2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
全28件 (28件中 1-28件目)
1
石好きの春は、ツーソンショーの石とともにやってくる……のかもしれない。その割にちょっと出遅れ気味で、ツーソンショー気分がいまいちです。さて、今期のツーソンショーでは、カザフスタン産の赤い水晶が出た、と聞きました。赤と言えば、鉄分の内包による赤か、鉄分で赤い角閃石か。鉄のコーティングで表面赤、というのもありですが、中まで赤いとなると、ヘマタイトなどの酸化鉄が入っているというのが一番あり得そうで、真っ先に思い浮かびます。ただし、内包物による赤なので、透明感はなかなか期待できません。ところが、今回話題のカザフスタン・赤は「内包物によるものではない透明赤」だというのです。透明赤!?いったいどんなものだろうと興味津々。某店に入荷したと聞きつけ、いそいそ出かけてみました。「カザフスタンの赤い水晶があると聞いたんですけど」「これですよ」……残念なことに、表面が荒れ気味で、磨くかスライスしないと色が見えないとのことで、入荷していたのは輪切り状態のスライスでした。見せていただいたのは、赤というより、飴色。針蜜色と言うよりもさらに茶色がかって濃い感じ。しかし、スモーキー・シトリンのように渋い感じではありません。ああ、わかった!シトリンなんだ。シトリンと言えば黄水晶の名前の通り、黄色。文字通りの「黄色!」というのは、天然ではなかなかなくて、多くは意外に渋い色合いだったりします。そして……シトリンの仲間には、シトリン=黄色系のイメージを裏切る、「赤い」ものもあるのです。ルースです。小さいです。そのためにピンぼけしてます。えーと、最初にお断りしますが、このルースは、加熱である可能性があります。産地は多分ブラジル、もしかしたらインド。アメジストにラベンダーアメジストやピンクアメジスト、ブラックアメジストなどと名前が付けられて区別される色合いの幅があるように、シトリンの色もいろいろ名前が付けられていることがあります。淡い金色で透明度が高いものをシャンパン・シトリン。ちょっと渋めで、でも金色な「ビール・シトリン」ポルトガル語では、「シトリン・セルベージャ」というのだそうです。ちょっと茶色の色味が入ってくると、コニャック・シトリンや、ウィスキー・シトリン。そして赤身が強くなると、マディラ・ワイン色……ということで、マディラ・シトリン。なかなか飲んべえなラインナップです(笑)。これらの名前は、何か基準があって厳密に決められているものではないので、同じ名前でも色合いがかなり違っていることがありますが、ビール、ウィスキー、ワイン……ということで、何となく見当がつきます。さらに、マディラ・シトリンの系統で、赤が特に強く出たものをシトリン・フォーゴ(炎色シトリン)と言うのだとか……。赤いシトリンってどんなのだろう……。磨きでもいいから見てみたい、と、探し、待ち、待ちきれなくて買ってしまったルースが、写真の石。茶色と言うか、赤というか、微妙なラインですが、ちょっとひいきコミで確かに赤は入っていると思いますし、「……シトリン?」と言いたくなる色であることは確かです。この色は、スモーキーと言うにも無理があります。この石を持っていたのに、「透明赤の水晶」と聞いて思い浮かばなかった!さて、写真のルースは、加熱の可能性があると書きました。天然石検定の本では、この手の色は加熱であるとされています。しかし、写真のルースとは別に、もうちょっと茶色な石を見ましたが、その石を扱っていた石屋さんは、加熱なら加熱と言ってくださる店なのですが、特に加熱との説明がなかったので、非加熱もあるんじゃないかと思っていました。そして今回のカザフスタン・赤。今のところ、加熱加工の説明を見かけないので、非加熱・赤の期待上昇中。非加熱なら、少々表面がごつごつがりがりしていようと、できれば原石で。光に透かすと赤く燃え上がる炎色の水晶……!そんなのがあったら、クラクラしちゃいます。
2008/02/29
コメント(2)
アメジストです。産地はちょっと珍しくアフリカは南部のモザンビーク。そろばん型に見えますが、写真では裏側にあたる部分がごっそり破断面で、普通の水晶の錐面だけ、という感じ。ウルグアイ産のアメジストのように、つくつくした感じのアメジストだったのか、メキシコ・ベラクルス産のように柱面があったのかは定かではありません。直径1.5センチ弱。小さいです。以前、どこでどういうシチュエーションだったのかは忘れたのですが、「ラベンダーアメジストは透明感がなくて(低くて)質が低い水晶だ」というような意見を目にしました。このほかにも、「スーパーセブンは不純物入りの質が低い水晶にヒーラーがたいそうな名前を付けたから高く売れている」「パワーストーンなんてただのいしころじゃないか」……という意見を時折耳にします。これらの意見は、ある意味正しく、そして同時に間違っていると思います。確かに宝飾品としてのアメジストは、従来、薄すぎず濃すぎず、豊かに深い紫色がよしとされてきました。その伝統的な基準で測れば、明らかに淡い色合いのアメジストはそれだけで「質が低い」かもしれません。しかし。写真のアメジストは、表面こそガザガザしていますが、仮にこれを磨けば、たぶんほとんどクラックもミストもなく、かなりの透明感が期待できるラベンダー色です。よって、写真の石を見る限り、「ラベンダーアメジストは透明感がない(低い)」という点には異議あり。透明感のあるのもあります。一方で「一般的な天然石ビーズ」の範囲ではミストなどで透明感のないものが多く、単に色が淡いアメジストとしか言えないようなものがほとんどです。また、宝飾品の分野ではブラジル産出する透明度の高い、淡いアメジストが現代的なデザインのジュエリーに加工されて人気だと聞きます。(人気なので、なかなかビーズにはならないらしい)このように「ラベンダーアメジストは透明感がなくて(低くて)質が低い水晶だ」という意見一つにしても、原石を含めるのか、ビーズに限るのか、宝飾品もありなのかによって、正しくも聞こえるし、それは違うだろうと言うことにもなるわけです。逆に言えば、ごく一般的な天然石ビーズに対して、ジュエリーの基準を持ち込んだり、イメージもともに楽しむパワーストーンやクリスタルヒーリングにおける石に対して、イメージは関係ない鉱物や宝石の基準で一方的に決めつけるのも、おかしな話です。また、そういった「畑違いの基準による判断」を鵜呑みにするのも、やはりちょっと違うと思いませんか?私は原石派なので、どうしても原石の場合を頭に置いてしゃべってしまいますが、もしかしたら相手はビーズ派さんかもしれません。同じ石の名称、用語を使っていても、人それぞれのスタンスによって、好みだけでなく価値を計る基準も、いろいろ違う。自分はどこに基準を置いているのか?聞いた意見は、十分の基準に照らしてズレがあるのか、ないのか?そんなことも気を付ける必要があるし、いったい自分は、どこに基準を置いているのだろう……と意外にわかっていなかったり。実は、石はいろいろ複雑だ。気を付けよう……と自戒を込めて。
2008/02/28
コメント(6)
きれいなエメラルドグリーンのつぶつぶつぶ。……ガーネットなんです、これ!名前はウバロバイト。クロムとカルシウムを主成分とするガーネットで、和名はそのまま「灰クロム柘榴石」。こんなにきれいなのに、こんなに美しい緑なのに、一番の悩みは小さいこと。写真に写っているつぶつぶひとつは1ミリくらい。これでも実際見た中では目立って大きいんです。他のものは緑の皮膜状。岩に何か粉っぽいみどりのものを「塗りました」という感じで、「これがガーネット? どこが!?」と言いたい感じのものしかありませんでした。中にはセンチ単位のものがあるそうですが、まだお目にかかったことはありません。特に希産だという説明は見ないように思いますが、あまり見かけることがないのは、一にも二にも結晶が小さすぎるからでしょう。ルーペでじっくり見ると、ガーネットらしい形をしています。これでもっと大きい結晶だったら、さぞかし美しいことでしょう……。さて、この「ウバロバイト」で一つご注意を。Uviteというトルマリンがあります。和名は灰電気石。カルシウムを含むトルマリンです。(マグネシウムも多い)赤や褐色もありますが、緑のものをよく見かけます。Uviteはユーバイトとも読みますが、ウバイトの読み方が一般的(たぶん)。ウバロバイトとウバイト。そしてどちらも緑。そのせいか、ちょくちょく間違えられてます。「ウバロバイト付き水晶」えっ珍しい!……と思って見るとウバイト付き。そんなことが何度かありました。ご注意を。
