、内包物の密度にばらつきがある場合もあります。すると、小さくカットして磨いた場合、当然、一つのルース、一粒のビーズにどれくらい内包物が入っているかは違ってきます。中には、元の石(結晶全体)の状態から、内包物が少なかっただろう、内包の具合がスーパーセブンの産地のものと違っているだろうというものも多いです。ビーズやルース一粒では、なかなか区別が付きませんが、結晶や全体の内包具合がわかる石を見ておくと、何となく区別できるようになります。二番目の写真の石は、途中から内包物がなくなり、透明な水晶として成長しています。それほど劇的に成長の環境が違ってしまったのでしょうか。また、この石が、こういうかけらではなくて、結晶の形を残していたら、内部に放射状のゲーサイトの内包を持つ透明水晶になっていたわけで……そういう水晶、見たいかも……。どうか、片っ端から割って磨いてしまうのではなく、結晶の形を残したものは、そのままで流通して欲しい……。
2008/04/27
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トルマリン付き水晶です。産地はアフガニスタン、多分クナル。複雑に凸凹して、ちょっと翼を思わせる形の水晶の上に、緑のトルマリンがちりばめられています。トルマリンの色を取るか、水晶の形状を写すかの選択を迫られて、今回は色味にフォーカス。水晶の、白濁して磨りガラスっぽいようすが、思ったよりも写しにくく、光の暗射で形を浮かび上がらせようとすると、トルマリンがきれいに見えなくなってしまうのです。この白っぽい水晶とトルマリンのコンビネーションは、クナルの特徴だと思います。水晶とトルマリンの組み合わせ、水晶がちょっと白濁気味……というのは、そんなに珍しいものでもなくて、ブラジルあたりにもありそうじゃないかと思われるかもしれません。たぶん、あるでしょう。しかし、水晶の白濁具合、トルマリンの色合いなど、言葉では言い表せない微妙なニュアンスがあって、その言葉未満の表情が、実物を見たときに「あの産地」と思わせるのです。たとえば、「大事なものはしっかりと」とか、大根石とか、もう一つ写真でこんな石↓とか。「こんな感じ」が何となくおわかりいただけるでしょうか。ちょっと抑えめの水晶の表情に、つややかでみずみずしいトルマリンの緑が映えて、「トルマリンはハマると怖い」と思いつつ、ついつい手が伸びてしまいます。小さくて、小さくてもきれいな石ある産地だったことが、私としてはラッキーです。もちろん、大ぶりな石もあるにはあるのですが、そこはそれ、トルマリンは宝石鉱物。水晶に比べると大きさに対するお値段の上昇具合が急角度なのです、おそろしや。
2008/04/26
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ヒマラヤ水晶です。ガネーシュ・ヒマール産の緑泥たっぷりとんがり水晶。最近話題にした緑泥入りどろどろゼリー状熱水の中で育ったのではないかと思われる水晶です。先細りの針のような結晶が縦横無尽に「かきあげ」状に絡み合っている個性派水晶ですが、その中でもさらに個性派。……曲がってます。残念ながら、あちこちぼきぼき折れていて、ダメージ最大級。そのかわり、唯一残ったメインのポイントが、曲がってます。緑泥たっぷりとんがりで曲がっていると言えばや、やのようなものがあります。これらと比べてみれば、曲がっているけれどそんなに変でもないような?……お待ちください。もう一度、写真をじっくりご覧ください。写真だと少々わかりにくいのですが……。ねじれているんです。とんがり結晶の先天をつまんでちょいとねじった、そんな感じ。ただ曲がっているのではなくて、ねじれている、そこがポイントです。「実は生きてるでしょ」「知らないうちに動いてるでしょ」思わずそういいたくなります。
2008/04/25
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別館サイトのKuro's Hand-madeにシード・ブレスとオクタゴナル・ポーチ(石ポーチ)をアップしました。
2008/04/24
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やっとつくりました!”リアル”ガーデニング・くぉーつ君。中に入っているのは、角閃石でもアクチノライトでもルチルでもなくてエアープランツ。なので、「ガーデン・クォーツ」ではなくて、「ガーデニング・くぉーつ君」。100円ショップに行きましたらば、エアプランツが入荷していて、その中の一つに、「これは、くぉーつ君の中身にいいぞ」とインスピレーション。エアプランツに合わせて作りました。写真のようにお座りさせてもいいし、ぶら下げてもいいかも。エアプランツですからぶら下げても平気です。水分補給に霧吹きで水をかけても、被覆針金なので問題なし。本当は底面開閉式にしたかったんですが、できなかったので、中に閉じこめ式。そのため、形がちょっとゆがみぎみ。まあ、これもくぉーつ君らしいということで。
2008/04/23
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久しぶりに、国産水晶です。産地は大分県尾平鉱山。尾平といえば、まりも水晶が有名ですが、こういうタイプも出るんですねー。国産水晶も、機会があれば手に入れようとしていますが、なかなか手が届くところになくて、どこでどんな感じのものが出るか、頭に入っておりません。さて、写真の石ですが、芯が白っぽく先端が透明な細い結晶がごちゃごちゃ縦横無尽……これは、いわゆる「かき揚げ・クラスター」ガネーシュ・ヒマール産のが抹茶風味あるいは青のり風味なら、こちらはプレーン。強いて言うなら白魚の天ぷら……。先端の透明度は高く、照りもいいのに、どことなく柔らかな雰囲気がある水晶です。聞くところによると、晶洞の中が熱水ならぬ熱粘土に満たされ、浮いた状態で結晶すると、こんな感じに結晶があっちこっちを向いた「いがぐり」状になるのだとか。先日「どろどろゼリー状」の中で結晶すると……という話をしましたが、どろどろゼリーの正体は、実はどろどろ粘土?ゼリーよりは、なるほどありそうな感じですが、一つだけ疑問。ガネーシュヒマール産の緑泥ぎっしりかきあげ水晶も、おそらく似たような環境で結晶したのだと思います。見れば見るほど似ています。こちらの場合は、言うまでもなくどろどろゼリー改めどろどろ粘土の中にたっぷりと緑泥が入っていたので、こんなに緑になったのでしょう。所々折れた結晶の断面を見ると、中まで緑なので、結晶した後に表面に緑泥がついたのではないことがわかります。対して尾平のほうは、緑ではないからには、緑泥はなかったようです。緑泥はないけれど、粘土というなら粘土の微粒子がたっぷりあったはず。そういう微粒子がたっぷり入っているからこそ「粘土」であるはずです。ならば、なぜ、水晶の中に粘土が入っていないのか。緑泥で緑ならぬ、泥で茶色、ベージュ色になっていてもいいのでは?海水が凍る時、海水中の塩分は凍らずに水分のみが凍るのだそうですが、水晶も同じように結晶の成長速度が比較的早い場合には、不純物が結晶に取り込まれることはないのかもしれません。ファントムも、ファントムの層と層の間(おそらく成長速度早かったとき)は、不純物が見られず、透明です。しかし、泥水の中で水晶が結晶するときには泥の粒子は入り込まないと言うのなら、なぜ、緑泥は入り込むのかが不思議。もしかして、緑泥はあのもこもこの苔状態で「結晶」していて、あるいは、細かな結晶が集まって苔状・スポンジ状になっていて、その間に染みこむように水晶が結晶したのか。「かきあげ」の謎も奥が深い……。
