2013.6.6 08:21 (1/2ページ)[国内市場]
株式相場の乱高下に一喜一憂する日々が続いている。
昨年11月以降、株価の上昇が続き、ベテランの証券マンも「こんな相場は見たことがない」というほど記録的な活況だったが、最近では東証マザーズ市場やジャスダック市場などの新興市場銘柄が大した業績の裏付けがないまま上昇することも珍しくなかった。(フジサンケイビジネスアイ)
経済紙やマネー誌だけでなく、週刊誌でも「投資特集が組まれると読者の受けが良くなった」(女性週刊誌の編集者)というほどだから、初めて株式投資に挑戦するという投資家も少なくなかったはずだ。
身を持ち崩し、人生を狂わせてしまう個人投資家が現れるのはこんなときだ。
以前、筆者が株式市況を伝えるラジオ番組を担当していた頃、新興市場が変調を来し、個人投資家からこんな相談を受けたことがある。
「株取引の損失で退職金はすべて失い、消費者金融から借金するようになってしまった。どうしたらいいでしょうか」
聞けば相場の下落局面で無理にナンピン買いを繰り返したが、株価は一向に下げ止まらず、損失が雪だるま式に膨らんだという。
新興市場銘柄の多くは薄商いのため、値上がりも値下がりも一方通行になりやすいことを知らず、自分で損切りのルールを決めておくことの大切さものみ込めていなかったのだ。
一方で制度や仕組みは投資家に、より高度な専門性を求めるようになった。
売買処理システムの高速化に伴って板情報を読みながらの日計り商いは証券会社のベテランディーラーでさえ困難になり、中長期的な相場展開を的確に見通すことが重要になった。
また今年1月には信用取引の規制緩和が進み、個人投資家の回転売買は盛んになったが、 投資経験の浅い個人にとって、これらは自動車免許を取ってすぐにF1マシンに乗るようなものだ。
投資家教育を充実させつつ、「適合性の原則」を一歩進め、習熟度合いに応じた投資ができるきめ細かな仕組みは作れないものか。
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