yuuの一人芝居

yuuの一人芝居

PR

フリーページ

小説 堀河の局


戯曲 貞心尼の花 ・・・芸文館公演


貞心尼の動画  テレビ放映


戯曲 天野の里の露


小説 天使の赤褌 1


小説 天使の赤褌 2 


大風呂敷の中の小石  毎日新聞連載


童話 ハッパ文文


児童文学 俺は天使か 1


児童文学 俺は天使か 2


児童文学 鬼の反乱 1


児童文学 鬼の反乱 2


児童文学 鬼の反乱 3


yuuの紹介


友に出した手紙


公演は倉敷演劇研究会、劇団滑稽座のもの


公演の後始末


滑稽座新聞


随筆 一週間の闘病生活


童話 星の光


見上げてごらん夜の星をの劇中詩


戯曲 紫しだれ櫻・・・芸文館公演


小説 紫枝垂れ櫻


朗読劇 麻生アヤ女史による。テレビ放映


戯曲 不覚文覚荒法師・・・芸文館公演


有線テレビで放映


戯曲 花時雨西行・・・芸文館公演


有線テレビで放映


創作秘話 「花時雨西行」「紫しだれ桜」「堀河の局」


戯曲 小町うたびと六歌仙(連載中)


「小町」創作ノート


小説 となり


となり 続編 遠いい声


逢澤雄吉の幸福な災難


となり 続編 鳴き声 執筆中


月に吠える少年・市民会館大ホール公演


倉敷水島文化センターで公演


倉敷玉島文化センターで公演


倉敷本町公民館で公演


戯曲 花筵・・・芸文館公演


戯曲 花ござの里・目黒公会堂公演


新 「花筵」 国文祭芸文館公演


岡山市山陽町会館で公演


倉敷公民館大ホール公演


創作秘話 「花筵」


小説 遠いい声


小説 くらしき草子


朗読劇として 芸文館公演


倉敷公民館大ホール公演


戯曲 桜散るとき・・・


児童劇 さざんがく・・・芸文館公演


倉敷水島サロンにて公演


戯曲 西行のゆくへ(連載中)


戯曲 となり・・・芸文館公演


戯曲 風博士・・・和楽座公演


坂口安吾の「風博士」脚色して公演


小説 『今拓く華』 海の華 (1)


 海の華 (2)


小説 冬の華 


小説 春の華


小説 夏の華


小説 秋の華


小説 『今拓く路』 冬の路


小説 春の路


小説 夏の路


小説 秋の路


小説 『今拓く空』 冬の空 1


小説 冬の空 2 


小説 冬の空 3


小説 春の空 1


小説 春の空 2 


小説 春の空 3


小説 春の空 4


小説 春の空 5


小説 夏の空 1 


小説 夏の空 2 


小説 秋の空 1 


「今拓く華と路と空」のあとがきとして…。


今拓く華と路と空と風 1


今拓く華と路と空と風 2


今拓く華と路と空と風 3 


今拓く華と路と空と風 4


今拓く華と路と空と風 5 


今拓く華と路と空と風6 


今拓く華と路と空と風7 


今拓く華と路と空と風8


今拓く華と路と空と風9


今拓く華と路と空と風10 執筆中


時代小説  倉子城物語朗読劇芸文館公演


味噌蔵


格子戸


中橋


藺草


太鼓橋 


群雀


滑子壁


夕凪


銀杏


通り雨 1


通り雨 2


通り雨 3


冷や飯


藤戸饅頭


波倉


常夜石灯


今橋


創作秘話 「倉子城草紙」として出版のあとがき


小説 めぐり来るときに(新連載開始)


一人芝居 花時雨西行・・・芸文館公演


和楽座公演


yuu独り言


あの頃の、チャップリンの「独裁者」の言葉に心震わせて


yuuの創作メモ2も合わせて読んでください


作家が小説作法を書くと終わっている事、2


小説 九太郎がいく・・・


小説 九太郎がいく 2


劇団劇団滑稽座公演写真


yuuの仕事部屋(ヤフーHP)