2008/04/22
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素直に「きれい」で選んだトルマリン。産地はアフガニスタンだと思うけれど、もしかしたらパキスタン。母岩付きがいいよね、結晶はやっぱり頭付き(先端無傷)でしょう。……などといろいろ理屈を付けては見たものの、やっぱり決め手はこの色合い。トルマリン部分は5ミリほどしかなくても、この輝くアップルグリーン!さすが、宝石鉱物。真っ白な母岩と、輝く色合いを写したくて、慎重に光を当てて、トルマリンを母岩ごと透かして輝かせてみました。この方法は、見た目以上にきれいにバケるのですが、画像を加工しているわけではないので、石そのものの表情でもあります。さて……。我が家の鉱物数分布は、2006年前半まではダントツ1位水晶、2位フローライト、3位ガーネット……だったと思うんですが、アフガニスタン・パキスタンの局地的ブームにより、今や順位不明。1位水晶は不動ですが、トルマリン、アクアマリンの猛追が順位を変動させているはず。はまったら怖い、と言いながら、ひたひたと勢力拡大のトルマリンか。何だ、やっぱりいいじゃない? と趣旨撤回により爆発状態のアクアマリンか。はたまたそれでもしぶとくフローライトが2位を守っているのか。確かめるのが一番怖い……。
2008/04/21
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インド産ヒマラヤ水晶です。水晶の柱面には鉱物的には「成長線」、パワーストーンやクリスタルヒーリングの分野ではバーコード、水晶がレムシアンシードであればレムリアン・リッジと呼ばれる横筋が見られます。ほとんど目立たないものもありますが、水晶の柱面に見えるのは横筋。これが横でなければ「水晶ではないかも?」という手がかりになります。(ひとつだけ、横筋ではないのがあるんですが……)とにかく、水晶は横筋。それでもこのように丸っこくぼこぼこしているのはなかなか見かけません。似ているのは……というよりおそらく同じ産地であろうと思われるのがこちら。今回の方が単結晶(4センチほど)なので、表面の凸凹具合がよくわかります。ふつう、横筋(成長線)がはっきりしている場合は、成長線の凹凸が大きいだけでなくエッジがはっきりしていますが、こちらは凹凸は大きいもののちょっと溶けたように丸みを帯びています。溶けているように……実は、この水晶、アイスクリスタルらしいのです。少なくとも、アイスクリスタルと同じ場所に並んでいました。アイスクリスタルは、でまわった当初は、なんとか長柱状の結晶がわかるけれど表面はしっかり溶けた大型のものでした。次に溶けすぎて破片状になったものや、小型のものが、次に溶けているけれど先端のとんがりが残っているものやクラスターが現れました。さては、ほとんど溶けていないパターンが現れたのでしょうか。この丸っこいぼこぼこタイプで大型のものをまだ見ていないので、判断はまだちょっと保留にしておきますが。もしかしたら。水晶が溶けたときの表情は、水晶の結晶の「くせ」に左右されるといいます。溶けていてもトライゴーニック(▽)が出るものとでないものがあるのは、結晶の「くせ」によるものだというのです。今回の水晶がアイスクリスタルの、あまり溶けていないバージョンだったとしたら、全く溶けていない状態では、レムリアンシードのようにかなり横筋がはっきりした水晶だったと思われます。……もしかしたら、レムリアンシードも、触像を受けたら(溶けたら)案外アイスクリスタルそっくりになったりするかもしれません。表面がうっすらピンクのところも似ているし。
2008/04/20
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ヒマラヤ水晶です。ガネーシュ・ヒマール産です。形も、緑泥もなしの透明なようすも、一見そうは見えませんが、ブラジル産ではありません。表面の無数の傷痕は、何か別の鉱物が付着していた痕のようです。他にもいくつか同じような石があったので、これ一つが特別なのではありません。カルサイトなどによって成長を阻害され、切り刻まれたように見える水晶は、インターフェレンス(グロース・インターフェアレンス)と呼ばれることがありますが、これは、そこまで深い痕跡ではありません。ブラジル石を扱う石屋さんに、このような「傷痕」を持つ水晶を「サクリフィシオ」というのだと教えていただきました。サクリフィシオはポルトガル語。英語で言えば「サクリファイス」です。サクリファイスは「犠牲」の意味ですが、どうやらキリストが磔にされたときの傷、「聖痕」をイメージして付けられた名前のようでした。水晶で、一部が欠けたりしているもの(人為的な傷ではなく天然の傷)を「ウォリアー・クリスタル」「エンパシック・ウォリアー」と呼ぶことがあるそうです。ウォリアーとは戦士のこと。水晶のダメージを「戦士の手負い傷」と見なし、何かを守るために負った傷、傷ついているが故に他者の傷や悲しみに共感するというイメージを現しているようです。この「サクリファイス」の名前も、同じようなイメージをもって付けられたものではないかと考えます。欠けや表面の痕は、商品的価値という点ではマイナスになります。しかしそこに何らかのイメージやストーリーを見いだし、石の魅力として楽しむ姿勢は、石と向かい合い石の魅力を自ら見つけるものとして、個人的にはとても共感できます。逆に、「傷が付いているからこれはウォリアー・クリスタル」と名前を軽く適用し、「だから、特別なパワーがあります」という商品的付加価値の根拠にするのは、違うと思いますし、そんな風に使って欲しくはない名前です。傷やダメージはいろいろあれど、「この傷は」と、感じる「何か」があって初めて「ウォリアー・クリスタル」や「サクリファイス」になり得る。見つけた人だけが付けることができる名前、言い方を変えれば、見つけた人にとってのみパワーを宿す石になる、とても個人的な呪文のような名前だといいましょうか。その考えに基づけば、無数の傷を刻みながらなお透明で、傷が表情の一つとなり得るこの石は、あえて「サクリファイス」(ネパール産なので、ポルトガル語ではなく)と呼んでみたくなります。実は、昨年末頃から溶け水晶とともにもう一つマイブームかもしれないと思うのが、「透明度」。年末池袋で見つけて(そしてそのときは買い損ねた)石に「サラード」と呼ばれていた触像水晶がありまして、「溶けている」という特徴の他に、その透明度に一目惚れ。透明な水晶は無数にありますが、どれでもいいというのではなくて言葉にはできない「これ」というものがあるのです。サラードも、今回の「サクリファイス」もその「これ」に見事ヒット。クラックもミストもほとんどなく、色味も全くなく、触像や傷がありながらもなお、圧倒的な透明感。そういった表情が、今はなぜかツボなのです……。
