そのドイツでこの週末、総選挙が行われます。
首相のメルケル氏。国内で高い人気を誇り、ついたニックネームはズバリ「お母さん」です。
そのメルケル首相ですが、連立与党の支持率が野党を下回るという大苦戦を強いられています。
ギリシャ支援や緊縮財政がユーロ解体などを叫ぶ野党の厳しい批判にさらされているのです。
ヨーロッパが再び混乱する可能性もある今回の選挙。
ドイツ、そしてメルケル首相に、何が起きているのでしょうか?
ベルリン中央駅に登場した巨大な選挙用のポスター。
指先を合わせたポーズは一体なにかというと・・・
「実はこれ、メルケル首相の手の癖を現しているんです。
今や“メルケルのひし形”と呼ばれ、トレードマークになってます」(記者)
国民に安心感を与えるというメルケル首相のイメージを前面に打ち出しているのです。
「私たちはユーロの安定だけでなく、強く、新しく、競争力のあるヨーロッパを必要としています」(メルケル首相、去年1月)
2005年にドイツ初の女性首相となったメルケル氏。
ヨーロッパの債務危機では「緊縮路線」を推進し、
ヨーロッパの盟主としての役割を果たしました。しかし・・・
「メルケル首相は責任者なのに、明確な方向付けをしようとしない」(社会民主党 シュタインブリュック氏)
野党、社会民主党の首相候補シュタインブリュック氏が、
終盤になり急激に追い上げているのです。
きっかけは今月のテレビ討論会。
「この10年から15年の間に貧富の差が拡大し、
勝ち組は高収入を得て、より豊かになってしまった」(社会民主党 シュタインブリュック氏)
低賃金労働者の増加やギリシャ支援などで
「過度な緊縮政策」を押し付けたとメルケル首相を痛烈に批判。
新聞のインタビューでは、「中指を立てる」という過激なポーズまで飛び出しました。
一方、ユーロ解体を掲げかつての通貨、マルク復活を目指す政党「ドイツのための選択肢」も支持を拡大。
16日の集会では、500ユーロ紙幣のレプリカを燃やすパフォーマンスまで飛び出しました。
JNNのインタビューに、党首のルッケ氏は・・・
「わが党はユーロ圏の段階的な解散を支持しています。(マルク復活は)長期的な目標です」(「ドイツのための選択肢」 ルッケ党首)
「ドイツのための選択肢」は議席獲得は微妙な情勢ですが、
連立与党などの保守票を取り込む可能性も指摘されています。
最新の世論調査では、連立与党の支持率が野党を下回り、
特に連立のパートナーの自由民主党は議席を獲得できない恐れも出てきました。
結果次第では、連立の組み換えを余儀なくされ、ヨーロッパの行方が左右されかねない情勢です。
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