劇空間 劇団滑稽座


yuuの環境問題


yuuの夢物語


小説 瀬戸の夕立


この小説は入選する 立石孫一郎伝


創作秘話 「瀬戸の夕立」立石孫一郎伝


戯曲 天領倉敷代官所炎上・・・芸文館公演


天領倉敷代官所炎上の動画


有線テレビで放映


戯曲 あの瞳の輝き永遠に・・・芸文館公演


シナリオあの瞳の輝き永遠に


児童劇 手のひらに太陽を・・・芸文館公演


あの瞳の輝きとわに 冊子として出版


倉敷市民会館大ホールにて2回再公演


母の女教師の会 岡山市大元小学校公演


あの瞳の輝きとわに、は三部作です。


有線テレビで放映


創作秘話「あの瞳の輝きとわに」


戯曲 ふたたび瞳の輝きは・・・芸文館公演


ふたたび瞳の輝きはの動画


この作品は「あの瞳の輝きとわに」の第二部


有線テレビで放映


創作秘話 「ふたたび瞳の輝きは」


戯曲 三太郎の記紀・・・芸文館公演


新 三太郎の記紀・・・芸文館公演


倉敷公民館大ホール公演


有線テレビで放映


創作秘話 「三太郎の記紀」


戯曲 心に華を草枕・・・芸文館公演


倉敷市民会館公演3回


倉敷水島文化センター公演


なぜ私が「瞽女さ」に魅かれ書いたのか…。


有線テレビで放映


戯曲 見上げてごらん夜の星を・芸文館公演


有線テレビで放映


創作秘話 「見上げてごらん夜の星を」


戯曲 上を向いて歩こう・・・芸文館公演


旧 上を向いて歩こう


有線テレビで放映


創作秘話 「上を向いて歩こう」


戯曲 更け待ち藤戸・・・芸文館公演


有線テレビで放映


創作秘話 「更け待ち藤戸」


小説 一合半庵異聞・・・芸文館公演


玉野市公民館公演


小説 冬の流れ 連載中


小説 子作り戦争


戯曲 現代水軍伝・・・芸文館公演


有線テレビで放映


創作秘話 「現代水軍伝」


異聞良寛乾いて候可・・・芸文館2回公演


良寛乾いて候可の動画


有線テレビで放映


創作秘話 「良寛乾いて候可」


一人芝居 堀河西山庵草紙


戯曲 汐入川


戯曲 倉敷物語


青年劇 干潮(ひきしお)・目黒公会堂公演


干潮 この作品は「倉子城草紙」にて出版


倉敷市市民会館大ホールで公演


総社市民会館で公演


倉敷水島文化センターで公演


この作品で脚本賞を頂く。


創作秘話 「干潮 祭りの夜」


青年劇 秋桜・・・公民館公演


倉敷水島文化センターで公演


岡山県久米南町で公演


和楽座公演


戯曲 天使達のララバイ 連載中


小説 冬蛾 連載中


小説 十七歳の海の華・・・1


小説 十七歳の海の華・・・2


創作秘話 「17歳の 海の華」


小説 待賢門院堀河


随筆 風立つ頃に 1


随筆 風立つ頃に 2


戯曲 海へ帰る・・・公民館公演


和楽座公演


倉敷公民館大ホール公演


戯曲 巡りくる春のために・目黒公会堂公演


岡山県矢掛福祉会館で公演


随筆 記憶の薄れいく中で


随筆 風の路 1


随筆 風の路 2 


随筆 風の路 3 


随筆 風の路 4


随筆 風の路 5


随筆 風の路 6


随筆 風の路 7


文化の意味を問う


戯曲 入れ歯のできる日まで 港区福祉会館


入歯の出来る日まで 冊子として出版


倉敷市公民館で公演


おはなし 星に願いを 1


星に願いを 2


星に願いを 3


星に願いを 4


星に願いを 5


この作品は 倉子城草紙に収録


戯曲 はちすの露1  倉敷市芸文館公演25年


戯曲 はちすの露 2


戯曲 はちすの露 3


あしあとひとつあしおとふたつ 芸文館公演


あしあとひとつあしおとふたつ  2


創作秘話 あしあとひとつ あしおとふたつ


小説 水島灘物語 連載中


小説 冬蛾 連載中 1


立石孫一郎についての考察


立石孫一郎についての考察 2


三っの石橋架かる町 冊子として出版


倉敷市民会館大ホールにて公演。


倉敷本町公民館にて公演