2008/04/19
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ブラジル産のファントム・クォーツです。ファントムではおなじみ全面ポリッシュ。くっきりファントムが何層にも重なっているのが特徴です。ご存じ、ファントムは、成長途中の結晶表面に不純物が付着し、そのまま結晶が成長したために、不純物が中に取り込まれ、かつての結晶の形をとどめているものです。また、ファントムは水晶が同じ速度で成長し続けたのではなく、成長が早い時期、遅い時期を繰り返しながら成長してきた痕跡でもあります。成長が早い時期には結晶表面に不純物が付着することもなく透明に、遅くなると不純物が付着してファントムを作るわけです。……とすると、写真の石はよっぽど不純物が多いところで育ったのか。それとも成長~停止がよほどゆっくりしていたのか。あ、先日どろどろゼリー状熱水の中で育った(かもしれない)水晶の話をしましたが、ファントムの場合はさらさら熱水かも。どろどろ熱水では、不純物は浮かんだままで結晶表面に付着しにくいように思うので。よく、水晶は何万年もかけて成長したと言われますが、たぶん、産地によって、成長した場所によって水晶の成長速度は大きく違うのだと思います。普通の結晶と骸晶では成長の速度が違っていることはわかりますが、普通の結晶の中でも違うはず。石を見ながら、いろいろ考えるのもおもしろいです。
2008/04/18
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誰が呼んだか、石榴石。誰が付けたか、石榴石。そうです、これはガーネット。産地はパキスタン。つぶつぶ具合も、色合いも、つやつや加減も、もろにザクロ。おまけで雲母付き。全体で2センチ足らずのミニ石ですが、こうやってマクロ写真すれば、なかなか見応えあるでしょう!ガーネットは、成分によっていろいろな種類に分かれていて、色合いもさまざま、大きさもざまさま。今回の石は、いろいろ見てみて、産地からすると「スペサルティン」ではないかと思うのですが、確かではありません。名前からするに「ガーネット(石榴石)」として最初に知られていたのは、こういうつぶつぶ、つやつや、美味しそうな、あたかも果物のザクロに「擬態」したかのような石だったのでしょう。和名の「石榴石」は、そのままザクロですが、ガーネットの語源はと言うと、ラテン語で「粒状の」という意味のgranatumに由来するそうです。で、果物のザクロの学名は「Punica granatum」。ここにもgranatum。ザクロとは「つぶつぶ」をキーワードにつながっています。こちらの中国産ガーネットも、ザクロそっくりと思いましたが、色合いとつやつや加減、密集具合で、今回の石の方がザクロ度高し。
2008/04/17
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IMAGE2007で買ったマダガスカル水晶です。そりゃもう、「溶けてる~」という理由で買いましたとも。写真で見ると、何がどうなっているかわからない感じですが、実物も何がなんだかわからない、凸凹スポンジ状の溶け水晶です。色合いは、ちょっと蜂蜜っぽい色合いのスモーキー。内包物があるかどうかは、表面が凸凹すぎてよくわかりません。残念ながらマダガスカルのどこなのかは、お店の人に聞いてもわかりませんでした。さて、溶け水晶といえば、アイスクリスタルがおなじみです。アイスクリスタルも表面が凸凹と溶けていますが、時に層状だったりします。http://plaza.rakuten.co.jp/voidmark/diary/200801190000/しかし、こちらのマダガスカル産は、規則性なしで凸凹。マダガスカル産で他に触像水晶を見たことがないので、確かなことは言えませんが、溶けていくにも産地によって個性があるという一例です。
2008/04/16
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別館サイトの「MyStones」に11点追加。バナークリックで、別館サイトへGO!
2008/04/15
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タンザニア産の石です。グリーン・クォーツということで売られていました。天然の水晶(石英)で透明緑というのはありません。それは、鉄やアルミニウムが水晶の成分である二酸化珪素の一部と置き換わり、そのことによって電子の状態が変化して、特定の光を吸収する仕組みを作る……という、アメジストやシトリン、スモーキー・クォーツの色の仕組みとは違って、緑水晶は、緑の鉱物が内包されることによる色だからです。緑色の内包物で、水晶全体が緑に見える鉱物と言えば、まずは緑泥。続いてクロム雲母、あるいは雲母が緑泥化したものだというセラドナイト。緑泥は、アクアマリン色から黒に見えるものまでさまざまな色合いがありますが、写真の石のような緑は見かけません。クロム雲母(またはセラドナイト)入りと言われる水晶も若草色系緑が多いように思います。ちょっと珍しい緑かも……と思って買って、手に取ってみてちょっと疑問。これは、水晶(石英)なのでしょうか?水晶(石英)でなくて長石のような全く別の石、というのではなくて、石英質ではあるようなのですが、水晶(石英)とは思えません。理由は肌合い。写真の石は、結晶面を持たない塊状です。石英でも塊状の石はあり得ます。……が、割れた破断面はもっとなめらか。比べてみます。こちらが石英。(オーロ・ヴェルディ。メタモルフォーゼスを変色させたもの)こちらが今回の写真の表面。……ざらざらです。内包物によるいろなのだから、内包物のためにザラザラしてしまう可能性はありますが、一番上の写真くらい光が透けるならば、ここまでザラザラしないと思います。これはむしろ、クォーツァイトっぽい。これは、「アベンチュリン」ビーズですが、全くキラキラしていないので、むしろグリーン・クォーツァイト。石英が風化して細かな砂状になったものが地殻変動による熱や圧力を受けて固まったつぶつぶ構造の石。さざれに磨かれていても、微妙に表面がザラザラです。丸玉などのようにきっちり磨けば、石英と区別が付かないくらいなめらかになりますが、軽く磨いた程度では、もともとのつぶつぶ構造のために、若干なめらかさに欠けるものがあるようなのです。よって、個人的には石英というより、クォーツァイト。で、なぜこれが「グリーン・クォーツ」と呼ばれていたか……想像ですが、現地でそのように呼んでいたのでしょうね。アベンチュリンも少し前までは「グリーン・クォーツ」とかクロム雲母が内包された水晶(石英)と説明されていましたし、ジラソルも見た目がオパール(乳白色光を帯びた)っぽいというので、海外では「オパール・クォーツ」と呼ばれていて、某バイブルではこともあろうに「オパール」の項目に入れられていたりします。クォーツアイトがクォーツと見なされていた時代があったのか、鉱物としての厳密な区分けとは別に、石英っぽいからまとめてクォーツというそういう分け方なのか。日本でも名前がいろいろあやしいですが、海外サイトでもそういう例を見かけることがあります。