2008/02/27
コメント(2)
突然ですが、私、コーヒー党です。インスタントコーヒーは好きじゃなくて、粉のパックコーヒー淹れてます。本当は、豆から淹れたいところなんですが。そんなコーヒー党の私が好きな紅茶があります。その名も「ヒマラヤンワールド紅茶」これです↓ネパールのフェアトレード紅茶【ヒマラヤンワールド・オーガニック紅茶(ティーバッグ)】 東ネパールの山深い丘陵地帯の海抜1300~1800mにあるカンチャンジャンガ紅茶農園で作られている、手摘み、無農薬栽培のオーガニック紅茶なんだそうです。私が今飲んでいるのとはパッケージが違うんですが、フェアトレード商品で、取引を行っている団体も同じ名前なので、同じ商品だと思います。熱いお湯で、しっかり蒸らして丁寧に淹れると、砂糖を入れなくても甘さを感じる、やさしい味。無農薬、フェアトレード、そしてヒマラヤ水晶好き心が反応する「カンチェンジャンガ」(笑)。このブログを始めた当初にも飲んでいて、「この紅茶を飲みながら、カンチェンジュンガ水晶を取り出すことができればさまになるのですが、あいにくないので……」なんてことを書いた覚えがあります。それから3年。あのときの思いをもう一度。「カンチェンジャンガ産紅茶」を飲みながらカンチェンジュンガ水晶を。クラスターです。大きさは4センチほどと小さいです。水晶そのものはとても津名なのですが、根本付近に挟まっている土の色で、ちょっと色づいて見えています。繰り返しになりますが、ガネーシュヒマールがずんぐりだったり、緑泥入り先細りだったり、かきあげだったり個性豊かな水晶であるのにくらべ、カンチェンジュンガの水晶は透明で細くてクラスターというイメージがあります。透明で細くてクラスターというと、中国からもそういう水晶が出ます。中国水晶でクラスターというと、細くて針状の結晶がざくざくしたものを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。「透明で細くてクラスター」……と言葉にすると同じでも、中国産とカンチェンジュンガではやはり違います。中国産は根本まで真っ白。根本の石英の層も厚め。カンチェンジュンガ産は、中国産ほど結晶が長くなく、思ったよりも結晶があっち向きこっち向き奔放です。また、根本の石英の層は薄く、母岩からすぐに結晶が生えているような感じで、そのために結晶は透明なのに、母岩の色が透けて色づいて見えるものも多いです。また、「透明で細くてクラスター」だけでなく、やや太めで白濁気味の結晶がくっついたものもありますし、アクアマリンと一緒に産出するものはけっこう太くてずんぐりした形のものもあります。うっすらスモーキーの色合いも見られます。でもやはり、カンチェンジュンガ産水晶のイメージは、最初に見た「透明で細くてクラスター」。世界第3位の山、カンチェンジュンガの白い輝きのイメージです。もしかして、その山を望む農園で作られた紅茶だから、こんなにきれいな味がするのだろうかと、ちょっと願望コミで考えてみたり。
2008/02/26
コメント(1)
50万ヒット記念のトップ画像、おめでたいことなのだから、見た目も「祝」な感じで華やかな石を……と思って探してみました。全体像はこんな感じ。2センチ強の小さな石なんですが、照りが良く、水晶の透明度も高く中にぎっしり金色内包物。繊維状……と言うには太くて硬そうな金色のものと、もっと太そうな黒い針状の内包物が入ってます。「ルチル?」……とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。私もそう思うんですが……。ちょっと訳ありで、ここは一応「内包物」とぼやかしましょう。というのも、買ったお店の人は「アフガニスタン産でルチル入り。黒いのはトルマリン」。そうかそうかと思っていたら、ネットショップで「パキスタン産のザギマウンテン産、アストロフィライト入り、黒いのはエジリン」……という説明が。もちろん、見かけはそっくり、金色(キャラメル色)の細い内包物と黒い針状の鉱物入りです。……ルチル入りか? アストロフィライトなのか。ショール(黒トルマリン)なのか、エジリンなのか。ルチルはご存じのように、金色繊維状になるのは頷けますが、写真の石では、やや平べったく感じるところ、別の石では極細で細かく縮れたようにも見えるところが若干ルチルっぽくないと言えばそんなような。しかし、星葉石は短めの針状結晶で母岩上にウニのようにへばりついているのは見かけますが、こんな風に繊維状になるのかどうか。アストロフィライト単体の写真を見ると、ちょっと信じられません。検索すると、海外サイトでもルチル説、アストロフィライト説があるようです。最近(……といってもここ1,2年)で見かけるようになった石なので、これからも出てくるようなら、追加情報もあるだろうと内包物については、ただいま保留中。そしてたどるはもう一つの疑問。「ザギ・マウンテンってどこだ?」なんでもパキスタンの「聖なる山」だと言うことですが、私はそれよりも、位置が、インドがユーラシアにぶつかり、潜り込み、大地をたわませたあの現場のどのあたりにあるかが知りたい。ザギマウンテンで検索すると、たいていは「ザギマウンテンクォーツ」で、「パキスタンの山」「ノースフロンティア地方にある」「聖なる山」、どう間違ったのか「ネパール産」。しかたがないので、Zagi Mountainで検索です。すると、いろいろな情報が引っかかってきます。別の鉱物のラベルですが、「Zagi Mountain, Warzak Dam, Pechawar, Pakistan.」とあります。また、「Zagi Mountain: Northwest Frontier Province Pakistan」ともありますから、「ザギマウンテン」で検索して出てきたノースフロンティア地方は、「ノースウェスト・フロンティア地方」が正解なのでしょう。そのほか、「Located approximately 5.5 km southeast of the Warsak Dam」という説明も見つかりました。「Pechawar」と「Wasakダム」「ダムから5.5km南東」が手がかりです。調べると「Pechawar」はすぐに見つかりました。次はWarzakダムです。ダムと言うからには川沿い。そして、今回の写真の石はザギマウンテン産ではなくてアフガニスタン産。アフガニスタンとパキスタンでそっくりな石が出ているということは、おそらく国境沿いではないだろうか。探すべきはPechawarから国境側、そして川。いろいろ地図を検索してみました。ここがザギマウンテンと記された地図は見つけることができませんでしたが、川の流れからして、多分、この位置。ふだんパキスタン産として手にする石の産地、ギルギット周辺よりはかなり南。むしろ、アフガンローズの産地である、アフガニスタンのクナルに近い。クナルは、アフガンローズを始め、トルマリンなどいろいろ産出するようですから、そこに近いザギ山で、いろいろ出てきてもおかしくない。調べていて拾い読みしたところでは、やはりいろいろな鉱物、珍しい鉱物が出ているようす。今後が楽しみな産地です。あー、ザギ山の(だいたいの)位置がわかってちょっとすっきり。追記:さらに詳しく調べてみました。
2008/02/25
コメント(1)
本日、50万ヒットを突破しました!2周年、3周年というのも一つの節目ではありますが、ヒット数記録こそ、皆さんのおかげ。数あるブログの中から当ブログへおいでいただき、気分で書き散らした雑記をお読みいただき、ありがとうございます!たぶん、ただ書いているだけでは続けられませんでした。書き込みいただいた方も、そうではない方も含めて、どなたかが読んでくれている、そのうれしさと緊張感がブログ持続の原動力なのだと思います。改めて御礼申し上げます。
2008/02/24
コメント(18)
昨日の雑記が好評だったので……お約束で。なんだか、私にはハムスターっぽく見えます。調子にのってもういっちょ。この石を上下逆にすると……。これぞ、パワー(力)ストーン!?