偉大な愚か人達 冊子として出版


この作品は 東京都町田会館にて公演


新見市民会館にて公演


倉敷本町公民館にて公演


ここに書いている小説は雑誌に掲載


波倉の町 倉敷市民会館大ホール公演


冊子として出版


戯曲 波倉の町 連載開始


蔵のある町 倉敷市民会館大ホール公演


戯曲 あの瞳に支えられ桜散る時・・・


この作品は「あの瞳の輝きとわに」の第三部


倉子城物語 波倉の村から 連載中


恨の藤戸は流れ星 倉敷公民館ホール公演


瀬戸の花嫁恋愛論 青年祭岡山福祉会館公演


戯曲 老いの桜


小説 蓮の露 1


小説 蓮の露 破 執筆中


劇団滑稽座 公演記録


作品の発表 公演は年代の順ではありません


会話小説 雨の夜の男と女 連載中


随筆 今思う明日 1


随筆 今思う明日 2


随筆 今思う明日 3


随筆 今思う明日 4


フェイスブックのコメント 1


フェイスブックのコメント 2


フェイスブックのコメント 3


フェイスブックのコメント 4


フェイスブックのコメント 5


フェイスブックのコメント 6


一人芝居 武蔵五輪書巌流島 執筆中


喜劇 平成縄文時代 執筆開始


勝新さんを忍んで 座頭市の旅の終わりに


推理小説 倉敷小町殺人事件 執筆中


小説 立石孫一郎 (現在の目で書く) 開始


吉馴悠と今田東の創作のあゆみ


小説 海の漁火


小説 母の痣1 新連載


小説 風化 書き始めます


文学を精神の主軸にする愚かしさ…。我が人生を振り返って…。つづく


戯曲 銀杏繁れる木の下で


戯曲 「銀杏繁れる木の下で」を書いた後の心残り


小説 惜春鳥 連載開始


小説 秋冬


篠田正浩監督作品に参加して 体験記


私と出会った温かい人たち 連載開始


勝新太郎さんと日本映画を振り替える…


昨日、不思議な夢を見た…。1-40


昨日、不思議な夢を見た…。41


小説 麗老


小説 銀杏繁れる木の下で


小説 砂漠の燈台 1


小説 砂漠の燈台 2


小説 砂漠の燈台 3


小説 砂漠の燈台 4


いつか何処かで・・・。1-28


いつか何処かで・・・。29


明日は今日より素晴らしい・・・。1


2011年01月28日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

猫の九太郎

 九太郎という牡の猫を飼っている。

 劇団員の少女が捨て猫を見つけてかわいそうだから飼ってもらえないだろうかと言うことで面倒を見ることになった。犬猫の獣医助手を目指す彼女に拾われたと言うことは捨て猫にとって幸運だった。が、飼う方には災難であることの方が多い。小さな泣き声であった子猫は大きくなるに従い猫の特性を遺憾なく発揮しだした。トイレにおしっこをしなくてくんくんとかぎ回り何処へでもおしっこを垂れ流しだしたのだ。マーキングである。猫のおしっこは犬と違い特別臭い。その臭いが家中充満した。家族に取っては耐えられるものではなかった。猫を飼うとこのようになると言う現実は充分に知っていたが猫には返さなくてはならない恩義があったのだ。恩のなんたるかを知らない家人は恐れ多くも、

「また猫を飼うのですの。飼うのだったら去勢をしてくださいよ」

 と平然と言ったのだ。恩義の有る猫にそんな動物である証の子孫を残すための行為に必要なものを除去出来るはずはないではないか、と言おうとしたが声が喉に詰まり胃袋に落ちたのだった。それは病気の所為ではなく去勢しろと言う家人の心理が怖かったのであった。九太郎を車で連れ出して二時間ほど走って帰り、

「見事にたまたまを切除したぞ」と嘘を言ったのだ。それは妻に対する従順より恩義に対しての方が大きく重かったからなのだ。

 三十年程前に仮面鬱病になったときに家の前のゴミ捨て場で三毛猫の雌を拾った。弱々しい声で泣いて哀れを誘っている猫に同情して夕餉のすき焼きの残りを食べさせてやった。お腹が減っていたのかおいしそうに食べる姿に感動しついつい家に上がらせたのであった。その猫に茶子兵衛と名付けた。

