韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は22日午前5時58分(日本時間同)
ごろ、東部元山(ウォンサン)付近から、新型の中距離弾道ミサイル
「ムスダン」(射程2500〜4千キロ)とみられるミサイル1発を発射したが、
失敗したもようだ。さらに、北朝鮮は同日午前8時5分(同)ごろ、「ムスダン」
とみられるミサイルを追加発射した。ミサイル発射はこの日2回目。成否は不明。
聯合ニュースが伝えた。
ムスダンの発射は5月31日以来6回目。過去4回も直後に爆発するなど、
いずれも失敗に終わっていた。聯合ニュースによると、韓国政府関係者は
今回の発射について、「数分間飛行したが、弾道ミサイルとして正常な飛行は
できなかった」などとして失敗したとの見方を示している。
日米韓は、北朝鮮が追加発射に踏み切る可能性もあるとみて、警戒を強めている。
ムスダンは発射台付き車両で運用される移動式弾道ミサイルで、旧ソ連製の
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を改良したものとされる。聯合ニュースは
相次ぐ発射失敗について、「エンジンに根本的欠陥がある」との見方を伝えていた。
ただ、発射を何度も試みることで技術が着実に進歩している可能性を指摘する
見方もある。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権は5月6〜9日に行われた朝鮮労働党大会
以降、韓国や米国に対話の再開を呼びかけているものの、「北朝鮮の核放棄が先だ」
(韓国外務省)などとして拒否されている。北朝鮮としては、米グアムも射程に収める
ムスダンの発射を成功させて圧力を強めようという狙いがあったとみられる。
ムスダンをめぐっては、25日の朝鮮戦争開戦日や29日の最高人民会議
(国会に相当)開催日に合わせて、発射を強行する可能性が伝えられていた。
朝鮮半島南部はすでに梅雨に入っており、天候が悪くなる前に発射を強行しようと
した可能性もある。
北京では22日から、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の外交当局者らが参加する
国際学術会議「北東アジア協力対話」が2日間の日程で始まる。北朝鮮も
チェ・ソンヒ外務省米州局副局長を代表として派遣している。
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