2008/04/15
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エピドート2号です。産地はパキスタン。エピドート1号に比べると、形がさらに整っています。エピドートの名前は、ギリシャ語のepidosisにちなむと言われています。この「epidosis」は「補充する」「増加」と訳されています。「補充する」は写真のように並んだ結晶の一方の幅が広くなるようすのこと、「増加」は菱形の底面の一辺が他方の辺よりも長いことを現しているのだとか言われます。和名は緑簾石(りょくれんせき)。これは緑色で結晶が並んだようすが「簾(すだれ)」のようだからだというのですが、写真のようなようすはなるほど「すだれ」。「補充する」とか「増加」とか言うよりもよっぽどわかりやすいです。……と言っても、ギリシャには簾はなかったかもしれませんが。写真の結晶をもう一度ご覧ください。結晶が並んで簾っぽい……そして写真ではやや下の方に一本の筋が見えます。簾のひも……じゃなくて、まるでファーデン・クォーツのよう。結晶は、両方に錐面があり、その点でもファーデンそっくりです。水晶以外でもファーデン・クォーツのようなメカニズムがあるのでしょうか。結晶のメカニズムは、物質の違いに関わらずほとんど一緒だと言いますから、水晶で不思議だ不思議だと言っている結晶の形が、他の鉱物でもあり得るかもしれません。
2008/04/14
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溶けてる水晶マイブーム続行中です。別館サイトに、溶け水晶コーナーを作ろうと思って準備しているのですが、どうまとめたものかと考え中。友人の石好きさんに「ブーム、長いね~」と言われて、振り返ってみると、2006年の12月に溶けてる水晶●を取り上げて「マイブーム?」といってましたから、すでに1年以上。コーナーができるくらい数が溜まっています。さて、今回の石は、溶けてるコーナーに入ること請け合いの触像水晶。ブラジル産のスモーキー・シトリンです。錐面、柱面すべてが溶けています。錐面には、トライゴーニックも確認できますが、それよりも表面全体に刻まれた、不思議に生き物めいた触像が魅力。アイスクリスタルは、がりがりと刻み目を付けたように溶けていきますが、こちらは表面が溶け流れたような触像を刻んでいます。石のようなと言えば、「不変」の代名詞のような石が溶け消える。まるで、生まれて死んでいく生き物のような運命をたどる石だと見ていると、なおいっそう生き物めいて見えてくるのです。結晶をはぐくんでいた熱水の成分がやがて変化し、石を溶かしていったのか。表面に刻まれた流れるような模様は、もしかして石を溶かす熱水が渦を巻いていた痕なのか。(違うと思いますが)いろいろ想像してみるのも楽しいです。溶けた水晶は、万人向けの「きれいな石」ではありません。削ってしまえば溶けていたのかもわからなくなります。原石の状態で、じっくり見て、自分で見つけるその石だけの魅力。隣に並んでいた同じ種類の石とも違う、その石だけの表情そういうものを見つけることができるくらい、石をじっと見てみる。それも石とのつきあい方だと思います。
2008/04/13
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インドはヒマチャルプラデッシュ州、クル渓谷(またはパルバティ渓谷)のマニカラン村からやってきた(と言われている)触像水晶です。今となっては「アイスクリスタル」と言った方が通りがいいでしょうね。私は、一番最初、まだアイスクリスタルの名前が出ていない頃に、思えば破格値で大きめ結晶を手に入れましたが、以後は、価格の高騰と、溶けている表情に魅せられたこともあって、小さめ結晶を収集中。写真の石は、一番長いところで2.5センチほどの「指でつまむサイズ」の小さな石です。Webショップでは、なかなか小さな石を見かけないので、これもミネラルショーで捜すメリットの一つかもしれません。さて、この石、どこが、私の「変な石レーダー」に引っかかったかといいますと、まずはその形。上の写真は、思いがけずきれいに撮れたので思わず載せてしまいましたが、この石の「変なところ」を写し取っているとは言えません。フォローのために、全体写真を一枚。石を真横から見てみました。上下がとんがった「そろばんの玉型」に見えませんか?上のとんがり部分が最初の写真に写した部分、右側の余分な部分は柱面の一部です。アイス・クリスタルで結晶の形を残しているものは、錐面の先端が平らに削ったようになっているのが特徴的で、(錐面がそっくりなくなって柱面だけのものも多い)錐面(とんがり部分)をきれいに残しているものは、最近見かけるようになったばかりで、全体としては少ないように思われます。ましてや、両方がとんがったDTは、まず皆無。ではこれがその珍しいアイスクリスタルのDTか……?残念ながら違います。この石、上下がとんがっていてもDT(両錐)ではありません。このとんがりは、水晶本来の結晶面ではないからです。では、どういうことかというと、「溶けてとんがっている」水晶なのです。最初の写真と2番目の写真の上側のとんがりは、一応、水晶本来の先端です。6つあるはずの結晶面のうち、一つと半分がかろうじて残り、残りは溶けてとんがっています。下側のとんがりに至っては、完全に溶けて、結晶面は見あたりません。石の下側から撮ってみました。結晶面ではないことがおわかりいただけるかと思います。溶けて尖ったと言うべきか、とんがり状に溶け残ったと言うべきかは微妙ですが、この下側のとんがりが、謎。上のとんがりは、かつての錐面が溶け出てきたと考えれば、納得できないこともないですが、下側もとんがるとなれば、どうしてそうなるのかが全くわかりません。別の石では、上部のとんがりが二山、三山になっているものもあり、かつての錐面が溶け出てきたと言い切れないものもあります。どうしてこうなったのかわからないものかと、石イベントの時に、顔見知りの石屋さん(鉱物にくわしい外国の方)に見ていただいたら、「水晶ではこんな形にはならない。フローライトではないか」と言われてしまいました。あわただしい中ではなく、じっくり見ていただけば水晶であることはすぐにおわかりいただけたかと思うのですが、鉱物にくわしい方でも「これは変だ」とおっしゃる、変な水晶であることだけは確かなようです。水晶は、どうやってこんな形に結晶したんだ!……と首をひねるものも多いですが、なんと、どうして、溶けてこんな風になるんだ!?……と、溶けても首をひねる、謎多き石でもあるのです。そのうち、きれいに溶けてそろばん型になったのが出てこないかなあ……。