2008/02/23
コメント(11)
トルマリンと水晶の組み合わせ、ブラジル編。しっかりとした形なのに頂き物とはありがたや。水晶が無色で、トルマリンにはしっかり色が付いているので、ピントをどちらにあわせても他方の色がきれいに写らないというカメラ泣かせの石だったりします。でも! このトルマリンの色!緑がかっていますが、インディゴライト(青トルマリン)と言えないか?……と、ちょっと希望的観測。青みはちゃんと見えるんですけど……。もうちょっと、色を写したいところですが、これ以上、トルマリンに光を当てて透かすと、水晶の部分が真っ白になってしまうので、このあたりが限界。透明水晶と色付き鉱物のコンビネーションは美しいですが、ここらへんがカメラの腕不足を浮き彫りにします。ところで……。トルマリンが、水晶にくっついている感じが、ちょっと大事なものはしっかりとに似ていませんか?こっちは欲張りすぎて、落としかけてますが。
2008/02/22
コメント(3)
えー、本日のタイトルは「目」。とても「目」、ちょっと不気味系の「目」なので、苦手な方は、ご覧にならない方がよろしいかと思います。「OK」とおっしゃる方は、ずずいと下へ。はい、「目」です。私は平気なんですけど。「天眼石」です。普通は、縞瑪瑙の丸いビーズで目玉模様になっているもののことですが、これは白と黒の層になった瑪瑙の色を生かして、ずばり目玉が彫ってあります。(くっきり二重)おみやげにいただいたもので、中国奥地のトルファンの方で買ったのだそうです。石は石だけど、ちょっと毛色が違いすぎ……と思われるかもしれませんが、実は今のブログととても深い関わりがあります。私は、もともと石は好きでした。ところが、この天眼石をもらって、天珠にも興味を持ち、そのつながりでとある天珠好きさんのサイトにおじゃまするようになりました。そこで、ルーペを使って写真を撮る方法があることを知り、さらに天珠の色の染みこみ具合を見るために懐中電灯で照らして撮った写真を見たのです。そういう撮り方もあるんだ!とびっくりすると同時に、同好の士同士で話がはずめば、自分の天珠も見て欲しくなります。そうして私はカメラを手に取りました。それまで、カメラは旅行などで風景を撮るもの、人を撮るものという感じだったのですが、好きなものを工夫して撮る、と言うことを知ったのです。そうなるとカメラが天珠よりも数が多かった石に向くのは自然な流れ。懐中電灯で照らしてマクロという、変なところから始まった石写真は、石の不思議な表情を教えてくれて、気がつくと変な石と写真の石好き・KUROのいっちょあがり。石の写真を撮ること、写真を撮るために石をじっと見ることは、私の「石を見る目」の根幹をなしていると思っています。その始まりが実は「目の石」だった……。おもしろくも不思議な巡り合わせです。
2008/02/21
コメント(2)
コンゴ産のスモーキー・シトリンです。2006年にも一つ登場しています。このとき、キャンドルクォーツ状のシトリンを手に入れたいものだ……と言っていたのですが、めでたくその後入手しました。それが、この石です。面は平らにカットされていますが、期待通りのキャンドル状♪一つ目のコンゴ・シトリンもシトリンと言われて思い浮かべる「黄色」ではなくて、茶色味を帯びた色合いでしたが、二つ目のコンゴ・シトリンはもっと逞しい色。たぶん「これってシトリン? スモーキーじゃなくて?」と思われる方もいらっしゃるはず。シトリンとスモーキーの色合いは、グラデーション状につながっていて、どこまでがスモーキーでどこからがシトリンなのか、これぞという境目はありません。今回の石にしても、「これはスモーキー」と判断する人もいると思います。私は、実物を見て、かなりスモーキーだと思うけれど、確かにシトリンのニュアンスがあると思えること、同じ産地で、同じような形(キャンドル状)で、はっきりとシトリンの色合いの石が産出していることから、この石に感じる黄色っぽいニュアンスはシトリンの要素だろう……と判断して、「コンゴ・シトリン」と……もっと正確には「コンゴ産スモーキー・シトリン」だと判断しています。同じ産地で迷わずシトリンと言えるものが出ている……というの良いとして、「シトリンのニュアンス」とは。これは、言葉にするとかなり曖昧になってしまうのですが、個人的には、「茶色」というにはややきつい(強い)「黄色」と「赤」の色味だと考えています。スモーキーと言えば茶色なんだから、黄色いも赤いもあり得るだろうと言われればそうなんですが、たとえば、アルプス・スモーキーやヒマラヤのパキスタンやネパール(ガウリシャンカール)など、シトリンをほとんど見かけない産地のスモーキークォーツ、特にほぼクリアかと思えるほど淡い色味がある産地のものと見比べていくと、やはり違うと思うのです。濃い色味のままで考えると「茶色じゃないか」となってしまいますが、その色をもっと淡く淡く、透明に近いほどに薄めて考えたとしたら……それは「茶色」が薄くなった色なのか、金色にも見える色なのか、そんな感じの違いです。そして、赤。赤みの強いスモーキーというのも、スモーキー・シトリンであると思っています。というのも、シトリンには赤みの強い「マディラ・シトリン」と呼ばれるものがあるからです。さらに赤みの強いものは、「シトリン・フォーゴ」(炎色のシトリン)と呼ばれるのだとか。天然石検定の本には、この手の赤いシトリンは加熱によるものだと書かれていましたが、未加工の石を仕入れ、加熱などの加工がされていれば必ず教えてくださる石屋さんがかなり赤いシトリンを持っていたことがあるので、もしかしたら、天然で赤いシトリンもあるんじゃないかと期待中。(※加熱による赤いシトリンと言っても、すべてのものが赤くなるのではなく、特定の産地のものが赤くなるのだと思います。また、加熱前の色がアメジストとは限らないかも)……と、このようなわけで、KURO的には、シトリンの色合いに「赤」も含まれます。
2008/02/20
コメント(0)
久しぶりに、ブレスレットで試行錯誤しています。別館サイトとこのブログにも密かにコーナーがあるので、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、私、天珠(dZi)も好きです。身の回りに、石好きさんはいらっしゃいますが、天珠好きさんはいらっしゃらなかったので、石に比べて天珠はちょっと不活性状態でした。ところがこのたび、知り合いの石好きさんの一人とお世話になっている石屋さんがが天珠好きさんでもあることが判明。にわかに仲間が増えて天珠好き活性化!さて、天珠といいますのは、瑪瑙で作ったビーズを特殊な方法で染めて模様をつけたチベットのお守りビーズのこと。dZi beads(ジー・ビーズ)とも言われます。その歴史は2000年以上も遡るといわれ、そんな昔にどうやって瑪瑙をくっきり染めたのか、丸や四角、直線を組み合わせた、今の時代でもモダンに映る模様がどうやって生まれたのか、いろいろ謎があるビーズでもあります。模様によっていろいろ効能があるそうなんですが、私の場合は、例によって効能ではなくて見た目と歴史(……と言うより不思議話)に興味です。もともとが「ビーズ」なのですから、これはものづくり心を刺激します。天珠だ! → ビーズだ! → ブレスだ!……というわけで(笑)、ブレスレット。まず第1弾。天珠(天地天珠)と、エッチドカーネリアン、ヒマラヤ水晶と天眼石(瑪瑙)を組み合わせました。昨今出回っている天珠は、中国で作られた現代物。アンティークの天珠など、滅多に手に入りません。ここで使った天珠とカーネリアンビーズは、以前にアジアン雑貨店で手に入れたもので、たぶん古いものではないと思うのですが、一見古く見える風合いがお気に入り。エッチドカーネリアンは、カーネリアンに白い線模様を焼き付けたもので、メソポタミアやアフガニスタン、インドなどで作られた、天珠の先祖または兄弟のようなビーズ。石に人工的に意味ありげな模様を焼き付け、丸「○」の模様を「眼」とみなし、思いと破邪の願いを込める。そのビーズがチベット、すなわちヒマラヤ山脈を伝うように中国や台湾を経て、日本まで、やってきたのだなあ……というイメージで、実は天珠つながりの石を連ねてみました。ところが……普通のビーズも、人が手を加えて成形したものですが、エッチドカーネリアンや天珠のようなビーズは、素材が石でありながら、石ビーズとはちょっと異質。悪くはない(と思う)けど、ちょっとなー……ということで、さっそく改変、第2弾。水晶ビーズを減らして、代わりにラピスラズリをひとつぶ、エッチドカーネリアンの丸いビーズ(これは現代物とわかっています)、ちょっと古い(かもしれない)瑪瑙のビーズ、ガラスか水晶かわからない(古いかもしれない)ビーズを加えました。本当に古いかどうかはわかりませんが、天珠やエッチドカーネリアンに似た「人の手による」雰囲気のビーズを加えて全体の雰囲気を合わせてみます。この状態で何日か置いてみたのですが、もう一度改変。なるか、3度目の正直。まあ、ダメなら元に戻るだけです。そのために写真に撮っているので……。3回目では、丸いエッチドカーネリアンをはずし、代わりにヒマラヤ圏における定番、珊瑚とターコイズのセットを加えました。本当はチベットターコイズや山珊瑚があるといいのですが、これはたぶん、違います。チベット(ヒマラヤ)ではターコイズと赤い山珊瑚の組み合わせがよく見られるのだそうです。ふと思いついてこれを加えてみたら、珊瑚の赤と形がエッチドカーネリアンと釣り合い、それにターコイズ・ブルーが映えて、なんだか華やかになりました。実際に肌映りを確かめて、「……これでいいのかも」と、ちょっと納得。というのも、天珠は、悲喜こもごもの思いを押し込んだ、どろどろと暗い、おそれ敬うもの(呪具)ではなくて、チベットの人々の文化に根付き、「大切なもの」であると同時に、身につけて装うもの、ありがたいもの、日本風に言うなら「ハレ」のものだと思うのです。だから、「華やか」であってもいいじゃないか。ブレスレットとして、デザインがまとまっているかというとちょっと微妙ですが、実際手にはめていると、天珠やエッチドカーネリアンがしっくり収まっているので、新しいビーズを手に入れるか、考えが変わるまでは、ちょっとこのままで様子を見ようと思っています。
2008/02/19
コメント(3)
オーストラリア産のオパールです。何年か前のミネラルショーで、小さな原石を安く売っていたことがありまして、その中から、一番目を惹いたブルーの石を選びました。その色はまさしくウルトラマリン。端っこの方にちょっとエメラルドグリーンのような水色のような色が入ります。ただ、遊色の遊色たる所以である(と思う)見る角度でちょっと揺らめくような感じには欠けるかも……。母石をぱかっと割っただけで磨いていないので、光の当て方を工夫して目立たないように撮っていますが、実は写真のほぼ真ん中あたりに、磨りガラス状に曇っている場所があります。そんな石なので、とても安かったのです……(笑)。ところで、オパールらしいオパールと言えば、もしかして、これが初登場かもしれません。オパライズウッドは登場したことがありますし、無色透明のオパールの一種であるハイアライトも出ています。ブレスレットでは味のあるクリーム色の「アフリカン・オパール」を出しましたが……遊色を持つオパールは……ないはず。ちょっと自分で意外かも。
2008/02/18
コメント(4)
連続でヒマラヤ水晶♪もちろん、ネパール産です。(ガネーシュ・ヒマールだったっけ……このごろカンチェンジュンガ産で太い結晶を見かけるようになったので、ちょっと不安に……確認しよう)さて、今回の水晶の特徴は、なんと言ってもその形。ころんとした結晶の頭に、ちょこんと別の結晶が生えたというか、たんこぶのように出っ張ったというか……。水晶の形では、一端結晶した水晶に被さるように別の水晶が結晶して、頭でっかちのキノコのように見えるものをセプターといいます。セプターとは王杓(王位の象徴として持つ杖)の意味。日本ではキノコ水晶と呼ばれたりします。あくでも、被さるように結晶した水晶が、軸になっている水晶よりも出っ張って頭でっかちになっているのが特徴です。では、今回の水晶のように、土台になった結晶よりも、上の結晶の方が小さい場合は。ずばり、リバース・セプターというのだそうです。要するに「逆セプター」ということ。日本では、冠をかぶっているようだというので、「冠水晶」の呼び名もあるそうです。セプターの逆がリバース・セプターというのはそのまんまですが、キノコの逆が冠とはこれいかに。どっちかというと王杓(セプター)と冠の対比がぴったりです。今回の石が、小さい割にずんぐりころりで「偉そう」に見えるので、「冠水晶」の名前の方がぴったりかも。お世話になっている石屋さんは、「セプターに比べると数が少ない」とおっしゃいます。たしかに、ブラジル水晶などでは少ないかも。しかし、メキシコやナミビアでは、クリア(白濁含む)水晶の上にアメジストがユニークな形にくっついた、逆セプターと言えなくもない水晶が出ます。また、中国の四川省産水晶では、DT(両錐)の結晶がいくつもくっつきあったユニークな水晶が出ていて、そのなかには逆セプター(冠水晶)が混じっています。このように、数は確かに少ないかも知れませんが、産地によっては若干多くなる傾向があるようです。ここで、個人的な「わがまま規定」を。逆セプターと言う場合は、●ヒマラヤ水晶の先細りと違って、錐面と上の結晶の間にくっきりと段差があること●下の結晶と上の結晶の中心軸が(ほぼ)一致していること。2番目の規定は、結晶の上に別の結晶が単にくっついただけのものは、逆セプター、特に「冠水晶」とは呼べないだろう、と思うからです。(中国産のは、軸がずれて「生えて」いるものも多いです)今回の石は、これらのわがまま規定をきっちり満たした、堂々たる逆セプター。すんぐりころんとした形が、ちょっとガネーシャにも見えてきます。
2008/02/17
コメント(3)
ヒマラヤ水晶です。ガネーシュ・ヒマール産です。高さ5.5センチほどの、小さなクラスターです。根本の方にちょっと灰色っぽい内包物が入っていますが、大部分は透明。結晶の表面が、成長線などで微妙に凸凹しているところが、写真では逆に味になり、氷のような質感を醸し出します。結晶の形が、ずんぐり型でなく、先細り型……でもなさそうで、いわゆる普通の「レーザー・クリスタル型」であることが、ガネーシュ・ヒマール産にあっては、少数派かも……。この水晶は、この氷のような質感がヒマラヤ水晶らしく、小さいにもかかわらず風格を備えていると思うのです。逆に、手にずしりと来る大きさと重さでありながら、見所が「ヒマラヤ水晶の風格」ではないものもあります。先日、今まで見たことがないおもしろい表情を持つガネーシュ・ヒマール産水晶を見ました。言い表すなら……「虎縞」?色ではなく、凹凸の虎縞模様という感じ。「おっ」と思ったのですが、「虎縞」のおもしろさは、その大きさを必要としていないように思われました。要するに、その大きさの水晶を買うだけの決め手ではない。こんな時に、大きな結晶しかないのは困りものです。まあ、いくつか仲間石があったので、奇跡の一点ものと言うわけではなくて、運が良ければ小型版にも巡り会うでしょう……。石選びのキーワードの一つに「変」が入っている私ですが、ことガネーシュ・ヒマール産水晶については「風格」というキーワードも、ある程度の割合を占めているようです。