 その頃肩がこり眠られず体が重たいし頭がボーとしていた時期であった。何軒も医院を訪ね診察を受け薬を調合して貰ってもいっこうに良くならなかった。おかしいと感じたのは県の青年大会の演劇部門で最優秀賞を貰い全国青年大会に出発する日に現れた。足がだるく息切れがして動けなくなったのだ。前日は興奮して眠れなかったので睡眠不足からくるものであろうくらいに考えて無理をして東京に行ったのだ。渋谷の参宮前駅で降り代々木オリンピックセンターまでの距離を歩いたのだが陸橋で立ち往生をしてしまった。どうしても階段が上れないのだ。階段を二三段上ると心臓は早鐘を打ったように鼓動し呼吸はぜいぜいと悲鳴を上げだしたのだ。一週間東京にいたが何がどうなったか定かに覚えていない。何度か医院のドアを開けたのは記憶しているが。そのほかは心臓病患者の様な不整脈と動悸の早さと喘息患者の様な息切れだけを記憶しているのであった。目黒公会堂での公演結果がどうであったか帰って聞くまでは定かではなかった。優秀演技賞と最優秀舞台美術賞を貰っていた。帰っていろいろな専門医に診て貰ったが正確に病名の診断を下す医者はいなかった。二階の書斎に上がる階段の途中で立ち往生をする事もしばしばであった。深夜とか静かにしているときに突然この世の終わりを告げられたような不安発作に襲われ何回も救急車で救急指定病院へ行った。着くと動悸は収まり息切れも治っているという状態が続いた。医者は何のために来たのかと言う顔をした。不安発作が鬱によるものとは判断できなかったのだ。

 その頃茶子兵衛が現れたのだ。猫は心臓病と高血圧と精神の歪みの病気持ちに心の安穏を与えてくれる動物だと聞いていたのだがそれが真実かどうかはわからなかった。そう思って猫を飼ったのではなかった。捨てられた猫に我が身を重ねて哀れを感じたのであろうか。か弱い飼い猫がそばにいると言うことは精神を安定させる作用があった。茶子兵衛の動作を見ていると心がいやされた。同じ症状の焼き肉屋の旦那が迎えに来てくれ川崎医大の心療内科を受診した。貰った薬を飲むと体のだるさがなくなっていった。眠られるようになった。頭も軽くなった。肩がこらないようになった。不安発作も少なくなった。茶子兵衛はじゃれついて慰めてくれた。病名は仮面鬱病と診断されたのだった。医者の治療と茶子兵衛によってだんだんと恢復をしていったのだ。茶子兵衛は一日ボーとしている主のそばを離れず見守ってくれ見上げる目は心配そうで優しかった。いつも体のどこかへ尻尾をくっつけていて様子を見ていたのだ。テレビに対して話しかけ怒鳴る事しか話相手のなかったのだが茶子兵衛は話相手になってくれ独り言愚痴を聞いてくれた。その茶子兵衛は二年後に尿路結石による腎臓病でなくなった。もっと早く犬猫病院に連れて行ってやれば長生きが出来たであろうと後悔したものだ。

 猫にはそんな思い出があり恩義があったのだ。

 九太郎は何度か尿路結石になったがそのつど犬猫病院へ連れて行き茶子兵衛の撤を踏むこともなくなった。茶子兵衛のためにも九太郎を同じ病気で死なす事は出来ないと思っている。茶子兵衛の恩返しのためにその後三太郎を飼ったがその頃もまだ仮面鬱病は全治してなくいやされたのだ。元気になった今九太郎に手を焼きながらも面倒を見ているのは茶子兵衛と三太郎への愛情の印なのかも知れない。

 九太郎を連れてきた劇団の少女は獣医の助手になり次男の嫁になって同じ屋根の下で生活している。今では双子の母である。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年01月28日 17時34分47秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

カレンダー

お気に入りブログ

「昨夜の侍ジャパン… New! ツヨシ8さん

散歩で出会ったお花… New! 蘭ちゃん1026さん

今日咲いてるバラ~… New! 萌芽月さん

いい色の日 New! ありんこbatanさん

らしゃめん>『ばけ… ひじゅにさん

2025年「馬見丘陵公… リュウちゃん6796さん

ウクライナ、東部要… 徒然2020さん

このページは「k.t15… k.t1579さん
山口小夜の不思議遊戯 小夜子姉貴さん
春夏秋冬 きままな… お局ちゃんさん

コメント新着

yuu yuu @ Re[3]:昨日、不思議な夢を見た…。28(04/11) yuu yuuさん >yuu yuuさん >>恵 香乙…
yuu yuu @ Re[1]:昨日、不思議な夢を見た…。27(04/05) ツヨシ8さん >YUU YUUさんへ。 > 今日…
yuu yuu @ Re[2]:昨日、不思議な夢を見た…。28(04/11) yuu yuuさん >恵 香乙さん >>「砂漠の…
yuu yuu @ Re[1]:昨日、不思議な夢を見た…。28(04/11) 恵 香乙さん >「砂漠の灯台」を読ませて…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

yuu yuu

yuu yuu

バックナンバー

・2025年11月
・2025年10月
・2025年09月
・2025年08月
・2025年07月

カテゴリ

カテゴリ未分類

(2225)

小説

(0)

戯曲

(0)

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: