Cubadebate、2024年3月19日、 Peoples Dispatch
3月17日、キューバ東部の都市、サンティアゴの人びとが街頭に出て、停電の増加と、食糧不足に抗議した。この抗議デモは、米国によるキューバへの経済封鎖によって引き起こされた欠乏がキューバ全土で悪化した時期に発生した。米国政府およびメディア企業は、経済封鎖を中止したり、あるいはテロ支援国家のリストからキューバを除外することはせずに、自然発生的な抗議デモをふたたび食い物にして、「反革命の新たなメディア攻撃」をしかけている、と米国に本部を持つキューバとの連帯活動家たちは語った。
「もしバイデンが本当にキューバ国民を支援したいのであれば、米国政府が本当にキューバ国民のことを心配しているのであれば、すぐに経済封鎖を終わらせることだろう」、と 「ピープルズ・フォーラム」のマノロ・デ・ロス・サントス事務局長 は言った。「実際、いとも簡単に、テロ支援国家のリストからキューバをすぐに除外できる。これが、キューバが全世界の金融サービスにアクセスし自由に商取引を行うことを阻害しているんだから」。
サンティアゴでの抗議デモが知らされてすぐに、 ハバナにある米国大使館 はXに投稿した。「抗議者たちの人権を尊重し、キューバ国民の正当な必要性に取り組むよう、キューバ政府に強く願う」。
実際、キューバ政府は、抗議デモにすぐに対応した。サンティアゴの最高当局者 ベアトリス・ジョンソン・ウルティア は、他の県当局者たちとともに、街頭に出て、抗議デモに参加していた人びとと対話し、彼らの不安に耳をかたむけた。
その対応は、 米国で見られた「抗議者たちの・・・人権の尊重」 とは、著しく対照的なものである。(米国では)この6か月ものあいだ、多くの人びとが全国の都市や集落に集結し、ガザでの停戦を要求したが、国や地方の指導者たちは、抗議者たちおよびその要求を鎮圧し、黙殺し、嘲笑したのだった。
米国の ブライアン・ニコルズ 国務次官補(西半球担当)はXにこう投稿した。「キューバ政府は、民主主義と法の支配を受け入れ、キューバ市民の権利を尊重しない限りは、自国民の必要性を満たすことはできないだろう」。
2023年3月にキューバをテロ支援国家として指名する成文化を企図した極右の下院議員 マリア・エルビラ・サラサル は、サンティアゴの抗議デモについてこう書いた。「社会主義の65年は、抑圧、刑務所、死、亡命であり、停電、病気、飢えである。キューバは自由を求めている!」。
マノロ・デ・ロス・サントス(ピープルズ・フォーラム)
米国によるキューバへの経済封鎖=ジェノサイド
ジェノサイドに関する国連条約には、「その全体または一部の物理的破壊をもたらすように計画された生活状況を意図的に与えるあらゆる行為 」が含まれている。
飢えと絶望を作り出すことは、1960年以来の米国の政策の文字通りの目的である。
マロリー覚書
(以下、マロリー覚書の訳)
主題:カストロの衰退と没落
キューバ現政権の存続に関する重要な考察は以下の通りである:
1. キューバ人の大多数がカストロを支持している(私が考える最も低い見積もりは50%)。
2. 有効な政治的反対勢力が存在しない。
3. フィデル・カストロとキューバ政府の他のメンバーは、共産主義の影響力を支持または容認している。
4. 共産主義者の影響は、驚くほどの速さで政府と政治に浸透している。
5. キューバの外からカストロに過激に反対することは、カストロと共産主義者の大義に役立つだけである。
6. 経済的不満と苦難に基づく幻滅と離反によって、内部の支持を疎外する唯一の予見可能な手段である。
以上のことが受け入れられるか、あるいはうまく対抗できないのであれば、キューバの経済生活を弱体化させるために、あらゆる可能な手段を速やかに講じるべきである。そのような政策を採用するのであれば、できるだけ巧妙で目立たないようにしながらも、キューバへの資金と物資の供給を拒否し、名目賃金と実質賃金を減少させ、飢餓と絶望と政府転覆をもたらすという最大の成果をあげる一連の行動方針を呼び起こす積極的な決断の結果でなければならない。
われわれの経済的な武器となる主要なアイテムは、砂糖法における柔軟な権限であろう。これは緊急に求める必要がある。他のあらゆる手段も同様に検討されるべきである。しかしその前に、我々の行動方針について決定する必要がある。このような提案を希望されますか?