2008/02/16
コメント(0)
クリスタル・バイブルという本があります。著者はジュディ・ホール氏。クリスタル・バイブル著 者:ジュディ・ホール /越智由香出版社:産調出版定 価:2730円(税込)持ち歩くには分厚いような感じもしますが、たくさんの石が紹介されていて、一応全ページカラーなので、愛用している方も多いようす。この本を持って石屋さんに来る人や、お客の問い合わせに対応するためにわざわざ買って供えている石屋さんもあります。(なにしろ、鉱物名でない名前での問い合わせなので、同じ本を見て探さなければならないのです)クリスタル・バイブルの出版が2004年。そして昨年2007年8月に、クリスタルバイブルの続編とも言うべき本が出版されました。クリスタル&癒しの石著 者:ジュディ・ホール /藤本知代子出版社:産調出版定 価:2520円(税込)この本は、英語の綴りがなかったり、クリスタルヒーリングと言いながらその説明がとても少なかったり、とにかく石のパワーや効能に特化した本だと思っていました。そしてつい最近、新たな本が出ていることを知りました。クリスタル百科事典この一冊でクリスタルのすべてを知ることができる著 者:ジュディ・ホール /越智 由香出版社:産調出版 定 価:5040円ちょっと中を見てみましたが、まさに「クリスタルバイブル」と「クリスタル&癒しの石」の総集編。「クリスタル&癒しの石」で気になっていた英語の綴りのないところや、クリスタルバイブルにあって「クリスタル&癒しの石」ではなくなっていた項目・石の硬度や産地などが入っています。「クリスタル&癒しの石」では、綴りがないために石の特定ができなかったラズライトはRazulite(天藍石)であることがわかりました。このように、第2弾「クリスタル&癒しの石」では足りない(欠けている)と思っていた項目が加わり、石によってチャクラや星座の対応の項目があったりなかったりしたところもほぼ整備されたようで、(逆にクリスタル・バイブルに掲載されていた石は、ちょっと説明がシンプルになったかも)その点は良いのですが、こうなると、なぜ、去年の8月のタイミングで「クリスタル&癒しの石」を出版したのだろうと思ってしまいます。1年も経たないうちに「クリスタル百科事典」が出るのならばなぜ。「クリスタル&癒しの石」にツッコミを入れたときには、ひどく出し急いだ本だと思っていました。もっと丹念に調べたり、チェックしたりしてから出せばよいのに、と。今回、クリスタル百科事典が出てみると、この本が出る前にクリスタルバイブルからの追加分の石だけの本を出しておいて、“2度美味しい”をねらったのではないかと勘ぐります。まあ、好意的に見れば、前の2冊が1冊になったような本だから、すでにクリスタルバイブルを買っている人には、追加分だけの「クリスタル&癒しの石」で良い……とも言えますが、私は「クリスタル&癒しの石」は出し急いだがためにアラがある本だと思うので、その点は不親切だと思いました。そして……クリスタル百科事典になって、綴りが加わったりと改良点はあるものの、不可解な点は健在です。買っていないので、思い出したところだけをチェックしたのですが……ああ……ハーキマー・ダイヤモンドの産地には中国などアメリカ以外の産地が堂々と入っているし……アトランティサイト。「クリスタル&癒しの石」ではアトランタサイトになっていて、綴りはAtlantisiteなんだから、素直にアトランティサイトでいいんじゃないか……とツッコミを入れていました。このたび綴りが加わっているので見てみたら、クリスタル百科事典での綴りは、「Atlantasite」。これをカタカナ表記すればアトランタサイトですが……。念のため、「Atlantasite」で画像検索してみたら、ヒットはします。でも、「Atlantisite」の方がヒット数は格段に上。私は、アトランティス(Atlantis)にちなむ石なのだからAtlantisiteが一般的だろうと思います。もうひとつ。オパールの一種で、ぐにゃぐにゃした不思議な形になる、和名を珪乳石と呼ぶ石があります。これもメナライトになっていたので、メニライト(Menilite)だろうとツッコミしましたが、本の綴りはMenalite。以前、星座の石について調べたときにMenaliteの綴りが出てきたので、そう表記するところもあるのかもしれませんが、メナライトで検索しても日本語サイトではほとんどヒットがありません。やはりこれもMeniliteでありメニライトだと思うのです。出たばかりで申し訳ありませんが、石の、鉱物的側面について調べようと思う場合は、この本だけでなく、別の本も手元に置いておくことをお薦めします。
2008/02/15
コメント(6)
水晶の形が好き。内包物も好き。そしてただいま現在、溶けてる水晶マイブーム。さらに、溶けてる水晶ブームが高じて、「水晶の表面」にも興味津々です。水晶の表面の何に興味かといいますと、錐面の表情です。わかりやすいところでいいますと、レコードキーパーとか、トライゴーニックとか。これらは有名ですが、水晶の表面に現れるのは三角形や逆三角形だけではありません。特に触像である逆三角形(トライゴーニック)は、逆三角形だけではないのです。それを知って水晶の表面を見ていくと、あるぞ、あるぞ。不思議な模様が続々と。聞くところによると、海外ではこういう模様に興味を持ってコレクションしている人もいるそうで……。わかります、その気持ち。だって、こんなに不思議で美しい。全体の形も、中も、部分も、もう、水晶の全部が大好きです。
2008/02/14
コメント(7)
今日は、またしても石好き仲間でミニオフ。石見せ会+情報交換会+石屋はしご。類友というか、ちょっと変わった系統の石好き仲間なので、本やショップの商品説明では飽きたらず、聞き込んだ裏話を交換しあって、情報充実を図ります。いつもは原石をいている店を覗くのですが、今日はちょっとルース屋さんも覗いてみました。ルース屋さんの主役は、やはり宝石。それに混じってアゲートや水晶など、準貴石のルースもあって、覗くのはもっぱらそういうコーナーです。「ちょっと見せてください……」と、邪魔にならぬようにそっと見ていくと、いろいろあれこれ引っかかります。引っかかるのは、名前。スターローズクォーツ、つまり「*」状のスターが出る石にキャッツアイ・ローズとか、色合いからしてレインボームーンストーンでは……と思う石に「ロイヤルブルー・ムーンストーン」いや、レインボームーンストーンという名称は見かけませんでした。アメジストにゲーサイトが入った石はストロベリー・クォーツ。もともとストロベリーと呼ばれ始めた石はメキシコ産の、アメジストにゲーサイトが入った石だったそうなので、まるっきり間違いとは言えませんが、ゲーサイトがかなりごつくてストロベリーに見えません。