2008/04/12
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ロードクロサイトです。ビーズでは、女性に人気の石。縞模様があるものも、ないものも、かわいいとは思うのですが、どうも自分には似合わないように思うのと、あまりにも人気だと、まあ、いいや……と思ってしまうために、なんと我が家では、ビーズや磨きよりも結晶が多い石。ビーズや磨きにされる塊状のものよりも、結晶が少ないにもかかわらず。結晶形のロードクロサイトは、意外にいろいろな形をしています。尖った犬牙状のもの、今回の写真のようなころっとした形のもの。さて……この結晶の形は、どこかで見たことあるような。……カルサイトです。カルサイトの科学組成はCaCO3。ロードクロサイトはMnCO3。カルサイトの「Ca(カルシウム)」が「Mn(マンガン)」になるとそのままロードクロサイトの組成なのです。似ているのもわかるような。カルサイトには、実にいろいろな形がありますが、では、ロードクロサイトでも、まだ見ぬ結晶の形があるのでしょうか。かわいいピンクでおもしろい結晶の形があれば、うれしいかも。
2008/04/11
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種ものブレスと平行してブレス以外のものづくりも活性化中です。先日、パソコンの備品を買いに、電化製品の店に行きましたらば、こういうところでも、新入生向けシーズングッズというのはあるものなんですね。新学期の準備に!……ということで、パソコンで作るオリジナルネームラベルのコーナーができていました。オリジナルのイラストで、あるいはネット上からダウンロードして、好きなイラストに名前を入れてプリントするというものです。その中にありました。「布用、アイロン転写用紙」。突然ですが、私の「変な石好き」「珍しいもの好き」というのは、どうやらものづくりの分野にも影響しているようです。「変」「珍しい」→「他にはない」→「オリジナル」……ということで、たとえばヘンプ編みでも、さいしょこそ「簡単にできるヘンプ」のような本を片手に始めたとしても、すぐに「説明通りに作って見本と同じモノを完成させ」るのに飽きて説明書を放り出して自分勝手にアレンジし始めてしまうのです。そんな私が眼にしたアイロン転写用紙。ひっくり返して説明書を読んでみますと、家庭のプリンターが使えるようです。画像を反転させなければなりませんが、フォトショップ(エレメンツ)があればこれは楽勝!……これは使える。早速買い込み、ついでに別の店でも材料を買い込んで帰宅。早速実践。出来上がりましたるは、クォーツ柄、エコバッグ。くぉーつ君柄もありです。模様はこんな感じ。裏はロゴアイロン転写する際に、きれいにくっつけるのがちょっと手間でしたが、予想以上にきれいに印刷できます。以前、鞄を作ったときには、模様のアップリケで指に刺繍ダコができる始末。さらに本体の鞄を作るのも四苦八苦。もう一回作ろう! と言う気分になかなかなれなかったので、今回は、模様は意外にきれいだったアイロン転写に、本体のバッグも無地のものを見つけてそれを利用。こだわりたかったのは転写する柄なので、それ以外は省力化を図りました。かわいいぞ、クォーツ・エコバッグ!今回買ったアイロン転写用紙は、白・淡色用だったので、(それしか売ってなかった)今度は濃色用を探して、ユニクロか何かで無地Tシャツを買って、「くぉーつ君Tシャツ」に挑戦だ!
2008/04/10
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続いています、種モノ・ブレス。もとから、石と石以外の素材を組み合わせるのは好きでした。種モノ・ブレスでは、石と石意外(種ビーズ)の割合が逆転していますが、異なる素材の表情を生かして作る楽しさは共通です。私は、ブレスレットに「こういう効能」という意味は付けませんが、素材のイメージは追いかけます。イメージを追いかけると言っても、それは私の側の都合なので、「パワーストーン的効能」という共通事項(?)を無視しているという時点で、KURO的好き勝手ということではあるのですが……。石では、パワーストーンの効能書きが氾濫していますが、種子ビーズはそうでもなくて、歴史や、民族的な側面があるので、イメージを追いかけるのもおもしろいです。今回の(も)種子ビーズは「蓮の実」。蓮と言えば、Om Mani Padme Hum(オン・マニ・パドメ・フン)というチベット仏教の有名なマントラがあります。「おお、聖なる蓮華の中の宝珠よ永遠なれ」というような意味で、蓮華の中の宝珠とは、菩提心のことであり、観音そのものを指すとも言います。この中の「Padme」というのが蓮のこと。また、インドの仏教の初期の教典にもさまざまな種類の蓮が出てくるのだそうです。インドつながりでヨガなどのサイトやサロンの名前としてちょくちょく見かけることがあるので、聞けば「あれがそうか」と思われることがあるかもしれません。「Pundarika(プンダリカ)」=白い蓮「Utpara(ウトパラ)」=青い蓮(睡蓮?)「Padoma(パドマ)」=紅い蓮……などです。「Padoma(紅い蓮)」の名前が出てきたときに、「あの石がいいかもしれない」と、思い浮かんだ石があります。ストロベリ・クォーツです。最近は、わざとか知らずかはさだかではないものの、名前を混同して売られているチェリー・クォーツ(ガラス)以外にも、ストロベリ・クォーツとして売られている石が何種類かあります。こちらは天然石ではあるようですが、果たして水晶なのか不安だったり、(クォーツァイトかもしれない)、こういうのまでストロベリー・クォーツと呼びますか、と言いたいような石だったりします。もちろん、思い浮かべた石は、微細なゲーサイトの針状結晶を内包した、正統派ストロベリー・クォーツ。原石がなかなか手に入らない間に、待ちきれずに手を出したビーズです。ただでさえ少なくて高いストロベリー・クォーツのこと、色が濃い見るからに「いちご」な石はビーズでも手が出ません。色が薄かったり(でも。ゲーサイトがきらきら)、ちょっと色がくすみ加減だったりします。そのためか、ビーズ単体ではそれなりにきれいなのに他の石とあわせると意外に負けてしまって、目立たなかったり、色のくすみが強調されて、全体的にはイマイチになってしまったり。意外に使えなくて、すっかり観賞用になっていたあのビーズ。石とあわせると思うように映えないビーズも、種子ビーズとならどうだ。つや消し不透明焦げ茶色の蓮の実の中にあれば、可憐なピンクが引き立ち、まるでひとひらの紅い蓮の花びらのように見えないか。ということで実践!……こうなりました。残念ながら曇りの日差しではきれいに撮れなかったのですが、不定形タンブル型の形と、淡い色合いや透明感が逆に幸いして、蓮の実との相性はばっちりです。あえて、最初の蓮の実ブレスと似たデザインにしてみましたが、全体の感じは、やはり、優しい感じ。困ったところは、蓮の実が軽いだけに、ストロベリー・クォーツが重しになって、気が付くと手首の内側に石が移動してしまうことでしょうか。そのうち写真撮り直そう……。
