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2016年07月11日
北アルプス:雨の笠ヶ岳(2016年7月)
深山荘の無料PAに車を止め、徒歩にて新穂高センターに移動します。朝6時でしたがかなりの雨が降り出し、しばし雨宿りです。登頂を1日伸ばそうかと思いましたが、待っても天気が回復する予報ではなかったので、覚悟を決めて歩き出しました。今回のザック重量は、1泊+α分の食料とテント、必要備品含め15kgでした。
林道を歩き出しますが、川の水位は上がり濁流となってきました。やはりクリヤ谷ルートは渡渉できそうにないので、笠新道ルートを選んで正解でした。林道を1時間ほど歩き笠新道登山口につきました。この間に単独の女性と会いました。この方は、山荘に泊まるとのことで軽装でしたが相当に健脚な方でした。この方に先行してもらい後を追いかけます。
新穂高温泉の標高が1090mなので、1000mほど登ってきました。槍穂高が一望できるとありますが、予想通り展望はゼロでした。まあこう言う山歩きもありかな?と納得しながら笠新道の急登を辛抱強く登っていきます。
笠新道は、急登の連続で、途中何箇所かの岩場を通過し標高2450mの杓子平にやっと到着しました。ここまでで下山の登山者2名とすれ違いました。1名はテント泊の若い男性で、「稜線に出てからの暴風雨が凄いですよ。テントは飛ばされそうになります。」とかなり疲労した様子でした。もう一人は女性で、小屋泊らしく元気に下山してました。
杓子平から抜戸岳へはカール状の台地になっていてお花畑が出てきます。視界不良の状態ですが花々を観察するには問題ないですね。写真右は、ハクサンイチゲだと思われます。花が雨に濡れて独特な美しさがあります。
雨足が強まる中、抜戸岳への岩場を登り続けます。笠新道分岐の標高が2720mでここで稜線に到着しますが、天候が激変します。雨粒が大きくなり突風とともに体に吹き付けます。気温もガクンと下がり手袋を装着します。
稜線上に抜戸岩と呼ばれる関所のような場所がありますが、ここの時点で全身ずぶ濡れで、メガネも使い物にならずガクッとペースが落ちました。コンパクトカメラは防水タイプなのでなんとか撮れますが、かなり厳しい環境状態だと思いました。
暴風雨の稜線を1時間ほど歩いて広いガレ場に着きます。何やら岩に字が書いてあります。確かに「ガンバ!」の状態ですね。「山荘スグソコ!」とも。素直にマーキングに沿って歩きますが、なかなか着きません。
さらに前方に雪渓が現れ渡ります。所々に大きな岩があるのですが、それらが山荘に見えてきます。幻覚ですかね〜? そしてやっと急なガレ場の先に本物の山荘のシルエットが見えました。
山荘は人の気配がなくひっそりとしています。ただ中に入ると管理人さんが親切に対応してくれました。テントの受付を済ませ、明日の天候などの情報を得ました。明日も雨らしいので、このまま山頂まで続けてアタックすることにしました。そして朝出会った女性のことを確認すると少し前に無事にチェックインされたそうです。それにしてもあの暴風雨の中よくぞ登ってきましたね。ツワモノですね。
ザックを小屋にデポして山頂に向かいます。ガレ場の急登が続きますが空荷なので小走りで登ります。視界不良ながら頂上らしき突起を発見しました。やったぜーー 笠ヶ岳山頂です! 視界ゼロですが達成感は100%です。
さてさてテント設営です。稜線上のテントサイトなので風は避けようがありません。しかしサイトには岩を積んで風よけしてある場所があるので、そこに設営します。フライシートは風にあおられる可能性が上がるので使いませんでした。また夜中に外に出て張り綱を調整しなおすのが嫌だったので、大きな岩にしっかりと張り綱を固定します。これでなんとか暴風雨から一晩守ってもらえるかな?ちなみにテントは1張りのみです。
やはり狭いながらもテントの中は快適です。びしょ濡れの衣類を全部着替えてビールとワインで乾杯します。写真右は眠気に襲われ意識朦朧としていますが、テント内が結露し、その水滴が暴風にあおられてテント生地を叩くため、水気がシャワーのように顔を叩きます。どうも熟睡できる状態ではないと諦め、静かに横になって朝を待つことになります。問題は、テントのポール強度がもつかどうかです。突風が来るたびにギュニャグニャに変形して支えているので「大丈夫かな?」と。
おー 良かった! 翌朝まで持ちこたえてくれました。雨が小降りになる隙に撤収準備です。しかし、テントに関する要件や評価も色々とありますが、なんといっても一番大切なことは、今回のような悪条件下でも潰れない信頼性をを持っていることですね。細かな居住性の差はなんとかなりますので。写真右は、単なるカインズホームのゴム手袋です。実は、この下にファイントラックのメッシュ手袋を重ねて使っています。昨日は、稜線に出てから気温が下がり、後半寒さで手がしびれてきました。今日は対策仕様でいきます。結果は完璧です。いくら濡れても冷たくなりません。
さて下山しよう。ここまでくれば風もなくなり気分もだいぶ楽になります。
っと思った直後、笠新道の長いガレ場の下りで、不用意に斜めの部分に足を置いてしまいスリップダウンを喫してしまいました。写真左の斜めの岩です。なんでこんなところに足を置くの?と自問自答しますが、集中力が散漫になっていたのでしょうね。「くっそー」と思いながらも丁寧に降りていくことにしました。ザックの重量が、雨に濡れたテントや衣類のおかげで増えています。ひとたびスリップするとザックの重量に体をもっていかれて姿勢コントロールができずに非常に危険です。
林道の終点付近で「ヘビ」が出迎えてくれました。新穂高センター付近は雨も止んでいて快適です。いやはや、かなりの珍道中になってしまいました。
>>>使用したテントにご興味のある方はこちら。石井スポーツのG-LightX 一人用です。
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