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センター現代文基礎編第0回「現代文という科目の誤解」
センター現代文基礎編第1回「現代文の三角関係を理解しよう」
センター現代文基礎編第2回「大きな視点で読めるようになろう」
今回は第3回目です。
タイトルは「 読むべき場所を限定しよう 」です。
始める前に前回までの手順をおさらいしておきましょう。
思い出せますか?
まずは手順?@
本文を傍線部の数だけパートに分ける
次に、手順?A
パートごとの要約とともに、本文の大きな流れをつかむ
前回までで本文の大きな流れを理解することができるようになりました。
今回からいよいよ、具体的に「問題を解く」ことに焦点を当てていきます。
問題を解くうえで最も大事なことは何かというと、
「本文を全部は読まない」 ことなんです。
意外に思われるかもしれませんが、センター試験において
本文を全部読むことははっきり言って最悪 です。
理由は2つ。
1つは単純に 読むのに時間がかかるからです。
ただでさえ時間との戦いになるセンター試験です。
同じ点数なら時間は短く済むほうがいいですよね?
もう1つは 答えと関係のない情報を頭に入れるのが危ないからです。
答えと関係のない情報を頭に入れると、その分 本当に必要な情報の理解は落ちます。
これってすごく危ないですよね?
だから、今日を機に本文を全部読むなんて愚かなやり方はやめましょう。
問題を解くのに必要な情報だけ頭に入れる。
これほど効率的な読み方はないんです。
この方法に慣れてしまえば、評論文と小説合わせて15分で満点が取れます。
もちろんすぐにできるものではないので、演習を重ねましょう。
実践編でたくさん解説するのでぜひ一緒にマスターしていきましょう。
ポイント8
傍線部を分析して、パートの中から読むべき場所を厳選する。
くれぐれも全文読むことはしない。
もう一つだけ注意点。
選択肢を見るタイミングについてです 。
選択肢の文章は読んではいけません。
先に本文の限定された場所を読んで、自分なりの答えを簡単にまとめてください。
20文字もあれば十分でしょう。
その答えが選択肢の文章のどこにあるのかを探してください。
見つかった選択肢が答えです。
よく、 消去法で解こう、あるいは選択肢を横に切って消していこう
などと教える先生、書いてある本があります。
はっきり言って、その人には今すぐ先生をやめてもらいたい 。
なぜだめなのか説明しましょう。
人間の頭というのは単純で、 たくさん意見を聞けばその意見に無意識のうちに同調 します。
以前アメリカで行われた実験で、ある政策に賛成でも反対でもない人を100人
集めて、演説会を開きました。その時に、賛成派の意見を45分、反対派の意見を15分
しゃべったそうです。そして、その後に賛成か反対かのアンケートを取ると、
なんとほとんどの人が賛成と回答したそうです。
このように、 単純接触効果 というのですが、
自然とたくさん見たものに好意を抱くというのが人間なんです。
これをセンター試験に当てはめてみましょう。
正解の選択肢が1つ、不正解の選択肢が4つあるわけです。
全部読むとどうなるか分かりますよね?
確実に間違った理解に流されてしまいます。
これはよくないですよね。
不正解の方が多い文章を読むことは絶対にやめましょう。
自分なりに答えをまとめて、その答えを選択肢から探す。
それが見つかったものを選ぶ。
それだけでいいんです。
ポイント9
選択肢は絶対読むな。
自分のまとめた答えと同じことが書いてあるのはどれか探す。
では具体的にどうやって読むべき場所を限定するのか説明しますね。
まず確認ですが、見るべきなのはどこでしたか?
そうです、 傍線部(あるいは傍線部を含む一文) でしたよね。
(反転させて確認してください)
いくつかよく使えるものを紹介します。
・傍線部の中に指示語がある場合
指示語というのは「この考えでは」「それによって」などです。
指示語があればどこを見るべきか?