2008/04/09
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久しぶりに、ガネーシュ・ヒマール産ヒマラヤ水晶。このところ、黒っぽい付着物によって薄墨色に見えるものや、透明カテドラル/エレスチャル系、表面虎縞系(虎縞と言いたいような凸凹がある)、触像ものなど、いろいろ新たなタイプが続々登場しているので、買える買えないにかかわらず、要監視。逆に、従来の「ああ、ガネーシュ・ヒマールっぽい」といいたいずんぐり系や、深い色合いの緑泥入りが少ない、または「おっ!?」と思えるものが少なくなった(←見慣れたせい?)ような気がします。今回の石は、以前に手に入れた「ガネーシュっぽい深緑系緑泥入り」2~3センチくらいの長さのDT(両錐)がアクロバティックにくっついています。水晶の形の名前に「ブリッジ」というのがあります。たいていは水晶に別の小さな水晶が刺さったもの(KURO的わがまま規定を適用すれば、刺さっている内部が見えるもの)のことだそうですが、お世話になっている石屋さんが言うには、二つの結晶を橋渡しするように結晶したものだというのです。前者は「石のない部と外部を橋渡し」と考えて自分を納得させていますが、後者の方が見た目にも「ブリッジ」。「けっこう少ないんだよ」ともおっしゃっていましたが、写真のガネーシュ・ヒマールは、見事に「見た目ブリッジ」な形状です。そして……今回は水晶についての新たな「推測」をば。写真の石は、結晶の先端には緑泥が内包されていません。緑泥部分と緑泥なし部分は、複数の結晶にまたがって一定ラインで分かれています。こういう石はよく見かけるのですが、いったいどうやって結晶したものか。水晶の結晶している間に緑泥が不着し続けたなら、緑泥のあり/なしの境目はファントムのようになりそうなものです。しかし、ファントムではない。疑問に思っていたら、おもしろい話を聞きました。ガネーシュ・ヒマール産の水晶ではないのですが、小さなDT(両錐)結晶が集まったクラスターがあり、ぐるりと見てみても、どこにも母岩との接触痕がありませんでした。「どうやって結晶したのかねえ」と首をひねっていたら、石屋さん曰く、「ゲル状の中で結晶したんじゃないかな」えーと。一般的に水晶(石英)は高温高圧の熱水の中で結晶すると考えられています。熱水と聞いて、自動的に「超高温の温泉」を想像していました。たぶん、いろいろな鉱物がとけこんだり、もしかしたら別の鉱物の結晶が漂ったりしているかもしれませんが、感触としてはサラサラした熱水、混ざっていても泥水程度、という感じです。それが、ゲル状?「それは……どろどろゼリー状の中で結晶してるってことですか?」「そうそう、そんな感じ」そんなことがあるんでしょうか……いや、地中深くの高温高圧の環境下(たぶん)で水晶が結晶していくようすを、直に観察した人などいないのですから、ないとは言い切れない。それよりもどろどろゼリーの中で……という状態があり得るのなら、ふわふわたなびいたルチルやぴらぴらバイオタイト(黒雲母)が水晶の中に、そのままの状態で内包されているわけも、なんだか納得できそうです。「熱水」がさらさら温泉状と考えるから、たなびきルチルが徐々に水晶に飲み込まれていくようすが想像できないのであって、「熱水」がどろどろゼリーなら、細い細いルチルは、たなびいていてもそのゼリーにしっかり支えられていたでしょう。それに、周りがゼリーくらいに固まっていた(?)なら、水晶も意外に早く大きく成長したかもしれません。そこで、さらに考えました。題して「緑泥あんかけ説」!写真の水晶が成長した環境が、どろどろゼリー状熱水だったとしましょう。地下の熱水には、たくさんの鉱物がとけこんでいます。最終的に緑泥が内包されていたのですから、もちろん緑泥があったはずです。緑泥は、水晶よりも早く熱水から析出し、もろもろふわふわかき玉状になってどろどろゼリーの中をだだよいます。それでも、固形となったわけですから、長い間には沈殿して、晶洞の底の方に、どろどろのあんかけ状の緑泥の層(固まっていない)を作ったのではないでしょうか。その緑泥あんかけの中で水晶が成長を始めます。あたりはどろどろ緑泥いっぱい。同然水晶の中にも緑泥が取り込まれます。どろどろなので、アクロバティックに結晶も可能(たぶん)。さらに水晶は成長を続け……緑泥あんかけ層を突破!すると、水晶の中には緑泥が含まれなくなります。そう考えると緑泥あり/なしの境めが一定ラインで揃っている、しかもファントムになっていない理由がすんなり説明できると思うんですが。しかし……どろどろゼリーだの、緑泥あんかけだの、どうにも鉱物の説明じゃありませんねえ……この推測(汗)。
2008/04/08
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今ごろ、IMAGE2006の戦利品。300円だったマダガスカル産の青水晶に続く第2弾。こちらはちょっと大きいので1000円でした。土っぽい、白濁してちょっと土色がついた水晶に、青いものが転々と内包されております。かなり部分的ではありますが、一応、青。買ったお店では正体不明でしたが、その後マダガスカル産でインディゴライト入りの青水晶が出ているという話を聞いたので、インディゴライトの可能性があります。ただし、あると聞いていても、これがインディゴライト入りのマダガ・ブルーと明確なものを見たことがないので「可能性あり」としておきます。最近は、緑泥で青っぽく発色しているものが青水晶として紹介されていますが、色合いで言えば面積は少なくてもこちらの方が青。手に入れた後、多分今後いくらか出回るだろうと思っていたのに、IMAGE2006以後一年半、見かけていないのが不思議です。レアな石を運良く手に入れられた(しかも安く!)のは嬉しいけれど、もっと青水晶が出てきて欲しいなあ……ということでは残念です。たくさん出てくれば、値崩れする可能性もあるわけで、そうすれば、大きくて青い水晶が手に入る可能性もあるかもしれません。もっとたくさんの石を見れば、内包物の特徴をしめすものがあったりして、青の正体がインディゴライトかはたまた別のものなのか、はっきりする機会も増えます。「レアな石」を手に入れる満足感と、美しい石をたくさん見て安く手に入れる喜びと。どちらが大きいかと言われたら……後者でしょうか。たくさんあれば、その中から美しくて、「変」で、形や色がレアな石を選んで見せますとも!