(以上訳)
2024年3月18日
メディア戦争
一方、国際メディア企業も、すぐにサンティアゴの抗議デモを利用し、長年の独自の物語を推進した。たとえば、アルゼンチンに本部を持つ右翼の地域メディア 「インフォバエ」 は、抗議デモに関するレポートのなかで、ミゲル・ディアスカネル大統領を「独裁者」と言及し、キューバ政府を「カストロ主義独裁」と形容した。米国政府が資金調達している財団 「全米民主主義基金」(NED) の資金を受け取っている 「キューバ人権監視団 (OCDH)」 (本部マドリード)の声明を大部分引用している。この記事は主に、キューバの治安部隊がおこなっている抑圧的な行動という根拠のない非難に専念してはいるが、記事の最後に、キューバ人が厳しい物質的環境に直面している本当の理由に言及している行を残している。「パンデミック、米国による制裁の強化、経済および金融政策の内因的失策が、ここ3年間でキューバ機構の構造的諸問題を悪化させた」。
この一般的言い回しは、この地域のその他のメディアでも繰り返されており、たとえばNBCが親会社の テレムンド は、キューバ革命について、「カストロ兄弟が1959年に権力を奪取した」とき、と言及した。テレムンドの記事はこう言っている。「今回の抗議デモは、公共でのあらゆる抗議活動が権力にすぐに鎮圧されるキューバという国では稀なことであり、多くのキューバ人が街頭に出て「自由が欲しい!」と叫んだ2021年7月11日以来最大のものである」。
キューバとラテンアメリカは、米国の介入工作を拒否する
キューバ国内外の多くの人びとにとって、3月17日の抗議デモに対する米国の官憲たちや企業メディアの反応は、経済封鎖の強化によってキューバ人が直面している本当の物質的問題を、体制転換を促進するための武器に変えようとする明白な意図を示している。実際、多くの人びとが指摘しているとおり、これがまさに経済封鎖の目的の一つなのである。
ラテンアメリカおよびカリブ地域の経済・政治協力機構である 「ALBA-TCP」 は3月18日、米国官憲の声明に返答する声明を発表し、「キューバ政府および国民との断固とした連帯を表明した」。「ALBA-TCPの加盟国は...敵に対するキューバの正当な糾弾キャンペーンを支持し、 レスター・マロリーの覚書 以来外部介入を正当化するためにキューバに欠乏を引き起こしてきた米国政府による残虐で不法な経済商業金融封鎖の結果としてのあらゆる困難を乗り越えるための絶え間ないキューバの努力を評価する」。「米国のキューバに対する恒常的敵意、体制転覆の扇動、介入を断固拒否する」、と同機構は宣言した。
キューバ外務省 は3月18日に声明を発表し、カルロス・フェルナンデス・デ・コシオ副大臣が米国の臨時代理大使ベンジャミン・ジフを呼び出し、「米国政府と在キューバ米大使館による介入と中傷メッセージの断固拒否」を伝達した、と発表した。
キューバ外務省は声明のなかでこう述べている。 「もし米国政府がキューバ国民の福祉をわずかでも誠実に心配しているのであれば、恣意的なテロ支援国家リストからキューバを除外するだろうし、キューバが輸入を必要としている燃料供給への迫害をやめるだろうし、世界でのキューバのあらゆる金融手続きへの迫害をやめるだろうし、世界でのキューバの医療協力プログラムへの野蛮な迫害をやめるだろうし、キューバ国民と交流する関心や権利を持っている企業家、訪問者、芸術家などあらゆる人びとへの脅迫をやめることだろう」。
Lo que los medios estadounidenses no te dicen sobre las protestas en Cuba
http://www.cubadebate.cu/especiales/2024/03/19/peoples-dispatch-lo-que-los-medios-estadounidenses-no-te-dicen-sobre-las-protestas-en-cuba/