当然ですが、 傍線部より前 です。
パートの中で 指示語の該当部分を探しましょう。
重要なのは 、 パートの中で ということと 探す ということです。
前回に言いましたが、各傍線部はそのパートの中だけで解決します。
3つ目のパートにある傍線部の指示語が2つ目のパートにあることなどありません。
よって、探す範囲は「パートの中」です。
次に、探すという頭の使い方がセンターでは極めて重要です。
「読む」のではないということです。
ミッケやウォーリーを探せをやる時の感覚です。
「読む」のは時間がかかります。
だから、必要な情報(今回だと指示語の先)を探すことが有効なんです。
とりあえず「読む」のではなく「探す」ことを意識して演習に取り組みましょう。
そのうちに「探す」ってどういう感覚なのかわかってくるはずです。
話がそれましたがもう一度まとめると、
傍線部内に指示語があったらパートの中から指示先を探せ
ということになります
・では指示語がなかったら?
指示語がないというのも一つの指示語 なんです。
既出の内容だから指示語があるわけです。
対偶をとります
指示語がなければまだ出てきていないということになりますね?
じゃあどこを見ればいいですか?
そうです、パートの中の、傍線部より後ろです。
パートの中であることを忘れないように。
ただし、一つだけ例外があります。
それは、 前の文の言いかえになっているときです。
前の文の言いかえになっているときは当然ですが指示語がありません。
しかし、当然内容的には前の文と同じわけなので後ろを見ても答えはありません。
言いかえになっているときは注意しましょう。
このように指示語を一つの手がかりにすることもできます。
・次に、傍線部の位置に注目してみましょう。
各段落の頭に指示語を含まない傍線部があるときは、その段落が読むべき範囲です。
ポイントは、指示語がない時ということです。
上でも書いた通り、指示語がある場合には前の内容を指しているわけです。
具体的に言うと、
例えばパート1で「近代の絵画の特徴」について書かれてあったとします。
そして、パート2の一番初めの行の「このような特徴のある近代美術ではあるが…」
に傍線が引かれているような場合です。
この時はパートの頭の傍線部だからといって後ろに目線を移すのではなく
指示語という形で前パートの整理が求められているわけなので、目線は前パートにやりましょう。
・最後に、論理の貫通に注目することも有効です。
論理の貫通という言葉は林修氏が授業でよく使う言葉なのですが、
簡単に言うとパートの最初と終わりで同じことを言っているだけというやつです。
パートの間には具体例がサンドされてあることが多いです。
それで、パートの初めか終わりどちらかに傍線部があります。
答えは当然傍線部がはじめならパートの終わり、逆なら逆にあります。
例えば、こんな感じです。
パート2を6〜10段落と区分。
6段落:重要なのは作曲家の気持ちを汲み取ることだという主張
7段落:バッハの具体例
8段落:モーツアルトの具体例
9段落:ベートーベンの具体例
10段落:作曲家の気持ちを考えることが重要だという主張
10段落に傍線部があると考えてください。
このとき読むべき場所はどこか?
7〜9段落はいずれも具体例なので読む必要はありません。
大事なのは6段落です。
だから、6段落だけ読むのです。
そして、6段落の内容を簡単にまとめます。
そのまとめた内容と同じことが書いてある選択肢を探しましょう。
必ず一つだけピンとくるものがあるはずです。
というように、具体的にどの場所を探せばよいのかは
様々なテクニックや種類があります。
このあたりは字面だけで習得できるものでもないので、
実践編の解説を見ながらその都度確認するようにしてください。
今回のまとめです。
・本文は全部は読まない。
・傍線部を分析して読むべき場所をパートの中から探す
・自分なりに答えをまとめて、それと同じ選択肢を選ぶ。
こんなところです。
選択肢2つで迷ってしまう人、時間が足りなくなる人。
このような生徒はたくさんいます。原因は明らかです。
問題を解くうえで不必要な部分まで読んでしまっているからです。
時間もかかるし、答えも選びにくくなってしまう。
くれぐれも今まで全部読んでいた人は
今日を機にその悪い癖を直す意識を持ちましょう。
次回は、不正解の選択肢パターンについて説明します。
センター試験の不正解の選択肢は実は数種類しかありません。
それらがどのような手順で作られているのか具体例を用いながら分かりやすく説明します。
それでは、よく復習してから次の記事へ進んでくださいね。
お疲れさまでした。
また次の記事でお会いしましょう。
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