2008/04/07
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久~しぶりに、素材サイトを更新しました。のような、水晶の結晶モチーフの壁紙をアップしました。
2008/04/07
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水晶の内包物の雄、ルチル。ビーズの分野でもルチル入り水晶は大人気ですが、失礼を承知でひとこと。どうぞ、ビーズよりも大きな石をご覧ください。なぜなら、ビーズにしてしまったのではわからない、石の表情が見えるから。ビーズでは、ルチル入り水晶であることだけが、あるいは何色ルチル入りであるかだけが注目されて、石一つ一つの表情や個性にはあまり目が向けられないのではないでしょうか。ビーズ好きさんの場合でも、原石を一緒に見ておくと、内包物の特徴がくわしくわかり、ビーズでもいろいろ見分けられるようになります。さて、写真の石はブラジル産水晶のドーム磨き。ドーム磨きというのは私が勝手に言っている名称で、底面を母岩のままに残しながら丸くドーム状に磨いたものです。ガーデンクォーツなどでよく見かけます。レンズ効果で内包物が拡大されて見えるので、原石好きな私も、ついつい買ってしまいます。今回は、シルバー・ルチルルチル入り水晶のドーム磨き。すっきり伸びたルチルの結晶からさらに結晶が枝分かれしたように伸びて、まるで鳥の羽毛のよう。そのため、「フェザー・ルチル」と呼んでいます。ドーム磨きだと、その繊細さが拡大されて、魅力倍増!この羽毛状のようすも、ルチルらしい結晶の仕方だと思うので、これを覚えていると、ルチルかどうかを判断する材料の一つになります。また、不思議なことにこの累留、肉眼で見る限りはシルバーなのですが、写真に撮ると、赤みが出ます。ルチルは、和名を金紅石といい、透けると深紅、光を反射すると銀色の金属光沢に見える石です。写真で見える赤みは、透けた時の色を、カメラのレンズが拾っているのでしょうか。このような表情豊かな石を見ると、「ルチル入り」であること、「シルバー・ルチル」であることはあまり重要ではなくなり、この石、この一つの石だけが持つ個性に目を奪われ、見入ってしまいます。
2008/04/06
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別館サイトFree Talkの中のエレスチャル・ギャラリーにパキスタンのページを独立。ヒマラヤ水晶コーナーのパキスタンの写真コーナーに1ページ追加そのほかファントムコーナー、シトリン・青水晶コーナー等、あちこち写真を追加しています。バナークリックで、別館サイトへGO!
2008/04/06
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先日登場致しました蓮の実を用いたブレスレット、経過観察中です。石ではない、有機物である植物の種子なので、予想以上に傷つきやすいとか、傷んでくるとか、そういうことがあるかもしれないと思ったからです。まずは、一番最初から写真を並べてみます。用いた蓮の実はこれ。ブレスレットにした直後。直後に水晶ビーズを一つプラス。今日撮影したもの。作成から15日。けっこう変化しますねえ。まず最初に変化したのは蓮の実の色。ブレスレットにしていないものとブレスレットにして身につけたものではこんなに違います。白っぽかったものが、つや消し焦げ茶に。さらに身につけていたら……あらー、やっぱり種だと傷むかなあ。……と思ったら、なんだか下からつやつやしたところが見えているような。さらに2日。どうやら、一皮剥けてつやつやになっていくようです。ブレス全体画像の3枚目、一部の蓮の実が部分的につやつやになっているのがわかりますか?全体がつやつやになるにはかなりかかりそうです。
2008/04/05
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意外に持っている石の数が少ない産地、オーストラリア。そこからやってきた緑の石。「フックサイト」だそうです。フックサイトといえば、雲母。白雲母がクロムによって緑に色づいているのだそうで、ゆえに和名はクロム雲母(クロム白雲母)。恥ずかしながら、オーストラリアでフックサイトが出るとは知りませんでした。そんなに珍しい鉱物でもないので、どこで産出してもおかしくはないのですが。繰り返しますが、フックサイトは雲母。雲母の仲間のはず。雲母といえば、別名を「千枚はがし」というくらい、うすーくぺりぺりと剥がれる性質を持っています。……がこの石、雲母に見えません。だいたい、ルビー・イン・フックサイトの緑色の部分も、雲母という感じには見えません。それでも、不透明なので、フックサイトがよく見るぺりぺり雲母の状態ではなくて、粘土のように細かくなって固まっているのか、と考えています。パキスタンで産出する、グリーンピース色の水晶も、フックサイト入りだと言われていますが、これも、全くキラキラしていなくて、雲母が入っているように見えません。フックサイトが緑泥状に変化したものをセラドナイトというそうで、この場合は、フックサイトと呼ばれていても、実際はセラドナイトかも? と想像してみます。そして今回の石。つるつるタンブル状で、流れるような緑の縞模様。透かすと白っぽい部分が半透明に透けます。この透け具合が何とも言えず美しい。……しかし、これはフックサイトではなくて、何かにフックサイトが内包されているのでは。フックサイトはもちろん、緑の部分でしょうから何か、というのはこの光に透ける半透明の部分ということになりますが、これがなんなのかは、私にはわかりかねます。ルチル入り水晶を略して「ルチル」と呼ぶように、内包物の名前で石全体を示してしまうことがありますが、実は、とても不親切な呼び方だったんですね。そういえば、サーペンティンにスティッヒタイトが混ざった石(アトランティサイト)のビーズが「スティッヒタイト」の名前で売られていたことがありました。私は、その石を知っていたので「あ、アトランティサイト(サーペンティン&スティッヒタイト)」と思いましたが、知らなければ、ビーズそのものが(サーペンティンの部分も含めて)スティッヒタイトなのだと思ってしまったかもしれません。危ない……。石の名前を間違えて表示する、売るためにフォルスネームを使う、商品名と鉱物名、宝石名が入り交じる。石の名前は、いろいろ間違えやすいものですが、何気なく略した名前でも、時には誤解を招くかもしれません。危ない……。ということで、今回の石はフックサイトと「何か」がまざったもの。いったいなんでしょう?
