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2018年10月29日

忘れてませんか?間仕切りカーテン感染対策 耐性菌の温床となる可能性も


耐性菌の温床となる可能性も

10〜14日でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA陽性が増加
2018年10月04日 10:06
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 医療機関では、感染源となりうる設備や医療機器、医療従事者への院内感染対策が講じられている。
カナダ・University of ManitobaのKevin Shek氏らは、
患者のプライバシーを保護するための間仕切りカーテン(プライバシーカーテン)も
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の温床となりうることから、
防御策を実施しなければ安全性が脅かされる可能性があると
Am J Infect Control(2018; 46: 1019-1021)で注意を喚起した。

清掃予算の削減による影響か

 病棟患者のベッドを取り囲むプライバシーカーテンは、
次のような理由から交差汚染のリスクが高いとされている。

?@頻繁に触れられる
?Aクリーニングまたは交換する頻度が低い
?Bプライバシーカーテンに触れた後に手指を消毒する頻度が低い—など。

 Shek氏らが行った横断研究によると、
プライバシーカーテンの細菌汚染は平均13.3/CFU cm2であり、
プライバシーカーテンの31%がMRSAを繁殖させていたという
(J Hosp Infect 2017; 96: 54-58)。

その背景として、清掃予算はカナダ全土で削減方向にある。
そのため同氏らは、
カーテンクリーニングまたは交換する適切なプロトコルを作成する上で、
MRSAを含む細菌による汚染の割合とその程度を把握することの重要性を指摘している。

対照群ではMRSAは検出されず

 Shek氏らは、
同国マニトバ州のHealth Sciences Center熱傷・形成ユニットにおいて、
クリーニングされた10枚のプライバシーカーテン(生地は綿・ポリエステル混紡)を追跡し、
細菌汚染率とその程度を調べた。

 対象となったプライバシーカーテンのうち、
8枚はベッドの周囲をプライバシーカーテンで仕切る部屋に配置され、
ベッドから約30cmの間隔を空けてつり下げられた。

また2枚は対照として、
患者または介護者が直接触れられない場所につり下げる部屋に配置された。

なお、プライバシーカーテンを使用したいずれの患者(10例)も
ベースライン時にMRSAは検出されなかった。

 細菌検査は、各カーテンの2カ所(患者に面する側で、肩の高さの上下)に
Neutralizing Agar Rodac Contact Platesを30秒間押し付けて、
初日、3日目、7日目、10日目、14日目、17日目、21日目に菌をサンプリングした。

カーテンに汚れが目立った場合はその都度取り替えた。

 初日に細菌が検出されたカーテンにおける平均細菌数は
試験群が0.20 CFU/cm2、
対照群が0.10 CFU/cm2
といずれも最小であったが、

21日目にはそれぞれ
5.11 CFU/cm2、
0.60 CFU/cm2
と増加していた。

試験群における平均細菌数の変曲点を見たところ、
17〜21日(平均1.86〜5.11 CFU/cm2)であった。

 さらにMRSAは試験群で3日目に1件が陽性と判定され、
14日目には5件(62.5%)に増加、
21日目には7件(85%)に増えた。

一方、対照群ではMRSAは検出されなかった。

10〜14日でMRSA陽性が増加

 以上の結果から、
Shek氏らは「病室のプライバシーカーテンは、つり下げてから10〜14日の間に
MRSA陽性に転じたことを踏まえると、
このタイミングでカーテンを清掃するまたは新しいものと交換する
ことが適切と考えられる」と結論した。

 また米国感染管理疫学専門家協会(APIC) 2018で会長を務めたJanet Hass氏は、
患者の治療環境を清潔に保つことは院内感染の予防に不可欠であると指摘。「

プライバシーカーテンは感染拡大経路の1つのになりうることから、
定期的な院内清掃を行うことが防御策となる」と述べている。
(田上玲子)

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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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