ほとんどゲーサイトが入っていないものまでストロベリーと言ってしまうのはどうも。宝飾関係はやはりダイアモンドとかエメラルドとかそういう有名な宝石が中心で、安い準貴石類はかなりアバウトなのかなあ……とちょっと思ってしまいます。少し前に、石の表面の熱伝導を計測して、その石が何であるかを判別するというジュエリー・テスターなる機械を見ました。その機械を使えば、今まで何であるのかわからなくて困っていたのも一発解決!……かと思っていたら、やはり、判別できるのは有名どころの宝石で、その使い方も原石や、鉱物が混じった岩石では無理そうでした。最近、「天然石」の分野、特にビーズなどで、正しい名称を表示すべく、鑑別を取り入れるところがでてきました。鑑別の結果●●石と言われると、なるほどそうかと思ってしまいますが、いったいどの分野の鑑別か、それも実は知りたいかもしれません。鑑別という行為を疑うわけではありませんが、鉱物と宝石では、どこか微妙に違うかもしれない。ビーズやパワーストーンといった、いわゆる「天然石」と宝石ではやはりどこかズレてしまったりしないだろうか。レムリアンシードや、スーパーセブン、インファナイト、アゼツライトといったクリスタルヒーリングやパワーストーンの分野で付けられた名前は、宝飾の分野には本来存在しないものですから、たとえばアゼツライトは単に「石英」という結果になるでしょう。私たちが楽しむ「天然石」の分野は、実は鉱物や宝飾、手芸、それにイメージの分野など、いろいろな要素が混じった複雑なもの。また、石との関わり方も人それぞれです。そんな中では、鑑別は参考になっても絶対とは言えないと思います。鑑別結果があるから大丈夫。そんな単純なものではない、誰かに説明してもらえるような楽なものでも、実はない。その大変さがおもしろいとも言えますが。
2008/02/13
コメント(0)
ラリマーのペンダントヘッドです。青い海を思わせる色彩が美しいこの石は、最初に見かけたときから高いねえ~と思っていたのですが、順調に価格は上昇し、値札はあまり美しく思えないものになってます。今思えば、最初の「高いなあ」の値段が良心的価格に思えてくるから怖い。いまどき、総ラリマーのブレスときた日には、値札を見る気にもなれません。まあ、きれいな石だとは思うのですが、ビーズにしてしまうと、あの水面の様な模様を楽しむにはちょっと小さかったり、白い部分が多くなったりする点が、ちょっと惜しい。(模様がちゃんとわかるくらいだと大きすぎて、値段がさらにコワイ)となるとペンダントヘッドがいいかなあ……と思うのですが、どうしたわけか、金属を使ったペンダントヘッドには、食指が動きませんでした。そんな中で見つけたのが、今回のペンダントヘッド。青い色もちゃんと出ているし、透明感のある青もきれい。母岩だと思われる茶色の部分もアクセントになっています。それに何より、金属を使っていなくて、そのまま穴を空けているところがマル。母岩混じりで金属なし、買った当時でさえ「良心的価格」。革ひもを通して、メタルビーズと組み合わせ、ちょっとワイルドな感じにすると、青の美しさみずみずしさが引き立つのではないか……そう思いつつ、なかなか作ることができずにいます。
2008/02/12
コメント(1)
レムリアン・シードです。産地はもちろんカブラル山脈。……オレンジ色です。最近、オレンジ・レムリアンとかタンジェリン・レムリアンという名前のレムリアンシードが売られているのは見ていましたが、この石の方がオレンジなんじゃないでしょうか。この石や、一緒に売られていた兄弟石を見たら、今まで見たのはオレンジじゃない……! といいたくなりました。いわゆるラランジャとかラランジーニャと呼ばれるみかん色の水晶にはやや劣りますが、しっかりオレンジ色です。タンジェリンとか、ラランジャ、ラランジーニャと呼んでも間違いではありませんが、たまたま産地がカブラル山脈で、レムリアンシードということになるので、そちらを優先してオレンジ・レムリアンと呼んでおきます。さて、レムリアン・シードはもともと表面がややマットで鉄分の影響によってほんのりピンクに色づいているものが知られています。このオレンジは、その鉄分がやや厚めに付着したのか、食のほんのりピンク(オレンジピンク)レムリアンよりもマット(つや消し)度が高め。レムリアンシードの特徴の一つであるとされている、レムリアン・リッジ……一つおきの柱面に刻みつけられた横筋(成長線・バーコード)がはっきりしないものも多いようです。レムリアンシードは内部が透明で、表面だけがマット&色づきなので、鉄分が影響したのは、水晶が成長を終えてからだと思っていたのですが、一時期「ピンク・レムリアン」の名前で売られていた、かさかさした感じの付着物付きのレムリアン・シードも、レムリアン・リッジがはっきりしていなかったところを見ると、表面の付着物とレムリアン・リッジの発達には、何らかの関係がありそうです。写真の石は5センチほどと小ぶり。一応DT(両錐)です。一緒に売られていた石の中から、小ぶりでも形が良く、レムリアン・リッジのはっきりしているものを選びました。おかげで小さくても、レムリアンシードらしい風格があると思っています。
2008/02/11
コメント(0)
パキスタン産の水晶です。パキスタン産としてこれまでに何度も登場してきた北部、ノーザンエリアのギルギット周辺産ではなくて、もっと南部、パキスタン全体では真ん中あたり、アフガニスタンよりのワジリスタン産だということです。ここでは、透明度良し、照りよし、層状具合良しのスケルタル(層状エレスチャル)が出ます。スケルタル・クォーツというとこれまではメキシコ産が代表格でしたが、この産地のはそれに全く劣らないと思います。もちろん、形が整って綺麗なものもあるのですが、今回の石はちょっとイレギュラー。層状に丸っこく結晶した石の上半分をもぎ取った……というのが一番正しいと思われる形です。もちろん、実際もぎ取ったのではなくてそういう形に結晶したものです。照りと透明感が抜群なので、写真に撮るとあちこちキラキラでどこがどうなっているのかかえってわかりにくいのですが、その形は、複雑な形状が光で作った薔薇のよう。角度を変えてもう一枚。結晶の下の方、白いガーデン状の内包物が見えるでしょうか。実はこの部分、ほぼ結晶の向こう側にありますが、肉眼で見ても、間にあるはずの水晶の部分を感じさせない透明感。クラックが入っているように見えないのに、オーロラのような虹も出ます。普通は、傷もなく端正な形の方が質が高いとかきれいとか言われることが多いですが、そうではない美しさもある!……と、端正な結晶を差し置いて選んでしまいました。
2008/02/10
コメント(6)
今日は(実は昨日も)、局所的石イベントでした。つまり、石仲間と石屋さんに集合して勝手にお祭り状態。石屋さんに行くというのに石を持参し、見せたり、見せてもらったり、新たな石をすすめたり、すすめられたり。石好きの春は、アメリカ、ツーソンのミネラルショーで仕入れられた石の売り出しとともにやって来ると(私の身の回りでは)言われていますが(笑)、それより一足先に、私の石好き心は春の気配……かも。ツーソン前だというのに、いいのかそれで。初めてお会いする石好きさんや久しぶりにお会いする石好きさんとも楽しくお話させていただき、大変楽しい一日でした。今日、お会いした皆さん、ありがとうございます~!
