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posted by fanblog

2019年03月12日

訓練と脳のサイズ?@

最終的には、心の働きの脳内メカニス?ムについて述べていきます。

記憶力

訓練と脳のサイズ?@

道具の使い方を学習したサルの脳が膨張!


学習によって脳も膨張する。

理科学研究所の入來篤史(いりき あつし)チームリーダーは、サルが道具の使い方を学習した時、脳の構造にどのような変化が起きるかを、高性能なMRI装置を使って詳しく分析した。

すると、大脳で、かつてないほどの劇的な変化が検出されたのだ。

入來チームリーダーらは、野生では道具を使わないニホンザルに、熊手を使って遠くのエサをとる訓練を施した。
20日ほどで道具の使い方を学習したサルたちの脳を分析すると、特定の部位で、脳の体積の膨張を示す信号が検出された。

ある個体では、信号の強さは最大で17%上昇しており、これほど短期間に急な上昇が見られた例は初めてだという。

入來チームリーダーは、「神経細胞のつながり方や大きさが少し変化したくらいでは、説明が難しいほどの劇的な変化です。
道具の使用という、サルがまったく経験したことのないことを学習したことが、短期間での変化につながったのでしょう」と語る。

今回の研究が行われた本来の目的は、『人ならではの知性』の探求である。

道具を使えることは、人の知性の重要な要素の一つである。
道具の使用でサルの脳に起きた変化は、人が知性を獲得し始めた時に起きた脳の変化と似た状況を示している可能性があるという。

サルの脳で変化した部位は、人では、道具使用、言語や概念など、高度な機能に関わると言われている部位に対応していた。

今回のサルの脳の変化がどのようなメカニズムによって起きたのかなど、詳細の解明はまだこれからだが、ダイナミックに変化する脳を通して、ヒトが知性を獲得していった過程が、明らかになるかもしれない。

道具の使い方を学習したサルの脳に現れた変化
角回と縁上回.jpg
道具の使い方を学習した前後で、ニホンザルの大脳皮質の3カ所に構造の変化を示す信号が検出された。
これらの部位は、視覚や触覚などの感覚情報をまとめ、行動を制御する部位だ。

大脳皮質のほか、『小脳脚部』という脳の内部にある部位にも変化が現れた。
この部位は、小脳と大脳をつなく軸索が多く通る”連絡通路”のような場所だ。
大脳皮質などの神経細胞の本体が集まる場所(灰白質)ではなく、小脳脚部のように軸索が多く通る場所(白質)に、学習による変化が観察された例は初めてだった。

サルの脳の変化は、ヒトの脳の進化に対応?

変化が見られたサルの脳の部位と対応するヒトの脳の部位を示した(赤い部位)。
これらの部位は、道具の使用や、概念(物事に対する一般的なイメージ)、言語など、ヒトならではの高度な機能に関わっている。

この部位は、ヒトが進化の過程で特に発達させた部位の一部である。
今回、道具の使用によって、サルのこの部位が変化したということは、この部位の発達がヒトの知性の発達に深く関わっていた可能性を示している。

参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
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タナカマツヘイ
総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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