“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2023.07.09
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テーマ: 中国料理(161)
カテゴリ: 中国料理研究
飄香 @渋谷区広尾 ~名門「松雲門派」の免許皆伝をされた井桁良樹シェフのお皿の上の宇宙







無限の可能性を意味するマークです。


移転して一年になりますね。


私はアルコールが飲めない身なので、ノンアルコールです。
アペリティフは東方美人に琵琶を漬け込んだスパイシーなスパークリングです。
香りよく炭酸が口の中に広がりおいしいです。


こちらは本日の演目ですね。
劇場経営ですね。
井桁シェフは四川料理の老舗で再修行して 名門「松雲門派」の免許皆伝をされました。

とても楽しみです。


「芙蓉」


四川省成都市の花、芙蓉。
豚の干し肉と 豆乳と白花豆を使ったお料理です。
ふわふわの食感がきて白花豆の層が味わいが深まり美味しい。


「竹韻」
竹韻とは笹と笹が重なり響く音色です。


二皿目はフォアグラのパイです。


豆腐の発酵調味料、腐乳でマリネしたフォアグラを竹炭を練り込んだパイで挟んでいます。
フォアグラの上はらっきょの泡菜です。
上には、 四川省の緑茶「竹葉青」の粉末がかけてあります。




中国の弦楽器、琵琶をイメージした料理で、井桁シェフのスペシャリテ。
天然乳酸発酵させた泡菜の汁に漬けたボタン海老です。
尾などの殻が香ばしくしてあります。これが味わい深い酸とあいます。
下には野菜の四川ピクルスともち麦のテクスチャ。
ロックチャイブが添えてあります。



連れのワインは
サバニャン コートドジュラ
です。なるほど。
料理を食べると飲まなくてもワインの味わいがわかるって。


「回望」


 (古典料理「雪花鶏淖」)を振り返るというテーマのお皿。
帆立ととうもろこし(ピュアホワイト)とサマートリュフのムースのような一品。
上にはむらさきウニがのせてあります。 
紫蘇科の藿香(カッコウ、別名カワミドリ)のオイルがとても印象的かつ心地よいです。
ちなみに、Wikipediaによればカワミドリはシソ科カワミドリ属の多年草 。ハーブのアニスヒソップと同類で、草全体に芳香があり、長い紫色の花穂をつける。薬草として知られ、茎葉や根が漢方薬に用いられている。

四川省のジャスミンティー


「柳綠」
川の畔に自生するしだれる柳の葉をイメージした料理だそうです。


紹興酒でマリネした馬刺しの下には、へちま、万願寺唐辛子と皮蛋、新生姜 が丸く台になってあり、上にはオクラとレモンバームのパウダー 、その下にピスタチオ。
一番上はシトロンライムです。


「蓮花」


続いてはクロアワビの粽。時期が七夕ですからね。


柔らか煮の鮑、蓮粉を練った餅を纏っています


別皿には、鮑肝を蓮子でまとめたものと、蓮姜(ミョウガ)の赤酢漬けが添えてあります。
ミョウガの軽い酸味がとてもアクセントとして良い感じです。


「官燕」


燕の巣に見立てた冬瓜のスープ
すっぽんの清湯と短角和牛の清湯でいわば「Wコンソメ」です。
上品なのに味わい深いスープと枝豆豆腐がとても合います。

白茶


「貴妃」


楊貴妃がシルクロードを通じてワインを好んでいたという説をお皿にしているそうです。
オマール海老と塩漬け唐辛子の赤ワインソースです。
井桁シェフのスペシャリテだったと思います。
ワイン発祥の地のひとつとされるジョージア産オレンジワインを煮詰めたソース、
青ザメとヨシキリサメのフカヒレを添えています。
黄色いのはサフランです。




「梅龍」


甘酸っぱくて辛さがあり、うまい。
梅の古木、 鱧を龍に見立てています。
鱧、酸梅湯、青梅





次の料理の漆器の取り皿が置かれます。


「随園」


清時代の随園食単にもある伝統料理を四川のナマコ料理に仕立てた一品。
北海道の檜山ナマコを豚スネ肉 、ムール貝とともにとろとろ・ふるふるに煮詰めています。
アクセントに鶏冠油が入っています。


椎茸に見立てた蒸しパンを探せ!
本物がふたつ入っているそう。




私はみごとに一発で見つけました。




ふるふるの食感の海鼠です。


プーアール茶
なまこや椎茸と合います。


「魚羊」
羊と魚を使った古典料理をオマージュした四川伝統蒸し物
左が羊肉とジャガイモで右が羊の四川パイ包み焼きです。


四川地方のお祝い料理です。
後で仕上げて出てきます。


文明
長江文明に関わっていたのではないかと謳われているイ族の日常食の韃靼蕎麦粉の麺をモチーフにしています。陳皮で香り付した鰻のった蕎麦。


マイクロコリアンダーとセロリの薬味がとても良いですね。
陳皮香る鰻の韃靼蕎麦。これはおいしい!!
蒜と青山椒の香り。


「養心」
中医学で、心を養うことを意味するそうです。
メロンのアイスクリーム 
ココナッツ、ハト麦、白キクラゲ、ミント


「喜筵」
四川地方のお祝い料理です。
緑豆の餡子と餅米
甜焼白(緑豆 マンガリッツァ豚 餅米)
抹茶   蓮葉 蓮芯 
中国茶

いやー、凄かったですね。
わかりやすい高級食材がメインの中国料理店は多い昨今、古典料理を礎にこれだけ既知と技術と労に富む食べ応えがある料理は希有ですね。
昔、中国料理研究会というのがあって、良く誘われましたが、主催者はみんな隠居してしまいました。彼らが食べたら、きっと鼻血が出るのでしょう。
何か、山崎さんを思い出しました。
それにしても、中国料理ははまりますね。

飄香
〒150-0012 東京都渋谷区広尾5丁目19−1 VILLAGE 1F 2
電話 03-6277-2141


本日のおすすめ


現代に生きる老四川 伝統四川料理を現代の技で継承する [ 井桁良樹 ]




【中古】 NHK「あさイチ」3シェフNEO THE BEST RECIPE /マリオ・フリットリ(著者),橋本幹造(著者),井桁良樹(著者) 【中古】afb





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Last updated  2023.07.26 22:35:32


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