2008/02/09
コメント(6)
石好きをやっていると、石屋さんへ行く機会は多いです。最初は「ちょっと見せてください……」だったものが、顔見知りになるにつれて「何か、新しい石入ってますか~?」「遊びに来ましたー」になり、さらにはお店の人から「この石なんだと思う?」とか、「このあいだ○○という石を探してる人が来たんだけど、知ってる?」なんて話も出始めます。もちろん、本職である石屋さんの方が詳しいんですが、最近出始めた石とか、パワーストーン分野の名前だったりすると、たまに買う側の方が情報が早い場合があるのです。今回の石は、石屋さんとのそんな話の中で、『どうするか』と思わず額をつきあわせて話し込んでしまった石。(時期的にはかなり以前になります)「これ、カコクセナイトと言うことで入ってきたんですけど」と石屋さん「……カコクセナイトじゃないと思いますけど」と私。「ですよねえ……」石の入荷ルートは、お店によって、石によって実にさまざまなようで、中には掘っている現地で使われている「現地名」のまま入荷してくることも多いようなのです。「こういう、いろいろ入ってるのは、よくスーパーセブンとして売られてますけど」と私。「その名前で売っていいと思います?」「やめといた方がいいと思います」なぜならば、今回の石はブラジルのどこかという産地が不明だから。内包物がスーパーセブンの七つの条件のどのあたりまで満たしているかも不明。スーパーセブンであれば欲しい人も多いだろうし、売れるかもしれないけど、不確かなものを勝手に名前をつけて売るわけにはいかないだろう。その場での話はそういうことになりました。「カコクセナイトでもなくてスーパーセブンでもないとすると、どうしよう」「……インクルージョン・クォーツでどうでしょう。内包物(インクルージョン)が入っていることは確かだし……」結局この水晶は、インクルージョン・クォーツということになりました。私は、この判断に敬意を表します。石屋さんの中には、仕入れ先の名前をそのままで売るところもあります。それが多分一番簡単で、安全なやり方でしょう。この場合は「カコクセナイト」として入ってきたのだから、「カコクセナイト」として売る。そういうことになります。しかし、ふつうこの手の石で「カコクセナイト」と通称されるのは、金色の針状結晶が密集して入っているタイプなので、カコクセナイトという通称で呼ぶにも疑問が残ります。仕入れ先はカコクセナイトと呼んでいたけれど、それも違うんじゃないかと疑問を持ち、いかにも売れそうな「スーパーセブン」に走らず、無難と言えば無難ですが、ある意味正しい「インクルージョン・クォーツ」を選んだ。すべてがすべて安全パイな名称にされてしまうのも困りますが、明らかに違うだろう、売れる名前に変えているだろうという売り方をされている石をあちこちで見ていると、石によっては、そうやって独自に考えたあげくに間違えてしまう可能性があったとしても、言われたままを疑いもせずに右から左……というよりはずっと好感が持てます。
2008/02/08
コメント(0)
数年前、「アストロフィライト」として買ったビーズです。大きさは、100円玉と500円玉の中間くらい。アストロフィライトは和名を星葉石。なんだか宇宙っぽい名前と見かけに惹かれて買ってみたのでした。買ったものの、どう使ったものかと首をひねって今に至っています。同じ時に買った楕円形ビーズはこちらに使用。さて、最近このビーズが疑問です。去年の6月頃「ヌーマイト」という名前で売られていたビーズにはまりました。こんなビーズです。……似ています。実は、実店舗で連買いする前に、ネットショップでアストロフィライトとヌーマイトのビーズを数粒づつ買ったんですが、届いてみたらうり二つ。未だにどちらがどちらかわかりません。ヌーマイトと言えばこちらなので、よくよく見ると違うような……。ヌーマイトじゃなくて、アストロフィライト?しかし、ヌーマイトビーズを買った店はネットショップで「鑑別の結果ヌーマイト」と言っていたのです。このヌーマイト、サイズで見かけが少々違い上の写真のように青い筋状の光が見えるものと、ちょっと緑っぽい様な黄色っぽい様なちらちらした輝きのものとがあります。光っているところ以外の質感はそっくりなので、サイズによって違う石が混じっているとは思えないのですが、別の店では画面で見る限り緑っぽい金色っぽい光方の方と同じ石と思われるものが、「鑑別の結果オリエンタル・ブラック」と言うことで売られていました。でも、オリエンタル・ブラックという鉱物はありませんし、宝石名でも見あたらないように思います。ヒットしてきたのは御影石の商品名……。御影石は、長石と石英と雲母などが混じった花崗岩の一種のことですから、今回問題にしている写真の石とは別物です。私は、鑑別というのは目視か機械を使うかの差はあっても、その結果は鉱物として鑑別したのであれば鉱物名で、宝石の鑑別ではもちろん宝石名で結果が出るのだと思っているのですが、いったい、オリエンタルブラックというのは何名なんでしょうか。正確には「片岩(シスト)に、白鉄鉱(マーカサイト)、黄鉱(パイライト)、石綿(サーペンティン)、磁鉄鉱(マグネタイト)などがまざったオリエンタル・ブラック」と言うことですから、岩石名と言う可能性がありますが、オリエンタルブラックというのは見るからに商品名っぽい。(正式な名前だったらごめんなさい)鑑別結果が商品名で出されることはないですよね……?さらにさらに。先日ビーズショップを巡っていたら、上の写真と同じような青い筋状の光タイプのビーズの名前が「ブルー角閃石」。アストロフィライトは角閃石グループではないので、角閃石だというのならアストロフィライトではないのです。見た目が同じものに絞ってもアストロフィライトかヌーマイトか角閃石か。こいつはいったい何者。きわめて無責任に意見を言わせてもらえば、現時点でのKURO意見は「角閃石」。理由は、ヌーマイトは上で挙げたような石のはずなので、輝きのようすが違うから。アストロフィライトの原石はほとんどが茶色、金茶色系。磨いてあるものでも、産地がちゃんとわかっているものは黒や金茶でした。青光りする原石を見たことがないので、保留の意味合いを込めてアストロフィライト説を取り下げ。角閃石は、角閃石グループという、いろいろな鉱物をたくさん含むグループ名なので、ヌーマイト(岩石)やアストロフィライト(鉱物名)というよりもあたる確率が高いかも……。ビーズでは石の名前が大混乱で、残念ながら店で付けられている名前を丸飲みするわけにはいきません。だからこそ、「正しい名称を」「鑑別を」という声が挙がるわけですが、鑑別したと言う結果でも違いが出るとなると……しんどいです。このビーズが何であるかご存じの方、情報お待ちしております。
2008/02/07
コメント(4)
ロシアはダルネゴルスク産のフローライトですずどーんと大きく写っていますが、長いところで3.5センチほどのミニサイズ。色はこう見えても透明です。透明なので母岩の部分が透けて見えています。よく見ると、母岩の上に何か別の鉱物が丸く結晶して、その上に透明フローライトが成長しているようなのですが、中のものがなんなのか、いまいちよく見えません。透明なのによく見えない原因のひとつは、結晶の形。八面体と6面体の中間のような、ちょっと丸っこい形に結晶しているので、面の数が多くて、中がよく見えません。しかも、表面にはパイライトか何かが細かい粉状になって付着しているので、砂状のパイライトが内包されたイリノイ産のフローライトほどではないものの、全体がほんのりラメラメ、キラキラ。フローライトらしいつやつやでみずみずしい感じではありませんが、大きめの結晶を中心に左右に小さな結晶が並ぶ、整った形状で、小さくてもスタイル良しです。ダルネゴルスクのフローライトは、いざ探そうとすると見つからないのが困りもの。フローライトに限らず、かもしれませんが……。店に行って探せばいつでも何か並んでいるというものではないので、出会ったときが悩みどき。ミネラルショーでもここのところちょっと不作なのが残念です。