2008/04/04
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こっくりとしたコーヒー色のこの石、ベスビアナイトです。買ったのは、私好みの「掘る」お店。いろんな石がごちゃ混ぜで籠の中に入れられていて、まさしく玉石混淆。自分の目と乏しい知識を頼りに「玉」を探して掘りまくる。それが醍醐味なのですが、デメリットは「知らない石は正体不明」になること。普通のお店なら、わからなければお店の人に聞けばなんとかなります。それは、仕入れてくるときに「これは●石」と、間違っていることもあるかもしれないけれど、一応名前が付けられているからです。ところがこの「掘る」店は、仕入れの時から玉石混淆らしく、いろんな石がごった煮状態で入ってきます。そのため、お店の人にも不明な石があるのです。時にはお店の人も一緒に首をひねって「この石なんだろ~?」ということも。このベスビアナイトも、危うく「正体不明石」になるところでした。小さいけれどきれいなコーヒー色にひかれて手に取ったものの、私の知識では正体不明。お店の人に聞いても、逆に「なんだと思う?」トルマリンっぽいけどちょっと違うし……と首をひねっていたら、ちょうど別のお客さんが来店されました。その人は宝石の鑑別等もされる方だそうで、一目見て「あ、ベスビアナイトですね」。さらにルーペを取り出し、ちょちょいと確認。「間違いないです」……カッコイイ!家に帰って産地とベスビアナイトの名前を頼りに検索してみると、なるほど、同じ産地から同じ色のベスビアナイトが出ています。これで安心。私は水晶に偏った石好きなので、水晶以外となるとかなり不安。それでもこの「掘る」お店のおかげで、「たぶん、アレ」と目星が付けられるようになりました。(正しいかどうかは保証できませんが)本を読んで「勉強」しても、なかなか頭に入りませんが、実物を前に「これが何か知りたい」と思うと、それが調べるきっかけになり、結果として覚えることにつながります。
2008/04/03
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実は、先日来の「種モノ」ブレス、フィーリング・ブレスとは別に「シード・ブレス」としてシリーズにできないかと妄想中。種モノお好きな方、いらっしゃいますか?……といいながら、私用にはコレ。なんだか急にモス・アゲートが使いたくなって、あう石を捜しました。クローライト入り水晶とは違う、色、そして表情。この石に合う色は、石は、なんだろう?透明水晶ではあっさりしすぎ。シトリン系では弱すぎる。ガーネットは見た目黒すぎ。スモーキーは、透明感はいい感じだけれど、ちょっと色味が暗くなる。やっぱり、元気な赤~オレンジ系がいいかもしれない。カーネリアン(赤瑪瑙)では鈍すぎる。サンストーンはキラキラしすぎ。透明感があって、明るいけれど淡くなくて、ちょっと柔らかい感じの石がいい。あれこれとっかえひっかえ合わせてみて、これならばと決めたのがアンバー。文字通りの「琥珀色」が、いい感じ。ときどき、ブレスレットのデザインはどうやって決めるのか、と聞かれます。「イメージが降りてくる感じ?」……といわれたこともありますが、降りてくると言うより、試行錯誤。考えるのは見た目とリズム。今回のブレスは、最初に使いたい石はモス・アゲート、ちょっぴり半透明な中に水中でたなびく「藻」のような緑泥が、生き物めいた表情を作り出している、緑のビーズでしたが、見た目のポイントとなるのは、元気カラーのアンバーです。この2つだけではちょっとくどい感じになるので、水晶をプラス。それも、透明水晶では弱いので、角閃石入りヒマラヤ水晶をチョイス。さざれのアンバーも加えて、形に変化を付け、明るい石ばかりで「軽い」感じなので、抑えに重めのブロンザイトをお一つ。間に入れる金属ビーズで、石ビーズとの間をくっつけてみたり、離してみたり。普通は石を交互に並べるブレスが多いようですが、個人的には石を交互に並べると、ただでさえ小さいビーズでは石の印象が混ざってしまうように思うので、あえて同じ種類のビーズを並べてみたりします。見た目とリズムを考えるというのはこういうことです。今回は金属ビーズを小さいものだけにしたので、印象としては「石だけブレス」に近いでしょうか。春本番には、ちょっと元気色のブレスで。
2008/04/02
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先日のミネラル・ザ・ワールドの戦利品。まず登場致しまするは、グリーン・クォーツではなくて、もう一つの方。グリーン・クォーツは納得の写真が撮れるまで順番待ちです。タグツパイトです。ツグツパイト、タグトゥパイトとも表記されます。石の名前に多い響きのノリで、タグツ「バ」イトと覚えていたのですが、改めて調べてみたらタグツ「パ」イトでした(汗)。「バ(ba)」ではなくて「パ(pa)」です。綴りはTugtupite。グリーンランド等限られた場所でしか産出しない、レアな石。名前は発見されたグリーンランドの現地語でトナカイを意味する「タグタップ」に由来するとか。(トナカイ岬というところで発見された)ピンク色のかわいらしいこの石は、産地が限られ、量も少ない石であると同時に、太陽光で赤くなり、紫外線によってマゼンタ色に蛍光する蛍光鉱物でもあります。石友達・桃猫さんのところときれいなタグツパイトはこちらとこちら売っていたところでは、全体がピンク色に見えるもの、白い母岩にピンク色のタグツパイトが混ざっているものがありました。(黒い部分はエジリンらしい)ピンクの部分がタグツパイトなので全体がピンクの方がタグツパイト率は高いのですが、紫外線をあてて見た場合、部分的にピンクの方がきれいに見えたので、部分的タグツパイトを選んでみました。さらに驚くべきは、この石がソーダライトの仲間であるということ。仲間……というか「ソーダライトの赤い亜種」だと説明されています。ラピス(ラズリ)の仲間だとしているところがありますが、ソーダライトはラピスラズリを構成する鉱物の一つなので、全くの間違いとは言いませんが、やはりソーダライトの名前を出した方が正しいと思います。お店の人の話によると、産地が限られているだけでなく、デンマークでは一人が産地から持ち出せる量が制限されているのだそうです。そのせいか、なかなか見かけませんし、検索してもヒット数が少ないです。写真の石は、四角く切り出しただけで全く磨いていないものですが、久しぶりに見かけたタグツバイト。お値段も、納得プライス。磨いてなくてもかわいいピンクだったので買ってしまいました。真夏になったら、太陽に当てて、もっと赤くなるものかどうか試してみたいです。
2008/04/01
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