【北京=矢板明夫】中国の治安当局は、インターネットで香港市民の抗議活動を
支持したことなどを理由に知識人らを次々と拘束し、14日までに少なくとも50人を連行した。
共産党の重要会議・第18期中央委員会第4回総会(4中総会)を20日に控え、
言論統制を一層強化する狙いがあるとみられる。
北京の人権活動家らによると、14日までに当局に拘束されたのは、元雑誌編集者の郭玉閃氏、
女性作家の寇延丁氏、詩人の王蔵氏ら北京だけで約50人。ほかの地域にも多くの拘束情報が寄せられている。
拘束理由はほとんど「騒ぎを起こそうとした」となっているが、警察が本人や家族に見せた拘束状に
具体的な容疑の記入はない。インターネットで香港市民の最近の抗議活動を支持する文章を
発表したことが共通しており、家族らは「香港のデモと関係している」と推測している。
外国メディアの取材を受けている最中に警察が現れ、一緒にいた外国人記者も一時拘束されたケースもあった。
2日に拘束されたドイツメディアの中国人スタッフが14日になっても、釈放されていない。
また、中国の出版関係者によると、中国当局は14日までに、台湾の歴史学者の余英時氏、
中国の経済学者の茅于軾氏、香港の評論家の梁文道氏ら約10人について、
全著書を出版・販売しないよう各地の出版社、書店に通達を出した。
これらの作家は、香港のデモに理解を示す言論を発表したとされる。
彼らの著書はこれまでも当局の検閲対象となっているが、
学術書など内容によっては中国国内で出版・発売できるものもあった。
共産党関係者によると、一連の締め付け強化は、香港のデモの影響拡大を抑える狙いのほか、
4中総会の前に共産党指導部が「雑音を一掃し、思想統一を図りたいと考えている」との思惑もあるという。
4中総会は「法による統治」が主要議題だが、
改革派知識人の間では「(習近平政権は)人治を強めている」と批判する声があった。
天安門の再来?結局本土の情報統制はまだまだ進んでいる・・・。
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image