2008/02/06
コメント(0)
先日来、なんとか、原石を固定できないものかと、ちょこちょこワイヤーをひねくっています。めざすは●なるべくシンプル●ぐるぐるきっちり巻かないで固定ワイヤーで石を巻くとなると、ぐるぐる巻いたり、針金の渦が一杯くっついた華麗な感じのが多いじゃないですか。ああいうのは、たぶんできないし、私の柄じゃない。そこでなるべくシンプルに。せっかく自作するのだから、他にはない感じのものを。……ということで針金原石ペンダント第3弾同じものを背景違いで写してみました。ガラスではありません。お店によると、ヒマラヤ水晶なんだそうですが、どうにも産地が特定できない、全面破断面のぶっかき氷風透明水晶です。これはもう、「この形ならイケる」と、ワイヤーひねくりのために買いました。50円です。アイスクリスタルを巻いた時よりさらにシンプルな構造ですが、この形ゆえにしっかり固定されています。実際首から提げて出歩いてみましたが、大丈夫。この、被覆針金は、遠目には皮のようにみえるようです。こういう針金を使ったアクセサリーは、まだ見ていないし、できあがりもおもしろいんじゃないでしょうか。あとは、普通の結晶の水晶がおもしろく巻けるといいんですが……。
2008/02/05
コメント(6)
以前、たぶん、バイオタイト入り水晶として茶色のフィルム状のものが内包された水晶を登場させました。本(英語版)で、バイオタイト(黒雲母)入りとして紹介されていた水晶と、見かけそっくりだし、産地も同じようなものだし、たぶん、バイオタイトでしょう……と言っていたら、別方向から「雲母じゃないかも」といわれ、いったいどっちなんだ!……と、頭を抱えていた石、第2弾。黒雲母の確率アップで2号石の登場です。改めて。パキスタン産のバイオタイト(黒雲母)入り水晶です。今度の石は、3センチほど小さいですが、フィルム状の雲母がばっちり入っています。写真で茶色く見えているところが雲母。小さい石にべらっと内包されているので、水晶が部分的にスモーキーになっているように写ってしまいました。さて、前回は「たぶん、バイオタイト」といっていたのに、今回はやけに自信ありげに「バイオタイト入り!」と言い切れるかというと、この石を買ったとき、決定的な石を見たからです。前回も、今回も、私の買った石はバイオタイトであろうと思われるものが、透明茶色のフィルム状で、完全に内包されていますが、その決定的証拠石は、雲母部分が半ば露出していて、半ば内包されている部分は私が持っている石にそっくり……透明茶色のフィルム状の内包になっていました。その露出部分を見るに、これは雲母でしょう!と言えるようなものだったので、かなりの自信を持って「バイオタイト入り」少なくとも雲母の内包だろうと思うわけです。残念ながらその証拠石は、大きくて、結晶面があまり残っていない破片だったので、迷ったあげく買うのをあきらめました。また、バイオタイトが水晶に食い込んでいる境目を見ると、まるでインターフェレンス。これは……もしかしたら。こちらの「インターフェレンス・スモーキー」の成長に干渉し、ざっくざっくの傷跡を刻みつけたのは、雲母なのかもしれません。その証拠に、一部雲母らしき内包があるからです。インターフェレンス水晶の成長を阻んだのは、カルサイト……と紹介されていることが多いですが、それはダルネゴルスク産の場合。ところ変われば成長を阻む鉱物が違っていても不思議ではありません。内包され、付着し、水晶の成長を阻んで傷跡を刻む。なかなかどうしてすごいじゃないか、雲母。これが、黒雲母じゃなくて、レピドライト、紫ピンクの雲母が内包されていたら、きれいでしょうねえ……。こうして雲母の件は落ち着きましたが、新たな疑問が。写真の石に、バイオタイトと一緒に内包されたり付着している、緑のものは、何だろう?
2008/02/04
コメント(2)
グリーン・ファントムです。よく見ると先細りで先端にちょっ緑と泥かぶり。う~ん、ガネーシュ・ヒマール産っぽい……違います。ガネーシュ産と言われても驚かないどころか、うんうんと頷いてしまいますが、産地はパキスタン北部。お店の話ではギルギット。これまで何度か言いましたが、ネパールとお隣インドの水晶は似ていないものが多いのに、インドを飛びこえパキスタンにはいると、ネパール産そっくりの水晶が出てくるのが不思議。大きさは4センチほど、表面は磨りガラス状というよりももっとザラザラした感じで、内部はよく見えませんが、はっきりとした緑の内包物が見えます。もっとよく見るとその内包物は山状になっていて、つまりグリーンファントムになっているようす。このように、表面が磨りガラス状で内部がよく見えない場合、表面をぬらすと、ちょっと見えるようになります。その方法で内部をなんとか写してみると……。この緑色は緑泥……ではなくて、針状に見えるので、どうやらアクチノライトではないかと思われます。お店では、このタイプはこれしかなかったのですが、できればクラスターで見てみたかった……。とんがり水晶がつくつくと突き出ていて、一本一本の内部にこんなファントムが入っていたら……すてきだろうなあ……。
2008/02/03
コメント(2)
水晶に、クローライトなどが内包され、もこもこしたようすになると、ガーデン・クォーツと呼ばれます。考えてみたら、内包物のようすで、ガーデンだったり、ファントムだったり、ガーデンファントムだったり、ファントムでもいろいろ細かく名前が付けられていたり、ちょっとした表情の違いを示す名前があるのは、水晶くらいではないでしょうか。それだけ水晶がバリエーション豊かで、よく知られた石だということでしょう。同じくおなじみの石で、色や形のバリエーションがあるカルサイトやフローライトも内包物(インクルージョン)という点では、水晶に及びません。話は最初に戻りますが、水晶にいろいろ内包されてもこもこしたようすに見えると、ガーデン・クォーツ。では、それが水晶ではなくてフローライトだったら?……パキスタン産のフローライトです。いかにもフローライトなサイコロ状の、透明な結晶の中にたっぷりインクルージョンが入ってます。繰り返しますが、これで水晶なら迷わずガーデンクォーツですが……これは……ガーデン・フローライト?呼び慣れていないせいか、ちょっとためらいます。内包物は、クローライトではないようで、ちょっと筋っぽく、色はベージュ~白。緑色は見えません。産地はギルギットのあたりと聞いたのですが、今まで見たパキスタン北部のフローライトはピンクや緑で、八面体の結晶が多いようなイメージがあります。八面体とサイコロ状結晶の中間の結晶もありますが、こんなにきっぱりサイコロ状で、しかも透明なフローライトは、まだ見たことがありません。本当にギルギット産?それとも、フローライトに見えて、実は別の鉱物とか?(たぶん)フローライトに内包物、それだけで変。それだけで謎。そんな石です。
2008/02/01
コメント(0)
全28件 (28件中 1-28件目)
1